2018年2月アーカイブ
2018年2月18日 18:31 ( )グルテンフリ−穀物 食品と飲料、グルテンの検知−3
市販のELISAキット
ふつう利用できるアッセイはCodex レギュレーションにとり重要な必須条件であるが、僅か2−3の進んだELISAテストのみが市販試験キットにされた。サンドイッチELISAはPAbを用いたものがRiedel-de
Haen AG (Seelze,独;article no.45213)から出された。抗血清はいろいろな小麦品種からの天然のグリアジンと同一品種のグリアジンの加熱変性したものの混合物をウサギに免疫してつくられた。ミクロタイター板(ポリスチロール)はPAbでコートされている。検知抗体はhorseradish peroxidaseでラベルされており、基質溶液にはtetramethylbenzidine/peroxideを含んでいる。グリアジンスタンダードは、13独小麦品種のミックスを70%エタノール抽出された物を用いた。マトリックス効果を押さえるために、サンプル抽出物は分析前に1:5000に薄める。検知限界は、100mgグルテン/kg食品で、結果的にはグルテンフリー食品の制御にはあまりに高すぎる。サンプルは1時間で調製し、2.5時間内に実験を行なう。
サンドイッチELISAはSkeritt and Hill(1990)によって進歩し、いくつかの会社で商品化され、たとえばCortecs(UK),
Transia (France ), R-Biopharm (独)である。ω--グリアジンに対し2種のMAbをウェル壁に付着し、他の抗体はHorse radish peroxidase を結合し、基質percarbamide が検知に用いられる。発光体は2, 2'-azinobis
(3-ethylbenzothiazole-6-sulfonic acid)(cortecs)あるいはtetramethyl
benzidine (Transai, R-Biopharm)である。グリアジンスタンダードは小麦粉品種Timgalen)の40%エタノール抽出によってつくった。サンプルは40%エタノールで抽出され、1:100に希釈することで進められた。検知限界は約10ngグリアジン/mLであり、感度は会社から20-100mg/kgと示された。アッセイはリングテストでうまく行き, Association of Official Analytical Chemists (AOAC)で確認された。サンプルの数の分析(ソバ,米粉、コーン、小麦デンプン)は、グリアジンを入れこんだものであるが、しかしながら、同じω-グリアジンに対するMAbをベースにした異なった市販のELISAキットとはその結果に大きな違いがあった。そこで著者は結論にしたのは、キットでは信頼を持って未知サンプル中のグリアジン含量を決めることは不可能であると。
グルテンフリー食事のコンプライアンス改良するために、家庭用に簡単なプロトタイプの基本形の試験キットを作った。食品からは希釈塩酸で抽出し、その抽出液の1ドロップを抗体でコートしたチューブに入れ、酵素--ラベルした抗体を加え、3分後、チューブは洗われ発色剤を加える。反応は2分後、硫酸を添加で止まる。家庭用キットは、定量的な実験室用キットと比較すると、定性的一致は非常にある。キットは食品を区別し、グルテンのわずか入った食品(グルテンフリー食品として認められる)と、もう少し多く入ったもの、しかしグルテン含量は受け入れられないもの、とを区別出来た。
ω-グリアジンに対するMAbの重大な欠点は、このタンパク質タイプの比率は小麦、ライ麦、大麦の貯蔵タンパク質によると比較的低く、強い品種に偏ることである。例えばグリアジンの16小麦品種野タイプの重量値は全グリアジンの6.2-20.0%の範囲を示し、そこでその方法はかなりのシステム的エラーのもとになる。これはいろいろな小麦品種(ふつうのもの、durum小麦、spelt, emmer, einkorn)からのグリアジン区分に基づく研究によってはっきりした。計算カーブはグリアジン区分の同一のタンパク質レベルにもとづいたもので、キットレフェランスグリアジンは大きくちがっており、そのため区分のグリアジン含量は一部、強く下回ったり、あるいは上回ったりする。
サンドイッチELISSAでR5MAbにもとずくものがR-Biopherm
(独),Ingenasa(Spain)から出された。R-Biopharmは4つの異となったKitをだし, 小麦、ライ麦、大麦からのプロラミンの検出をした。
全てのシステムは、レフェレンスグリアジンに適合(応)され、それはvan Eckert et al 2006にのべられ、2つの抽出方法が提案された(1 gサンプル/10mL);(i)60%エタノールで正常に抽出、(ii)とくに加熱変性サンプルに対していわゆるカクテル(上を見よ)で抽出された。Ridascreen
R
Test Gjiadin (R7001)は3
X 300分インキュべーション時間をすすめ、6個のレフェレンス濃度、5ng/mLでスタートするものを供給した。検出限界は、両方のキットで5-10mgグルテン/mLとわかった。3番目のテスト、RideR Quick Gliadin (R7003)は側方流動技術をベースにし、stickをふくむキットによるもので、そこにMAbが固定されている。そのstickは希釈サンプル抽出中に入れられ、もしサンプルに適当なプロラミンが入っていれば5分後、赤いラインが見える。アッセイは約10mgグリアジン/kgの感度である。このアッセイはとくに適しているのは綿棒法で、プロラミンのコンタミ用の機械あるいはテーブルのような環境用のもののチェクに対して適している。Stickキット(stickグルテン)はOperon,
S.A.(Guarte de Huerva, Zaragoza, spain)でも売っている。最近、4番目のテストがR.Biopherm, Ridascreen RGliadin Competitive (R7011)から紹介された。このアッセイはプロラミンからくる小ペプチドの検知ができ、とくにプロラミンの部分加水分解されたものですすんだ、例えばそれは大麦抽出物、ビール(前述見よ)のような物である。Ingenasaは200のELISA システムを商品化し、それはR-Biopherm R7001とR7002に相当するものであり、Ingezim Gluten, Ingezim SEMIQである。
2つのキット(Ridascreen GliadinとIngerasa Ingezim Glute,)はリングテストに入る。20の研究所は12のコードしたサンプル(グリアジンを添加したあるいはグリアジンのコンタミ)のグリアジン含量の評価の為のコードしたフォームで参加し、各抽出物3段階に希釈したものを用いて2回の実験を行なった。両キットで得られたデータの統計処理は11-25%の繰り返し性があり、23-47%の再現性だった。はっきりとグリアジンのなしと含まれたサンプルの間の区別ができた。両キットはグリアジンコンタミの測定が有効であり、そして3.0mg gluten/kgの感度で保証した。2005年 R5ELISAはThe Codex Comitte of Method of
Analysis and Sampling (CCMAS)によってタイプI法として指示され,そして最近のDraft Revised Codex Standard CL 2006/5-NFSDU(2006)によって推薦された。
電子科学センサー(Electrochemical sensors)
最近、Institut fur Mikrotechnik Mainz (IMM), これはEU プロジェクトCD-CHEFによって設定されたのだが、食品のグルテン含量(www.Imm-mainz,de)の測定にチップシステムを発表した。検知のためにELISAのいろいろなフォーマットと酵素リンクさせたオリゴヌークレオチッドアッセイ(ELONA)が生まれ,それでグルテンタンパク質の認知が可能だった。全てのセンサーは平常のものでレセプター分子(抗体あるいはペプチド)は基質表面に固定する。抗原の結合後、酵素反応が引き金であり、その結果蛍光あるいは電子化学信号が出る。オペレシエル検知のためにチップがデザインされ、そこでは多くのbeam-guiding成分がまとめられる。2つのエレクトロード(電極)(ワーキング電極として金板、レフェレンス,カウンター電極としてAg/AgCl層)が、チップ中に電流測定用センサーとしてある。さらに研究がこれらのチップシステムの有用性のために改良されねばならない。
ポリメラーゼ鎖反応(Polymerase chain reaction)
ポリメラーゼ鎖反応(PCR)は、特異的DNAの決定に基づいている。タンパク質分析とくらべ、DNA分析は大きさの点で数オーダーさらに感受的である。あるDNA配列の2-3分子は106-108のファクターで短時間のうちに増強できる。PCRは加熱したものにまた応用されたがそれはDNAはタンパク質よりかなり加熱安定であるためだ。最初のPCRのステップはDNA抽出と加熱である。それは変性と単一の系に分離をすることが出来る。つづいて、プライマー(ターゲットDNAのあるポーションに対する相応する基本配列をもつオリゴデオキシヌークレオチド)は加えられ、1本の糸の相応するセグメントとハイブリダイズする。4個のデオキシヌークレオチド5'--トリフォスフェートとサーモステーブルDNAポリメラーゼを添加して新しいコンプリメンタリーストランド(糸)が合成される。DNAは20-30回のステップの繰り返しで増幅され、電気泳動的に分析される(定量PCR)。定量PCRにとってまた"real -time PCR"と呼ばれるが、オリゴデオキシヌークレオチドで蛍光あるいは酵素マーカーでラベルされたものは用いられて、そして定量は蛍光あるいは色の強さで測定される。計算はスタンダードDNAフラグメントで行なわれた。両定性、定量PCRは自動的にDNA-Thermal Cycleの測定によって行なわれた。
Switzerland、ベルンのLuthylのグループは,初めてグルテン分析に対してPCRを用いた。Allmann et al (1993)は高度に保護された真核生物DNA配列に対する特異的なプライマーを用いたが、それはPCR増幅に供して可能であるものである。分離して核酸基質を与える物である。このアッセイは35異なった食品サンプルをテストし、大麦添加から加熱加工食品のサンプルまでがある。小麦デンプンは非常に低いグリアジン含量であるが、強くポジテブに反応し、さらに純粋なグリアジンあるいはグルテンで添加物としたものは検知されなかった。PCRとELISA(Ridascreen RGluten Kit)は、小麦を入れたオートサンプルの分析によって比較された。その結果は次の事を示し、小麦PCRシステムはELISAシステムより10倍感度が高く、分離されたDNAは増幅される事が示された。
定量的コンペテテブ(QC-)PCRシステムは、Dahinden
et al (2001)によって展開され、小麦、ライ麦、大麦のコンタミの検知に用いられた。このシステムは同時に小麦、ライ麦、大麦DNAを認知し、それはクロロプラストtrnLジーンの非コーデング域のベースに基づく物である。内部DNAストランドは20bp添加で元のPCR生産物につくられる。QC-PCRシステムは15商業上利用出来るグルテンフリーとラベルされた食品に応用され、ELISA(RidascreenRGluten Kit)と比較した。両方法とも殆どの場合同一の結果を示した。そしてグルテンフリー食品のテストに互いにサポート出来る事が提案された。
リアルタイムPCR利用メルテイグカーブ分析による食品の同定はSandberg et al(2003)によってつくられ、とくに小麦、ライ麦、大麦、食品サンプル中オートコンタミ区別用に作られた。PCR法はELISAと良い相関性があった(Transia Plate Gluten )。ゲル電気泳動を用いた融解曲線分析の有用性は、分析が同じ閉鎖したキャピラリーを増強の為に用いており、このためサンプル間のコンタミの危険性は除去された。Henterich et al (2003)は、グリアジン検知用one-stepリアルタイム免疫--PCRを導入した。この技術では,R5MAbはオリゴヌクレオチドと結合する;グリアジン分析の感度はELISAで達するレベルより30倍以上増加する。
Mujico et al (2004, 2005)は、小麦、ライ麦、大麦DNAの測定のた3つの異なるリアルータイムPCRシステムを進歩させた。3システムの結合で、穀物のタイプの区別のみならず、小麦、ライ麦、大麦のオートサンプルへのコンタミの比率も決めた。この研究で示されたデータは殆どのオートサンプルはコンタミであり、主には大麦であった。PCRとR5ELISAの比較で、トウモロコシ粉、未加熱製品サンプルの分析比較は良い相関性があった(Mujiro and Mendez, 2006)。サマリーとして、実質PURシステムの進歩は,免疫法(例えばELISAとWestern blot)に対しグルテン分析捕捉的なものとして感度の高い方法である事がわかった。ビール、シロップ、モルト抽出のような加水分解された食品からのDNAはしかしながらPCRシステムでは、検知できない。
マススペクトロメトリー
最近matrix-assisted laser desorption/ionization time-of-flight mass
spectrometry (MALDI-TOF MS)がタンパク質の分子マス決定に重要な方法となって来た。この技術は1000から100000までのマスの同時測定ができ、そこではクロマト的なピュアリフィケーションはできないが数分で低ピコモルの範囲で出来る。その完全のタンパク質であるのみならず,加水分解されたタンパク質でも分析できる。MALDI-TOF MSは3パーツに分かれている;マトリックスへの分析物の結合、レーザーによる分析物のイオン化と脱着、マススペクトロメ−ターによる分析物の分離と検知である。マトリックス(例えばSINAPINIC ACID)は適当な揮発性ソルベントにとかし、分解物と混ぜ、金属板にスポットし、真空で乾燥する。
レーザー光(殆どパルスを流す窒素レーザーで波長337nm)は,そのスポットで燃やし、それから、分析物はイオン化し揮発相になる。多くのレーザースポットは、signal-to-noise比(信号対雑音比)を改良するのに用いられる。マススペクトロメーターのタイプは殆どMALDIと組み合わせて用いられたのが、TOFマススペクトロメーターである。イオンはレーザーで離され、短い高ボルテージのインパルスで強調され、さらにそのmass(m)のチャージ(z)に対する比率(m/z)でわけ、イオン化した分解物を空にしたフィールドフリーのドリフトチューブ中を横断させる時間の測定(microsoconds)を行なう。重いイオンはより高い物よりもゆっくりとなる。分離したイオンはチューブの端に達し適当なレコーダーによって検知され、シグナルは各イオングループにインパクトする。デジタル化したデータは次々のレーザーショットから生まれ合計してTOFマススペクトラムを生じる。
マドリードのMendezのグループは、初めてMALDI-TOFMSを用いてセリアック毒プロラミンの同定に用いた。この技術の高度の回析と感度はグリアジン、セカリン、ホールデング、アベニンのプロトン化した分子マスで用いられ,解決のための典型的なマスパターンを示した。著者らは,MALDI-TOFMSが食品中のグルテンの同定に有用な新たな技術である事を提案した。サンプル調製は全く簡単であるとわかった。実験はただプロラミンを含むアルコール抽出物をdetergent(octyl-β-D-glucopyranoside)と適当なマトリックス(sinapinic acid in acetonitrile (30%)/trifluoroacetic acid (0.1%))と混合するだけである。この混合物の一部はステンレススチールの探りチップ(probe tip)先端にのせ、乾燥し、そしてMALDI-TOFマススペクトロメーターで測定する。装置は外部から牛血清アルブミン、馬心臓サイトクロームCの混合物で外部較正された。検出限界は、グリアジンでは0.01mg/mL抽出であった。プロラミン抽出物の還元剤利用はMALDI-TOF MSによる分析のハンデキャップにはならない。30種の食品(小麦パン、小麦デンプン、グルテンフリー食品)は、MALDI-TOF MSと研究室調製したサンドイッチELISA(Camafeita et
al 1997b)とで同時に分析された。MS結果は、4-100mg
グリアジン/kgのの範囲で直線関係あり、そしてELISA のそれと良い相関性がある。セリアック病、毒プロラミンの比較では、グリアジン、セカリン、ホールデン、アベニンが特徴的なマスプロフィールを示し、穀物種の差別ができた(Camafeita et al 1998)。小麦、らい麦、オートムギの異なった品種がほぼ同定され、一方大麦ホールデンは異なった品種で各マスプロフィールが生じた。最近、MALDI-TOF MSはビール中のグルテンによるペプチドを特徴づけることに利用された、それはサンドイッチELISAでは検知できなかった。最も相対的な違いはビール中のペプチドのMS プロフィールは低マス域(<5000)であった。異なった国でつくられたビールはそれぞれ大きくペプチドのプロフィールが異なるので、このことは各工場での実施はセリアック病毒ペプチドの存在と定量測定に重要な役割りを演じるだろう。著者らはHPLC--MSをつなぐことによってアミノ酸配列の細かな分析をだし、それがセリアック病患者にとって必要な、性質、原因、可能な有毒性を明らかにする必要手段であると提案する。
全体的にMALDI-TOF MSは食品中のグルテンの決定、定量測定の非--免疫的アプローチに高度に価値のあるものであるということだ。その限界はこの実験道具であり、そのため2−3の特別の研究室では分析を行なう事が出来る。この研究所のサービスは免疫法の信頼性をはっきりさせるのに特別に使うべきであり、選択的疑問サンプルの分析に使うべきである。
カラムクロマトグラフィー
カラムクロマトグラフィーはずっと穀物タンパク質の特徴づけ、分離、定量に使われてきた。特別にはゲル濾過(GP)クロマトグラフィーは分子量のちがいでわけ、逆相(RP)クロマトグラフィーでは異なった疎水性によって分けるが、これらは広く用いられている。HPLCの用いたベースは、分析の時間をかなり短くしたことである(時には30分以下)。タンパク質の検知、定量はカラムから出てくる物を、UV吸収で行いその範囲は200-220nmである。この波長では吸収ユニットは高度にタンパク質と相関性ある(Wieser et al 1998)。検知限界は約1-2μgタンパク質である。欠点は、検知技術はグルテンと非グルテンタンパク質の間の違いを見つけられぬことで、そこで複合食品の分析には使えない。にも関わらず、カラムクロマトグラフィーは利用価値がある。たとえば成分の決定、レファレンスタンパク質の定量あるいは他の方法の結果の判断に価値がある。
しかしながら、特別な場合にはカラムクロマトグラフィーはグルテン測定に用いる事が出来る。GP-HPLCのSephadex 200HRへの利用は、一連の小麦デンプン中のグリアジンと全グルテン両方の定量に用いられ、次のステップの方法によった; 60%エタノール(グリアジン)10mLで1gの抽出、あるいは50% 2-propanol +還元剤(全グルテン)での抽出、遠心分離、真空遠心で4mLの上清の乾燥、500mL溶出用ソルベント中に溶かす、100-200μLをカラムにうちこみ、UV吸収は210 あるいは205nmの吸収測定。23デンプンサンプルの分析はグリアジン含量が15-574μg/kgであった。平均変異係数(average coefficient of variation)は2サンプルでは±2.6%であった。グリアジンのグルテニンに対する比率は大きな相違が見られ(0.2-4.9),それは計算したグリアジンx 2=グルテンでDraft Revised Codex Studentによる計算とは合わない。さらに小麦デンプンに加えて,他の生の材料でグルテンフリー食品の生産に用いられるものがテストされた。グルテン測定は本質的にはアップルファイバー、ソバひきわり、スパイスミックス,クルミ、きび、米粉で可能であった。脱脂ミルク、大麦粉では、しかし、GP-HPLC法の正確な測定を邪魔する成分が入っていた。結論的にはカラムクロマトグラフィーは特別な場合にはグルテン分析の別報として使え、他の方法のコントロールになる。
結論と今後
小麦グルテンがセリアック病を悪化させるということが認知されてから、比較的ゆっくりプロセスでセリアック病--毒タンパク質の定量的測定に対する方法が進歩して来た。約30年がはじめのCodex Standard for Gluten Free
Foods1981年の出来るまでにかかり、そこでは窒素測定の方法により小麦デンプンの分析のみという制限があった。このスタンダードの改訂は進行中で、the Draft Revised Codex Standard はCodex
procedure のステップ6の段階である。一般的に大きな問題は、分析物(グルテンタンパク質)がタンパク質成分及び毒性の点で不完全な定義であることと、腹立たしい要因はグルテンタンパク質が食品加工中、しばしば変性するかあるいは酵素分解する点である。さらに適当なリフェレンスタンパク質の選択が、正確な結果を得るのに重要である点である。多くの分析法が免疫化学、PCR, MS,HPLCを基礎としてこの25年間発展してきたが、しかし僅か2−3のものが最小の要求性、感度、選択性,正確性、スピード利用性の点で合致したのみである。そこでDraft Revised Codex Standardは1つの方法の一般的アウトラインのみだし、免疫化学的なアプローチを薦めている。
ELISAは最もしばしば用いられる免疫測定法であり、異なった試験システムがマーケットに出て、一部リングテストもうまくいっている。サンドイッチELISA はSkeritt&Hill(1990)によってすすめられ、そこには加熱安定ω--gliadinに対しMAbが含まれていて、長年用いられてきた。この方法はしかしながら小麦、ライ麦、大麦種、各種のω--タイプタンパク質の異なった性質のため、システム的なエラーを生じる。さらに最近、サンドイッチELISAはMAbR5を使い、小麦、ライ麦,大麦プロラミンのセリアック病毒エピトープを認知した。検知リミットは3mgグルテン/kgであり、このテストはオートムギ、非毒性穀物とはクロス反応しない。加熱処理あるいはマトリックス効果から生じる問題は、このアッセイでは解決された。加水分解されたものに対して、修正した競合的 ELISAが提案された。試験キットはPWGグリアジンをレフェレンスタンパク質として含み、最近一括使用のために生産された。2005年に,R5 ELISAはth
Codex Committee of Methods of Analysis and Sampling (CCMAS)よりタイプI法として推奨された。
最近のRevised Draft Codex Standard and Proposed methodは、完全ではないけれどもそれはCodex Std 118-1981に比べて重要な進歩を示している。近々ではELISAはグルテン分析に対しての最初の選択をとるが、しかし変法がELISAの結果をコントロールするのに必要となるだろう。2点重要な問題が残っている。はじめのものはオート麦のセリアック病毒性の最終的な決定のことである。ここで問題は抗--アベニン抗体及びレフェレンスアベニンが試験システムに含まれるかどうかの問題である。2番目のことは、グルテン=2Xプロラミンの計算式が根拠がなく、グルテリンに対しプロラミンの比率は強く穀物品種、種類にかかっており、穀物の違いによる加工品中で異なるためである。最近の研究は、小麦グルテニンがプロラミン同様セリアック病を悪化させる事を示し、相応するライ麦、大麦からのタンパク質でも有毒であった。しかしながら最近はグルテニンに対する一致した抗体もレフェレンスタンパク質もない。そこでさらに仕事はプロラミンとグルテリン両方の決定方法を進歩させ、小麦、ライ麦、大麦、可能性あるオートムギ貯蔵タンパク質の全タイプを含むレフェレンス材料の生産を進めている。
グルテンフリ−穀物 食品と飲料、グルテンの検知−2
タンパク質抽出
グルテン分析の第1ステップは、グルテンタンパク質の生物質あるいは食品からの抽出である。天然のグルテンタンパク質は水あるいは塩溶液には溶けない。1番目の区分(プロラミン)は、水/アルコールに溶け、一方2番目の区分(グルテリン)は不溶性残渣にとどまる。残グルテンタンパク質はSS結合を還元すれば(例えばジチオスレイトールにより)水アルコールに溶け;尿素あるいはsodium
dodecyl sulfate (SDS)で会合をはずすと可溶化が進む。
以前のDraft Revised Codex Standard (CX/NFSDU 00/4,2000)は詳細な抽出方法を記述してあり、そこでは最近の草案(CL 2006/5-AFSDU,2006), 唯一のR5ELISA法について(以下見よ)述べる。ドキュメントCX-NFSDU(2000) によると、食品あるいは成分中のグルテンの測定はプロラミンの測定に基づくべきで、それは40-70%エタノールで抽出されたグルテンからの区分と定義する。エタノール濃度は60%が全プロラミンを抽出するのには推薦され、それはこれまでの研究で小麦粉からの最高のグリアジンの抽出がこの濃度で進められたからである。固形食品あるいは固形成分に関しては、10%以上脂質含量の混在の食品では以下の用に脂質除去の必要がある;5gを50mLのヘキサンとブレンドしてホモゲナイズし、1500 x gで30分間遠心分離する。上清はすて、抽出ステップはサンプルから脂質がなくなるまでくりかえす。脂質含量が10%以下の食品では脂質除去は必要ない。抽出処理の前に、脱脂した5gあるいは非脂質食品は60℃で乾燥し製粉する。乾燥サンプルの一部をその10倍量の60%エタノールと2分間ホモゲナイズし、15分後に10分間1500xgで遠心分離にかける。上清液を除去し保存する。もし必要なら4℃で保存する。沈殿はできたらこれを遠心分離して除去する。
溶液食品及び成分の場合には、一部をエタノールで希釈し、その際最終混合物中60%エタノール濃度になるようにする。混合物はホモゲナイズし、さらに固形食品抽出時のように扱う。サンプルの異なった成分により引き起こされるマトリックス効果は、抽出収量に影響を与え、このためグルテン含量測量結果に影響する。たとえば茶、ホップ、ココア製品のようなポリフェノールに結合するとプロラミンの回収は低下する。カゼイン、尿素(CX-NFSDU 00/4,2000),あるいはゼラチン添加を抽出物にするとプロラミン含量の測定値の低下を抑えるのですすめられる方法だ。高度に粘度の高いサンプル、たとえばデンプン由来のシロップのようなものはマトリックス効果をさけるために適当なソルベントでうすめるべきである。
グルテン分析でもう1つの大きな問題は、加熱処理した食品からプロラミンの抽出が不完全である事だ。その時水アルコールを用いた時である。加熱グルテン、小麦パンにグリアジン標準の含まれているものの抽出は、各々、α/β-及びγ--グリアジンの抽出が強く低下することが示された一方、ω--グリアジンは僅かに影響受けた。Cysをふくむα/β-,γ-グリアギンは、アルコール不溶性のグルテニンにdisulfide/sulfhydryl交換鎖反応によって結合する事になると考えられていた。SS結合の還元後、しかしながら全グリアジンは完全にアルコール抽出物中に回収された。ω--グリアジンの加熱安定性はSkerittとHill(1990)によって用いられω--グリアジンに対し、モノクローナル抗体の免疫反応をすすめた。グルテン含有生材料、加熱食品の結果は40%エタノールは最も抽出がよく、食品(生、料理済み、あるいは加熱工程したもの)の全てのタイプのものの中のグルテンの定量測定で最も都合よかった。もう1つの暗示は、加熱食品からグルテン抽出の際、制限付き加水分解、別にペプシン処理し、生グルテン、100℃加熱処理グルテン両方で約90%タンパク質抽出を塩緩衝液中で行なった。α/β-、γ-グリアジンの反復エピトープに対する抗体が部分加水分解したプロラミンの定量に使用された。
還元剤(2−メルカプトエタノール)の脱凝集剤(グアニジン)とのくみ合わせ、いわゆる"cocktail"はプロラミン(グルテリンサブユニット)の完全な抽出を未加熱、加熱食品両方から可能にした。
未加熱処理、加熱処理サンプルの両方の抽出に50℃ 40 分のインキュベーションが推薦された。抽出は、MALD1-TOF MS とWestern blot besides ELISAと互換性あった。カクテルはまた、製品のタイプにより60%エタノールより僅かに同じか多少高い回収となり;未加熱処理食品では1.1倍、小麦デンプンでは1.4倍、加熱処理食品では3.0倍である。異なった食品(例えばセレアル、大豆食品、ベビー食品、シロップ、チョコレート、ビール)での比較研究では、60%エタノール抽出プロラミン、あるいはカクテルのプロラミンデーターがづっと大きく多様化するかもしてないが、その説明はない。
レフェレンスタンパク質
抽出物中のプロラミン(グルテン)含量測定のため、プロラミン(グルテン)のレフェレンスタンパク質による計算カーブを設定することが不可欠である。さらにレフェレンスは、アッセイ用のバリエーションを最小にするために用いられるべきであり、異なった研究室、あるいは異なった技術で得られた結果間の比較を可能にするためである。重要なレフェレンス材料の基準点は高タンパク質含量であること、抽出溶媒への溶解性、均一性、安定性、セリアック病毒タンパク質に当量であること、さらに測定技術に対し良好な反応性のある事である。プロラミンの多くは、ほぼグリアジンのレフェレンスで、異なった研究所あるいは会社でつくられ、彼らのテストシステムあるいはキットに用いられた。レフェレンスは異なった穀物の元から分離され、化学的にタンパク質含量あるいはタンパク質の定量を決めた。これまでの研究で、測定したグルテン含量はELISA法できめたが、明らかに計算に用いたその元のレフェレンスのタイプ、テストキットによってバラバラである。そこでDraft Revised Codex Standard CX-N FSDU 00/4 (2000)は、ある"gold standard"が厳しい標準条件下で、ある研究室が調製すべきであるとすすめた。プロラミン分析と毒性(PWG)に関するEuropean Working Groupは、レフェレンスグリアジンの調製を組織がかりで行い一括使用した。28種小麦栽培品種、3種の代表的ヨーロッパ小麦--生産国、フランス、UKドイツの代表的なものが初期のものとして選ばれた。穀類は混合、製粉、出来た製粉は脱脂し、真空乾燥された。アルブミン、グロブリンは0.4mol/L NaCl溶液で抽出除去され、グリアジンは60 %エタノールで抽出された。グリアジン抽出物は濃縮され、遠心分離で脱塩され、凍結乾燥、均一にホモゲナイズされた。材料はいろいろな方法で異なった研究室で分析された。できたものは、高度にホモゲナイズされ、完全に60%エタノール中に可溶化した。粗タンパク質含量(N x 5.7, Dumas)は89.4%。RP-HPLCは粉の同一のタンパク質パターン(ω--、α/β-,γ-グリアジン)を示し、さらにレファレンスのグリアジンとも同一のものを示し、そのことは主たるグリアジン成分の何れも分離プロセスの間に失われていない事を示した。GP-HPLC結果によると、レフェレンスのグリアジンは68%モノメリックグリアジン、23%オリゴHMW-グリアジン、僅か3%アルブミン、プロラミンを含む。このサンプルには高度に均一であり、安定であっり、たとえ37℃,28日間保存しても大丈夫だった。PWGグリアジンは、レフェレンス材料として全ての基準の重要点にあわせ、グルテン測定用の重要なプロラミンレフェレンスと考えられた。
免疫化学法
原理
免疫測定法と食品分析の進歩の初期10年がMorrisとClifford(1985)に大々的に述べられ、穀物貯蔵タンパク質の免疫化学についてはSkeritt(1988)によって述べられた。免疫化学試験はグルテン分析に選択された方法であり、Draft Revised Codex Standardによって進められ、以来彼らはセリアック病毒素タンパク質の特異的、感受性認識を素早い結果として結論した。免疫測定法は、抗原と抗体(免疫グロブリン)の特異的反応に基づくもので、物質が決定された(セリアック病毒素タンパク質及びペプチド)。抗体を含む抗血清は、動物(たとえばラビット、あるいはマウス)の免疫によって生産されるが、それは相応する免疫原の注射によって起こる。約5000以上の分子量をもつ唯一の成分が免疫活性をもつために、ペプチドのようなLMW免疫原(ハプテン)がタンパク質(例えば牛血清アルブミン)と共有カップリングするようなことがおこる。この結合は抗血清をつくり、そこにはハプテンとカップルしたタンパク質の両方に対する抗体が含まれる。抗血清は動物からえられるが、その特異性に対して試験され、できる限り生成して好ましくない特異性を除去する。これらのポリクローナル抗体(PAb)は抗原の異なった結合場所(epitopes)と反応し、グルテン分析を考えると、結果は穀物種あるいは品種によって影響は小さい。良くない点は、非毒性穀物からのタンパク質と高いクロスリアクションする高リスクである。より特異的なモノクローナル抗体(MAb)は、免疫後分離された脾細胞のネズミ骨髄細胞との融合で生産されるがそれはGalfreとMilstein(1981)のやり方である。ハイブリドーマは,抗体に対する抗体であるが、クローンされそして成長する。結果として、MAbの調製は、沈殿あるいはアフィニテイクロマトグラフィーで精製する。MAbは、大きな長所があり,それは特異性の絶対的な再生産であり、生産の能力は殆ど無制限の量である。
抗血清あるいは抗体の評価に対して、必要なことはある抗体はその抗原に対し、特異的であるかどうか決める事で、さらに抗体が多少なりとも他のタンパク質ともクロスリアクトするかどうかである。主にはWestern Immunoblottingは抗原に対し抗体の結合を研究するために用いられた。たとえばFreedman et al (1988)は、Western blotsを用いてMAbのグリアジンへの結合を特徴づけるのに用いた。タンパク質はSDS-PAGEで分離され、Trans-blot cellシステムを用いてnitrocellulose 膜に移した。Blotは抗体とインキュベートし、洗浄し、さらに酵素でラベルした第2抗体とはじめの抗体に対しインクベートし、相応の着色物質とともにインキュベートする。
免疫反応の非常に重要な点は、抗原--抗体結合の定量である。古い方法は抗体--抗原複合体の沈殿形成が必要だった。最近、抗原はちがったマーカー、例えば蛍光染料、ある時は発光性染色のようなものでマークされ、安定な放射性、放射性アイソトープ(3H、14C、125Z)、あるいは酵素でマークされる。ラジオイミュノアッセイ(RIA)では、研究室では特異的な道具を必要とし、よりいいところは、フリーの抗原は抗体に結合したのもから分離せねばならない。ELISAはこのグルテン決定に最もよく使う技術である。ELISAは比較的やり方が簡単であり、他の技術より安価で早い結果が得られる。西洋わさびペルオキシダーゼ(基質2,2'-azinobis(3-ethylbenzothiazoline-6-sulfonic
acid), アルカリphospyatase (基質4-nitrophenyl
phosphate)とβ--D-galactosidase(基質、4-nitrophenyl-β- galactoside)は、最も一般的なインデケーター酵素である。それらは高度に生成して利用でき、安定で活性は感度より正確に利用できる。酵素は抗原に共有結合でリンクし、たとえばグルタルアルデヒド、あるいはカルボジイミドとの反応によってである。
2つのELISAシステムがよくグルテン分析に用いられる。サンドイッチELISAと競合的ELISAである。捕獲抗体はプラスチックキャリアー(ミクロタイター板)の壁につけられる。抗原を含むサンプルの一部は、ミクロセル中でインキュベートされ、抗原--抗体複合体の形成に向かう(ステップ1)。洗浄後、酵素ラベルされた検知抗体が加えられ、さらにインキュベーションで抗体に結合する(ステップ2)。こうして抗原は2つの抗体でサンドイッチされる。未着の酵素マークした抗体は洗われる。この段階で酵素的基質が加えられ着色最終生産物に加えられ、スペクトルフォットメーターで測定される(ステップ3)。吸光度は直接サンプル中の抗原濃度に比例して、リフェレンスタンパク質にもとづいて計算され、カーブから読み取られる。サンドイッチELISA法は大きな抗原に対してのみ適しており、それは抗原は少なくとも2エピトープをもち、それらは抗原と酵素ラベルした抗原の両方に空間的に分離している。そこで一部加水分解されたサワードウ製品、モルト、ビールのようなものが用いられるときグルテン分析用にはサンドイッチELISAは不適であり。
一方は、競合的ELISA法は1個のエピトープのみで小サイズの抗原の検知に安定である。アッセイは3成分からなる:(i)抗体はミクロタイタープテートに貼付ける(ii)制限ある一定量の酵素--ラベルした抗原(iii)サンプルからの未ラベル抗原。システム中の成分をミックスし、ラベル、未ラベル抗原は結合数の一定数の抗体と競合する(ステップ1)。存在する未ラベル抗原の量が多いほどラベル抗原の抗体に対する数は小さくする。未結合の抗原は洗浄し、酵素的基質は添加し着色物質にかえる(ステップ
2)。サンプル抗原の量が多いほど、酵素--ラベル抗原による色は低くなる。検量線はレフェレンスタンパク質でつくり、サンプル抗原の定量を可能にする。
食品加工で用いる加熱処理は、グルテン量測定影響は低下した抽出不能プロラミン(上を見よ)によるだけではなく、タンパク質構造の変化にもよる。それは抗体により認知された修正がマスクされたエピトープによるであろう。たとえばEllisら(1994)は、加熱したグリアジン区分の反応性の低下をMAb、サンドイッチELISA法で述べている。α/β-とγ--グリアジンはもっと熱に対し不安定であり、そのオリジナルの活性の僅か33-51%残存のみとなり、一方ω-グリアジンは93%が残る。同一のアプローチで、グリアジン区分は70-100℃で5−20分間加熱し、4つの異なったMAbとラビット抗--グリアジン血清を用いて競合的ELISAで定量した。その結果、加熱処理の反応性への影響は、いろいろで単に温度と加熱時間のみならず、使った抗体にもよった。そこで加熱加工食品のグルテン量の定量に用いるときには、抗体は加熱グルテンタンパク質に対して免疫反応性をテストすべきである。
進歩したアッセイ
20世紀の初期、はじめての免疫研究は穀物に関して行なわれた。1925年LewisとWells(1925)は、小麦からアルコール抽出物をモルモットに注射し、さらに小麦粉かあるいは他の穀物の抽出物を注射した。彼らはアナフィラキシー反応を、小麦のみならずライ麦、大麦、オート麦でも得て、一方トウモロコシではみられなかった。Bergerと Freudenberg (1961)のグループはバーゼルでグリアジン抗原性をもっと組織的に研究し、免疫沈殿技術を用いている。はじめの試みでグルテンフリー焙焼加工品の小麦タンパク質の同定するため、抗原--抗体沈殿の測定ではゲル拡散技術,免疫電気泳動、向流電気泳動(Amtliche Sammluung von Untersuchung Sverfahren noch §35 LMBG,1984)の技術で行なった。検知リミット、1-50μgタンパク質/mL範囲がその用いた方法の信頼性である。ずっと高い信頼性はRIAであり、CiclitiraとLennox(1983)の述べる方法で、抗血清はA-グリアジン、α--グリアジンの1成分であるが、それに対するラビットで得たものである。このアッセイで用いた抗原は、α/β--グリアジンを125Iでラベルしたもので、抗原--抗体複合体はStephylococcus aureus cell懸濁液に吸収させたあと集めたものである。アッセイの感受性は未ラベル抗原との結合の競合によって判断するが、1mgのα/β-グリアジンであった。他の小麦タンパク質に対するクロスー反応は、1%以下であり、ライ麦,大麦、あるいはオート麦の抽出物に対するクロスー反応は見られなかった。
今日までELISAはグルテンの定量的決定の最もよく使う方法である。ELISA法の効率限界は、1998年までDenery- Papiniら(1999)によってレビューされた。はじめて信頼できるグルテン決定の競合とサンドイッチELISAは、PAbの全グリアジンA-グリアジンに対するもので、Windermannら(1982)によってすすめられた。このアッセイは非常に感受性がよくA-gliaginで 1-20ng/mLの範囲で、全グリアジンで10-300mg/mLの範囲で行なわれたが、しかしω-グリアジンとは反応せず、他の毒性穀物、例えばライ麦のタンパク質に反応しなかった。サンドイッチELISAは、未加熱、加熱食品中のグリアジンの検索に用いられた(Meier et al
1984; Fritscherら)。未加熱食品の70%エタノール抽出でグリアジンの回収は良好である、ただしココア、コーヒー、茶が含まれている場合は除く。パンドウ中のグリアジンの回収量は80℃以上加熱後、しかしながら強く低下する。Mckillopら(1985)は、同様のELISAを述べ、そこではポリクローナルウサギ抗血清を用いた場合である。その検知限界は3.3ngグリアジンで、そのアッセイ法はセリアック病の人々の小麦毒とくらべ、他の穀物も検知した。PAbを全グリアジンに対し用いたサンドイッチELISA法はTronconeら(1986), AubrechtとTouth(1995)で行なわれ,クロス反応を非毒性米,トウモロコシプロラミンで行い、これらの毒性の応用の限界示した。Friis(1988)はラビットPAbを全グリアジンに対し用いた競合的ELISAを行なった。抗体はトウモロコシ、ミレット、米、大豆タンパク質とは反応しなかった。しかし弱くソバタンパク質とは反応した。このアッセイ方法は検知限界1ng抗原に対し非常に高い正確性で検知した。さらに近年、Chirdoら(1995)はPAbの競合的 ELISAを全グリアジンに対し行い、全てのタイプのグリアジンとHMW-GSをライ麦、トリテケール、大麦のグリアジン同様に認めた;僅かの反応がオートタンパク質でもみられ、トウモロコシ、米、大豆では全くクロス反応はなかった。試験の感度は1ngグリアジン/mLあるいは1mgグルテン/kg粉であった。試験は 大麦、ライ麦プロラミンでは10-15倍感度は低く、オート麦プロラミンでは50倍感度が低い。
幾つかのELISAはPAbを用いて抗原を捕らえるためにミクロタイター板に吸着させ、MAbを西洋わさびペルオキシダーゼあるいはアルカリフォスファターゼを抗原測定のために結合させた。トリプルサンドイッチELISAはFreedmanら(1987)によって応用され食品中のグリアジン含量の測定をした。ウサギポリクローナル抗グリアジンIgGは抗体を捕捉するのに用いた。検知システムは、ネズミモノクローナル上清、ヒツジ抗マウスIgG、IgMをアルカリフォスファターゼ、p-nitrophenylphosphateを基質として含む。アッセイは全てのグリアジン区分とプロラミンをライ麦、大麦、オート麦を小麦グリアジン同様検知した。検知限界は全てのグリアジンで0.75mgであった。
セリアック活性ペプチド54アミノ酸残基長に対し惹起されたMAbが検知システムの一部として取り上げられる以外は同じシステムをEllisら(1994)は用いた。そのアッセイの感受性は、全てのグリアジンとライ麦プロラミンに対するものは15ng/mL(0.3mg/kg粉),大麦プロラミンには125ng/mL(2.5mg/kg)、オートプロラミンには250ng/mL(5mg/kg)であった。
非毒性の米,トウモロコシ、ミレット、ソールガムのプロラミンはクロス反応しなかった。最近になってアッセイはより感受的になり、そこではMAbが合成ペプチド19アミノ酸長で、31-49のα-グリアジンの配列位置に相当するものに惹起した(Ellisら1998)。アッセイの感度はグリアジンでは4ng/mL(0.08mg/kg 粉), セカリンでは500ng/mL, ホールッデン,アベニンでは1000ng/mLであった。アッセイは料理食品中のグルテンでも測定でき、しかし感度は落ちる。非毒性穀物からのプロラミンはクロスー反応しなかった。一連のアッセイはMAbだけ用いて進んだ。Theobaldら(1983)は、はじめて穀物粉タンパク質に対するMAbの生産を報告し、とくに塩--可溶タンパク質で小麦アレルギーを引き起こすものに対して行なった。MAbの穀物タンパク質に対する多量の収集はSkerrittとCo-workerによってなされた(SkerrittとUnderwood, 1989)。殆どの抗--グリアジン抗体はすべてのグリアジンに結合し、一方、幾つかの抗体はグリアジンの小グループに結合した。抗--グリアジンMAbは1つの酵素結合したアッセイで用いられ、いろいろな食品でグリアジン定量をした(Skerritt,
1985)。グリアジンに対する検知限界は、しかしながら、かなり高い(20μg/mL)。より感受性のある競合的 ELISAでは西洋わさびペルオキシダーゼーラベルMAbを用いて、HillとSkerritt(1990)によって行なわれた。抗体はω−グリアジンとの特別の反応が選ばれ;これらの抗体はまた小麦タンパク質に並んでライ麦、大麦のタンパク質と結合し、その結果は異なる品種で影響されなかった。これらの抗体の結合は、グルテンの料理あるいはベーキングによる加熱によって阻害されない。例えば40-70%エタノールが推薦された。アッセイの感度は0.05-0,10μgグリアジンの範囲で、1:5希釈の食品抽出物を用いた200-400mgグルテン/kgに相当する。2個の抗体に結合するω−グリアジン、HMW-GS, プロラミン、これらはライ麦、大麦からのもので、それらはサンドイッチELISAの発展に用いられ、2つの形でパテントと商品化した(下を見よ)。著者の記述によると(Skerritt等,1991),
"Gluten Lab Test"は最初の方法で、未調理、調理、加工食品中、全てのタイプのグルテンを定量できる。2番目"Rapid Gluten Test Kit"は素早く,定量的で、あるいは半定量的な結果で、家庭用、あるいは食品、小麦デンプン産業界で品質のコントロールに用いる。
Chirdo et al (1998)は,いろいろなフォーマット(競合的ELISA, 連続競合的ELISA, サンドイッチELISA)で,グリアジンに対する3 MAbを用いて好感度のアッセイを行なった。
ビオチン化抗体がアッセイの2つに用いられた。抗体の2つは、広くグリアジン、セカリン、ホルデインと反応し、3番目のみグリアジンと反応し;大豆、米からのタンパク質と反応し、トウモロコシタンパク質は観察されなかった。用いたシステムと抗体により、1:50の希釈で検知限界は1-20ngグリアジン/mLの範囲であった。ビオチンーアビシン(biotin-streptavidin)相互作用をシグナル強化システムとして利用すると、グリアジン定量化に非常に有用である事がわかった。
小麦、ライ麦、あるいはオートムギ粉のエタノール抽出物に対しMAb混合物がサンドイッチELISAでテストされた。2つの抗体は捕捉抗体として用いられ、3つ目が認知用抗体として,ホースラデッシュペルオキシダーゼに結合する。広い特異性のために、この抗体のコンビネーションは、毒性プロラミンとの高いクロス反応性をたしかにし、グリアジン、セカリン,ホールデンの認識を同じ程度3-200ng範囲/mL抽出(検知リミット約1.5ng/mL)を許し、一方アベニンに対する感受性はずっと低い(検知リミット約12ng/mL)。溶液(120℃、30分)中でプロラミンを加熱すると、定量的な測定は影響しない、そしてエピトープスは抗体で認識されてこの処理によっては変性されない。ここでプロラミンの低下した抽出性は、加熱した物質の分析に対しても大きな問題のようである。同じグループはサンドイッチELISA法を発展させ、それは1つの単独のω--セカリンに対して惹起するMAb(R5)をベースにしたものである。R5は捕捉及び検出抗体の両方に用いられ、後方はharseradish
peroxidaseでラベルされた。R5 ELISAは、小麦,ライ麦、大麦プロラミンに同一の感受性を示し、一方、クロス反応はオート麦、とうもろこし、コメタンパク質との間では得られなかった。検出限界は1.5mgグリアジン/mLで、これは3.2mgグルテン/kgに相当し;再現性は±8.7%で,繰り返し率7.7%である。アッセイはカクテル抽出法で加熱加工食品(前述見よ)に対して互換性がある。R5のエピトープ特異性は、合成ペプチドでグリアジンのオーバーラップのやり方の配列にわたるものに結合する試験で特徴づけられた。発光試験で、R5結合のα/β--タイプグリアジンのN末端ドメインの全てのペプチドはセリアック病患者にとって有毒であることが知られた。QQPFP, QQQFP, LQPFP, QLPFPといった繋がりは最も強く結合する。最近、競合的 ELISAはR5MAbを用いて進歩した(Ferre et al, 2004)。サンドイッチELISAの対照として、このシステムは全ての小さいものを検知し、プロラミンからの毒ペプチドも検知する。そしてモルト抽出物、ビールのような部分的加水分解されたものの分析に特にデザインされたものである。市販のテストキットはR5MAbに基づいたもので,発達しリングテストされた。
新規の競合的ELISAはMAbを用いたもので,α-グリアジンからの毒性ペプチドに対してつくられたもので、これはBermudo Redondo et al (2005)によって述べられた。このアッセイ法はセリアック病、毒プロラミンに対し特異的であるとわかり、加水分解され特異的抽出剤で互換性のあるものも検知できる。検知限度は0.3mgグルテン/kgであり、再現性は±3.6%であった。
最近まで免疫化学決定法はプロラミンの検出に焦点がおかれ、プロラミン含量はグルテンを得るためにファクター2によって増やした。この計算はDraft Revised COodex Standardによって提案されたもので疑問である。というのはプロラミン(60%エタノール可溶の貯蔵タンパク質)のグルテリン(60%エタノール不溶の貯蔵タンパク質)に対する比率は極端に1の提案比率とちがうからだ。例はいろいろあり、その中で一般の小麦品種(プロラミン/グルテリン=1.7-3.1),小麦品種(1.8-1.6), ライ麦栽培種(6.3-8.2) 大麦品種(0.5-2.5),小麦デンプン(0.2-4.9)。これらの理由で正確な定量値を求める方法がプロリンに対しグルテリンの値が必要である。続いての結果は、HMW-及びLMW-GSからのペプチドがひどくセリアック病患者のT cellsを刺激する,及びHMW-GSは生体中で有毒であると示された。Ellis et al (2006, 2007)はハツカネズミMAb がHMW-GS 1 D X 5とI Dy 10に対して惹起するものをつくった。その結果は、1個の単独のMAbは両HMW-GSを測定するのに十分であった。イムノブロット法は、この抗体がグリアジンと反応しない事を示した。著者らの暗示によると、このMAbはカクテルELISAシステムで用いるのに抗--グリアジン抗体とのコンビネーションに用いる。Spaenij-Dekking et al (2004, 2006)は、イムノアッセイ法をMAbをベースにしてつくり、そこではセリアック病毒グルテンペプチドを認識する。α/β-グリアジン、γ-グリアジン、LMW-GS,HMW-GSからのT-cell epitopes に対するMAb特異性が生成した。これらの抗体を用いたアッセイはT--cell刺激エピトープを異なるバックグランドで検知した。さらにそのままのタンパク質と小麦タンパク質のフラグメントの両方は、分析されたが、それはアッセイが競合的に基づくものであるからだ。
サマリーとして、PAbあるいはMAbに基づく多くのELISAは、グルテン定量を進歩させた。しかし、そのほとんどは、特異性、感度、精度に関して共通の受容に必要なすべての要件に対応しているわけではない。2-3のアッセイだけはリングテスト(重層試験)され、商業的に利用されている。
グルテンの検知−1
紹介
セリアック病は、最も良く起こる永遠の食物不耐性のもので、小麦、ライ麦、大麦、可能性あるオート麦中の貯蔵タンパク質(グルテン)の摂取で引き起こされる病気である。最近のセリアック病の不可欠な療法は、グルテンフリー食事との強い結びつきであり、それは毎日の食品からグルテンの永遠の排除を意味する。小腸の炎症は粘膜の損傷と栄養素の一般的吸収不良に関してそれを抑えるのが治療の目的である。グルテンの全食事からの摂取がセリアック病をもつ患者にとって、20mg以上であってはいけない。セリアック病患者に加えて、他の多くの人々でグルテンタンパク質に対してIgE-仲介アレルギー反応のため耐えられない人々;彼らもまたグルテン含量食品をさけねばならない。
グルテン感受性の人々は、2つの異なったカテゴリーからグルテンフリー食品を食べる。
はじめに、かれらは肉、魚、ミルク、果物、野菜のような一般的食品の範囲のものを消費する。加工食品の場合、しかしながらそれらがグルテンフリーなのかそうでないのか認める事は困難である。大きな助けになるのは、グルテンは食品のリスト中に含まれる過敏症を引き起こす成分と入っていることと、常に加工食品のラベル(Codex Standard for the Labelling of Prepacked Foods, 2001zzz)にはっきり記入することになっていることである。にもかかわらず、グルテンー感受性のヒトは、非常に多くの食品に注意せねばならず,そこには隠れたグルテン源、例えば濃いソース,スープ、プッデング,あるいはソーセージのようなものがある。次に、患者は"Codex Stndard for Gluten-free Foods"によるグルテンフリーであるダイエット食品を消費する。このスタンダードは1981に作られ1983に修正され、しかしながらグルテンの測定法はなかった(Codex Sten 118-1981,
修正1983)。唯一の方法のポイントは窒素含量であり、それはグルテンフリー食品の調製に用いる穀物デンプンの分析に制限された;窒素含量は乾物含量として0.05%以下でねばならない。実際にはケルダール方法で、あるいはもっと最近ではDuma Combusion法が窒素含量の定量に用いられる。
グルテンの検査、定量測定の信頼おける方法は、グルテン感受性の消費者、食品産業、食品取り締まりにとり必要である。そこで、しかしながら、唯一の分析法の一般的アウトラインはDraft Revised Codex Standardによって与えられ、即ちプロラミンは60%エタノールで食品から抽出され、免疫学的方法で定量される。現在までそれは詳細にこの方法をデザインすることができず、存在する方法は感受性、選択性、再生可能性の精度、再現性、グルテン/プロラミンレフェレンスの可能性の点で最小の要求性に答える事はなく、そしてそれらが重層試験(ring test)ではない事、市販の試験キットが利用できないことがある。
さらに、パンのような加熱したもので問題が生じ、さらに一部分加水分解したモルツ加工食品やビールなどで問題が生じる。多くの研究が過去25年間、正確なグルテン検査、定量の解決にあたってきた。このチャプターでは、異なった技術、プロラミンあるいはグルテンの食品中における定量の進歩をまとめ、特にセリアック病をもつ患者の食事の為に作られたものについて行なった。分類分けしてタンパク質の沈殿抽出方法、参考タンパク質、免疫,非免疫化学法についても述べた。
グルテンタンパク質の化学
多くの成分からなる穀物の貯蔵タンパク質は、穀粒の胚乳中に殆どたまっている。その唯一の生化学的な機能は、発芽の際の窒素とアミノ酸を有する実生植物を与えるものである。
この機能により、唯一のアミノ酸組成(高含量のグルタミン、プロリン)とさらに配列(何度も繰り返しがある)をもつ。伝統的に、穀物貯蔵タンパク質は、2つの区分に分けられ、それはアルコールー水溶媒における可溶性にもとずくものである;可溶のプロラミンと不溶のグルテリン(Osborne1907)である。プロラミン区分は単一の及び数種のタンパク質を含み、グルテリン区分は多くのタンパク質を含む。セリアックー毒性穀物の貯蔵タンパク質は、いろいろな分析技術によって大きく研究されてきた(例えばSDS-PAGE、 DEAE、 SE-HPLC、 RP-HPLC、キャピラリー電気泳動)、及び アミノ酸組成の決定、分子量、部分あるいは全アミノ酸組成(Wrigleyらのレビュー2004)。結果は、小麦、ライ麦、大麦、オート麦は一部均一な貯蔵タンパク質を有し、それはこれらの穀物の植物的関係を非常にうまく反映している。一般の構造により、それらは3つのグループに分けられる;(1)高分子量(HMW)グループ(2)中間分子量(MMW)グループ(3)低分子量(LMW)グループであり、後者の主要グループは4つすべての穀物に存在する(Shewry と Tatham, 1990;
Wieser, 1994)。構造データーの表示は各グループ、各タイプ表3,1に示された。
HMWグループは、HMWグルテニンサブユニット(HMW-GS)(小麦)、HMWセカリン(ライ麦)とD-ホールデン(大麦)、HMW-GSと HMWセカリンはx-とy-タイプにさらに分離される。これらのタンパク質の分子量は約70-90KDaである。アミノ酸組成は高グルタミン、グリシン、プロラミンで特徴づけられて全残基の約70%である。それらは、3つの構造ドメインをもち、1つの非くりかえし、N-末端のドメインの約100 残基、非繰り返しのC末端ドメインで約40残基からなるもの、そして繰り返しの中心ドメイン
MMWグループは相同性のあるω1,2-グリアジン(小麦)、ω--セカリン(ライ麦)、C-ホールデン(大麦)、ユニークなω5−グリアジン(小麦)からなる。それらの分子量範囲は40-50KDaである。それらは、アミノ酸組成がアンバランスであり、高グルタミン、プロリン、フェニルアラニンの高含量でそれらは全残基の約80% に達する。アミノ酸配列の殆どの域は(Q)QPQQPFPあるいは(Q)QQQFPのような繰り返しユニットからなる。システインが普通欠けているので、MMWグループのタンパク質はモノマーであり完全に水--アルコールで抽出される。
LMW グループのメンバーは、単一のタンパク質に分けられ、そこではα/β-, γ-グリアジン(小麦)、γ--40K-セカリン(ライ麦)、γ--ホールデン(大麦),アベニン(オート麦)、LMWグルテニンサブユニット(LMW-GS)(小麦),γ--75K-セカリン(ライ麦)、β--ホールデン(大麦)を含む会合タンパク質である。それらの分子量は30-40KDaの範囲で、γ--75kDa-セカリン (分子量約50kDa), とアベニン(分子量約22kDa)が例外である。全てのこれらのタンパク質はN末端ドメインはグルタミン、プロリン、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン)が富んでおり、C末端ドメインはよりアミノ酸バランスがとれていて、よりシステイン残基のほとんどがここにある。両ドメインの長さは、タイプからタイプへと異なっている。γ--グリアジン、γ--40K-セカリン、γ--ホールデンは相同性があり、QPQQPFPのような繰り返しが多く、さらにC-末端ドメイン内にSS結合で4個結合している。α/β--グリアジンは小麦のみである;そのN--末端ドメインはQPQPFPPQQPYPのようなくりかえしで特徴的であり、C末端ドメインには3個のSS結合がある。殆どのα/β及びγ--タイプタンパク質はモノマーであり、水アルコールで抽出できる。これらのタンパク質の少数はシステイン残基が奇数で、遺伝子の点突然変異によるためであり、エタノールー可溶オリゴ分子プロラミン区分かあるいはエタノールー不溶性多分子グルテリン区分である。
アベニンは、LMWグループ内の最も小さなタンパク質であり、それは短いN-末端ドメインで唯一3つの繰り返し単位(PFVQQQQ)をもつ。C末端ドメインは、一部α/β--、γ--タイプに相同性があり、一部グルタミンリッチの繰り返し配列、QPQLQQQVFのようなものを有する。LMW-GS, γ-75K-セカリン,β--ホールデンは会合タンパク質であり、少なくとも他のタンパク質と1個のSS結合を形成している。LMW-GSのN-末端ドメインは、QQPPFSのような繰り返しユニットが特徴的であり、C末端ドメインは3個のSS結合の相互結合を含む。N末端中の1個のシステイン残基とC末端中ドメイン中のシステインは相互鎖間に結合する。
γ--75Kセカリンはγー40Kセカリンに相同性があるが、N-末端ドメインがづっと長く、分子内結合するシステイン残基を有している。 β--ホールデンはγ--ホールデンに相同性があり、しかし、両分子間と分子内SS結合を形成する。
毒性試験
生体試験は、一般にセリアック病のタンパク質、ペプチドの毒性検査にとり、"good standard"と考えられている。初期の研究では、食事試験による毒性をきめるのは、油脂あるいはキシロースで下痢あるいは吸収不良のような兆候があらわれることにもとづいて行なっていた。しかしながらグルテンの最大量で患者が疑われているヒトが用いる量は不確かであった。ある場合には、10-100gが各患者に必要であった。さらにこのような多量で、精製されたタンパク質あるいはペプチドで食事テストするとき最も決定的な限界要因であった。直接小腸に入れ、つづいて数時間後に生体組織検査をすると、必要量がグルテンの1g当量にまで減らす事ができた。絨毛の高さの組織学的測定と、陰窩の深さに対する絨毛の高さの比率は、免疫的測定による上皮内リンパ球測定同様、毒性検査の信頼おけるパラメーターであると示された(Fraser et al, 2003, Dewarら2006)。
生体内試験は、比較的大量のモノが必要で、僅かの限られた数の試験患者でやるために一連の試験管内試験が発達した。人間の小腸組織の組織培養は、僅かグルテンのミリグラム当量のみ必要だが、試験管試験での最も信頼おける接近方法と提案されている。酵素活性、あるいは形態学的測定によって、平らになった絨毛組織は医学的にのみ改良を示すが、しかしセリアック病毒素の存在のみではない。もっと最近になって、セリアック病をもつ患者からT-cellライン(細胞系)と細胞クローンがセリアック病の刺激効果の試験に用いられた。例えば、あるT細胞変換アッセイは推定の抗原(約10-200μg/mL)抗原存在細胞、T細胞,トリチウム化したチミジンのインキュベーションで行なわれた(Ellis et al 2003)。
最大2 daysのあとチミジンのT cell中への取り込みがシンチレーション測定で定量的に進んだ。さらにインターフェロンーγ,あるいはインターロイキン4の生産が、セリアック病特異的刺激効果用パラメーターとして決定できた。さらに試験管テストで、胎児ラットあるいはニワトリ腸を用いた組織培養試験をすすめ、白血球移動阻害因子、マクロファージ凝固促進活性、白血球K562細胞の会合が多少の特異的にスクリーニング試験された。
グルテンタンパク質及びペプチドの毒性
Dicke(1950)は、最初に小麦のセリアック毒性を報告した。すぐ後で、ライ麦、大麦は又毒性があり、一方トウモロコシ、米、ソバはそうではないと言った。(Kasarda のレビュー、1994)。今日までオート麦の毒性はまさに物議をかもしている。小麦粉の分画と食事テストのトライアルはグルテンが有毒であるという結論であり、一方デンプン、小麦性アルブミンはそうでない。それ以来、"グルテンフリー食事がセリアック病の慣習的治療となった。
それによるとグルテンはタンパク質で、普通小麦、トリテケール、ライ麦、大麦、オート麦にあり、オート麦については、ヒトによっては不耐性である(Codex stan 118-1981)。つづいての研究がタンパク質の毒性について小麦(Wieserのレビュー1995)についてのみ行なわれた。グルテンは、水エタノールでアルコール可溶プロラミン(gliadins)とアルコール不溶グルテン(glutenin)に分けられた時、毒性試験は、gliadin区分は最も毒性ファクターは大きかった。生体、試験管内試験をさらにすすめ、全てのグリアジンタイプ(α/β-,γ-ω-グリアジン)が毒性効果を示した。小麦グリアジン区分に相当するものとしてプロラミン区分、1個の相同タイプのライ麦タンパク質(セカリン)、大麦(ホールデン)は、重大な試験なしでセリアック毒性と結びつけた。オート麦プロラミン(アベニン)の毒性は今日まで議論の多いものと考えられてきた。小麦グルテニンの毒性は非--毒性、弱い毒性、あるいはグリアジンの毒性と言うようにのべられてきたが、しかし非常に不十分な証拠処理によるためだ。小麦グルテニン、HMW-GS、及びLMW-GSは何れも最近までテストされなかった。生体中、試験管中試験では、HMW-GSはまさにGliadins のようにセリアック病を悪化させる事を示した。(Molberg et al 2003; DEWAR et al 2006)。T cell刺激試験でLMW-GSからのペプチドで試験すると、このタンパク質のタイプもまた,大きくセリアック特異的免疫反応を示めした(Vader et al 2002)。サマリーとして、すべての貯蔵タンパク質(プロラミン+グルテリン)、小麦、ライ麦、大麦、可能ならばオート麦はグルテンタンパク質にCodex Standard 118-1981,及びDraft Revised
Codex Standard中で定義されるグルテンのようである。消化されるグルテンタンパク質から得られたペプチドあるいは合成されたそして精製されたペプチド、両方のパネルは毒性試験を行い、セリアック病のエピトープであるかどうか見つけるため行こなった(レビューはStermら2001, AndersonとWieser2006)。殆どの研究は、小麦グリアジンとグルテンのペプチドに集中した(ある選択的に毒性ペプチドは表3.2にその例として示した)。生体、試験管内研究のサマリーとして、貯蔵タンパク質とのグルタミンー、プロリンーリッチのエピトープは、主なる沈降因子である。プロリン、グルタミン残基の入れ方は、残基以下に活性ペプチドを短くする事もありえてセリアック病活性を阻害する(Sollid,2002)。それほど強く集められた結果はグルテン測定のための方向は小麦、ライ麦、大麦、可能ならオート麦中の貯蔵タンパク質を全てを含むべきであり、さらに試験の特異性はグルタミンー、プロリンーリッチエピトープに焦点があわされるべきだということを強く示す。
グルテンフリ−穀物 食品と飲料、セリアック病−3
病気の広がりと治療に対する新しい戦略
セリアック病病因解明の素早い展開は、病気の蔓延と代替療法に対する新しい戦略を進めている。特にだれか一人がすでに影響をうけているファミリーでの場合、高い遺伝的なリスクのヒトを同定することが可能になろうとしていることである。明らかに各人がグルテンを食べる事をさけて病気を抑えることができるが、しかしもっと微妙なアプローチは大きなインパクトを与える。もっとゆっくりしたグルテン量の低下の導入を子供の食事にすると、明らかに強い免疫原性である食事タンパク質と免疫システムが強く対処する事を助けてくれるだろう。またグルテンの導入で母乳で育てるといい効果がある。それは少なくても一部、母乳中の母方のIgA抗体のため病原性微生物に対する防御効果を強めるからである。このアプローチはセリアック病を押さえるのに効果的で、その効能は研究されるべきだ。幾つかの生涯を長引かせるためのGFDに変わるものが研究されている。バクテリアのプロリンオリゴペプチダーゼの利用はグルテンペプチドの分解に用いられ、特に33-merを分解し害を除く区分が提案された。あるプロリンオリゴペプチダーゼがイーストから取られ,それはグルテンを胃中で分解し、グルテンー特異的T cellの活性化を十二指腸内で阻害することが述べられた。グルテンペプチドの固有層の出入りを押さえることを傍細胞透過性を低下させゾヌリンインヒビターをつかって可能となり、それは最近医学研究の施行によって明らかにされる。
腸のtTGの阻害は、グルテンの免疫刺激特性を低下させた。この阻害剤の利用が制限されるのは、tTGは組織損傷の修復に加わることが知られたためで、安全性の問題は論じられるべきだ。グルテンペプチドのHLA-DQ分子に結合する事に関する妨害は、もう一つのオプション(いわゆるセリアック"ワクチン")である。特異的HLA-DQブロッカーは、」選択的にHLA-DQ2
-DQ8分子をターゲットにし、他のHLA分子を損なわずに引き離す。この種のアプローチはそれゆえに安全であるが、効果的なブロカーのデザインに挑戦するものであろう。さらにいろいろなアプローチ、たとえば前炎症性サイトカインIL-15のブロックやIL-pの治療が提案されている。しかし完全に安全なGFDの代替効果がある時に、患者がこのような多くのサイド効果のある治療に入るどうかは疑がわしい。
小麦アレルギー
小麦アレルギーは、小麦を含む食品を食べて免疫反応メカニズムで起こされる有害反応である。この文面は最近レビューされたものを大きくしたものである。セリアック病よりは一般的ではないが、小麦アレルギーはこれまで考えられていたよりももっとよく起こっている。幾つかの国々で、特に北ヨーローッパの食アレルギーにかかわっているヒトは人口のうちの高比率(10-20%)である。病原性メカイズムにはIgE-仲介、及び細胞仲介のアレルギーを含む。アレルギー反応を引き起こすグルテン抗体の範囲は広く、そこにはα、β、γ、ω--グリアジンと低分子のグルテニンがはいる。試験管中で小麦、ライ麦、大麦タンパク質との間のクロス反応でいくらかの実験が行なわれた。反応は、食品摂取と症状の現れるまでの間の時間により、直ちにか、あるいは直ちにではない反応がある。直ちに起こる反応は、食事摂取後2−3時間以内で起こり、主に1−2つの次のような徴候であるが;それは蕁麻疹、あるいはまた欠陥浮腫、アナフィラキシー、悪心、嘔吐、下痢、鼻炎、気管支閉塞の1つかそれ以上で特徴づけられる。それらはIgE-仲介であり、ブリックテスト(穴あけテスト,IgEアッセイ、口腔内投与試験)に陽反応のベースに基づく診断である。非迅速反応は数時間から1−2日間後、食事摂取後におこり,湿診兆候、及び緩い便、あるいは下痢で特徴がある。これらの患者では、T-cell仲介病原菌メカニズムは関連する食品を摂取してパッチテストや、口腔摂取試験に陽性であることを基本にして示された。
小麦によるエクササイズ引き起こしアナフィラキシーは、子供よりも大人で一般的である。この特徴のあらわれは予測することが難しく、飲み込む小麦量が兆候を示すのに必要な施行量と同様量を診断することが難しく、その量は非常にいろいろである。小麦アレルギーの診断は他の食品のアレルギー同様に病気のサインの観察によって行なわれ、その食品チャレンジに反応する時間によって行なわれる。最小のアレルギーを引き出す量は、明快に設定することは難しく,患者、患者によって数mgから数gとバラバラである。小麦アレルギー患者は、セリアック病患者と同じやり方で治療する、即ちGFDである。これらの患者のほとんどはグルテンフリー穀物(例えばとうもろこし、米、またオート麦)に対し耐性があり、たとえ、小麦とこれらの穀物間のクロスアレルギーであったとしてもである。
いろいろなセリアック病の点とは不一致で、小麦アレルギーはいつも特に子供であり、終世のモノではない。
結論
セリアック病は大人同様子供にもある一般的な病気である。病気の範囲は広く、近年には腸外症状(たとえば貧血、短身長)がこれまでの吸収不良の症状以上に一般的である。医療関係者の中の高度の関心と血清学的セリアック病テストの自由な利用が、古い病気でない多くのものを同定出来る。そこで診療医は病気発見のプロセスに中心の役割をもつ。このユニークな自己免疫病気に関する多くの鍵となる質問は未回答で残されている。これらの質問の幾つかに対する回答はセリアック病の病原因そして他の自己免疫病をまきこんで、病態生理学的メカニズムのよりよい理解を与えてくれ、そこに革新的処理戦略の道を与えてくれるだろう。
グルテンフリ−穀物 食品と飲料、セリアック病−2
病因
空腸粘膜の異常がセリアック病の証明である。完全に証明される時、セリアック腸疾患は腸管上皮細胞間リンパ球(IELs)の数の増加によって特異づけられて,陰窩肥大でマークされ、完全な絨毛の消失(小児絨毛萎縮症[フラット]病変)である。多くの他の病気もフラット生体組織検査を起こすだろうが、この発見が西洋社会の問題の人にみられ、殆ど完全にセリアック病を示している。病因的変化は、時にそれほど悪くはなく、弱く小児絨毛萎縮症と陰窩肥大(部分的絨毛萎縮)あるいはIELs(湿潤病変)の分離された湿潤によって特徴づけられる。セリアック病疾患は遺伝的及び環境的要因の2つの症状による最終段階の病変である。一卵性双生児の一致性は86%で、一方、異性双生児はわずか20%であり、このことは遺伝的要因が強い影響であることを示している。これらのうちHLAは40-50%がセリアック病の遺伝子関与と計算される。ほぼ患者の90%はHLA-DQ2ヘテロダイマー(DQA1*0501/DQB1*0201) in cis (一方の親のクロモソーム上)、あるいは in trans(各親からの1個クロモソーム上にコードしている2個のDQ2対立遺伝子)にある。殆どのヒトはHLADQ2-陽性でないヒトで、HLA-DQ8(DQA1*0301/DQB1*0302)を表す。患者の少数では2つのDQ2対立遺伝子の1つだけが存在する(即ちDQB1*02101あるいはまれにDQA1*0501)。異なった組み合わせHLA-DQ-対立遺伝子の傾向にあるものは病気の危険性に影響するが、これはDQB*02遺伝子の二重コピーを示す事について他の起こりえる傾向の遺伝子タイプ(例えばDQ2/XあるいはDQ8/X)よりずっとあり得る。DQB1*02101対立遺伝子に対するホモ接合症もまた、高い組織的スコアのはげしさとむすびつき、手に負えないスプルー(口腔炎と下痢をともなう腸吸収不全症)の高いリスクを伴う。ほとんど全てのセリアック病患者はDQ2あるいはDQ8をもち、しかし20-30%ほどの健康の人もまた同じキャリアーである。HLA-DQ2あるいはDQ8の存在は必要であるが、十分なケースではない。セリアック病への遺伝的素因の少なくとも60%は、数十の他の遺伝子に関連しており、それらのおのおのは、疾患の発症に僅かな寄与を加える。
ミオシンIXB(MYO9B)遺伝子のある可能な役割が、最近ドイツの研究で明らかになり、そこではこの慣例にとらわれないミオシン分子は小腸のバリアーの完全な状態に影響することをのべている。あきらかに"漏れる穴"があり、グルテンのペプチドが小腸の上皮細胞を通し、しみ込む量の増加を許しそしてグルテンタンパク質に対する食事耐性を破る危険性増加に寄与するものである。しかしながらこの発見は他の国、たとえば英国、ノルウェイ/スエーデンでは認められなかった。他の遺伝子クロモソーム5、6上に発見されるのを待っている証拠がある。これらの遺伝子のあるものは、実際に一般の自己免疫に対し傾向があったようだ。これはタイプI型糖尿病患者がセリアック病をもっているがその蔓延する流行を説明するものであろう。一連の異常生理イベントが自己免疫反応をひきおこしてはじまり小腸粘膜のバリアー機能の変化を伴って起こる。最近の記述ではセリアック病患者中ゾヌリンがレギュレーションできなくなり、腸でペプチドがタイトジャンクションの調整中、少なくとも一部分、グリアジンペプチドの腸の透過性をあげるような反応があるようだ。lamina propria=気室膜ではtTGはグルタミンをマイナスチャージのグルタミン酸にかえ、所謂デアミネーションのプロセスである。デアミネーションした後、グリアジンペプチドはHLA分子に親和性をもち、抗原提示細胞(APCs)の膜に位置するHLA分子への親和力を大きく増加する。グリアジンペプチドとHLA分子との間の相互作用が腸のT 細胞を活性化する。炎症性サイトカイン(例えばインターフェロン-γ)の放出が活性化されたT 細胞で起こるが、恐らく腸細胞にダメージを与え、腸陰窩の激増をおこし、最後には腸粘膜構造をひどく痛める原因となる。最近になってわかったことだが、グルテンペプチドに対し自己免疫疾患の引き起こしは、生来の自己免疫のメカニズムにきっちり関与しているということだ。グリアジンによるフラグメントp31-43はインターロイキン15(IL-15)を引き起こし、それは活性化した粘膜固有層中の樹状細胞が活性化されて出てくる。このシトキンはIELsを刺激し、NKG2Dレセプターをあらわし、上皮細胞はMICA分子を出す。NKG2DレセプターはMICAリガンドを伴いからみあい、IELsは上皮細胞を殺し、組織の崩壊を起こす。腸の樹状突起細胞の活性化は腸の感染症(病気)によって引き起こされる。興味深いことは、ロタウイルスタンパク質に対する抗体は活性あるセリアック病と関係あることはわかっていた。この抗体は自己抗原(tTG)を認識し、腸透過性を増加でき、モノサイト活性化を引き起こす。
幼児食事、セリアック病の危険、関連の自己免疫疾患
最近の研究から、幼児栄養のパターンがセリアック病、他の自己免疫疾患の悪化に重要な役割を演じていることがわかった。母乳で育てる事は、セリアック病の危険性を遅らせる、あるいは低下させると考えられる。母乳のミルクの陽性の効果は、少なくとも多少は生まれたばかりの子供の小腸の微生物コロニー形成プロセスに寄与する。
グルテン導入の年齢とセリアック病の危険性との間の関係については未だ論争の的である。欧州小児消化器病学会および栄養学会 (ESPGHAN)によると、ヨーロッパの子供の食事にはグルテン含有穀物は生まれて6ヶ月以後導入すべきだと行っている。しかしながら離乳期での穀物の量、品質の摂取量に大きな違いがあり、それは近隣諸国でもそうである。またセリアック病の生じる危険性のある家族では子供にグルテンを導入することを遅らせる傾向にある。スエーデンではセリアック病初期の"流行"が1980年代後期から1990年代初期に起こった。スエーデンの流行病の遡及分析から、子供に母乳育児期にグルテンをたべさせとセリアック病の危険は減らす、あるいはグルテンを導入しても母乳を続けるのが良い。この発見からスエーデン小児科医は、もし母親がその年齢の6ヶ月で母乳を止めるつもりならば子供へのグルテン含有補助食を6ヶ月前から行なう事を勧めている。
一方タイプI糖尿病の遺伝的リスクの子供に関する予測研究から、タイプI糖尿病とセリアック病の危険性は、ともに3−4ヶ月前、あるいは7ヶ月後に子供へのグルテン摂取開始することで増加することを示した。危険の可能性がグルテン導入時期の遅れ(年齢7ヶ月後)と関係あることは、混迷と反直感的な所見でさらなるはっきりした確信であった。
所見(臨床症状)
セリアック病の所見は広い。子供ではセリアック病の典型的な形は,胃腸症状で食事にグルテンを入れた後6−24ヶ月の間にはじまる。幼児、年齢の低い子供で病気をもって育つと、慢性下痢、腹部膨満、筋肉疲労、低血圧、食欲不振、不幸な行動をもつ。グルテンを摂取して数週間、数ヶ月以内、体重増加スピードがおち、さいごには体重減少が見られる。セリアック病の危険性は、爆発性水様性下痢、顕著な腹部膨満、脱水、電解質不均衡、低血圧及び嗜眠があり、過去には一般的であったが、その一部は現在でもまれに見られる。
異常なセリアック病は普通、より大きな子供にみられ、明白な吸収不良症候群の様相は見られない。その徴候は腸筋及び腸間外である。腸管の徴候は再発性腹痛、歯状エナメル基欠損、再発性アクタ性口内炎、便秘を含む。6−12%の患者で血液学クリニックに通う鉄欠乏性貧血のひとはセリアック病であった。貧血は典型的には経口鉄療法に抵抗的である。
身長が小さい、思春期がおくれることは、健全な子供ではない場合の第1に現れる症状である。セリアック病は、最も一般的なゆっくりの成長スピードの有機的原因であり、それは成長ホルモン欠乏症よりもずっと一般的である。他の一般的あらわれは慢性疲労とアミノトランスフェラーゼ血清レベルの分離された増加を含む。
セリアック病をもつ大人では、下痢が最も一般的な兆候であり、しかしちょうど50%以上の患者に影響を与えるがいろいろな期間であり、厳しく見ると以前は健康人であった。貧血があろうがなかろうが倦怠感と疲れ、及び体重ロスはまた、一般的な徴候である。腹部の膨張は約1/3の患者にでる。神経障害、小腸変性症を示す運動出張症、関節症、不妊症、及び出血障害はあまり一般的な症状ではない。疱疹上皮膚炎、水泡性皮膚疾患は現在多く大人のセリアック病患者に起こる病気の異形と考えられている。約4%のこのケースでセリアック病は妊娠の間、あるいは出産後
数週間、数ヶ月間にでてくる。セリアック病は後半の人生で診断が増加し、今日では約このケースの25%は60歳以上の患者で診断される。一般に思われているとは別に、この患者の95%はGFDをうまく使い、人生の質をずっと高めた生活を楽しんでいる。
セリアック病は沈黙と定義されるが、それは典型的なグルテン感受性腸障害の人はいつも明らかに健康なひとが対照である。セリアック病が多数の沈黙症状の人が危険なグループの人と報告されてきた(例えばタイプI糖尿病、及び一次親族)、そしてスクリーニングプログラムの中に登録される一般のサンプルの人々でもそうである。詳細な医学試験の結果、これらの沈黙の病気の多くは、低悪性度の病気で、心身の健康が低下した事と結びつく病気である。
セリアック病の可能性のある形は、EMAか、あるいはanti--tTG抗体、典型的HLA 素因 genotype (DQ2
か DQ8)が陽性に表れることで診断され、しかし小腸の生体組織検査で正常あるいは僅かに異常の粘膜構造(IEL
カウントの増加)である。これらのケースは典型的なセリアック病の腸障害が人生の後半部に進む危険性のあるものである。
合併症
骨疽鬆症は未治療セリアック病によく知られた合併症の一つである。持続性絨毛萎縮は、低骨鉄属欠乏と関係ある。骨異変ははじめにカルシウム、ビタミンD欠、次に腸吸収不良と考えられていた。最近は骨の代謝異常が原因と言われ、その中にはサイトカインと局所/全身要因の間の関係を含みそれは骨形成と再吸収に影響する要因である。小児集団のなかでGFDの迅速な施行を行なうと骨の集合の満足のゆく回復ができた。反対に骨疽鬆症を受けたおとなで2時的にセリアック病になったヒトは、ただちの回復はなく、骨折を減らす骨疽鬆症の標準の療法の効果に関する結論的なデーターはない。この発見は、セリアック病合併症をさけるため予防的仲介として初期の診療の必要性を強調する。神経学の精神障害の広がりはセリアック病の患者に増加している。グルテン感受性の神経学シンドローム(運動不調、抹消神経障害)、他病気)の人々はいろいろな特発性神経病理学、認知できる高グリアジン抗体、HLA-DQ2あるいはDQ7をもつ患者で考えられて来た。さらにこれらの病気の研究が高神経抗体(抗-パーキン素病、抗-神経核、抗--GAD)が言われている。てんかんはセリアック病患者でより一般的であり、一方てんかんによるシンドローム、後頭部石灰化てんかんの存在で,セリアック病は広く受け入れられている。鬱病はセリアック病患者の約10%に定常の食事で影響する。自閉症とセリアック病の間の関係は、未だ論争の的となっている、そして組織的にうまくデザインされた研究によって、グルテンが本来自閉症を引き起こすものかどうか、あるいはセリアック病の背景の外にあるのかどうか進められているが未だこの問題は残っている。初潮がおそく閉経がはやいのが未治療セリアック病患者で、それらと治療したものあるいはコントロールとを比較した。
セリアック病は女、男両方で不妊の原因である。反復中絶は未治療セリアック病の特徴でありグルテンを止めることで妊娠がうまく進むようだ。セリアック病の男は
可逆的に不妊となる。不能、性腺機能低下症、精子移動性異常、形態異常が起こる。潰瘍性大腸炎は、吸収不良で特徴づけられ、殆どいつも平らな小腸生検と慢性潰瘍が空腸、回腸で主に見られる。空腸炎が進むとセリアック病患者に治療を受けさせる、あるいはこれまでよくコントロールされたGDFで治療する。発症から前悪性腫瘍あるいは低グルード悪性腫瘍であろう。腸間膜リンパ節キャビテーションはまれで、長年の未治療のセリアック病に影響する重大な合併症で、GFD治療に反応しない患者には疑問である。大人の患者の少数のヒトで、GFDの治療にはセリアック病が対応しない。恐らく非-対応しない場合ほとんどは、グルテンを摂取しつづける、それは自由なあるいは迂闊なものであるが。セリアック病の患者でGFDを受け入れないヒトで、耐火スプルーカテゴリーに属することを無視される。異常なクローン性で皮内T細胞集団が耐火性スプレーをもつ患者の75%までが見出され、その病気は最近潜在的なエンパワー関連 T--cellリンパ種に分類された。これらの患者は典型的には薬理学的療法にすすみ、そこではステロイド治療,免疫抑制剤(アザチロプリンやサクロクロスポリンのような)での治療を行なう。もし患者がこれらの治療に反応しないならば、最終的な方法は非経口栄養治療になる。しかしながらこれらの療法のどれも正確な制御された研究ではない。
セリアック病は腺リンパ腫や他の種の癌、例えば特に小腸、咽頭、食道の腺癌に関係がある。エンテロパシー関連T細胞リンパ腫(EATL)は、高グレードのセリアック病と特異的に結びつく上部小腸のT細胞非--Hodgkinリンパ腺(NHL)のまれな形である。このNHLの亜タイプが、かつてあるいは付随して診断されたセリアック病に起こる。患者の下位グループにセリアック病の手に負えない形の進行的な悪化がある。EATLはIELsのクローン増殖でおこり、そしてしばしば診察時に頒布される。特別の症状はliver/spleen,
thyroid,skin,鼻孔、脳では一般的でないわけではない。EATLを持つ患者の眺望は暗い。
最近の研究は次の事を示している。;
(1)セリアック病はNHLの危険性へ大きな増加と結びついていて,特にT-cellと1次的に腸に位置するものについて(EATL); (2)セリアック病-リンパ腫に関与するものは、これまで考えられる物よりも一般的ではなく,対処的危険性が3に近い;(3)もし、特別の発見(T-cell originn あるいは又1次腸内在化)以外、セリアック病のスクリーニングははじめにはどんな第1次的場所のNHLをもつ患者にも必要なわけではない。(4)療法的には温和(あるいは沈黙)なかたちのものとむすびつくNHLの危険性はセリアック病の典型的な病気におけるより低い。幾つかの継続の研究は、GFDは癌の追求を抑え,特にもし生後1年から始めるときにではであると示した。GFDへの強い支持は非常に強い癌の形の部分集合をおさえる唯一の可能性であるようである(Catassie
et al, 2005)。
診断
血清学的試験
腸の生体組織検査はセリアック病の診察の断言に未だ必要なものと考えられているが、血清学的試験はしばしば各個人、病気確認のため手順の示されたヒトに用いられる。商業的には用いられる方法にはIgA-、IgG-AGA、EMA、anti-tTG、anti-actin抗体が含まれる。これらのテストは特に消化器症状を持たない人に有用であり、さらにセリアック病と結びつく病気をもつヒトに有用であり、それは第1位親戚のヒトの既知の病気の症状のスクリーニングと同様である。それはセリアック病の広がりを求める疫学的研究にまた広く用いられている。
AGA (Anti-gliadin) 抗体は、セリアック病の診療で広く用いられる初めての血清学的マーカーであった。IgA-AGAの感受性は、報告研究の中で子供で0.52-1.00, 大人で0.65-1.00の範囲であった。IgA-AGAの特異性は子供で0.92-0.97の範囲、大人で0.71-0.97の範囲であった。IgG-AGAはIgA-AGAと同じ感受性であり、しかし特異性はずっと低くほぼ0.5である。これはセリアッック病を持たない多くの個人はIgG-AGA抗体を示す事を示す。誤った陽性試験は、他のいろいろな消化器病気をもつヒトで記録されるが、そこには食欲不振、胃炎、胃腸炎、炎症性腸疾患、嚢胞性腺い症、牛乳タンパク質不耐性が含まれる。
EMAsはIgAクラスの自己抗体で、ヒト、サル組織のコラーゲンマトリックス中の抗原に対する物である。EMAテストは、モンキーの食道、あるいはヒトのへその緒を基質にする免疫蛍光法を用いたものである;正確なテストは両方の基質で類似である。この試験の性質は行なうのに時間がかかり、一般により金がかかるが、それは説明をオペレーターにまかせ、ひどくエラーしがちである。子供でEMAの感度は0.88-1.00, 大人で0.87-0.89である。EMAの特異性は子供で0.91-1.00で大人では0.99である。EMAテストは2歳以下の子供では正確性が低い。tTGはEMAが陽性なら大部分の自己抗原の原因となるとわかった。はじめに導入された時、anti-tTGアッセイではモルモットタンパク質を抗原として用いた。その結果、ヒトtTG遺伝子のクローニングがヒトtTGタンパク質に基づくELISA法の発達を誘導した。子供、大人両方のIgAクラスanti--tTGの感受性はともに0.92-1.00であった。anti-tTGの特異性は子供、大人ともに0.91-1.00であった。ヒト組み替えタンパク質とヒト由来赤血球組織tTGを用いたanti-tTGアッセイは、モルモットタンパク質を用いたアッセイに比べてより高い感受性(0.96-1.00対0.89-0.94)であり、特異性は(0.84-1.00対0.74-0.98)であった。
アクチンは細胞骨格ネットワークのキー構造タンパク質であるが特に腸の微絨毛に多い。
IgAクラスanti-アクチン抗体は、免疫蛍光法、あるいはELISA法で確認でき、セリアック病で絨毛の細胞骨格のダメージに寄与するようであり、小腸ダメージの病因に関与するようである。セリアック病患者の血清に存在するanti-アクチン自己抗体は、最近ひどい小腸の絨毛萎縮症のマーカーとして暗示されている。最近のデーター,実験の考察に基づいて、正確性、信頼性、コスト面からIgA 抗体と tTGの測定がセリアック病の初期の試験に薦められている。セリアック病のヒトは又IgA欠のヒトであり、IgA-anti-tTGあるいはIgA-EMAの異常に高いレベルにはないだろう。そこでセリアック病をテストする時,セリアック病の徴候の疑いの問題のある場合、血清IgA定量の測定がIgA-anti-tTG IgAが低い時の説明を容易にする。選択的にIgA欠、セリアック病の徴候ある人には、IgG-anti-tTGの試験が推薦された。セリアック病に対する血清学的試験が陰性の場合ですら、慢性下痢の子供、成長できない子供,そして危険なグループの子供(例えば選択的IgA欠、あるいはセリアック病の陽性のファミリー歴で),セリアック病と互換性のある徴候をもつヒトは、腸の生検が有効で血清反応陰性の異常なケースあるいは他の粘膜の病気の徴候を見つけるのに有益だ。
小腸生検
小腸生検は診療の基本であり、セリアック病の症状のあるすべての患者で行なうべきである。生検は、吸引-ギロチン機構をもつカプセルを用いて得られる(例えばWutson capsule)。
今回殆どの生検は子供、大人でも普通の光ファイバー機器の時代で消化器内視鏡検査で行なう。内視鏡は多くの生検に用いられ、サンプルエラーを最小にできる。セリアック病で起こった特徴的な歴史上変化は、IELsの数の増加(100腸細胞中リンパ球は30個以上)、陰窩の伸び(陰窩長の増加),全絨毛萎縮に対する一部、絨毛:陰窩比の低下である。固有層は変化し、そこには分裂指数増加、形質細胞、リンパ細胞、肥満細胞、好酸球の浸潤を含め変化する。IELsの増加は、多分絨毛構造中変化以上グルテン感受性のより高い感受性指標であり、それらは病気のコースの中で初期にみられ、他の構造回復の様相が見られる前に消える。Marshによって導入されOberhuherによって修正された組織学的グレードシステムは、セリアック病の組織学的変化を分類し、タイプ0あるいは浸潤段階(正常)、タイプ1あるいは湿潤障害(IELsの増加)、タイプ2あるいは過形成障害、タイプ3あるいはタイプ3a (部分陰窩萎縮)、たいぷ3b(亜絨毛萎縮)、タイプ3c(全絨毛萎縮)を含むタイプ3あるいは破壊障害である。セリアック病の診療をはっきりさせるために全ての場合に腸の生検テストが進められる。セリアック病で組織学的変化は継ぎだらけのものであるため、薦められるのは多くの生検見本を2次あるいは3次に十二指腸の抹消部分から得たものが推薦される。絨毛萎縮(Marsh type3)がセリアック病の特徴的な組織的様相であるというのは良い証拠だ。(Marsh type 2)で陰窩過形成のある浸潤変化の存在が生検ででることはセリアック病と一致するがしかし未だ明快な証拠ではない。これらのケースの診療は、セリアック病の陽性の血清学的試験(anti-tTGあるいはEMA)で強める事が出来る。そのことで血清学的試験が陰性なら腸の変化の他の病気が考えられ、さらにそれも除外されるならセリアック病の診療は再考される。浸潤の変化の存在だけ(Marsh type 1)の腸の生検であれば、それはセリアック病に特徴的ではない。付随して、陽性の血清試験はセリアック病(AntiあるいはEMA)であらば、問題がセリアック病でありそうな事だ。診療が不確かでさらなる策が考えねばならぬ環境下では、HLAタイプの測定を含め,繰り返しの生検あるいはGFDでの治療、そして血清試験,生検の繰り返しを考えねばならぬ。セリアック病の診断は、以前特徴的な組織的変化が小腸生検ででたヒトで、完全にしっかりしたGFD処理後完全に徴候の解決があった時,セリアック病とはっきり言える。
陽性の血清的試験が、きっちりしたGFDでこの場合治療後に逆に陰性になったら、セリアック病の診療の更なる支持できる証拠になる。
HLA試験
HLA-DQ2とDQ8をコードする対立遺伝子決定の為にポリメラーゼ鎖配列特異的オリゴヌクレオチドタイピング法を利用している。HLA-関連の危険(高あるいは低)の存在は第2世代の商用キットを用いてHLA-DQ2とDQ8遺伝子型の完全な特徴付けを可能にした。最近になって2つのこの試験の医学的応用が考慮された;(1)危険因子(例えば最近親者やI型糖尿病患者)のセリアック病の可能性は無視する。HLA体質の遺伝子型は病気進展に対し必要なファクター(しかし十分ではないが)なので、陰性であるHLAタイプの傾向値は非常に高い(例えばDQ2-及びDQ8-陰性のヒトの大部分は決してセリアック病ではないだろう);(2)セリアック病を除外するのに、疑わしい場合(セリアック病はDQ2-およびDQ8-陰性のヒトには99%C確実に除外できる)。
管理
セリアック病の治療とは、食事からグルテンを含む穀物の生涯の除外を人生を通して行なうことである。世界の多くの地域でヨーロッパ、北米、オーストラリア、北アメリカのグルテンーリッチの食品、例えばパン、パスタは重要食品だ。グルテンを含む食品は、そこで本質的には毎日のエネルギー源で食事を楽しむものである。変化は始める事が必要で、GFDを行なう事は大切で、毎日の生活に大きなインパクトを与える。こうしてその食事を始める事は重要なステップで、経験のある医師と管理栄養士によって同情的に扱われねばならぬ。小麦、ライ麦、大麦に関わる物はGFDから排斥される。オート麦のGFDから排斥は未だ議論の的である。殆ど例外なく、医学的研究ではオートの永い間の体への取り込みは、病気を起こさないかあるいは組織的悪化は子供、大人、何れのセリアック病あるいは疱疹状皮膚炎をもつことも引き起こさなかった。しかしながら多くの商業的利用されるオート麦商品は、グルテン含有穀物とクロスコンタミをおこし、穀物食品から排除する必要がある。
グルテンを含まない穀物で食べられるものは米、トウモロコシがある。他の天然食品、例えば野菜、サラダ、豆、ソバ、果物、ナッツ、肉,魚、家禽、チーズ、卵、ミルクは制限なしに食べられる。広範囲の魅力的な、味のいいグルテンーフリー食品は、グルテンがないと保証されたもので、特にセリアック病の患者につくられており、国際認識マークでラベルされており、それは小麦のクロスイヤー(交差した耳)がラベルされる。困難な事があるが、それは制限GFDの保持に "隠れたグルテン"と食品のコンタミの問題である(以下見よ)。
GFDをスタートして、症状のあった患者は医学的な改良が次第にあらわれ、同時にセリアック腸閉塞がなおる。こどもでは改善の最初のサインは、よく2−3日以内にあらわれ食欲がでて機嫌が良くなる、しかし徴候が完全に消えるまで数ヶ月かかる。GFD1-2年以内セリアック病関連血清抗体は消え、小腸絨膜構造の正常化が起こる。患者は命のために厳しく追求すべきで、特に特別のクリニックではそうであり、一方GFDから彼らは殆ど離れる。グルテンを取っていたヒトは、たまたまか、あるいは目的をもって、何れも十分に腸閉塞になり、そして健康は悪性腫瘍、骨疽鬆症を含むリスクにさらされる。
隠れたグルテン
多くの商品、すぐに食べるようになっているもの、さらにコンビニエントの食事は小麦粉で出来ている、そこにはグルテンの入ったタンパク質あるいはグルテンを含んだデンプンで増量剤、安定剤、加水分解のものが入っている。これはソーセージ、魚の指、チーズスプレッド、スープ、そーす、調味料、ミンチパイのミースミート、投薬、ビタミン剤に含まれる。全ての真のエール、ビールラガー、スタウトは避けねばならない、しかしスピリッツ、ワイン、リガー、サイダーは大丈夫だ。多くの国々での国の穀物協会は、ハンドブックを出版しており、そこでは利用できるグルテンフリー食品がリストアップされている。
これらのハンドブックは定期的に更新され、セリアック病患者用に不可欠なものがのっている。重要な事は、食品のリストはその国で纏める事の出来るものの単なる利用出来るリストにすぎない事を覚えておくことだ。同じ食物でよく知られたブランド名を持つものは別の国でもわずかにちがったレシピーで許可されて作られる。それらは同じ様にみえるし、味も同じだ。しかしある国ではグルテンフリーで、ある国ではちがう。殆ど不可能なのは"zero gluten level"食物をたもつことであり、グルテンのコンタミは食品中に非常に一般的である。特にセリアック病の食事処理にターゲットをおいて作った製品でも僅かのグルテンタンパク質の入ることがあり、それは製粉、貯蔵操作あるいは多量の成分として、小麦デンプンの存在によることから、元々のグルテンフリー穀物にクロスコンタミの原因のためである。
低グルテン摂取の結果
セリアック病患者に低いレベルのグルテンの取り込みの影響について僅かの研究がある。
Ciclitira et al
(1984)は、一人の患者へのグリアジン添加(グルテンの大部分の毒性区分)の毒性、タイムレスポンスの分析を行なった。彼らの結論は10mgでは変化なし、100mg僅かに変化あり、500mg穏やかな変化(中くらいの)、1gでは小腸の形態に強いダメージを与えた。同じグループはまた報告しているが、2.4-2.8 mg/日のグルテン摂取では、治療したセリアック病患者の1あるいは6週間後何れでも空腹生検組織学上の変化はなかった。
Ejderhamnら(1988)は、毎日4-14mgのグリアジンの摂取はGFDで長期治療したセリアック病のヒトの小腸粘膜の組織には影響しなかったと報告している。または最近フィンランドの研究によると、20-36mgの毎日のグルテンの取り込みは腸の組織にはわかるほどの効果はなかった。我々は、以前100mgグリアジン/日で4週間試験したが小腸の構造の悪化をみた、そして組織的な変化は1日500mgグリアジンでは患者にとりもっとひどくなっていた。最後にもっと多いグルテン摂取(1−5g毎日のグルテン)の場合では、西部の国々の非セリアック病の人々の10-20g/日の正常のグルテン摂取よりも低かったが、病気のぶり返しの原因となり、それは病院、研究所、組織上のレベルで子供、大人両方でテストした。
我々は最近、見込みある二重盲式の多施設試験を用いてグルテントレースの毒性(10−50mg/日)試験をセリアック食で行なった。患者39大人で、生検的にセリアック病のヒトとGFDで少なくとも2年間治療したヒトで行なった。毎日のグルテン摂取のバックグランドは5mg以下とした。ベースライン評価(To)のあと、患者は毎日食事するようにきめ、90日間、0mg,10mg、50mgグルテンを含むカプセルを摂取した。診療、血清学的、小腸組織学評価をToで行い、さらにグルテン"ミクロチャレンジ"(T1)を行こなった。この研究は、極小グルテンに対する感受性の大規模な患者間変動を明らかにするものである。セリアック病の患者ははっきりした小腸組織の悪化を僅か毎日10mgのみの摂取で示したが、一方他のモノは明らかな粘膜組織改良が50mgの毎日のグルテンで3ヶ月のチャレンジ後みられた。この広い個人間の違いながら、我々は50mgの毎日のグルテンはもし少なくとも3ヶ月間ならば腸の形態計測(陰窩の深さあたり絨毛の高さの減少)のはっきりした悪化の原因でセリアック病の治療した患者ではっきりしていた。
グルテン許容範囲問題点
安全なグルテン消費許容範囲の設定は、特に病気の世界的大きなひろがりに関する報告の光の中で、セリアック病を持つ患者にとって大きな公衆健康上の問題である。最近のNIH合意会議で、セリアック病に関し米国ではセリアック病にかかっている300万人ほどの人々に光をあてている。最近の承認された食品アレルゲン表示と消費者保護法とともにこれらの所見は、医療政策、食品の安全性、立法上のガイドライン,産業関連の法的責任の点から空白をつくりだしている。"グルテン許容範囲"の話題は最近Codex Alimentarius the WHO/FAOコミッションによって評価されたが、そこでは国際レベルでの食品のスタンダードの設定の担当している。最近、異なった地域の国々でグルテンコンタミ(百万分の1の表示、ppm)の最大レベルに関し、均一なガイドラインの意識を妨害するようであるが、それはセリアック病治療用にマーケットに出す商品中に許容されるものである。これはホットトピックであるが、最近大きくレビューされた。北ヨーロッパ国々ではグルテン200ppmまでセリアック用の食品で許可され、それは小麦デンプンを成分として用いるためである。逆により慎重な値は20ppmであり、北米、南ヨーロッパの国々で認められている。医学的な分析データーに基づくものでは、フィンランドの専門家は最近その中間の100ppmを唱えている。
許容範囲に関する決定は、最小の毒性ドースのみならずグルテンーフリー食品の消費量にもよる。ミクロチャレンジの研究結果から200ppmは安全な許容範囲ではないとわかり、危ないグルテン取り込み量50mgが名目上のグルテンーフリー食品の摂取(1日250gあるいはそれ以上)の中程度の消費量に達している。100ppmの許容範囲もまた100gの食品から10mg相当のグルテンとなり、普通の利用には多分適していない。特にイタリアのような国では小麦代替の消費はしばしば500g/1日の量まである。20ppmの許容範囲は、"特別のセリアック食品"からのグルテン摂取量が十分50mgより下回るもので、いろいろなグルテン感受性のヒトと患者の食事習慣の安全余裕を与えるものである。
グルテンフリ−穀物 食品と飲料、セリアック病−1
イントロダクション
セリアック病は、グルテンを食することで遺伝的に起こる免疫関与の腸苦痛の病気である。
ほとんどの素因となる遺伝子はクロモソーム6上のHLAシステムであり、HLA--DQ2とDQ8遺伝子は少なくとも95%の患者に認められる。グルテンは小麦と他の穀物(ライ麦、大麦)中にあり、世界中の殆どのヒトの重要な食料の中の貯蔵タンパク質で、複雑な混合物である。グルテンタンパク質には幾つかのユニークな特徴があり、それらが免疫の性質に関与している。それらはアミノ酸のうち極端にプロリンとグルタミンが多い。高プロリン含量のため、グルテンは消化器管中で非常にタンパク質分解酵素活性による分解を受けにくい。それは、胃、膵臓酵素がpost-proline分解活性を欠いているためである。さらに高グルタミン含量はグルテンを酵素tissue transglutaminase (tTG)の良い基質とする。グルテンタンパク質に現在、多くのペプチドがエンコードされていることが知られ、それらはT細胞媒介性及び生来の応答性の両方に刺激を与えることができる。33-merは33残基(α2-gliadin56-88)グリアジンペプチドで正常の胃腸プロテアーゼ分解ででき、ここには3個のT cell epitope (エピトープ)のオーバーラップコピーされた6個の部分がある。33-mer は免疫優勢ペプチドであり、明らかに強力なT細胞刺激物でそれはtTGによって脱アミド後にそうなる。セリアック病は、世界的基準の最も一般的ライフロング病気(一生続く病気)の1つである。その病気はこれまで予期できない範囲の臨床的症状であらわれ、そこには典型的な吸収不良症候群(慢性下痢、体重減少、腹部膨満)、及び臓器または身体系に潜在的に影響を及ぼす症状のスペクトル(範囲)があらわれる。セリアック病はしばしば非定または動きがない(silent)ため、多くの症例は未診断のままであり、骨疽鬆症、不妊症、又は癌などの長期間の合併症のリスクをもたらす。セリアック病の社会的な大きな関心の深まりは大きくなり、疑いもなくこれまで考えられていたよりもこの状態に関係する病気の負担は大きい。セリアック病は如何なる年齢にも、年配者になってからも表れるが、典型的なのは初期の子供時代に表れる。Samuel Geeはこの病気に関心をもった人だが、1887年10月5日Great Ormond Street, Londonの子供病院で講義をし、1888年に彼の古典的論文、"セリアック病に関して"を書いた。Dr.Geeはセリアック病を次のように述べている;
一種の慢性胃弱(消化不良)であり、全ての年齢のヒトがかかるものであるが、特に
1− 5歳の間の子供がかかりやすい。------この病気の徴候は排泄物によってわかり、
それは緩く、形にならず、だが水っぽくはない:摂取した食品よりはかさばって(bulky)いるもので、それが原因となりーーー
明らかに彼は既に食品が病気のトリッガーであると考えている;
病気の原因は不明だ。それにかかった子供は全く体質的には弱くはない。多分食事が
原因だろう、しかし何が原因なのか?なぜ家族全員同じ様に摂取しているのに、一人
だけが苦しんでいるのか?食事を考えることが主なこの病気の治療法であるーーー。
デンプン性食品の原因である可能性が高い。高デンプン質食品、米、サゴ、コーンフ
ラワーは不適切だ。
彼の臨床上のするどい洞察力にも関わらず、Dr. Geeはグルテン消化とセリアック病の最
終的な関係にまではいたらなかった。彼は結論として以下のように言っている;
"麦芽入り食品ならいい。あるいはラスクあるいはパンを薄く切って、両サイ
ドを十分焼いてーーー"。
疫学
一般の人々
過去においてセリアック病は殆どヨーロッパの子供に影響するまれな病気であると考えられていた。事実この考えはまだ広くあり、そのため多くのヨーロッパ諸国ではセリアック病が"健康管理サービスシステムの特別の配慮によって守ることの出来るまれな病気"のリストに含まれている。一方、最近非常に多くの研究がセリアック病は世界の多くの地域において人類に影響を与える最も一般的な生命に影響を与える病気の1つであると示した。殆ど未治療で残されているのは、典型的な徴候の欠落のためで、最近は血清的な方法でスクリーニングされるのみである(例えばserum IgAクラス、抗トランスグルタミナーゼと抗endomysial 抗体決定法)。一般のサンプルで行なわれる血清学的スクリーニング法からは、ヨーロッパではセリアック病の流行が非常に高いことを示しており, そこでは 一般人口の0.75-0.4%の範囲で,その傾向は若いグループで高くなり(1%あるいはそれ以上)、より遺伝的に離れた人々でも高くなる(例えば北アイルランド,フィンランド、サルジニアで)。最近までセリアック病は一般にヨーロッパより北アメリカの方が低いと思われていた。USAではセリアック病はその頻度が低いようであるが、あの国では何か防御環境要因があると仮定されるが、アメリカ、ヨーロッパは、概して共通の遺伝的バックグラウンドがあるはずである。この疫病的な
"ジレンマ"は、最近我々が行なった一般人4126サンプルのヒトを含む大きなUS prevalence研究によって答えられた。全体的なこのUS人口サンプルでのセリアック病の有病率は1:133であり、実際にはヨーロッパの数値にオーバーラップする。同様の病気の頻度は、各ヨーロッパ起源の国々でも報告された(例えばオーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン)。
セリアック病は、発展国にのみ特によく起こるという病気ではなく、新興国地域でも次第に見つかっている病気であり、例えば北アフリカ,中東, インドである。本質的には開発国で、子供の病気、死亡に至る。世界中で最も高いセリアック病の蔓延はサハラ人と言われ,それはArab-Berber起源のアフリカ人である。990のサハラ人の子供をサンプルとしてendomysial抗体(EMA)試薬でスクリーニングし、そして腸の生体組織検査すると、我々はセリアック病の蔓延が5.6% におよび、それは殆どのヨーロッパの国々の5-10倍高い数値であることがわかる。この著しいセリアック病頻度の理由は不明だが、しかし多分第1に遺伝子の要因と関係あり、高レベルはこの人口の親族関係によるものであろう。主な感受性の高い遺伝子タイプはHLA-DQ2とHLA-DQ8であり、サハラ人の人口の一般的バックグラウンド中で最も頻度が高いものの1つである。グルテン消費が同様に非常に高く、小麦粉はこの地域の人々にとり十分にある食料である。セリアック病はサハラ人の子供ではひどい病気であり,慢性下痢、発作、貧血、死亡率の増加は特徴的である
(図 1.1)。他の貧困な国と同様、治療は診断施設の欠乏と、一般に利用されるグルテンフリー食品の不足で遅れている。
中東はセリアック病の歴史の中で特別の地域をもつ。新石器時代の開拓地、ワイルド先祖Triticum monococcum
bocoticcumと北東域(トルコ、イラン、イラク)のT.monococcum uratruと南西域(イスラエル/パレスチナ,シリア,レバノン)のTriticum turgidum
dicoccoidesのいわゆる"肥沃な三日月"の地域で古代穀物の定着は始まる。これは最も西の端、地中海海岸から、東のチグリスユーフラテス地域間に広がる。小麦、大麦の栽培はまずLevantと西Zagros(イラン)で、数10000-12000年前に作られ大きく進歩した。肥沃な三日月地域から、農業の広がりをみせ6000年頃前、西ヨーロッパの端にまで達した。1980年代、Simoonsは農業のこの広がりのパターンが西部のある国々、特にアイルランドにより高いセリアック病発生の原因となるのではないかと考えた。HLA-B8抗原(はじめてHLA抗原がセリアック病と結びついていると知られたが)のヨーロッパ中に蔓延のマッピングから、彼は農業が行なわれて以来、東-西のグラジエントと、時間の長さの減少にともなって抗原頻度増加に一致のあることに気が付いた。Simoonsがそのとき考えたのは、HLA-B8抗原は恐らく農業前のヨーロッパ中に一時広がったのであろうという事だ。この理論によると、小麦消費の広がりは、セリアック病と結びつく遺伝子、例えばHLA-B8と負の選択圧力が働いた。北西ヨーロッパにより高いHLA-B8頻度があり、その結果、より高いセリアック病の頻度があり、多分それはかなり最近まで穀物にさらされる事がなかったためであろう。
この理論は、明らかに最近のセリアック病遺伝子と疫学の両方の進歩を前にはすすめなかった。一方、現在よく知られはっきりしている事は,セリアック病に対する主な遺伝子的傾向はHLA-B8ではなく、あるDQ遺伝子タイプ(DQ2とDQ8)にむすびついており、それらはB8とリンケージ不均衡の関係である。DQ2もDQ8も何かクリアカットに東-西の広がりとの傾向がない。一方、全体的なセリアック病の蔓延が今やヨーロッパよりは中東の国々の方がより低いということではなく、それはあたかも長い農業の歴史がセリアック病にかかりやす遺伝的バックボーンを除去するような傾向にあるようである。
リスクのあるグループ
世界中の研究は、セリアック病の蔓延が明らかにある特別な人々のグループで増加することを示した。セリアック病の第1段階親類(最近親者(父母、兄弟、姉妹、子))のリクスは平均で6-7%と報告され、ほぼ3−10%の範囲である。フィンランドの研究では、セリアック病をもつ380患者数と皮膚炎疱疹の281患者数の平均病気蔓延は5.5%, その分布は以下のようである;7%は兄弟、4.5% 両親、3.5% は子供であった。セリアック病の蔓延は又第2段階親類でも増加している, そこでは危険要因として遺伝的に病気になりやすい素質の重要性が強調されている。セリアック病蔓延は、自己免疫病の増加であり、特にタイプ1型糖尿病、甲状腺機能低下症が増加する、しかしまた一般的障害の低下もある(例えばアデソン病、自己免疫性の心筋炎の低下)。セリアック病の子供でタイプ1型糖尿病の平均的蔓延は4.5%(0.97-16.4%)である。一般に糖尿病はまずはじめに診断され、一方セリアック病はしばしば無症状であるが血清学的スクリーニングで検知できる。幾つかの甲状腺機能低下症(Hashimoto's甲状腺機能低下症、Graves's病、それと原発性甲状腺機能低下症)でセリアック病頻度の増加がよく見られている。3-5倍ほどのセリアック病の蔓延の増加が自己免疫甲状腺病の患者で報告されている。一方、セリアック病と関係ある甲状腺機能低下は時に自己免疫プロセスの様相を欠く。興味深いのはグルテンをやめるセリアック病の治療は、潜在性甲状腺低下を正常化に導く。セリアック病と他の自己免疫病の間の因果関係の論争は重要である。2つの最も信用おける理論は;(1)この関連は二次的にセリアック病と関連免疫病の両方に素因のある一般的な遺伝的バックグラウンドの存在に関係する、あるいは(2)未治療セリアック病は各々の遺伝的にかかりやすい他の自己免疫疾患の発病に結びつくというものである。この2番目の考えは、tTGが自己抗体の唯一のグルテン-依存性自己免疫反応に関係するものと思われる証拠によってサポートされている。他の自己抗原で普通"cryptic=なぞめいた"はマスクがはずれ、そして自己会合免疫反応をひきおこし、さらにグリアジンの開始の炎症性進行にすすむ。
抗原の蔓延の現象は、よく定義された天然のモデル、例えばタイプ1型糖尿病に述べられているが、この病気のあらわれは患者がいろいろな自己抗原(例えば抗インシュリン、抗ベーターセル等)に対し自己免疫反応をした後で表れるもので、さらにセリアック病でも多分存在するだろう。これは自己免疫疾患の高発生、さらにグルテン含有食品で起こるセリアック問題で多数の臓器特異的自己抗体の存在を説明する事になるであろう。しかしながら明らかでないのは、初期のセリアック病の治療が他の自己免疫病の進行の阻止したのかどうか明らかにされていない点である。
セリアック病の頻度の増加はある遺伝病でみられ、それは特にDown's, Turner's, William'sシンドローム(病的現象)である。イタリアの共同研究によると、1202例のDown'sシンドロームで55セリアック病がみつかり、この病気の4.6%であった。Down'sシンドロームをもつ子供のうち、セリアック病は臨床の発見ベースだけでは検知できず、そのため探せない。徴候があったときですらそれらは臨床的にはっきりしないか、あるいはDown's シンドロームと認知する事が可能であるかである。にも関わらずグルテンフリー食(GFD)を全ての徴候の見られる患者に与え、胃腸の訴えの変更に関する報告では、これらの子供たちの生命の質の改良の同定と治療効果を示した。選択的IgA欠乏(5mg%以下の全血清IgA)はセリアック病の進行にかかりやすくするもので、このことはプライマリー免疫疾患でセリアック病をもつ患者が一般的人口よりも10-16倍も多い。選択的IgA欠乏患者およびセリアック病患者は、スクリーニングの目的でクラスA anti-tTGテスト(あるいは他のIgA-基本テスト、例えばEMA)を利用しても見逃す。この理由のためもし全IgAが正常より低いときは,(1)患者のIgAの全血清レベルをセリアック病のためにしらべ、さらに(2)IgG-ベース試験(例えば
IgG-anti-tTG あるいはIgG-anti-gliadin)を調べるのが適当である。
氷山モデル
セリアック病の流行病は氷山モデルによってうまく概念化された。セリアック病の蔓延は、氷山全体として受け止め、単に人口中の遺伝子タイプの傾向による病気であるのみならず、グルテン摂取が原因である。ヨーロッパ起源の国々で相当多数のセリアック病の蔓延がある。元々の人口の0.5-1.0%の範囲である。これらの病気のかなりの部分は、セリアック病氷山で言えばほんの眼に見える部分は良好に診断されている部分であり、具体的には暗示的な訴え(例えば慢性下痢、不明鉄欠乏症)あるいは危険な状態の状況(例えばセリアック病の家族健康歴、あるいは連動する自己免疫病)である。発展国では各セリアック病患者の診察状況は平均5-10件は未診断(氷山の水中部)であり、普通、心的なあるいはミニマル、あるいはアブストラクトの不平のためである。これらの未診療のケースは未治療でありそして長期の合併症(併発症)の危険がある。"水際"、即ち未診療に対する診療の比率であるが、ほとんどは医師の低臨床疑惑の場合(例えばセリアック病臨床的意識)、その医師が血清学的セリアック病マーカーを希望するかどうかによる。多くの患者は、ある与えられた時間に診療を受けない(例えば徴候がないため)が、後になって表れることがあるが、それは臨床悪化の時で、そのことを理解することが重要である。
セリアック氷山の扱いをどうするかは最近化学的なコミュニテイで論争の的になっている。一見、巨大スクリーニングに関して良い議論をしている:(1)、セリアック病は普通一般の人の中で顕著な病的状態を起こす病気である;(2)初期の検査はしばしば臨床を基礎にするため困難である;(3)もし認められないときでも、この病気はそれ自身処理できないひどい合併症(例えば不妊、骨疽鬆症、リンパ腫)を示す;(4)効果的処置、GFDがある; (5)感受性ある簡単なスクリーニング法がある(即ちanti-tTG
試験である)。しかしながらコスト/効率のセリアック病スクリーニングの比率には、もっと明快さが要求される。はっきりしている事は、未処理のセリアック病の患者が合併症を起こすことだが、元々の非診療/未処理セリアック病の歴史は、特に"Silent"型といわれ、不明にとどまっている。
これには強い制限があり、GFDで治療すると特に大人ではそれが生命の質にひどく関連してくる。セリアック病血清マーカーは高い感受性のあるにもかかわらず、一般の人々に用いるとこれらの研究のポジテブな予測的な値が低下する。さらにセリアック病スクリーニングの適切な年齢の解明が残っている。これら全ての理由で未診療のセリアック病の氷山に最も近づくのは、危険グループの血清学的試験であり、それが最小のコストではっきりした患者を発見する方法で、倫理的にも適当方法である。
第1番目の治療(care practice)は、セリアック病の危険にあり、はっきりした治療を付託する必要のある人を同定する最初の機会である。我々は最近、USAやカナダでの初期ケアの医師から医学的関心を求めらた大人の血清試験(IgAクラス抗--tTG抗体測定)を使って、多施設、将来のケーススタデー研究を行なった。簡単でよくできたセリアック病大人用の発見基準を用いることで、我々は32-,43-倍ほどこの病気の診断スピードを上げることができた。最も多くの不診療セリアック病の危険要因は:(a)甲状腺病、(b)ポジテブのセリアック病の家庭健康歴、(c)胃腸障害、そして(d)貧血有無の鉄欠乏症である。多くの新たなセリアック病の診療ケースで報告されるものに、長期の徴候履歴(普通数年)のあるもので、それは以前にセリアック病の疑いが十分にあったものである。