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2018年12月アーカイブ

2018年12月16日 10:42 (瀬口 正晴)

グルテンフリー食品のラベリングと規制上の問題−2

食品のラベリングと注意

 

世界中に広がるCodex 標準改良による食品ラベリングのプラス結果とは、いくつかの国の政府がグルテン含有成分とアレルゲンに法的ラベルを入れ、国の法律に加えたことである。この進歩でグルテン不耐性の消費者は、"クリーンラベル"によって危険から健康へと逃げることができ、この章の始めに述べた通りである。

 更にプラスの効果は、全てのCodex 会議による考察とAOECSの書いたコメントのため、グルテン不耐性の注意が世界中の国家と世界中の食品産業界に広がり、それらはCodex事務局を通じ世界中の政府98%に配布された。食品産業は、グルテン不耐性の消費者が巨大な数いて、彼らの必要なのは非常に多くの特別のグルテンフリー食事用食品のみならず、正常に消費のグルテンフリー食事用食品(例えばスープ、ソース、ソーセージ普通製造、特別の製造)に対しても必要な人々のいることに気がついた。ある国では(例えばオーストリア)、いくつかの肉製品の製造会社はグルテンフリースパイス(薬味)、グルテンフリー成分を彼らの製品に用いている。一般に、食品不耐性、食物アレルギー、ラベル無し食品成分入りの健康危険への関心の高まりは重要で、それは単にグルテン不耐性消費者のみならず過敏症リストに述べた他の不耐性あるいは食物アレルギーを持つ人々全てに重要である。所謂"アレルゲン論争"から、いくつかの研究が開始された。欧州委員会のDirectorate General Joint Research Centre (DGJRC)の研究プログラムは、ELISA、PCR、その他の研究方法で食品中アレルゲンの検知を研究するものである。最近の研究は緊急に必要な研究方法の確認と比較材料の利用例を示した。

最近のものは、欧州委員会 の Standardization (CEN)の新ウオーキンググループ(WG12)食品のhorizontal methods (曖昧さ回避法?)(TC275)の技術委員会の設置である。初めにCENはピーナッツ、ハーゼルナッツ、ミルクタンパク質、卵、グルテン、大豆からのアレルゲンに集中した。Working Groupは特にまた中心リストを作り、その中でこれらアレルゲンを使い何か考えられるような試験方法で評価した。さらに国際的協力効果では、JRCによっていろいろな食料品商品テストキットの検証が調整された。JRCはまた海外の他の国際的基準団体、たとえばAOAC Internationalやヨーロッパ内外の研究団体のものと協力し、例えば食品のアレルギーは世界の国際問題となっている。

 

コンタミネーション

 

食品全部門においてグルテンフリー穀物の高頻度利用のため、コンタミ否定は重大な問題事である。本来、グルテンフリー穀物にグルテン含有穀物がコンタミする事は起こりえることであり、例えば栽培変更、収穫の間、移動の間あるいは船荷の間、貯蔵の合間等に起こるのだろう。

もし同一製粉機械、パッキング設備をグルテンフリー穀物、グルテン含有穀物に用いるならば、当然高レベルのコンタミは起こる。最大レベルの外国穀物輸入には法的規則はない。一般に、契約上、他穀物の2%が最大リミットと述べられている。しかし研究から、いろいろなサンプル、きび、米、大豆粉でほぼ1000mg/kgグリアジンであり(Van Eckert et al ,1992)、米粉では76、 250、570mg/kgグリアジンで、きび粉では125mg/kgグリアジン(Fritschy et al., 1985)が検知されている。28種類の粉サンプル(米、ソバ、トウモロコシ、きび)のセット中で、2つのひどいコンタミ、2000mg/kg、3000mg/kgがソバ粉で見つかった(Janssennet et al., 1991)。オート麦粉では大麦のコンタミが8.000 ppmまで検知された(Hernando et al., 2005)。

    一般に利用するソバ、きび、米、あるいは大麦粉はセリアック病を持つ人々にとり、健康危機を有するもので、グルテンフリーパンあるいはグルテンフリーミールの調製時にはさけねばならない。国際的に"クロスーグレインーシンボル"マークを持つ粉、あるいは粉ミックスは、グルテンフリー食品として調整され、品質保証された安全なものである。このシンボルの利用は、許容限界、分析方法、モニタリング(監視)を意味するものでAOECSが行っている。生産者は、その供給者を選択することと全ての入ってくる成分を秩序よくコントロールする事で如何なるコンタミの危険も避ける。

    高レベルのコンタミは常に小さなパン屋が作るパンで見つかり、近所のグルテン不耐性の人々の好みで見つかる。例え調整されたグルテンフリー粉ミックスが使われても、工場の器具が適当に清掃されていないとパンや他のものへのコンタミは高くなる。ベーカリーに対しては、別の生産工場とか加工装置が薦められている。

    正常消費用加工食品のコンタミは、未確認レベル以下、例えば20mg/kg以下にコントロールされているが、それはグルテン含有食品の再作業を除外した時とか、加工器具を分けきれいに使った時とか、更に十分な危険な分析とクリテカルコントロールした(HACCAP)システムを使った時である。可能な限りグルテン残渣除去するため、迅速なグルテンテスト-ステック法が有効であると示された。

 

製品責任と食品安全性

 

EUの製品責任の条例は指令 85/374/EEC(欧州指令, 1985)に置かれ、それは責任の必要性、生産者、損傷、検査食品、因果関係、防御方法を特に示した。食物アレルゲン、グルテン、何れも過敏症を引き起こすが、基本的には同一方法で、食品の安全性に関係したこれと他の規制で考察される;アレルゲンに関してEU 規制に基づいた包括的レビューがHeeres (2006)によって示された。

    主なルールは、生産者(彼、彼女)が自分らの生産物の欠点によるダメージに対して責任を持つということだ。この法律は、生産者に対しはっきりした責任、落ち度のない責任にもとづいている。農家から食品まで生産連携の各食品ビジネスが生産者である。ダメージとは、破損からくるダメージ、あるいは人への被害のダメージ、食品の欠点そのものよりもそれのもつ性質項目からのダメージに制限される。食品とはあらゆる食物、食品成分とそれらの加工でできる。

食品に安全性のないものは欠陥食品であり、その安全性とは人にどんな環境下でも説明を期待させるものである。グルテンに関する環境とは、加工食品を表明し、ラベリングし、その利用は理屈通り期待されるというものである。欠陥とダメージの間の因果関係は証明されねばならない。

これを行うのは非常に難しい。例えば食事中、食べた食品の一つにグルテンがあったという根拠。

 食品加工業者にとり最も関連ある2つの防御手段とは以下のアウトラインである:

 

・  当時の科学的、技術的知見の状態は、生産者が生産物をその状況に中に置いたとき、欠点の見つけられる状態ではなかった。例えば、その当時は未知であったあるアレルゲン性物質がその状況下に置かれ、その後この物質がアレルゲン反応の原因物質であることがわかった。

・ ある材料製造業者にとって防御の手段は、欠点はその成分の取り込まれている食品の設計に

   あることを示すべきであり、あるいは食品の製造業者によって与えられる方法によるもので

   あることを示すべきである。例えばある食品業者がアレルゲンの成分を用いたが、この成分

   にラベルをしない、一方その成分の製造業者は明らかにこのアレルゲンの存在を成分ラベル

   に述べていた。

 

 過去数年間、多くの関心が一般食品の安全性ポリシーや調整に世界保健機関、食糧農業機関、国家当局と欧州連合で払われてきた。それは規制 178/2002, 一般食品法と呼ばれるが、2002(欧州連合, 2002)に出された。

 HACCP(危機分析重要管理点)はWHO/FAOで最も重要な文面となった。European Union basic prionciples of hygiene in food stuffs は規制85c/2004に置かれた(欧州連合、2004)。食品ビジネスのオペレーターは、定位置に置き、定義付けし、永遠の方法、あるいはHACCP主義に基づく方法を維持すべきと宣言する。HACCPシステムは、食品のビジネスオペレーターがより高い食品安全の標準に達することができるよう援助する手段である。グルテンフリー食品に対するHACCPシステムには、20mg/kgの限界以下レベルのコンタミの十分な測定値を含む。保証されたHACCPシステムは、アレルゲンのコンタミに関する危険性とそのコントロールポイントを説明し、もしこのコンタミが間違って生じた時、生産者にコンタミの危険性の低下と高い責任料の危険性低下に関し助力を与えるであろう。

 

警戒文と放棄声明文ー消費者に役立つか?

"放棄"という言葉は文字通り責任の放棄である。放棄文面とは、読者にある特別の声明からの権利を抜粋することを不可能にすることを示している。以下は、放棄と誤った事例であり、セリアック病患者が目から情報を得ることがなく混乱させるケースである。

 欧州指令 2000/13/ECの記事 2は食品のラベル(欧州指令,2003)に関するもので、誤解させるラベルの除去を求める;

 

    用いるラベリングと方法は:購入者を材料クラス、特に食品材料の特徴、特に性質、独自性、

    特徴、成分、量、保存性、由来あるいは起源、食品製造方法に関して間違った方向に導いて

    はならない。

 

 食品のラベリングに関するCodex 標準、及びEU 法により、その存在がクロス・コンタミ(交叉汚染)によって引き起こされた時にはアレルゲンのラベリングは要求しない。しかしながらある製造業者らは、この指示に従わず、たとえ可能なクロス・コンタミと関係なくてもどんなケースでもグルテンの存在があればラベリングを選んだ。例として、ある生産者のホームページ上に2種類だけ異なったグルテンフリー未加工豆がリスト化されていて、一方マーケットには5種類のものがでて混乱を起こした。その理由は、3種類のサブサプライヤーにはコンタミの恐れが有り、はっきり言われた生で未加工処理豆はグルテンフリーではなくて、まさに責任の理由がそこにある。誰も未加工処理豆を食べない。例え小麦粉が多少コンタミしていても、たとえばそれはコンタミで有り、豆を料理する前に洗い流されるだろう。このケースは、米、レンズ豆等でも報告される。

 消費者はかれらが食品中のある物質、あるいはある材料に不耐性のとき、成分表を非常に注意深く読む。2-3年間、警戒要請、たとえば「小麦タンパク質を含むかも知れない」あるいは同様の記述が混乱を引き起こした。セリアック病の患者が知りたいのは、この情報から次にどうしたらよいのか、そしてセリアック協会にこの製品を食べられかどうかというアドバイスを求めたいのだ。ある1例で、セリアック協会が食品業者にコンタクトし、この「含まれるかもしれない」の記述の確かさを求めると、ある分析方法で調べてもグルテンの僅かしか検知できず、最も悪いケースと計算され、可能なコンタミはどんな場合でもそれが20mg/kgグルテンよりずっと下であると報告された。「小麦タンパク質を含むかもしれない」という企業の警告は法的アドバイザーの意見に基づくものである。ある別の場合には,食品の分析は拒絶されたが、「小麦の僅かが含まれるかもしれない」という警告文、あるいはそれに似た言葉が、ある場合には、責任を逃れるための会社のポリシーとして使われる。この考えを進めると食品ラベルは意味のないものになってゆく。

 あるいくつかのスーパーマーケットと食品製造業者は、セリアック病患者に対し特別のサービスをしようと考え、グルテンフリーロゴを食品にプリントした。しかしながらその結果は良くなく、スーパーマーケットのチェインがかれら自身のグルテンフリーのロゴを作リ始めると、消費者はロゴの背景にある品質システムが判らないまま幾つかのロゴと向き合うようになる。食品がグルテンフリーであると自明のとき、「グルテンフリー」の警告がラベルにプリントされると更に混乱をおこす。この警告は既にミネラルウオーターのボトルで見られるが、それはグルテン含有のミネラルウオーターが存在するという誤った解釈を導くことになる。グルテンフリー食品のCodex 標準は「グルテンフリー」の警告の利用を調整、考慮せねばならない。特にセリアック病患者用に調製された栄養食物、食品(例えば普通小麦粉を含むスープがグルテンフリー粉に置き換えられたもの)にとり、もしも国際的なグルテンフリーシンボルが用いられているなら、それは有用な物となろう;これはセリアック病患者によって直ちに認識ができるからだ。

結論

 

世界的規模の食品ラベルのCodex 標準の改良と国家的食品ラベル関連法の改良は、食品中のグルテン含有成分、食品添加物の不十分な発表のために未知のグルテン取り込みで引き起こされる健康危機を解決してくれた。グルテン含量が除かれている派生関連物のラベリング免除は、例えそれがグルテンを含む成分、あるいは又添加物が使われていようがいまいが,その食品のラベルを読んだ読者がよく理解するのに貢献する。正常消費用の食品をつくるための加工道具とは分離して、十分にきれいにしてコンタミを無くすように努力すべきだ。「多分含む」という記述はさけるべきで、それは消費者にとり、この食品を食べる事ができるかできないかを選択するのには有用ではないからである。いくつかのCodex 標準 やガイドラインの改良は、グルテンフリー食品の安全性と大きなバラエテーの変化に貢献し、その結果、グルテン不耐性の人々にとって人生のより良い質的向上を保証するものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年12月14日 13:57 (瀬口 正晴)

グルテンフリー食品のラベリングと規制上の問題−1

紹介

最近の流行病の研究は、100人中1人が世界中でひろがるセリアック病である事を示し、それは最も一般的な食品不耐性の病気の一つである。セリアック病の唯一の治療法は小麦からのグルテン、大麦、ライ麦、オート麦あるいは何らかのTriticum品種あるいはそれらの雑種からの関連タンパク質をさける事である。セリアック病患者食事用にオート麦利用がグルテンフリー食の改訂基準案 (Codex 委員会,2006a) に使われた。セリアック病患者に加えて、疱疹性皮膚炎を持つ人々もまた食事からグルテン含有食を除去せねばならない。さらに他の病気でもグルテンフリー食事にポジテブな効果のあるという情報が最近のセリアック病に関する国際会議にある。IgE-仲介アレルギー反応を示す人々も穀物-ベース食品で引き起こされる反応だが、又、安全な食事を必要とする。

   グルテン含有食品、食材中の成分の全排斥は健康害を防ぐためには極めて重要なことでは有るが、過去にはこれを実現することが極めて難しくそれは(a)構成成分、(b)分類名、(c) 技術的理由での小麦グルテンの利用に関しラベリングの説明不十分なためであった。もし混合物の成分が全食品の25%以下なら、全てのこれらの混合物成分はラベリングから免除される。

 "米--チップス"という食品ラベルには、無申告の小麦粉も含むことが可能であった。

分類名、例えば"デンプン"あるいは"植物タンパク質"のようなものは元々のものからどんな指示されるようなものも持ちこまれていないことを示す。ひどい健康の危険状態とはいわゆる小麦グルテンが"完全なラベリング"の時である。小麦グルテンはヨーロッパ諸国では食品添加物として許可されてなかったが、可溶性小麦タンパク質製品のような小麦グルテンを含むものは消費者がグルテン含有を期待せずに食品のいくつかのものに宣告なしで用いられてきた。ラベリング指示の改良は世界中で絶対に必要なものである。

 

Codex 規格

FAO/WHO食品標準プログラムへの加入

 

世界98%の国々がCodex規格委員会のメンバーとなっている。委員会の仕事の1つはCodex標準を取り入れ、各政府の食品法令に対しガイダンスを与え、世界の貿易に参加する時、国の食品産業を強制するものである。世界中の殆ど全ての政府は、Codex標準を国の法律に取り込んでいる。

 

食品ラベリングに関するCodex標準

オーストリア政府はオーストリア・セリアック病委員会の要望でグルテン含有成分のラベリングの問題を1991年7月のCodex 企画 委員会セッションでとりあげた。委員会は、 "アレルゲンに関するワーキンググル―プ"を決めワーキングペーパーを作った。ヨーロッパセリアック協会(AOECS)はオブザーバーとしてワーキングペーパーに貢献した。このペーパーにはグルテン含有物と常にその食品の公表義務が含まれている。また他食品あるいは成分で不耐性あるいはアレルギーを引き起こすものも、そのリストに入れねばならない。アレルギー同様不耐性をカバーするためにそのリストは"過敏症のリスト"と呼ばれた。Codex 包装食品ラベリング一般標準(FAD/WHO 食品標準プログラムに入る)の改善は、食品ラベリング委員会で 1993年から1998年まで検討され、Codex 薬事委員会 によって1999年 6月に取り入れられた(Codex薬事委員会,1959)。

 

改善内容:

1.過敏症リストに述べられた成分の25%ルールは廃止する。他のすべての25%ルール

 も5%におとし;

 

   4.2.1.3  成分自体が2つ以上の成分からなる食品であるとき、そのような化合物の

   成分は成分のリスト中でそのまま表示することができるが、その成分のリストを直ち

   に括弧でくくって下降順にその成分比率(m/m)を追える。

   化合物の成分とは----食品の5%以下の成分、その成分は最終食品中の技術的機能を

   与える食品添加物以外のもので、表示は不要。

   4.2.1.4   次の食品及び成分は過敏症を引き起こすことが知られ、常に表示が必要:

   ・グルテンを含む穀物;例えば小麦、ライ麦、大麦、オート麦、スペルトあるいはこ

     れらの雑種、及びそれらの食品;

   ・甲殻類、その食品;

   ・卵、卵食品;

   ・魚、魚食品;

   ・ピーナッツ、大豆、その食品

   ・ミルク、ミルク製品(ラクトース含)

   ・木の実、ナッツ食品;それと

   ・亜硫酸塩10mg/kgあるいはそれ以上の濃度。

 

2."デンプン"あるいは"植物タンパク質"のような分類名は過敏症リストに

    使えない:

    4.2.3.1  セクション4.2.1.4にリストされているこれらの成分以外、一般

  的分類名がもっと欲しい時、次の分類名を用いる事ができる:

 

3.もし過敏症リストの物質が食品添加物として用いられるなら、それは如何な

   る免除もなく、あるいは如何なる技術的機能に妥協性もなくラベルする必要があ

  る:

 

    4.2.4.2技術的機能、加工目的に必要なレベルより低いレベルで食品添加物及び加

    工補助剤が使われる時には表示を成分リストから免除する。4.2.1.4セクションに

    述べられた食品添加物とその加工補助剤は免除されない。

 

 包装食品のラベリングのCodex 一般標準の改良で、食品中グルテン含有成分を表示しない危険性は解決された。

 

国の法令

スイスが2002年、5月1日、ヨーロッパで最初にCodex リスト(過敏症にセロリと果物を)を法律に採択した国であった。欧州連合ではグルテン含有デンプンのラベリングが法の中に最初に取り込まれ、他のラベリング改良もその後に続いた。AOECS(ヨーロッパセリアック協会)が欧州委員会に情報を与え、欧州議会が1989年来食品中グルテン含有の不十分なラベル表示についての情報を抱えていたことを覚えておくと、いつか法律に変化の起こるということは自明のことである。1995年欧州議会はグルテン含有デンプンの表示を投票判定し、2000年3月に文面 2000/13/ECが公表された(欧州指令, 2000)。

 

欧州連合におけるグルテン含有デンプンと修飾デンプンのラベリング

食品に利用される小麦デンプンのタンパク質含量は、普通0.3%から5%まである。そこで要求される事はグルテン含有デンプンあるいは修飾デンプンと天然のグルテンフリーデンプンを正確に区別するためラベルをするのである。上述の点は条項 6で示した:

 

     しかし付加 Iにリスト化された"デンプン"の成分にグルテンが含まれている恐れがある

     時は、その植物の由来を常に示す記述をせねばならないーーー

     しかし付加 IIにリスト化された"修飾デンプン"の成分にグルテンが含まれている恐れ

     がある時は、その植物の由来を常に示す記述をせねばならない。

 

ヨーロッパのこれからのラベリング改良について

2003年11月欧州議会、評議会は、文面2003/88/EUを採用した(欧州指令,2003)。

付加 IIIaの文面は殆どCodexリストの過敏症と一致している。"グルテンを含む穀物------とその食品"は、リスト中の初めのグループである。Codexリストとの違いは以下の様であり、ナッツ類が特により詳細である;セロリ、マスタード、ゴマ種子、及びそれらの食品がリストに入れられた;亜硫酸塩はさらに二酸化硫黄まで広げられた。2006年12月22日にlupin(ハワチワ豆)、molluses(軟体動物)とそれらの食品もリストに加えられた。これは文書2006/142/EC(欧州指令,2006) "どんな環境下でも食品にラベルが必要な成分" によるものである。

 更なる食品ラベルのCodex 標準との違いは構成成分の2%まで低下させた点で、しかしながらこれは付加 IIIaのリストの全ての食品、成分とは関係ない。グルテンを含む穀物、食品は、たとえ技術的あるいは加工目的で成分の一部を加えても常に例外なく記述せねばならない。

文書2003/89は特にこのことを1条(c)(IV)に;"ものは添加物としてだけではなく加工補助に用いられると同じ目的で用いられ、たとえ別の形になっても更に最終食品中に存在する"。

  2条では加盟国が要求された:

   

    2004年11月25日までに許可に必要な法律、規則、管理上規則を発動、2004年11月25

    日からこの指導に準拠した食品の販売の禁止、2005年11月25日 からこの指導

    に準拠していないが市場に出されたり、この日の前にラベルされた食品はストックが続く限

    り販売される事がある。

 

 1条10節中には次のことが述べられている:

   

     製品、食品中既に最終製品中にあるものでも、たとえ違った形でも、もともと付加IIIa

    にリストされている成分は1成分として考え、はっきり参照をつけて元々含んでいた物の名

    前に成分レベルを付けて示すべきである。

 

しかしながら結果として、「アレルゲンラベリング」の免除は、混乱をさける為に必要である:もしもある成分あるいは食品がグルテン含有穀物からできたもの、そしてグルテン含量が除去されたものならば、調理済み食品の成分リストに"小麦"を入れることは誤りである。例えばアルコールは小麦からできるが、小麦はグルテンを含むがエタノールは含まないという事である。

1条、   11節は、付加 IIIaの中のリストはシステム的に再調査し、そこで必要なら更新する。

更新することは、付加 IIIaから除去する事を含み、もし化学的にある物質が逆反応を引き起こさない事がはっきりした場合である。仮のラベリング免除も要求を聞くために、2004年8月25日前に委員会に送らねばならない。欧州食品安全局と相談の後、委員会はこれら成分リストを採用するが、このリストは一時的に付加 IIIaから除去され、最終的な発表される研究の結果をペンデングするが、それは遅くとも2007年11月25日までである。

 

ラベリング免除

食品のラベリングに関するCodex 標準と 欧州ラベリング指導は、正常の消費に対する食品については効果的である。しかしながらラベル免除を議論する時には、少量のグルテンによる不耐性の可能性の疑問も考慮せねばならない。この事は1991年来、Codex 栄養と特別食用食品委員会で、あるいはthe Scientic WorldやProlamin Working Groupで、さらにAOECSで議論されてきた。

 

・セリアック病不耐性の人々はグルテンの僅かででも発症するのか、もしそうならどのくらい

  での量で?

・どのくらいの少量グルテンを信頼ある分析方法で追求できるか?

・どのぐらい少量のグルテンのコンタミを食品産業は避けているか?

・グルテン不耐性の消費者にとり、大量品種の安全グルテンフリー食品を利用できるようにす

  るため、更に法的な防御を達成するため、いかに全てのこれらの交付物を彼らに結びつけるこ

  とができるか?

 

グルテンフリー"という言葉は論理的には全てのことにカバーできる。 "グルテンフリー" という言葉は、Codex グルテンフリー食品標準の改訂版の中に述べられている。彼らのラベリング免除に関する"意見"では、欧州食品安全局 (EFSA)はCodex グルテンフリー食品標準を参照にしている。

 

The European Food Safety Authority(欧州食品安全局)

EFSAは、食品の安全性について直接、間接を問わずその影響を与える全ての事項について、独自の科学的助言を提供するために設立された。権威の主な顧客は欧州委員会であるが、EFSAは欧州議会 や加盟諸国からの科学的質問に門戸を開き、さらにそれ自身の為のリスク評価もまた始める事ができる。リスク評価、危険マネージメント、医学的データーの評価は、議論し、印刷物、世論に表明する。世論は立法機関や業界の支持をし、消費者安全を確かなものにする措置を講じるための支援を提供する。

 

仮の免除リスト

2005年3月21日の指令,2005/26/ECは、添付 IIIa(欧州指令,2005)から暫定的に除去された食品成分あるいは物質のリストである。グルテンを含む穀物とその加工食品に関し、次の成分は義務的ラベリングから除外する。

 

・デキストロースを含む小麦ベースのグルコースシロップ

・小麦ベースのマルトデキストリン

・大麦ベースのグルコースシロップ

・スピリッツ蒸留物に用いられる穀物。

 

   2007年5月3日、EFSAはこれらのものに関する第2番目 "世論"を出した。スピリッツの蒸留液に用いる穀物に関し、"専門家は穀物から作る蒸留液は多分ひどいアレルギー反応のトリッガーにはならないと考える(欧州グルテンフリー食品標準, 2007a)、さらに小麦ベースのデキストロースを含むグルコースシロップ(欧州食品安全局, 2007b)と小麦ベースのマルトデキストリン(欧州食品安全局, 2007c)に関して、EFSAが再度結論しているのは、"多分セリアック病患者には不利な反応は起こらないだろう、それはCodex 薬局方 の考える(仮の)食品がグルテン-フリーのグルテン量より多くない"という結論であったためである。

   Codex 栄養 及び 特別食用食品委員会、Codex グルテンフリー食品標準は栄養的食品として唯一効果のあるものであるが、健常者の消費のためのものではないことに同意した。EFSAの"世論"のため、Codex 委員会はグルテンフリー食品にする許容範囲を検討するときEFSAの"世論"を考慮せねばならない。

   2006年8月、AOECSは欧州委員会 に手紙で次のように要求した。即ちグルテンを含む穀物から作った食品の明確なラベル免除の許可は、もし食品産業がこれらの食品を常に20mg/kgグルテンの範囲以下か、その範囲を超えないことを請け負うならば、そのときに限って許可すべきであるという手紙である。デキストロースを含む小麦ベースのグルコース、及び小麦ベースのマルトデキストリン中の残渣グルテン及びペプチドは、20mg/kg(欧州食品安全局, 2007b,2007c)よりずっと下であるため、EFSAによるアドバイスのようにグルテンフリー食品による高い許容範囲を許可する必要はない。

 

グルテンフリー食品のCodex 規格修正草案

1992年以来the codex グルテンフリー食品標準 (Codex Stan 118-1981, 修正1983)は、Codex栄養及び特別食用食品委員会 によって修正されてきた。AOECSは修正を求めたが、それは標準 stan 118-1981がグルテンフリー食品になったほんの僅かのもののみをカバーしていたからで、それは小麦デンプンベースの食品であり、本来グルテンフリーの成分で作られた栄養食品の大きなグループではないからだ(例えばパスタ、あるいは粉ミックスでパンや他の栄養食品である)。研究からこれら栄養食品中にコンタミが非常に多い事がわかり、コンタミの除去に許容範囲設定が必要である。

 更に利用できる分析方法検討の仕事がまた必要になる。標準の見直しに時間がかかったが、それは適当な分析方法がなかったことと、更に範囲設定の疑問に関する科学的根拠がなかったためだ。これらの進展にこの2年間費やした。そしてスタンダードは2007年11月にstep 8にまで進むであろう、そして2008年7月の Codex 薬事委員会委員の採用へと進む。

 

許容限界とオートムギ

Codex グルテンフリー食品標準策定によって、カバーされた食品の決定は2006年10月(Codex 委員会 ,2006a)に修正された;天然のグルテンフリー食品、鍵括弧でくるんだ20mg/kgの許容限界は除去され、その限界は委員会 に受け入れられたことを意味する。グルテンフリー食品の200mg/kgの許容限界が100mg/kg(欧州セリアック協会,2005)に減らされたが、この許容限界はまだ鍵括弧内であり、この許容限界は次のsessionで検討されることを意味している。AOECSは200mg/kgから100mg/kgへ低下(欧州セリアック協会, 2005)を2005年11月に要求し、それはグルテン不耐性の人の健康を守るためである。いくつかの小麦デンプンベースの粉ミックスとそれらによる加工食品は、より低い限度に応じるようにされる。グルテンフリーとされる小麦デンプンベースの食品は、ヨーロッパで40年以上マーケットにでていて特に北部ヨーロッパ諸国のセリアック病の人々に利用されてきた。

 

   2つの許容限界が現在消費者用準備食品に述べられているが、それは乾燥物質基本ではない。

オート麦はグルテン含有穀物のカテゴリーの中にあるが、しかし注釈がある。グルテンフリー食品の定義のテキストは:

 

 

a)  、たとえば、小麦、デュ-ラム小麦、ライ麦、大麦、オート麦2、あるいは如何なるTriticum種、例えばspelt(Triticum spelta L.,)kamut (Triticum Polonicum L.)、あるいはそれらの雑種でどんなプロラミンも含まず、消費される食品の全ベースでグルテンレベルが20mg/kgを超えないグルテンレベルからなる、あるいは成分のみからなる;

あるいは

b)   小麦、ライ麦、大麦、オート麦あるいはどんなTriticum種も、例えばspelt(Triticum

 spelta L.,)、kamut (Triticum polonicum L.,)、あるいはそれらの雑種で、それらが"グルテンフリー"(100mg/kg)を超えない、そのような成分からなる;

           あるいは

c)  例えば a),b)のいかなる混合物も消費される食品の全ベースでグルテンレベルが(100mg/kg)を超えない混合物。

 

脚注

セリアック病の人は全部ではないが殆どの人がオート麦2に耐性である。グルテンのコンタミしていないオート麦の利用はセリアック病患者の毎日の食時調整にグルテンフリー食品に許可され、国家レベルで許可されている。

 

   脚注の文面は修正される方が良い:「グルテンでコンタミしない」は論理的ではない。

それは「小麦、ライ麦、大麦でコンタミしない」に置き換えるべきだ。オート麦のある国では許可され、他の国では許可されないならばセリアック病の人々にとって更に混乱する。この病気は世界中で同一のものであり、オート麦に耐性かどうかは男であろうが女であろうが胃腸病学者の助けで発見されねばならない。科学論文は.オート耐性がグリアジンとアベニンの僅かの構造状の違いによるものなのか、あるいは食品中の少量のグルテン量が各人許容範囲と結びつくのかどうかは断言していない。科学者は1日50gの"適当オート量"を薦めている。オート粉中の非常に低いアベニン含量に比べて、小麦粉の非常に高いグリアジン含量もまた耐性のちがう説明である。

 

分析方法

分析とサンプリング法に関するCodex委員会は、"enzyme-linked immunoassay sorbent R5 Mendez (ELISA) method"を2005年の仮type 1 法とした。2006年5月、委員会は最終的にこの方法をtype 1とし、そしてセッション報告書に記述した(Codex 委員会 2006b)。

 

    R5 ELISAは ライ麦プロラミンのセカリンに対するモノクローナル抗体をベースにして、天

    然及び加熱加工サンプル(サンドイッチELISA)のグリアジンを検知するのに用いられる方

    法;この抗体は、全てのグリアジン、セカリン、ホールデイン中にあるペンタペプチドQQPEP

    と反応し、またこのQQPEPはセリアック活性エピトープ中にも有り;加水分解したグルテン

    の検知のため、R5 assay の修正版(競合的ELISA)が用いられる。

 

この方法についてより詳しいことは第3章に述べた。

   Codex グルテンフリー食品基準中の方法はこの時点で最新の科学的知見に基づくものであることが重要な点である。異なる方法あるいは異なる比較物質、あるいは異なる抗体の使用を認めることは、避けねばならないがそれは異なる結果となるためだ。もしある国でその食品がグルテンフリー食品の許容範囲未満となり、一方近隣の国で同じものが別の方法で別の結果を得てグルテンフリーとして許可されない時、それは非常に大きな混乱となるだろう。図3.2は、同一食品サンプルを別の比較サンプルを用いて調べた時、違った結果が得られた時である。この仕事はAustrian Coeliac Societyによって始まった研究プロジェクトの仕事の一部である。

 

さらにCodex 規格、及びガイドライン

 

Codex 委員会、特別 Working Group meeting of Session におけるAOECSとCodex Commissionの仕事で、グルテン不耐性の人々を守るため改良されたCodex規格  及びGuidancesのいくつかに修正が行われた。これまで述べたように規格に付け加え、Codex 規格及びGuidelinesの適切なテキストがつづく。

 

小麦グルテンを含む小麦タンパク質食品のCodex 規格

 

過去に小麦タンパク質食品と小麦グルテンの両方を使い、コーテング剤あるいはグルテンフリー食品にそのまま技術加工用にグルテンを利用する理由で研究プロジェクトが作られた。この進歩でグルテンフリー食品の選択は、大きく減少するであろう。これらのプロジェクトは中止した。

2001年9月Codex薬事委員会はAOECSの要望を支持し、次の文面が規格(Codex薬事委員会、2001)に加えられた:

 

    小麦グルテンあるいは小麦タンパク質食品はテクニカル目的には用いてはならない。たとえ

   ば元々グルテンフリー食品のコーテング用とかその加工目的に3。

 

さらに注意事項の許可は:

 

     8.2.グルテン不耐性の人々に対する注意事項は、国の法律が要求するならラベルに書くべ

     きである。

 

チーズに対するCodex 規格

2003年Codex 薬事委員会は小麦グルテン、小麦タンパク質食品がチーズでコーテングされたものがセリアック病患者の健康に不利に影響すると認めた(Codex 薬事委員会, 2003a)。

 

委員会は、チーズコーテング物質の成分に関係する小麦グルテンを含む(Codex Stan 163-1987, Rev. 1-2001)小麦タンパク質食品のためのCodex 規格に、参照を加えることに同意した。この目的のために委員会は以下の脚注を"Cheese Coating" セクションの最初に加えた。

 

    小麦グルテンあるいは小麦タンパク質食品は技術的理由のためには用いてはいけない。例え

    ば、コーテング剤あるいは元々グルテンフリーの食品の加工目的である--小麦グルテンを含

    む小麦タンパク質食品に対するCodex規格 (Codex Stan 163-1987, Rev, 1-2001)。

 

チョコレート、チョコレート食品に対するCodex 規格

2003年the Codex 薬事委員会は、またチョコレート中に粉やデンプンを入れないことに同意したが、そこには"chocolate a la taza"と"chocolate familiar a la taza"の2種の特別のスペイン品種には許可された(Codex薬事委員会, 2003b)。グルテン不耐性の消費者にとり重要な事は次の規格の文面である:

 

    チョコレートとは、以下述べる記述を満たし、Table 1---に纏められる均一食品に対する包

    括的な名前である。他の可食性食品材料、そこには粉、デンプン(この規格のsection 2.1.1.1

    と2.1.2.1の食品以外)除外、が加えられる。

 

    2.1.1.1 Chocolate a la taze....最大8% 小麦、トウモロコシ、または米粉か、あるいは

    それらのデンプンを含む。

    2.1.2.1 Chocolate familiar a la taza....最大18%小麦、トウモロコシ,または米粉か、

    あるいはそれらのデンプンを含む。

 

前述に述べた表1によると、次にリスト化したチョコレートタイプのどれも粉もあるいはデンプンを含まない:

 

    チョコレート,スイートチョコレート、掛け物用チョコレート、ミルクチョコレート、家庭

    用ミルクチョコレート、掛け物用ミルクチョコレート、白チョコレート、ガンアンド-ジャ

    チョコレート、ガンアンド-ジャミルクチョコレート、チョコレートパラメサ、セミビター

    チョコレートパラメサ、ビターチョコレートパラメサ、チョコレートパセリ/チョコレート

    フレーク、ミルクチョコレートパセリ/ミルクチョコレートフレーク、フィレチョコレート

   (2.2.2)、チョコレートあるいはプラリネ(2.2.3)

    2.2.2 フィルドチョコレートは製品である。チョコレートアラタザ、チョコレートファミリ

  アアラタザは除外...フィルドチョコレートには粉菓子、ペーストリー、ビスケット、アイス

  クリーム食品等は入らない。

  2.2.3 チョコレートあるいはプラシネは1口サイズのもの...食品は   チョコレートア

  ラタゼ、チョコレートファミリアアラタゼ除いたものから成る。

さらに重要な点を記述すると、"アソートチョコレート(詰め合わせ販売)は、チョコレートファミリアアラタザ及び、チョコレートファミリアアラタザを含まない。"もし更にグルテン含有成分が用いられていれば(例えばモルトエキストラクト)、これらの成分はCodex ラベル標準 によりラベルせねばならない。

 

遺伝子組み替え食品--バイオテクノロジーによる食品

米の製パンに適するように小麦遺伝子を米栽培品種に入れるという試みの研究プロジェクトは、セリアック病の人々から警告されている。この動きはセリアック病の人々の食事をさらに大きく制限するようになろう。2003年来、グルテン不耐性消費者はCodex 薬事委員会 (2003c)による3つのガイドラインで守られている。

組み替えDNA植物で作られた食品の食品安全評価の実施、ガイドライン

このガイドラインからの2つのパラグラフがグルテン不耐性の人々によって重要である:

 

    42. 組み替えDNA植物から食品中に新たなタンパク質が生じてきて、グルテン感受性腸疾患

    の誘発に何らかの可能な役割を評価せねばならない場合、その誘発した遺伝子材料が小麦、

    ライ麦、大麦、オート麦あるいは関連の穀物から得られたものかどうか。

    43.一般のアレルギー食品、あるいはグルテン感受性の人々に腸疾患を誘発すると知られる

    食品からの遺伝子の移動は、移転遺伝子がアレルゲン、あるいはグルテン感受性腸疾患に含

    まれるタンパク質をコードしてないと判っていない限りさけねばならない。

 

 

組み替えDNA微生物で作られた食品の食品安全評価の実施、ガイドライン

 

このガイドラインもグルテン不耐性に関するものである;

  

    47.アレルギー源からの遺伝子はアレルゲンをコードしていると考えられるので、たとえ科

    学的証拠が示されてなくても避けるべきである。グルテン感受性の人々の中に感受性腸疾患

    を誘導すると知られた有機体からの遺伝子の転移は、たとえ転移遺伝子がアレルゲンやグル

    テン感受性腸疾患に関与するタンパク質をコードしないものでも避けるべきである。

 

アレルギー評価の可能性添付

このガイドラインはグルテン-感受性腸疾患に関する上述ガイドライン47段落の参照を含む。

 

幼児と子供のための穀物ベース加工食品のCodex 標準

 

コンタミを避けるため、Codex標準は"グルテンフリー"表明を許可する"。

   

    8.6.3 食品がグルテンフリー成分と食品添加物でできているとき、ラベルに "グルテンフ

    リー"の記述を示す事ができる。標準はCodex 薬事委員会により2006年7月に採用された

  (Codex薬事委員会, 2006)4。

 

4脚注はグルテンフリー食品118-1981へのCodex 標準への記述で、これは当時の修正版である。

 

   

幼児仕込み用標準 と幼児用特別医用仕込み

 

この標準は2部分からなる:Section A: 幼児用仕込みのための標準、及びSection B; 幼児用特別医用の仕込み。何れの標準も3.1 章 必須成分 にふくむ;

 

    3.1.1 全ての成分及び食品添加物はグルテンフリーであるべき、

    3.1.3 c)炭水化物

    元々グルテンフリーの調理前あるいは糊化デンプンだけは幼児仕込みに加えてもよい。

 

標準はCodex 薬事委員会により2007年7月に採用された(Codex 薬事委員会, 2007)。

 

2018年12月 4日 15:25 (瀬口 正晴)

玉虫文一氏のこと

"Cereals in Breadmaking" というスエーデン、ルンド大学、A C.Eliasson、K. Larssonらの書いた名著を「製パンに於ける穀物」として翻訳し、まもなく出版の段階まで来てますが、

この本を翻訳するのに、古い本ですが玉虫文一氏の翻訳本"コロイド化学"(B.Jirgensons M.E.Straumanis " A short textbook of colloid chemistry")が大変に参考になりました。

最近、西郷隆盛のはなし、テレビで盛んにやってますが、小生の学生時代おくった仙台、昔の仙台藩は新政府軍にやられた方でした。明治元年から17日目に青葉城を明け渡しました。幕末維新の頃、仙台藩の戊辰戦争の中心(奥州連盟の中心)になったのが玉虫左太夫(玉虫文一氏の曾祖父)で、仙台藩屈指の学者(仙台藩養賢堂頭取)だったといいます。玉虫左太夫は万延元年江戸幕府から米国への使節団の一員となって当時のアメリカに行ったりしてます。しかし朝敵だった彼は47才で仙台の獄舎で切腹を命じられ、おわったといいます。玉虫家は没落し、文一氏は小学校の頃は母親と仙台から東京に移られたようです。仙台で学生時代すごした小生にとり、何かパンのサイエンスと仙台とが自分の中でかすかに結びついたかなと感じてます。

2018年12月 2日 09:40 (瀬口 正晴)

グルテンフリーパンの例

Highly Efficient Gluten Degradation by Lactobacilli and Fungal Proteases during Food Processing: New Perspectives for Celiac Disease

C. G, Rizzelio et al., Applied and Environmental Microbiology 73, 4499-4507. 2007


かなり膨大なイタリア人の論文で、コンピューター上で読めますが、ベーキングの所だけ紹介しましょう。



(基本のコムギパンベーキング)125g小麦粉、64ml水(この水に1.5%イースト溶かす)、37℃で2時間発酵。250℃15分間ベーキング。


(サワードウパン)上述が基本。

サワードウ発酵;サワードウは13%タンパク含量の小麦粉80g、 320 gの水に Lactobacillus sanfranciscensis LS3,LS10,LS19,LS23,LS38, LS47の菌体プールとAsperigillus oryzae ,Aspergillus nigerのプロテアーゼ一定量混合する。

これを37℃、48時間、撹拌しながらインキュベーションし、噴霧乾燥で水を除去して、粉砕し発酵小麦粉とする。    

125gの発酵小麦粉と100ml水(この水に1.5%イースト、6%コーンスターチ、3%キサンタンガム溶かす)で連続混合(5分間)後、

ドウは高スピードミキサーで5分間連続撹拌する。その後37℃2時間発酵する.そして250℃15分間ベーキング。



基本のコムギパンに比べ、水量をできるだけ増やしてある。乳酸菌の添加量、プロテアーゼ添加量も記述有るがここでは省略。

製パン後、比容積は基本小麦パンとほぼ同じ。各1.9cm3/g, 2.0cm3/g)、サワードウパンにはサワードウの匂いあり。

このパンでCD(セリアック病)患者にテスト中と論文にはある。




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