2010年5月27日 20:12 (瀬口 正晴)
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「腎臓病患者さん用パンって知ってますか?」
私は、小麦粉を用いた膨化食品(パン、ケーキ類等)の研究を数十年来にわたって進めてまいりました。
所属する神戸女子大学では、管理栄養士養成課程の教授として食品加工学関連の教育と研究を進めてまいりました。神戸女子大学には大学院があり、小麦粉を用いた研究などはそちらの学生諸君との間で進めてまいりました。
管理栄養士養成課程での研究ですからどうしても、栄養士のための研究だとか患者さんのための製パン研究だとかになります。そこで特殊な環境下における製パンの研究テーマがいつも心に引っかかりながら研究を進めてまいりました。
例えば、腎臓病患者さん、糖尿病患者さんのための製パンとはどうすればよいかということです。
これまで色々な研究を進めている中から、小麦粉中70-80%を占めるデンプン区分(デンプン粒として存在する)が、120℃程度の乾熱処理により疎水性を示すようになるという現象が認められました。本来は、水と仲の良いはずのデンプン粒が親油的になるということです。
このようなデンプン粒を製パン、菓子に用いると乳化性(油と水がよく混じる性質)がよくなるし、更にはこのデンプン粒に直接油脂を結合させてパンの中に混入させてみたらどうかなどと興味がわきました。
腎臓病患者さんには低タンパク質、高カロリー食が必要とされることなどは管理栄養士の皆さん、あるいはその予備軍の皆さんにとって当たり前のことですね。
患者さん用のこれら特殊パンはすでに市販品があるのですが、どうしても油脂添加量が多くなると食べにくいという苦情はしばしば聞かれるところです。
これらを解消するため、油脂をこのデンプン粒に一度結合させ、それを製パンに用いると油が口の中で違和感がなくなり、にじみ出ることもなくなります。心配も解消でき、都合のよい製パンが可能と思っています。
かつて一度このようなものを作り、新聞でニュースに取り上げられたことがありました。それを見て、次々と問い合わせがあり、欲しいて言って こられました。苦しんでおられる方の多いのに驚いたことがありました。その都度、神戸女子大学の製パン室で腎臓病患者さん用のパンを焼き、宅急便で送らせ てもらい、喜ばれたことがありました。
糖尿病患者さん用のパンにも工夫をいたしました。次回にお話しいたします。
所属する神戸女子大学では、管理栄養士養成課程の教授として食品加工学関連の教育と研究を進めてまいりました。神戸女子大学には大学院があり、小麦粉を用いた研究などはそちらの学生諸君との間で進めてまいりました。
管理栄養士養成課程での研究ですからどうしても、栄養士のための研究だとか患者さんのための製パン研究だとかになります。そこで特殊な環境下における製パンの研究テーマがいつも心に引っかかりながら研究を進めてまいりました。
例えば、腎臓病患者さん、糖尿病患者さんのための製パンとはどうすればよいかということです。
これまで色々な研究を進めている中から、小麦粉中70-80%を占めるデンプン区分(デンプン粒として存在する)が、120℃程度の乾熱処理により疎水性を示すようになるという現象が認められました。本来は、水と仲の良いはずのデンプン粒が親油的になるということです。
このようなデンプン粒を製パン、菓子に用いると乳化性(油と水がよく混じる性質)がよくなるし、更にはこのデンプン粒に直接油脂を結合させてパンの中に混入させてみたらどうかなどと興味がわきました。
腎臓病患者さんには低タンパク質、高カロリー食が必要とされることなどは管理栄養士の皆さん、あるいはその予備軍の皆さんにとって当たり前のことですね。
患者さん用のこれら特殊パンはすでに市販品があるのですが、どうしても油脂添加量が多くなると食べにくいという苦情はしばしば聞かれるところです。
これらを解消するため、油脂をこのデンプン粒に一度結合させ、それを製パンに用いると油が口の中で違和感がなくなり、にじみ出ることもなくなります。心配も解消でき、都合のよい製パンが可能と思っています。
かつて一度このようなものを作り、新聞でニュースに取り上げられたことがありました。それを見て、次々と問い合わせがあり、欲しいて言って こられました。苦しんでおられる方の多いのに驚いたことがありました。その都度、神戸女子大学の製パン室で腎臓病患者さん用のパンを焼き、宅急便で送らせ てもらい、喜ばれたことがありました。
糖尿病患者さん用のパンにも工夫をいたしました。次回にお話しいたします。
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