2010年7月13日 20:56 (瀬口 正晴)
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当方のフスマを用いたカステラの試作研究について
小麦から小麦粉を製造する時に生じるフスマは、小麦全体の15%も占めます。2007年には小麦生産量の約6億トンに対し、9千万トンという莫大な生産量を示しました。しかし、その利用は家畜の飼料などが中心です。ふすまのヒトに与える栄養学的意義は大きいのですが、食品加工上種々の問題点のあることから食品としての利用は極めて貧弱なのです。
フスマにはタンパク質、油脂、ナトリウム、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム、鉄、フィチン酸、フェルラ酸や豊富な食物繊維などが含まれています。特に食物繊維は、低カロリーであり、血清コレステロールのコントロール、便秘や肥満の解消、糖尿病の症状緩和などの生理作用を有します。
最近では、実験動物でのフェルラ酸の長期投与が、脳内で生じるアミロイドβ-ペプチドによって引き起こされる記憶の欠陥、脳の局所貧血を抑えることのできることが証明されました。
フスマはアルツハイマー病対策用の食品として興味がありますね。
しかし、健康のためにフスマ中に含まれるこのような成分を有効利用するためには、おいしい食べ物として利用されなければなりません。
我々は、この有効利用の方法として卵の起泡性を利用したカステラに注目しました。
小麦グルテンの粘弾性を頼りにするパン、菓子(ビスケット、ケーキ類)では、フスマをドウやバッターに添加するだけでその安定性は低下し、パンでは膨化低下、ケーキ類でも同様の結果となり、品質は劣化します。小麦粉による膨化食品にはフスマ添加は効果的ではありません。
それに比べ、カステラは小麦グルテンの起泡力ではなく、卵白アルブミンの起泡力により膨らみます。
十分に撹拌して起泡力の生じたバッターの中に小麦粉を入れ、ベーキングします。オーブンでベーキングするうちに、熱で消えてゆく泡を、なるべく消えないように小麦粉が押さえる事で、最終的に残った泡がカステラの組織になるわけです。従ってパンなどの膨化とはメカニズムは異なります。
本研究では小麦粉ではなく、フスマに置き換えるわけです。
卵で十分に泡をたてて、そこへフスマを100%添加しました。十分に撹拌後オーブンでベーキングするとカステラの組織が形成し、フスマの粗粉末で行ったら食感があまりなめらかでありませんでしたが、それを十分に微粉末にしたら口溶けのよいおいしいカステラができました。
これもフスマを加工品として利用する新しい1つの発見でした。小生のところの卒論学生、山本さんの仕事でした。
フスマにはタンパク質、油脂、ナトリウム、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム、鉄、フィチン酸、フェルラ酸や豊富な食物繊維などが含まれています。特に食物繊維は、低カロリーであり、血清コレステロールのコントロール、便秘や肥満の解消、糖尿病の症状緩和などの生理作用を有します。
最近では、実験動物でのフェルラ酸の長期投与が、脳内で生じるアミロイドβ-ペプチドによって引き起こされる記憶の欠陥、脳の局所貧血を抑えることのできることが証明されました。
フスマはアルツハイマー病対策用の食品として興味がありますね。
しかし、健康のためにフスマ中に含まれるこのような成分を有効利用するためには、おいしい食べ物として利用されなければなりません。
我々は、この有効利用の方法として卵の起泡性を利用したカステラに注目しました。
小麦グルテンの粘弾性を頼りにするパン、菓子(ビスケット、ケーキ類)では、フスマをドウやバッターに添加するだけでその安定性は低下し、パンでは膨化低下、ケーキ類でも同様の結果となり、品質は劣化します。小麦粉による膨化食品にはフスマ添加は効果的ではありません。
それに比べ、カステラは小麦グルテンの起泡力ではなく、卵白アルブミンの起泡力により膨らみます。
十分に撹拌して起泡力の生じたバッターの中に小麦粉を入れ、ベーキングします。オーブンでベーキングするうちに、熱で消えてゆく泡を、なるべく消えないように小麦粉が押さえる事で、最終的に残った泡がカステラの組織になるわけです。従ってパンなどの膨化とはメカニズムは異なります。
本研究では小麦粉ではなく、フスマに置き換えるわけです。
卵で十分に泡をたてて、そこへフスマを100%添加しました。十分に撹拌後オーブンでベーキングするとカステラの組織が形成し、フスマの粗粉末で行ったら食感があまりなめらかでありませんでしたが、それを十分に微粉末にしたら口溶けのよいおいしいカステラができました。
これもフスマを加工品として利用する新しい1つの発見でした。小生のところの卒論学生、山本さんの仕事でした。
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