2011年5月 6日 15:13 (瀬口 正晴)
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カステラの話−7
1年間ばかり小麦粉を枯らして(エージングして)、いよいよその粉を使ってカステラをベーキングするのです。
ベーキング前に、バッター中の卵による泡の安定性を測定しました。まずベーキングと同じカステラバッターを調製して、それをメスシリンダーに入れて容積を測定しました。
やはり小麦粉を枯らすに伴って、次第にメスシリンダー中のカステラバッターの容積は増加してゆきました。このことはカステラバッター中の気泡量の増えていることを示しています。小麦粉を枯らすことで、泡が安定化したのです。小麦粉の疎水化が原因でしょう。
小麦粉の疎水化は、小麦粉を水でぬれ易いか、ぬれ難いかで判断しました。これにはミキソグラフを使いました(FSTR 13, 351-355, 2007)。やはり枯らすと小麦粉はぬれ難くなります。
こうしてカステラバッターにエージング小麦粉添加で、泡により安定性を与えることが出来ました。
しかし高温のオーブン中でもなおこの疎水化でカステラバッターが安定化するかどうかは別問題です。
オーブン中でカステラを上部 230 ℃、下部 200 ℃のオーブン中でベーキングを行いました。
オーブン中では泡は熱で壊れるでしょう。しかし残った泡がカステラの組織ですね。
その結果、枯らした小麦粉ほどカステラの容積は大きくなりました。
枯らしの効果は十分に認められたのです。
加水量は小麦粉の固形量に対し常に一定ですから、水量の関係ではなく、あくまでも小麦粉の枯らしによる変化、疎水化です。
食べたあとの食感はというと、枯らす以前のものは、口腔内でねっとりとしたねとつき感は大きかったのですが、枯らすことで次第にそのねとつき感は低下しました。逆に弾力性が生じて口腔内でのドライな感じが得られました。
好みは人それぞれですが、学生に食べさせたりすると、若い人はドライなのが好き、そうでない人はねっとりが好きという塩梅でした。
その辺が小麦粉を枯らすことでコントロールできるということです。
ベーキング前に、バッター中の卵による泡の安定性を測定しました。まずベーキングと同じカステラバッターを調製して、それをメスシリンダーに入れて容積を測定しました。
やはり小麦粉を枯らすに伴って、次第にメスシリンダー中のカステラバッターの容積は増加してゆきました。このことはカステラバッター中の気泡量の増えていることを示しています。小麦粉を枯らすことで、泡が安定化したのです。小麦粉の疎水化が原因でしょう。
小麦粉の疎水化は、小麦粉を水でぬれ易いか、ぬれ難いかで判断しました。これにはミキソグラフを使いました(FSTR 13, 351-355, 2007)。やはり枯らすと小麦粉はぬれ難くなります。
こうしてカステラバッターにエージング小麦粉添加で、泡により安定性を与えることが出来ました。
しかし高温のオーブン中でもなおこの疎水化でカステラバッターが安定化するかどうかは別問題です。
オーブン中でカステラを上部 230 ℃、下部 200 ℃のオーブン中でベーキングを行いました。
オーブン中では泡は熱で壊れるでしょう。しかし残った泡がカステラの組織ですね。
その結果、枯らした小麦粉ほどカステラの容積は大きくなりました。
枯らしの効果は十分に認められたのです。
加水量は小麦粉の固形量に対し常に一定ですから、水量の関係ではなく、あくまでも小麦粉の枯らしによる変化、疎水化です。
食べたあとの食感はというと、枯らす以前のものは、口腔内でねっとりとしたねとつき感は大きかったのですが、枯らすことで次第にそのねとつき感は低下しました。逆に弾力性が生じて口腔内でのドライな感じが得られました。
好みは人それぞれですが、学生に食べさせたりすると、若い人はドライなのが好き、そうでない人はねっとりが好きという塩梅でした。
その辺が小麦粉を枯らすことでコントロールできるということです。
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