2011年12月 5日 17:38 (瀬口 正晴)
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パンの話22 (酢酸ガス処理小麦粉によるパン−4)
こうして、外麦のいろいろな種類を酢酸ガス処理して製パン試験を行なうと、何れの小麦粉もある酢酸処理レベル、例えばレッドナイト小麦粉では1.0-2.0mL/kg 小麦粉のレベルで、最大の製パン性(パン高、比容積)を与える事がわかりました。
この酢酸ガス処理レベルと最大製パン性との間の関係は何だろうか、と数多くの小麦粉でその関係を調べました。その結果、小麦粉のタンパク質含量とその最大の製パン性を与える酢酸ガス処理レベルとの間には、相関性(r=0.81) があったのです。
データーから、タンパク質含量の低い小麦粉ほど、低レベルの酢酸ガス処理レベルで最大の製パン性を与えることが出来ることがわかりました。一般にこのような酢酸ガス処理をしなくても高い製パン性を与える小麦粉は、高タンパク質小麦粉のようです。従って酢酸ガス処理は、余り品質の良くなく、そのままではパンの膨らみの悪いような小麦粉に都合がよいようです。
内麦は、製パン性の点で品質のよいものが得られにくいと言うのが通説です。その理由は、低タンパク質である事、あるいはグルテン品質がよくない事でしょう。
確かに内麦で製パンすると、膨らみもそれほどよくなく、クラストの色は白っぽく、表面がゴツゴツです。食味ももう一つです。丁度受験勉強中の学生で、よく言われる"もやしっ子"のような、色白のパンになるようなものもあります。これが日本国内で内麦が受け入れられない状況です。しかも内麦は低タンパク質気味です。この内麦をこれまで通リ,酢酸ガス処理して製パン試験をしてみようと言うことです。
いろいろの小麦粉を九州、本州、北海道の各地の農業試験場から送ってもらいテストしました。やはり何れの小麦粉でも、ある酢酸ガス処理レベルで最大の製パン性を与える事がわかりました。そのレベルはやはリ低タンパク質小麦粉という事から、酢酸ガス処理レベルは低めで機能しました。
低めという事は、食味の点から酢酸臭が消えて望ましいのです。
はじめに述べた小麦粉のタンパク質含量と、最大の製パン性を与える酢酸ガス処理レベルとの相関ラインには、この内麦もほぼ乗りました。
パンのごつごつした感じも、酢酸臭も、バター添加で消えることがわかりました。
この小麦粉酢酸ガス処理は、内麦の製パン利用への可能性を示す一例でした。
更に中国産小麦粉も数種類入手して同様にテストしました。
つづき
この酢酸ガス処理レベルと最大製パン性との間の関係は何だろうか、と数多くの小麦粉でその関係を調べました。その結果、小麦粉のタンパク質含量とその最大の製パン性を与える酢酸ガス処理レベルとの間には、相関性(r=0.81) があったのです。
データーから、タンパク質含量の低い小麦粉ほど、低レベルの酢酸ガス処理レベルで最大の製パン性を与えることが出来ることがわかりました。一般にこのような酢酸ガス処理をしなくても高い製パン性を与える小麦粉は、高タンパク質小麦粉のようです。従って酢酸ガス処理は、余り品質の良くなく、そのままではパンの膨らみの悪いような小麦粉に都合がよいようです。
内麦は、製パン性の点で品質のよいものが得られにくいと言うのが通説です。その理由は、低タンパク質である事、あるいはグルテン品質がよくない事でしょう。
確かに内麦で製パンすると、膨らみもそれほどよくなく、クラストの色は白っぽく、表面がゴツゴツです。食味ももう一つです。丁度受験勉強中の学生で、よく言われる"もやしっ子"のような、色白のパンになるようなものもあります。これが日本国内で内麦が受け入れられない状況です。しかも内麦は低タンパク質気味です。この内麦をこれまで通リ,酢酸ガス処理して製パン試験をしてみようと言うことです。
いろいろの小麦粉を九州、本州、北海道の各地の農業試験場から送ってもらいテストしました。やはり何れの小麦粉でも、ある酢酸ガス処理レベルで最大の製パン性を与える事がわかりました。そのレベルはやはリ低タンパク質小麦粉という事から、酢酸ガス処理レベルは低めで機能しました。
低めという事は、食味の点から酢酸臭が消えて望ましいのです。
はじめに述べた小麦粉のタンパク質含量と、最大の製パン性を与える酢酸ガス処理レベルとの相関ラインには、この内麦もほぼ乗りました。
パンのごつごつした感じも、酢酸臭も、バター添加で消えることがわかりました。
この小麦粉酢酸ガス処理は、内麦の製パン利用への可能性を示す一例でした。
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