2012年1月10日 19:34 (瀬口 正晴)
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パンの話27 (酢酸ガス処理小麦粉によるパン−9)
小麦粉の酢酸分画を行なうと、小麦粉は水溶性区分、グルテン区分、プライムスターチ区分、テーリングス区分へとほぼ10:10:40:40ほどの比率で分画されます。
このうち酢酸ガス処理で認められたドウの粘性変化、それと大いに関連するテーリングス区分の変化、すなわちpH3.5付近にpHを合わせたときに示すテーリングス区分の大きな吸水率とねばり、そしてそれをpH5.0にまで戻すと急にその粘性は落ちてしまう変化、それは丁度pH3.5の時のババロア状のテーリングス区分の物性とpH5.0の粘土状のテーリングス区分の物性の違いでした。
この違いはどこからくるのか?
pH3.5にしてなぜ高い吸水率であったものがpH5.0で急に低吸水率に変化するのか?これは酢酸ガス処理小麦粉の示す製パン性改良効果の大きなポイントになる性質と思われました。
しかもプロテアーゼの一種ペプシン処理で、pH3.5のこの性質は消失するという事は、タンパク質がそこには関与しているという事です。
テーリングス区分というのはゴミ箱のごみという意味で、ここに小麦粉製粉時に生じるゴミ(小麦粉の残さ)、小麦粉中の水不要のものは全て集まるという具合です。
この中のタンパク質とは何か?やはりクローズアップされるのはグルテンタンパク質でしょう。水、さらにpH3.5酢酸溶液に不溶のグルテンです。
水不溶性のグルテンはpH3.5酢酸溶液でかなり可溶化してきますが、それでも更に可溶化しないグルテンがあるのでしょうか。それがこのテーリングス区分にやってくると思われます。
すなわちpH3.5で水をすったり、pH5.0にすると水を吐き出したりするグルテン区分で、それはpH3.5酢酸溶液には溶けないグルテン区分でしょうか。しかしなおペプシン処理で分解されるのでしょう。
この区分はテーリングス区分中にあって、雑多のものの中に混在していてなかなかそれだけをピュアに取り出す事が困難で、どのようなものなのかは目下不明です。
4区分(水溶性区分、グルテン区分、プライムスターチ区分、テーリングス区分)を合わせた合成粉でパンケーキベーキングや製パン試験を行ない、その役割の重要性が認められている時点で、そして何とかこのテーリングス区分の成分の性質を明らかにしたい時点で、このグルテンの一つと思われるこのものの性質を明らかにしたいと思っています。
つづく
このうち酢酸ガス処理で認められたドウの粘性変化、それと大いに関連するテーリングス区分の変化、すなわちpH3.5付近にpHを合わせたときに示すテーリングス区分の大きな吸水率とねばり、そしてそれをpH5.0にまで戻すと急にその粘性は落ちてしまう変化、それは丁度pH3.5の時のババロア状のテーリングス区分の物性とpH5.0の粘土状のテーリングス区分の物性の違いでした。
この違いはどこからくるのか?
pH3.5にしてなぜ高い吸水率であったものがpH5.0で急に低吸水率に変化するのか?これは酢酸ガス処理小麦粉の示す製パン性改良効果の大きなポイントになる性質と思われました。
しかもプロテアーゼの一種ペプシン処理で、pH3.5のこの性質は消失するという事は、タンパク質がそこには関与しているという事です。
テーリングス区分というのはゴミ箱のごみという意味で、ここに小麦粉製粉時に生じるゴミ(小麦粉の残さ)、小麦粉中の水不要のものは全て集まるという具合です。
この中のタンパク質とは何か?やはりクローズアップされるのはグルテンタンパク質でしょう。水、さらにpH3.5酢酸溶液に不溶のグルテンです。
水不溶性のグルテンはpH3.5酢酸溶液でかなり可溶化してきますが、それでも更に可溶化しないグルテンがあるのでしょうか。それがこのテーリングス区分にやってくると思われます。
すなわちpH3.5で水をすったり、pH5.0にすると水を吐き出したりするグルテン区分で、それはpH3.5酢酸溶液には溶けないグルテン区分でしょうか。しかしなおペプシン処理で分解されるのでしょう。
この区分はテーリングス区分中にあって、雑多のものの中に混在していてなかなかそれだけをピュアに取り出す事が困難で、どのようなものなのかは目下不明です。
4区分(水溶性区分、グルテン区分、プライムスターチ区分、テーリングス区分)を合わせた合成粉でパンケーキベーキングや製パン試験を行ない、その役割の重要性が認められている時点で、そして何とかこのテーリングス区分の成分の性質を明らかにしたい時点で、このグルテンの一つと思われるこのものの性質を明らかにしたいと思っています。
つづく
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