2012年1月18日 08:41 (
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"インガルス一家の本"を読んで
昨年、FFIジャーナル(食品.食品添加物研究誌)216巻3号を見ていたら、光永 俊郎先生(近大名誉教授、前日本穀物研究会会長)の"ドングリの食文化XIII "、そのなかのローラ インガルス ワイルダー著「インガルス一家の物語」の記述が目に留まりました。忘れないうちにこの件について以下のように印象を述べておきます。
これは福音書店から1972年に出版されてます。恩地美保子氏の邦訳で5冊本となっている本で、元々児童向けの本です。
この本を購入して、毎週日曜日には朝から晩まで楽しく読み続けました。後日、光永先生にこの本のことを伺がったが、ご本人はそんな本は全く読んだことも無いし、全く知らないと言われ二人で大笑いした事がありました。
舞台は、アメリカ南北戦争が終わり、アメリカ大陸が開拓民に開放されてアメリカ人がこの大平原を競って開拓するごろのはなしです。
その開拓民のうちのある一家、インガルス一家の話です。前述のように5冊本からなり、「大きな森の小さな家」、「大草原の小さな家」、「プラムクリークの土手で」、「シルバーレークの岸辺で」、「農場の少年」とつづきます。あまりの面白さに、これらを一気に読み終えました。
本の中のガース ウイリアムズの挿絵も素晴らしく、ストーリーを楽しくわかりやすく味あわせてくれ、特に文章の情景場面のイメージをかきたたせる大切な役割を果たしていました。
内容は6人家族(父チャールズ、母キャロル、長女メアリー、次女ローラ、三女キャリー、余り出てこないが四女グレイス)を中心にはなしがはじまり、新天地を求めてこの一家がアメリカ大陸を移動しながら、生活する話しです。
その中にはパン、バター、チーズ、ハム、ソーセージ、メープルシロップなどの食品加工上のいろいろな興味深い話、さらに植物、動物のこと、丸太小屋の作り方まで詳しく書かれています。
一家はだれの助けも借りずに、大自然の中にとけ込んで、そこから豊かな食べ物(魚、動物の肉、家畜からのミルク、さらに穀物(小麦、トウモロコシ、いも等))、お金に換える毛皮等を得て、あるいは大自然の脅威、火事、イナゴの大群、熱病、雪、寒冷の恐怖、そして貧困のことなども細かく女性(次女ローラ)の目で描かれていて、大変に興味深い内容です。
母親キャロルはかつて教員だったようです。母親はえらいひとだったのでしょう。厳しい生活の中でもきちんと子供達の教育をしています。父母への尊敬の念もきちんと教えています。宗教的なことは余り本の中に出てこないところが、この本をみんなの本にしているようにも感じられました。
一家の中の父親、母親の役割はしっかりして、特に父親チャールズの家族を背負った大黒柱の責任感、彼の人生に対する積極的な前向きの姿、それに従う母親キャロラインの従順な姿に感動を覚えました。この父親チャールズはすごい。その馬力には驚かされる。
一家は、大自然の中で動物を殺して彼らのタンパク源を得るわけですが、決して多くは殺しません。自然界のバランスを崩したくないのです。一家の住んでいた生活範囲内に、他のひとが多くなると自然のバランスが守られなくなったと感じた父チャールズは、妻キャロラインの了解をえて、今まで十分に居心地のよかった住まいをすてて、幌馬車をくって新天地を求めて簡単に移動してしまうのです。
チャールズは、新たな大草原な中にいとも簡単に家を建て、耕地をつくり、新たな生活の舞台を展開します。そのエネルギーたるや正に驚きの連続で、それは多分当時のアメリカでは当たり前な一般的な事だったのでしょう。アメリカ人の開拓民の馬力には驚かされます。
そして農業を中心に、自分の力で、自由な自分の生活を作ろうとします。そこからアメリカ魂が生まれてきたのでしょう。
貧困で未開なインデイアン人との生活のやりとりの話もあり、やはりこんな場面を見ると、アメリカ大陸はインデイアンの国ではなく、白人の開拓無くしては今の自由な国アメリカはあり得なかったと思われました。このアメリカ人のものすごいパワーが日本人の想像の出来ない国民性に繋がってます。
第二次世界大戦を日本はこの国と争って負けたわけです。このアメリカ人のエネルギーは日本人のもつエネルギーとはちがいます。彼らのもつアメリカスピリットは半端なものではないと感じられました。
この5冊本の中のさいごの1冊のみはインガルス一家の事ではなく、ローラの夫、アルマンゾの少年時代の事を書いた本です。
小生はこの本"農場の少年"が特に好きです。自立した立派な農夫をつくるために、アメリカ人は彼らの子供をどう育ててゆくのか、どう正義感を育ててゆくのかが書かれてます。アメリカの少年の育ってゆく様子がわかります。
インガルス一家のその後については、さらに続巻第6−10巻があるようで、それもさらに読んでみたいものです。
誰からも圧力を受けず、自由の精神の下に生活を謳歌してゆくアメリカ人の姿が良く描かれていると思いました。
御一読ください。
これは福音書店から1972年に出版されてます。恩地美保子氏の邦訳で5冊本となっている本で、元々児童向けの本です。
この本を購入して、毎週日曜日には朝から晩まで楽しく読み続けました。後日、光永先生にこの本のことを伺がったが、ご本人はそんな本は全く読んだことも無いし、全く知らないと言われ二人で大笑いした事がありました。
舞台は、アメリカ南北戦争が終わり、アメリカ大陸が開拓民に開放されてアメリカ人がこの大平原を競って開拓するごろのはなしです。
その開拓民のうちのある一家、インガルス一家の話です。前述のように5冊本からなり、「大きな森の小さな家」、「大草原の小さな家」、「プラムクリークの土手で」、「シルバーレークの岸辺で」、「農場の少年」とつづきます。あまりの面白さに、これらを一気に読み終えました。
本の中のガース ウイリアムズの挿絵も素晴らしく、ストーリーを楽しくわかりやすく味あわせてくれ、特に文章の情景場面のイメージをかきたたせる大切な役割を果たしていました。
内容は6人家族(父チャールズ、母キャロル、長女メアリー、次女ローラ、三女キャリー、余り出てこないが四女グレイス)を中心にはなしがはじまり、新天地を求めてこの一家がアメリカ大陸を移動しながら、生活する話しです。
その中にはパン、バター、チーズ、ハム、ソーセージ、メープルシロップなどの食品加工上のいろいろな興味深い話、さらに植物、動物のこと、丸太小屋の作り方まで詳しく書かれています。
一家はだれの助けも借りずに、大自然の中にとけ込んで、そこから豊かな食べ物(魚、動物の肉、家畜からのミルク、さらに穀物(小麦、トウモロコシ、いも等))、お金に換える毛皮等を得て、あるいは大自然の脅威、火事、イナゴの大群、熱病、雪、寒冷の恐怖、そして貧困のことなども細かく女性(次女ローラ)の目で描かれていて、大変に興味深い内容です。
母親キャロルはかつて教員だったようです。母親はえらいひとだったのでしょう。厳しい生活の中でもきちんと子供達の教育をしています。父母への尊敬の念もきちんと教えています。宗教的なことは余り本の中に出てこないところが、この本をみんなの本にしているようにも感じられました。
一家の中の父親、母親の役割はしっかりして、特に父親チャールズの家族を背負った大黒柱の責任感、彼の人生に対する積極的な前向きの姿、それに従う母親キャロラインの従順な姿に感動を覚えました。この父親チャールズはすごい。その馬力には驚かされる。
一家は、大自然の中で動物を殺して彼らのタンパク源を得るわけですが、決して多くは殺しません。自然界のバランスを崩したくないのです。一家の住んでいた生活範囲内に、他のひとが多くなると自然のバランスが守られなくなったと感じた父チャールズは、妻キャロラインの了解をえて、今まで十分に居心地のよかった住まいをすてて、幌馬車をくって新天地を求めて簡単に移動してしまうのです。
チャールズは、新たな大草原な中にいとも簡単に家を建て、耕地をつくり、新たな生活の舞台を展開します。そのエネルギーたるや正に驚きの連続で、それは多分当時のアメリカでは当たり前な一般的な事だったのでしょう。アメリカ人の開拓民の馬力には驚かされます。
そして農業を中心に、自分の力で、自由な自分の生活を作ろうとします。そこからアメリカ魂が生まれてきたのでしょう。
貧困で未開なインデイアン人との生活のやりとりの話もあり、やはりこんな場面を見ると、アメリカ大陸はインデイアンの国ではなく、白人の開拓無くしては今の自由な国アメリカはあり得なかったと思われました。このアメリカ人のものすごいパワーが日本人の想像の出来ない国民性に繋がってます。
第二次世界大戦を日本はこの国と争って負けたわけです。このアメリカ人のエネルギーは日本人のもつエネルギーとはちがいます。彼らのもつアメリカスピリットは半端なものではないと感じられました。
この5冊本の中のさいごの1冊のみはインガルス一家の事ではなく、ローラの夫、アルマンゾの少年時代の事を書いた本です。
小生はこの本"農場の少年"が特に好きです。自立した立派な農夫をつくるために、アメリカ人は彼らの子供をどう育ててゆくのか、どう正義感を育ててゆくのかが書かれてます。アメリカの少年の育ってゆく様子がわかります。
インガルス一家のその後については、さらに続巻第6−10巻があるようで、それもさらに読んでみたいものです。
誰からも圧力を受けず、自由の精神の下に生活を謳歌してゆくアメリカ人の姿が良く描かれていると思いました。
御一読ください。
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