2012年5月16日 12:26 (瀬口 正晴)
メインページ
パンの話37 (炭化セルロース粒/小麦粉によるパン−6)
炭化したセルロース粒に3種類の有毒キサンチン系色素(エリスロシン、ローズベンガル、フロキシン)の結合する事がわかりました。炭化セルロース粒と色素の結合はイオン結合と疎水結合である事が判明しました。
セルロース粒は食品として使用しても問題はないと思われ、これをパンの中に入れる事を考えました。
これまで炭化していないセルロース粒は10−20%ほど小麦粉にブレンドして、製パン試験を行ないましたが、セルロース粒サイズが154μメータ-以上になると、製パン性が無添加時と比べ、損傷ないほど良好の製パン性(パン高、比容積)を与える事がわかっています。果たして炭化セルロース粒がやはりこの未炭化セルロース粒同様の製パン性効果を与えるかどうか、これは実験してみないとわかりません。
田原さんはまずはじめにセルロース粒の炭化の程度を調べ、どのぐらいの炭化で色素結合量がマキシマムになるのかを検討しました。その結果250℃、20分の炭化処理がよいとわかりました。
この温度で処理すると、炭化セルロース粒の色は、粒径の大きいほど着色が弱くなる事がわかりました。
セルロース粒の色は、炭化を強くすると真っ黒となり、弱いほど黄色に近づくのですが、粒表面は褐変や、カラメル化反応が起こり、余り好ましくない物質の生成の可能性があり、こんなものは入れたくありません。
従って炭化時間はなるべく短い方がよいと考えました。しかし短かすぎて吸着効果が消えてしまっては仕方ありません。
炭化セルロースの粒径をいろいろ変えて製パン試験を行ないました。
粒径 250μメータ-以上の炭化セルロース粒で製パンすると、未添加の製パン時に比べても変化しない(すなわち良く膨らむパン)ことが判明しました。
セルロース粒が大きくなるとグルテンマトリックスの破壊が防がれるという事と思われました。
つづく
セルロース粒は食品として使用しても問題はないと思われ、これをパンの中に入れる事を考えました。
これまで炭化していないセルロース粒は10−20%ほど小麦粉にブレンドして、製パン試験を行ないましたが、セルロース粒サイズが154μメータ-以上になると、製パン性が無添加時と比べ、損傷ないほど良好の製パン性(パン高、比容積)を与える事がわかっています。果たして炭化セルロース粒がやはりこの未炭化セルロース粒同様の製パン性効果を与えるかどうか、これは実験してみないとわかりません。
田原さんはまずはじめにセルロース粒の炭化の程度を調べ、どのぐらいの炭化で色素結合量がマキシマムになるのかを検討しました。その結果250℃、20分の炭化処理がよいとわかりました。
この温度で処理すると、炭化セルロース粒の色は、粒径の大きいほど着色が弱くなる事がわかりました。
セルロース粒の色は、炭化を強くすると真っ黒となり、弱いほど黄色に近づくのですが、粒表面は褐変や、カラメル化反応が起こり、余り好ましくない物質の生成の可能性があり、こんなものは入れたくありません。
従って炭化時間はなるべく短い方がよいと考えました。しかし短かすぎて吸着効果が消えてしまっては仕方ありません。
炭化セルロースの粒径をいろいろ変えて製パン試験を行ないました。
粒径 250μメータ-以上の炭化セルロース粒で製パンすると、未添加の製パン時に比べても変化しない(すなわち良く膨らむパン)ことが判明しました。
セルロース粒が大きくなるとグルテンマトリックスの破壊が防がれるという事と思われました。
つづく
カテゴリ:
タグ:
メインページ
最新のエントリー
カテゴリ
カレンダー
2019年4月
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 |
月別 アーカイブ
- 2019年3月 (4)
- 2019年2月 (2)
- 2019年1月 (2)
- 2018年12月 (4)
- 2018年10月 (2)
- 2018年9月 (1)
- 2018年8月 (2)
- 2018年7月 (1)
- 2018年6月 (1)
- 2018年5月 (1)
- 2018年4月 (2)
- 2018年3月 (1)
- 2018年2月 (6)
- 2018年1月 (4)
- 2017年12月 (1)
- 2017年11月 (1)
- 2017年10月 (3)
- 2017年9月 (3)
- 2017年6月 (1)
- 2017年5月 (2)
- 2017年4月 (1)
- 2016年12月 (4)
- 2016年8月 (3)
- 2016年7月 (1)
- 2016年5月 (2)
- 2016年4月 (1)
- 2016年3月 (1)
- 2014年11月 (1)
- 2014年4月 (1)
- 2014年3月 (2)
- 2014年1月 (1)
- 2013年12月 (5)
- 2013年11月 (3)
- 2013年10月 (3)
- 2013年9月 (4)
- 2013年8月 (2)
- 2013年7月 (5)
- 2013年6月 (2)
- 2013年5月 (4)
- 2013年4月 (3)
- 2013年3月 (3)
- 2013年2月 (2)
- 2013年1月 (3)
- 2012年12月 (3)
- 2012年11月 (3)
- 2012年10月 (1)
- 2012年9月 (2)
- 2012年8月 (3)
- 2012年7月 (3)
- 2012年6月 (4)
- 2012年5月 (3)
- 2012年4月 (4)
- 2012年3月 (3)
- 2012年2月 (4)
- 2012年1月 (4)
- 2011年12月 (5)
- 2011年11月 (4)
- 2011年10月 (4)
- 2011年9月 (4)
- 2011年8月 (4)
- 2011年7月 (4)
- 2011年6月 (5)
- 2011年5月 (4)
- 2011年4月 (4)
- 2011年3月 (5)
- 2011年2月 (4)
- 2011年1月 (4)
- 2010年12月 (4)
- 2010年11月 (5)
- 2010年10月 (3)
- 2010年9月 (4)
- 2010年8月 (3)
- 2010年7月 (5)
- 2010年6月 (4)
- 2010年5月 (2)
- 2010年3月 (18)