2013年6月10日 13:47 (瀬口 正晴)
これまですすめてきたバナナを用いたグルテンフリーパン(セリアック病患者用パン)の仕事の論文をCereal Chemistry に投稿中です。
以下のようなことをイントロダクションに書きました。
バナナは南米や東南アジアの熱帯地方で栽培が盛んです。バナナは日本に輸入される果物の中で最も量が多く、輸入果物の半分と言われてます。フィリッピン、エクアドル、台湾の順ですが、そのほとんどはフィリッピンからのものです。
バナナにはカリウムが多く、ビタミン類も豊富、食物繊維も豊富です。
このバナナは日本にはまだ青い(グリーン)うちに輸入され、これを室温放置してバナナを熟成させます。青いバナナにはデンプンが20%もあり、このためバナナのテクスチュアはポテト的です。熟成で、バナナは黄色の皮になり、甘味も生じます。さらに熟成が進むと、ご存知のように皮の色は黒色化してきます。一ヶ月ほどたつと、中の組織はクリーム的になり、売り物にならずに動物園行きで猿の餌となります。
しかしこの黒いバナナには極めて多くの酵素が生じています。青いバナナには観察されたデンプン粒などは全く分解してみえません。アミラーゼの作用でしょう。さらに細胞壁はセルロース、へミセルロース、ペクチン等でできてますが、へミセルラーゼ、ペクチナーゼなどの酵素の作用によってあっという間に消化されてしまい、バナナのテクスチュアはイモ状から柔らかいクリーム状になり、組織には粘性が生じてきます。同時に、なんとデンプン/糖比率は10/1から1/10にかわり、デンプンは甘味料に変化して、甘くなります。このような果物はバナナ以外にはないようです。
今回のバナナ組織を用いたグルテンフリーパンは、この変化したクリーム状にまで粘性の変化した動物園に持っていかれそうなバナナの物性を使って、製パンしようというものです。
果たして海外の研究者にどのように評価されるか楽しみです。
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バナナを用いたグルテンフリーパン(セリアック病患者用パン)調製研究のまとめについて
これまですすめてきたバナナを用いたグルテンフリーパン(セリアック病患者用パン)の仕事の論文をCereal Chemistry に投稿中です。
以下のようなことをイントロダクションに書きました。
バナナは南米や東南アジアの熱帯地方で栽培が盛んです。バナナは日本に輸入される果物の中で最も量が多く、輸入果物の半分と言われてます。フィリッピン、エクアドル、台湾の順ですが、そのほとんどはフィリッピンからのものです。
バナナにはカリウムが多く、ビタミン類も豊富、食物繊維も豊富です。
このバナナは日本にはまだ青い(グリーン)うちに輸入され、これを室温放置してバナナを熟成させます。青いバナナにはデンプンが20%もあり、このためバナナのテクスチュアはポテト的です。熟成で、バナナは黄色の皮になり、甘味も生じます。さらに熟成が進むと、ご存知のように皮の色は黒色化してきます。一ヶ月ほどたつと、中の組織はクリーム的になり、売り物にならずに動物園行きで猿の餌となります。
しかしこの黒いバナナには極めて多くの酵素が生じています。青いバナナには観察されたデンプン粒などは全く分解してみえません。アミラーゼの作用でしょう。さらに細胞壁はセルロース、へミセルロース、ペクチン等でできてますが、へミセルラーゼ、ペクチナーゼなどの酵素の作用によってあっという間に消化されてしまい、バナナのテクスチュアはイモ状から柔らかいクリーム状になり、組織には粘性が生じてきます。同時に、なんとデンプン/糖比率は10/1から1/10にかわり、デンプンは甘味料に変化して、甘くなります。このような果物はバナナ以外にはないようです。
今回のバナナ組織を用いたグルテンフリーパンは、この変化したクリーム状にまで粘性の変化した動物園に持っていかれそうなバナナの物性を使って、製パンしようというものです。
果たして海外の研究者にどのように評価されるか楽しみです。
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