グルテンフリー食品用の各種素材(3)
栄養価の強化
理想的にはグルテンフリー食品は、グルテン含有穀物による食品と同じ栄養的プロフィールを持つべきである。残念ながら精製したデンプンの利用を多くすると、グルテンフリー食品中の微量栄養素量は減り、セリアック病患者の栄養的要求を増加させることになる。それらによる損なわれた栄養分の吸収のために、セリアック病患者には栄養価レベルの上昇が要求される。例えばカルシウム、マグネシウムなど、健康に必要な最低の要求量を満たさねばならない。強化とはこの問題を解決する方法である。
最近、グルテンフリーベーキング食品、あるいはセレアル加工品への栄養強化が、たとえ小麦粉の栄養強化が公衆衛生のための重要な手段と考えられたとしてでも、これとは逆に全く調整されてない。それがもっともなのは、強化のターゲットであるセリアック病を持つ人々が人口の一部にしぼられるためである。
栄養強化を考える会議の中で、食品に添加する栄養素の最もよい形が決められる。グルテンフリー食品への特異的微量栄養素の選択と添加には、官能的印象具合、コスト、生化学的利用性(体への栄養素の吸収能力、及び実際の望ましい栄養的価値)といった幾つかの要因のバランスを取らねばなるまい。もう1つの重要な関心事はその安全性であり、利用される強化レベルがターゲットとされる人々の消費レベルにおおむね適しているかどうかである。
ビタミン類、ミネラル類を含むブレンド用の強化材は、加熱と光線に感受性があるため、これらの栄養素が破壊されないような貯蔵条件を探すことが必要である。ビタミン、ミネラルのプレミックス中のシェルフライフは、うまく貯蔵できれば1年間はもつ。あるいはその材料を濃縮して使用する場合には、利用時、注意深く計測することが必要である。これにはふつうの生産設備で行なわれる時よりももっと慎重な測定が要求されるだろう。
グルテンの予知しにくい混入
食品科学者は、他の未知の食品源から混入してくる成分に気を付けねばいけない。普通使われる成分は、グルテンを含んでいる食材の成分、あるいはテクスチュア化するか、加水分解した植物性タンパク質のグルテンを含む成分である。ふつうの"食品"デンプンやマルトデキストリンは、それが小麦をベースにしているものかどうか徹底的に調べるべきであろう。酵素の入っているものは、小麦、大麦あるいはライ麦の食材を含んでいる恐れがある。調味料のブレンド、乾燥物による味付けは、しばしばそれらが特異性のないマルトデキストリンをベースにしている。色、特に特別なカラメル色はよく大麦から付着する。ベーカリー食品中一般に用いられる培養抗菌剤は、小麦粉、デキストロース、食品デンプンからのもので、シェルフライフをのばすのに使われる。お酢もベーキング産業界では抗カビ剤のようなやり方で用いられており、スタンダードの白酢はグルテンを含む材料から作られている。そこでリンゴ酢が用いられるべきだが、そのときも確認が必要で、あるリンゴサイダー酢は白酢で着香された形態のものである。
調べるためにもっとも有効な方法は、用いられる各成分がグルテンフリーであることのみならず、グルテンフリー源の材料からのものであることをはっきりさせることである。また、覚えておかねばならぬ重要な事は、"小麦フリー"とはその材料が本当にグルテンフリーである事を約束しておらず、多分他の穀物類を含むか、あるいはグルテンを含む穀物が最終製品中に用いられているかも知れないということだ。もし材料が確かにグルテンフリーではないなら、大事なことはセリアック消費者の安全性を確実にするために、材料供給の流れをみて、グルテンを含む材料が高レベルで混じる可能性のあるポイントをさがすことと、その確認のために材料供給者とよく連絡をとる事である。
プレミックス
一般に市販のプレミックスは、その加工業者にとっては都合いいもので、加工業者は商品の開発時間、研究時間、研究コストを減らし、各成分の在庫目録を簡単にすることなどができる。プレミックス製造には柔軟性があり、多くのタイプの食品を比較的簡単に仕込み、加工の違いで出来るためである。たとえばマッフィンミックスはワッフルを作る事もできる。すぐに入れる製造業者は、喜んでその仕込みやライセンスを修正、変え、もっと時間をへらしてユニークな顧客用の仕込みに変える。
グルテンフリーをこの簡単な業種で検討する場合、重要なことは製造する工場が確かにグルテンフリーであること、ミックスはその確実な分析結果が消費者に受け取られる前にはテストされていることを確実にする事が重要である。
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