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2018年1月 6日 14:50 (瀬口 正晴)

グルテンフリ−ベーカリー食品、その仕込みと加工 (3)

仕込み;

他のグルテンフリーベーキング製品の仕込み

 これまでのクッキー、ケーキ、パンだけが、グルテンフリーマーケット上のグルテンフリー食品ではない。これまで述べたクッキー、ケーキの仕込みは、多くの関連食品のいろいろなものの製造に応用できる。フレーバー、粉末は、多くのクッキーやケーキ製造に用いることが出来る。サトー、脂肪、他成分の添加レベルを変えると、いろいろ異なったテクスチュアのグルテンフリーベーカリ食品を作る事が出来る。これらの操作は、小麦粉ベースの類似各種ベーカリー食品の仕込みによく似ている。

 ある簡単な例として,イエローケーキの仕込みはマッフィンの仕込みをベースにしたものである。伝統的なマッフィンは、ふつうケーキより砂糖、脂肪含量が低い。ここでこれらの成分の低レベル化で、グルテンフリーイエローケーキの仕込みはマッフィンのフレーバー、テクスチアの点でよく似たものになる。

 パンの仕込みは他の類似食品を作るのに応用された。例えば、もしその一部だけ、形だけ、さらに焼き方を工夫するなら、それはピザクラストが作れる。殆どのグルテンフリーパンドウは液状の性質のため、その形状変化にも挑戦できる。例えば、健康パンではその小麦ベースの健康パンよりずっとのびる。初期のボール型パンを作ろうとした試みでは、より平らなパンの結果となるであろう。パン仕込みに水量を減らし、水和時間をもっとのばせば、スプレットを低下する事ができるが、しかし全ての機能成分の完全な水和が、パン様のクラム構造、テクスチュアを維持する事に重要なのである。多分、グルテンフリーパン製造はその仕込みがもっともむつかしいものであり、そこでは最終ベーキング食品(例えばベーグル)の食感(かみ具合)を与えるのにグルテンが中心的役割をしているからである。グルテンのガス保持機能を他のものに置き換えた場合、用いられるハイドロコロイドではパンにグルテン同一の食感(かみ具合)を与えない。

 トルティーヤは人気のあるグルテンフリーベーキング食品であり、特別に信頼のおける食品である。一般にトルティーヤはイースト発酵による膨化食品ではなく、低量の化学膨剤による膨化食品である。グルテンフリーパンの仕込みは、トルティーヤ用に適したと同じ緩いドウ、あるいは固めのバッターに合わせる。スナップバック(収縮)とその結果生じた奇形のものができる事は、本来のトルティーヤ食品の重要な問題である。グルテンフリートルティーヤドウの流れるような性質は、実際には一様なものを作る価値のある性質である。しかし,粘りはこのタイプのドウではより重要なことであり、粘ることを避けようとする注意は考える必要があろう。

 

加工;

グルテンフリークッキー、及びバッターベース食品の加工

 これまでのクッキ-のように、グルテンフリークッキーもいろいろなドウ成分で仕込みが行なわれ、クッキースプレッドが作られる。クッキーの仕込みのタイプ、ドウの粘りによって、これまでのクッキー加工用具、ロータリーモールド用具,ワイヤカット用具、あるいはマシンカット用具を使ったクッキーが,多少あるいは全く変更せずにグルテンフリークッキー仕込みで作ることが出来る。ベーキング時間、温度は普通小麦のものと一致した対応でベーキングできる。

 グルテンフリーケーキ、マッフィン、パンケーキ、その類似食品を作るバッターの仕込みは、これまでの小麦粉ベースのものと一致したやり方で大丈夫である。ここでも同様にこれまでの加工用具はこれらのグルテンフリー食品を製造するのに簡単に応用される。クッキーについても、撹拌時間、ベーキング時間、ベーキング温度のパラメーターも普通これまでの加工方法と同じである。

 

グルテンフリーパンの加工

 仕込みのセクションで述べたように、一般にグルテン-フリーパンは非常に緩いドウ、あるいは非常に濃厚バッターと類似のミックスで作る。さらに小麦ベースのパンを作る時のスタンダードプロセスであるグルテンマトリックスに進む必要はない。ここではこれまでのパン加工のような、1つのユニットオペレーションを応用しない。

ミキシング

 グルテンフリーパン仕込みでは成分の水和だけが必要なので、簡単に撹拌用の羽のついたミキシング道具だけで十分で、これでバッター、あるはドウをミキシングする。これまでの小麦パン製造プロセスに比べて、撹拌時間は一般に短く、オーバーミキシングしても悪くはなりにくい。第1のミキシングの目的は全ての成分に加水させ、それがパン製造のプロセスの間、確実に機能性をますようにするためである。2段階撹拌では、はじめのミキシングで機能する成分を水和させたあと、続いて粒子状のもの、あるいはパンクラム形成に機能性を示さない他の成分のミキシングが目的である。

起泡性

 バッターあるいはドウの移動と分別には、その間、空気泡を入れずに、あるいは大きな気室を作らないように最終のパン構造を作らねばならない。これがグルテンフリーパンの最大の弱点である。結論的には、気泡性がグルテンフリーベーキング食品の製造で最も難しいプロセスである。泡は低圧エクストルージョン装置で作る。一般に、この装置ではミックスをいくつかのバッター、ドウ部分に分けながら、ホッパーからパイプを通して、各パン容器あるいはシート中に送り込む。装置(Vemag ROBOT 500)中でドウの分別、保持、起泡を行ない、さらに適当なアタッチメントを用いて、グルテンフリーベーカリー食品加工に重要な他のいろいろなユニットオペレーションを行なう。

発酵

 最も良い発酵は、最もよいパンクラムの品質を得るために非常に重要である。低発酵は厚いクラムを作る。高発酵は特に悪く大きな気室をクラストによく作る。発酵は十分ゆっくりとさせねばならず、撹拌の間できた泡は元々あった気室とともに膨れ、隣の気室とは合一しない。最も良い発酵条件は一般に試行錯誤の結果きめる。

ベーキング

 ベーキング温度は一般の製パンプロセスと同様だが、製パン時間は明らかに長い。大部分のグルテンフリーパンの仕込みが高デンプン含量のため、クラスト形成がこの製パン過程では簡単である。これまでの小麦パンでは生じる褐変の程度まで普通ベーキングするが、このベーキング時間の判断は効果的ではない。完全にベーキングするためにクラム構造のセットが確実にできたかどうか確かめるため、パン中心部までの全ての部分を焼くことが非常に重要だ。ベーキング不十分では重大なシュリンケージ(収縮)が起こり、側面がつぶれる。厚くて香り高い茶色のクラストが、普通最も品質良好のグルテンフリーパンである。

冷却とスライス

 非常に重要な事は、スライスする前にグルテンフリーパンを完全に冷却する事だ。一般に内部温度が85°F (約29℃)以下になるまで待てば十分だ。あまり熱いとパンをスライスのあと、カットした刃をよごし、スライスしたパンを引裂、変形させる。

 

 

 

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