2018年1月22日 14:45 (
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グルテンフリ−ベーカリー食品、グルテンフリーパスタとスナック
パスタ
小麦パスタ生産は、ドウ形成と成型加工であり、まずデュ-ラム小麦胚乳粒の加湿、可塑化から始まる。続いて撹拌、ニーデングし、固まったドウの塊をつくり、最後にそのドウをダイに高圧で通して長い、あるいは短い成型物を作る。加工プロセスの間、不連続のデンプン粒を包み込む連続したタンパク質相を作るが、それはピーナッツバッターと類似の構造で、トッフィがグルテンとなり、ナッツがデンプン粒を示す。適当に成型されれば、このタンパク質ネットワークは十分に押し出し成型するとパスタになり、乾燥すると高度に力強くなり、冷蔵すると噛んで固く、粘りは小さくなる。伝統的なパスタの好ましい感覚は、グルテンの品質に基づくものである。はっきりしている事は、デュ-ラム小麦グルテンの機能は、良好なパスタ製造に重要であるということである。グルテンフリーパスタ製造への挑戦では、その出来た物が製造上小麦パスタと比較できるような物でなければならないし、さらにテクスチュア面で消費者の予想に合致できる構造でねばならない。
グルテンフリーパスタ製造は小麦スタンダードパスタとは連続相の成分がちがう。グルテンフリーパスタではα化デンプンを使って生デンプン粒の周りを結合した連続相として取り囲む。加工中にパスタドウ構造を連続的に作るために、前処理段階、あるいはパスタ加圧のバーレルで、ドウの加熱ができるエクストルーダーを用いる。ある道具製造者は小麦粉のスタンダードのパスタプレス機を多少修正して、それを使ってグルテンフリーパスタの製造ラインを作った。前処理装置とプレミキサーでは食品の水分含量と温度をすばやくあげ、例えばドウ塊の温度を75℃以上にするのに用いた。プレコンデションステップで蒸気が吹き込まれて加水され、デンプンを糊化する。加熱した水が次にミキサー中に入れられ、そして材料がシリンダーに入った時好ましい温度で食品を保持する様になる。加熱したシリンダーは、これまでの小麦パスタ用に用いられるものより長く、十分な滞留時間を与えられ、温度をあげ、エクストルードにかけた材料の糊化レベルを目標のものにする。Jacketed twin-screw エクストルーダーもグルテンフリーデンプン材料の部分的糊化をするのに用いる。エクストルージョン加工では、蒸気と60-70℃の水がミキサー中に粉重量の8-10%と25-30%それぞれ吹き込まれる。ミキサーのカバーは60-70℃に保持される。材料は続いてミキサーから加圧シリンダー中に移され、そこで50-60℃に保持され、加圧して65℃でダイを通す。理想的な糊化程度は、最終的プロダクトで約40-45%である。
グルテンフリーパスタの生産に用いられる材料は、エクストルージョンでのレオロジー的性質を受けとめられる材料であること、そしてその結果、最終的に出来たものが料理中にロス(料理水への固形物の損失)の少ない事、あるいはデンプンの低可溶化、噛んだ時の固さの小さい事、及びパスタ外側の粘りの少ない事等である。これらの性質は、理想的には調理時間中も保持され、さらに高"クック・トレランス"をもつような最終物であること(低"クック・トレランス"を持つものとは、十分な料理状況で料理水に素早く柔らかくなり、固いものが素早く可溶化するということ)。グルテンフリーパスタにとって、考えねばならない鍵となる重要な事は、アミロース含量、脂質含量、中間粒子サイズ、粒子サイズ分布である。グルテンフリー粉では全デンプン中のアミロース含量は、25%以上である。パスタ生産に用いる材料のアミロース含量が増えるほど、クッキングロスとパスタの粘りは低下する。そして固さとクック・トレランスは増加し、それはアミロースとアミロース-脂質ネットワークの形成によるためである。コーン、ハイアミロースコーン、ハイアミロース米、テフは、グルテンフリー生産にとり理想的な材料であるが、それはこれらが高アミロース含量で低脂質含量のためであろう。ある材料、例えばキノアは、非常に低アミロース含量、高脂質含量であるが、機能的グルテンフリーパスタ材料と比べるとより栄養的面から改良がある。そこでこれを利用出来るパスタを作るためにしばしばコーンにブレンドされる。オート麦はかなり高いアミロース含量であるが、しかし脂質含量が問題となりデンプン構造を弱くするように働き、エクストルージョン中可塑剤の様に働き、そして悪変化に働き、シェルフライフを短くする。材料は均一な粒子サイズとして水和を確かなものにし、加工中最も糊化程度の良いものとする。理想的には粉の100%は、粒子サイズが300μm以下とすべきである。
モノグリセリドのような乳化剤は、アミロースと水不溶複合体をつくり、溶解性が低下し、デンプンの水保持能を低下する。これらの効果は好ましく、それらがクッキングの間、パスタが粘り、あるいはその完全な構造を失うスピードの低下を助けるためである。それは伝統的なパスタへの連続的タンパク質相が与える機能である。モノグリセリドはグルテンフリーパスタで粉の1%のレベルで用いられる。酵素、リパーゼも又、理論的にアミロースー脂質複合体の形成に用いられる。研究は少ないが、酵素の利用はグルテンフリーパスタの品質改良に有用である。
グルテンフリーパスタのエクストルージョン後の水分含量は、スタンダード小麦パスタのそれよりも高い傾向にある。スタンダード小麦パスタがほぼ32%水分含量でエクストルードされる反面、グルテンフリーパスタはほぼ37-38%の水分含量であった。グルテンフリーパスタ中の水分は小麦パスタよりも早く抜けるが、それは水がタンパク質よりデンプンと結びついているからであり、チェックのリスクを低くしている。チェックとはパスタに生じるワレを意味する言葉であり、出来た物の中の不均一な水分含量によって生じる力による。食品中の水の拡散がより均一、及び素早いためか乾燥時間は普通小麦パスタよりも約25%短い。
伝統的グルテンフリーヌードル
アジアでは、ヌードル製造用α化デンプンの利用がずっと行なわれてきた。アジアのヌードルは調理米、もやし、マメ、イモ、例えば甘藷のような物で作られるが、同じ様なものが作られる:連続した糊化デンプンの相が構造を作る。米ヌードルは、アジアヌードルの最も普通のものだが、これは高アミロ−ス米を水につけ、砕き、調理し米ドウをエクストルードでヌードルする。ヌードルは最後のプロセスは冷やし、アミロースを老化させ、調理のあいだ固さを保持するネットワークを作る。
スナックとセレアル
多くのスナック、セレアルははじめからグルテンフリーであった。ポップコーン、ポテトチップス、コーントルテイラチップスは全て家庭用スナック食品であり、元々グルテンフリー材料で、特にレビューする必要はない。エクストルードスナック、エクスパンドスナックは、グルテンフリー材料を用いて仕込まれさらにメインストリーム食品としてうまくいっている。しかしながらこれらのスナック製品を改良、修正に用いられる成分の多くは、本質的にはグルテン含有穀物からくるものであり、そこでこれらのスナックを作るためのキーは材料元と供給までのチェーンを知る必要がある。
プレツエル
非常に永い歴史のあるスナック、プレツェルは、今日まで人気が持続するものである。はっきりしていることは、セリアック患者にも人気がある。事実グルテンフリープレツェルはその要求を満たすように作られてきた。プレツェルはソフトとハードの品種があり、前者はぱりぱりした乾燥したスナック、後者はチューイング性のある、パンのようなものを示し、サンドイッチの用な物に使われる形態である。殆どの利用されるグルテンフリー提案物は固い品種である。
仕込みと加工はソフトタイプをまねたもの、あるいはグルテンフリーパン食品に製造の類似した物である。ハードプレツェルの加工に必要な道具類は、小麦ベースのプレツエルに対する物に類似していて、そのステップとしては;撹拌、エクストルージョン、発酵、調理、塩掛け、ベーキング、ドライングである。ドウ撹拌では、バッチかあるいは連続撹拌システムを用いる。グルテンフリー
粉あるいはデンプン、ハイドロコロイド、ショートニング、塩、イースト、あるいは化学膨剤は、ミキサー中で加水されドウを作る。ドウは小麦ドウのような粘弾性を欠き、そして時に粘りがある。しかし出来た物はエクストルージョンにかけるので、ドウは標準のモールド操作のための小麦ドウの力強さは必要ない。グルテンフリープレツェル用のふつうのデンプン、粉は、ポテトデンプン、タピオカデンプン、コーンデンプン、精製した米粉が使われる。エクストルーダーでパスタ製造の
ようにドウを適当な型にダイを通して作る。典型的にはギロチンカッターでドウのカットを行なう。プルーフィング(発酵)に必要なのは、部分的には用いられる膨化システムとプレツェルのサイズである。もしも化学膨剤が用いられるならば、多少の膨化は調理の間に起こるであろう。調理のステップでは、部分的に膨張したドウをNaOHあるいはNaHCO3(炭酸水素ナトリウム)の苛性塩基性溶液に浸けるかあるいはそれをかける。このプロセスは、部分的にドウの表面を糊化し塩に対する結合性を与える。高pHがアルカリ溶液に浸けることで得られ、さらにプレツェルに特徴的色とフレーバーがつく。グルテンフリー成分の利用は、時間、温度が仕込みに最も適していなくても表面に過剰な糊化を引き起こす。ベーキング時間は、好ましい色、最終的水分含量によって決まってくる。伝統的な小麦プレツェルは約8-9%の水分含量まで焼かれ、乾燥ステップは包装後に得られるパリパリする食感を出すのに必要である。スナック用乾燥プロセスは、一般に水分を低下させるようにデザインされ、そこで温度は110-130℃とし、必要時間は最終食品中の水分が約2-3%になるようにセットする。
朝食用セレアル
多くの朝食用セレアルはグルテンフリーであり今日小売店マーケットでうっている。これらはセリアック病患者にとって全く問題にならない穀物からつくられたもので、食品の多くはそのまま数十年間存在していた。製造業者にとって第1の挑戦は、用いられて成分にグルテンがコンタミしていない、加工途中コンタミしない事を確かめることである。
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