グルテンフリ−穀物 食品と飲料、グルテンの検知−2
タンパク質抽出
グルテン分析の第1ステップは、グルテンタンパク質の生物質あるいは食品からの抽出である。天然のグルテンタンパク質は水あるいは塩溶液には溶けない。1番目の区分(プロラミン)は、水/アルコールに溶け、一方2番目の区分(グルテリン)は不溶性残渣にとどまる。残グルテンタンパク質はSS結合を還元すれば(例えばジチオスレイトールにより)水アルコールに溶け;尿素あるいはsodium
dodecyl sulfate (SDS)で会合をはずすと可溶化が進む。
以前のDraft Revised Codex Standard (CX/NFSDU 00/4,2000)は詳細な抽出方法を記述してあり、そこでは最近の草案(CL 2006/5-AFSDU,2006), 唯一のR5ELISA法について(以下見よ)述べる。ドキュメントCX-NFSDU(2000) によると、食品あるいは成分中のグルテンの測定はプロラミンの測定に基づくべきで、それは40-70%エタノールで抽出されたグルテンからの区分と定義する。エタノール濃度は60%が全プロラミンを抽出するのには推薦され、それはこれまでの研究で小麦粉からの最高のグリアジンの抽出がこの濃度で進められたからである。固形食品あるいは固形成分に関しては、10%以上脂質含量の混在の食品では以下の用に脂質除去の必要がある;5gを50mLのヘキサンとブレンドしてホモゲナイズし、1500 x gで30分間遠心分離する。上清はすて、抽出ステップはサンプルから脂質がなくなるまでくりかえす。脂質含量が10%以下の食品では脂質除去は必要ない。抽出処理の前に、脱脂した5gあるいは非脂質食品は60℃で乾燥し製粉する。乾燥サンプルの一部をその10倍量の60%エタノールと2分間ホモゲナイズし、15分後に10分間1500xgで遠心分離にかける。上清液を除去し保存する。もし必要なら4℃で保存する。沈殿はできたらこれを遠心分離して除去する。
溶液食品及び成分の場合には、一部をエタノールで希釈し、その際最終混合物中60%エタノール濃度になるようにする。混合物はホモゲナイズし、さらに固形食品抽出時のように扱う。サンプルの異なった成分により引き起こされるマトリックス効果は、抽出収量に影響を与え、このためグルテン含量測量結果に影響する。たとえば茶、ホップ、ココア製品のようなポリフェノールに結合するとプロラミンの回収は低下する。カゼイン、尿素(CX-NFSDU 00/4,2000),あるいはゼラチン添加を抽出物にするとプロラミン含量の測定値の低下を抑えるのですすめられる方法だ。高度に粘度の高いサンプル、たとえばデンプン由来のシロップのようなものはマトリックス効果をさけるために適当なソルベントでうすめるべきである。
グルテン分析でもう1つの大きな問題は、加熱処理した食品からプロラミンの抽出が不完全である事だ。その時水アルコールを用いた時である。加熱グルテン、小麦パンにグリアジン標準の含まれているものの抽出は、各々、α/β-及びγ--グリアジンの抽出が強く低下することが示された一方、ω--グリアジンは僅かに影響受けた。Cysをふくむα/β-,γ-グリアギンは、アルコール不溶性のグルテニンにdisulfide/sulfhydryl交換鎖反応によって結合する事になると考えられていた。SS結合の還元後、しかしながら全グリアジンは完全にアルコール抽出物中に回収された。ω--グリアジンの加熱安定性はSkerittとHill(1990)によって用いられω--グリアジンに対し、モノクローナル抗体の免疫反応をすすめた。グルテン含有生材料、加熱食品の結果は40%エタノールは最も抽出がよく、食品(生、料理済み、あるいは加熱工程したもの)の全てのタイプのものの中のグルテンの定量測定で最も都合よかった。もう1つの暗示は、加熱食品からグルテン抽出の際、制限付き加水分解、別にペプシン処理し、生グルテン、100℃加熱処理グルテン両方で約90%タンパク質抽出を塩緩衝液中で行なった。α/β-、γ-グリアジンの反復エピトープに対する抗体が部分加水分解したプロラミンの定量に使用された。
還元剤(2−メルカプトエタノール)の脱凝集剤(グアニジン)とのくみ合わせ、いわゆる"cocktail"はプロラミン(グルテリンサブユニット)の完全な抽出を未加熱、加熱食品両方から可能にした。
未加熱処理、加熱処理サンプルの両方の抽出に50℃ 40 分のインキュベーションが推薦された。抽出は、MALD1-TOF MS とWestern blot besides ELISAと互換性あった。カクテルはまた、製品のタイプにより60%エタノールより僅かに同じか多少高い回収となり;未加熱処理食品では1.1倍、小麦デンプンでは1.4倍、加熱処理食品では3.0倍である。異なった食品(例えばセレアル、大豆食品、ベビー食品、シロップ、チョコレート、ビール)での比較研究では、60%エタノール抽出プロラミン、あるいはカクテルのプロラミンデーターがづっと大きく多様化するかもしてないが、その説明はない。
レフェレンスタンパク質
抽出物中のプロラミン(グルテン)含量測定のため、プロラミン(グルテン)のレフェレンスタンパク質による計算カーブを設定することが不可欠である。さらにレフェレンスは、アッセイ用のバリエーションを最小にするために用いられるべきであり、異なった研究室、あるいは異なった技術で得られた結果間の比較を可能にするためである。重要なレフェレンス材料の基準点は高タンパク質含量であること、抽出溶媒への溶解性、均一性、安定性、セリアック病毒タンパク質に当量であること、さらに測定技術に対し良好な反応性のある事である。プロラミンの多くは、ほぼグリアジンのレフェレンスで、異なった研究所あるいは会社でつくられ、彼らのテストシステムあるいはキットに用いられた。レフェレンスは異なった穀物の元から分離され、化学的にタンパク質含量あるいはタンパク質の定量を決めた。これまでの研究で、測定したグルテン含量はELISA法できめたが、明らかに計算に用いたその元のレフェレンスのタイプ、テストキットによってバラバラである。そこでDraft Revised Codex Standard CX-N FSDU 00/4 (2000)は、ある"gold standard"が厳しい標準条件下で、ある研究室が調製すべきであるとすすめた。プロラミン分析と毒性(PWG)に関するEuropean Working Groupは、レフェレンスグリアジンの調製を組織がかりで行い一括使用した。28種小麦栽培品種、3種の代表的ヨーロッパ小麦--生産国、フランス、UKドイツの代表的なものが初期のものとして選ばれた。穀類は混合、製粉、出来た製粉は脱脂し、真空乾燥された。アルブミン、グロブリンは0.4mol/L NaCl溶液で抽出除去され、グリアジンは60 %エタノールで抽出された。グリアジン抽出物は濃縮され、遠心分離で脱塩され、凍結乾燥、均一にホモゲナイズされた。材料はいろいろな方法で異なった研究室で分析された。できたものは、高度にホモゲナイズされ、完全に60%エタノール中に可溶化した。粗タンパク質含量(N x 5.7, Dumas)は89.4%。RP-HPLCは粉の同一のタンパク質パターン(ω--、α/β-,γ-グリアジン)を示し、さらにレファレンスのグリアジンとも同一のものを示し、そのことは主たるグリアジン成分の何れも分離プロセスの間に失われていない事を示した。GP-HPLC結果によると、レフェレンスのグリアジンは68%モノメリックグリアジン、23%オリゴHMW-グリアジン、僅か3%アルブミン、プロラミンを含む。このサンプルには高度に均一であり、安定であっり、たとえ37℃,28日間保存しても大丈夫だった。PWGグリアジンは、レフェレンス材料として全ての基準の重要点にあわせ、グルテン測定用の重要なプロラミンレフェレンスと考えられた。
免疫化学法
原理
免疫測定法と食品分析の進歩の初期10年がMorrisとClifford(1985)に大々的に述べられ、穀物貯蔵タンパク質の免疫化学についてはSkeritt(1988)によって述べられた。免疫化学試験はグルテン分析に選択された方法であり、Draft Revised Codex Standardによって進められ、以来彼らはセリアック病毒素タンパク質の特異的、感受性認識を素早い結果として結論した。免疫測定法は、抗原と抗体(免疫グロブリン)の特異的反応に基づくもので、物質が決定された(セリアック病毒素タンパク質及びペプチド)。抗体を含む抗血清は、動物(たとえばラビット、あるいはマウス)の免疫によって生産されるが、それは相応する免疫原の注射によって起こる。約5000以上の分子量をもつ唯一の成分が免疫活性をもつために、ペプチドのようなLMW免疫原(ハプテン)がタンパク質(例えば牛血清アルブミン)と共有カップリングするようなことがおこる。この結合は抗血清をつくり、そこにはハプテンとカップルしたタンパク質の両方に対する抗体が含まれる。抗血清は動物からえられるが、その特異性に対して試験され、できる限り生成して好ましくない特異性を除去する。これらのポリクローナル抗体(PAb)は抗原の異なった結合場所(epitopes)と反応し、グルテン分析を考えると、結果は穀物種あるいは品種によって影響は小さい。良くない点は、非毒性穀物からのタンパク質と高いクロスリアクションする高リスクである。より特異的なモノクローナル抗体(MAb)は、免疫後分離された脾細胞のネズミ骨髄細胞との融合で生産されるがそれはGalfreとMilstein(1981)のやり方である。ハイブリドーマは,抗体に対する抗体であるが、クローンされそして成長する。結果として、MAbの調製は、沈殿あるいはアフィニテイクロマトグラフィーで精製する。MAbは、大きな長所があり,それは特異性の絶対的な再生産であり、生産の能力は殆ど無制限の量である。
抗血清あるいは抗体の評価に対して、必要なことはある抗体はその抗原に対し、特異的であるかどうか決める事で、さらに抗体が多少なりとも他のタンパク質ともクロスリアクトするかどうかである。主にはWestern Immunoblottingは抗原に対し抗体の結合を研究するために用いられた。たとえばFreedman et al (1988)は、Western blotsを用いてMAbのグリアジンへの結合を特徴づけるのに用いた。タンパク質はSDS-PAGEで分離され、Trans-blot cellシステムを用いてnitrocellulose 膜に移した。Blotは抗体とインキュベートし、洗浄し、さらに酵素でラベルした第2抗体とはじめの抗体に対しインクベートし、相応の着色物質とともにインキュベートする。
免疫反応の非常に重要な点は、抗原--抗体結合の定量である。古い方法は抗体--抗原複合体の沈殿形成が必要だった。最近、抗原はちがったマーカー、例えば蛍光染料、ある時は発光性染色のようなものでマークされ、安定な放射性、放射性アイソトープ(3H、14C、125Z)、あるいは酵素でマークされる。ラジオイミュノアッセイ(RIA)では、研究室では特異的な道具を必要とし、よりいいところは、フリーの抗原は抗体に結合したのもから分離せねばならない。ELISAはこのグルテン決定に最もよく使う技術である。ELISAは比較的やり方が簡単であり、他の技術より安価で早い結果が得られる。西洋わさびペルオキシダーゼ(基質2,2'-azinobis(3-ethylbenzothiazoline-6-sulfonic
acid), アルカリphospyatase (基質4-nitrophenyl
phosphate)とβ--D-galactosidase(基質、4-nitrophenyl-β- galactoside)は、最も一般的なインデケーター酵素である。それらは高度に生成して利用でき、安定で活性は感度より正確に利用できる。酵素は抗原に共有結合でリンクし、たとえばグルタルアルデヒド、あるいはカルボジイミドとの反応によってである。
2つのELISAシステムがよくグルテン分析に用いられる。サンドイッチELISAと競合的ELISAである。捕獲抗体はプラスチックキャリアー(ミクロタイター板)の壁につけられる。抗原を含むサンプルの一部は、ミクロセル中でインキュベートされ、抗原--抗体複合体の形成に向かう(ステップ1)。洗浄後、酵素ラベルされた検知抗体が加えられ、さらにインキュベーションで抗体に結合する(ステップ2)。こうして抗原は2つの抗体でサンドイッチされる。未着の酵素マークした抗体は洗われる。この段階で酵素的基質が加えられ着色最終生産物に加えられ、スペクトルフォットメーターで測定される(ステップ3)。吸光度は直接サンプル中の抗原濃度に比例して、リフェレンスタンパク質にもとづいて計算され、カーブから読み取られる。サンドイッチELISA法は大きな抗原に対してのみ適しており、それは抗原は少なくとも2エピトープをもち、それらは抗原と酵素ラベルした抗原の両方に空間的に分離している。そこで一部加水分解されたサワードウ製品、モルト、ビールのようなものが用いられるときグルテン分析用にはサンドイッチELISAは不適であり。
一方は、競合的ELISA法は1個のエピトープのみで小サイズの抗原の検知に安定である。アッセイは3成分からなる:(i)抗体はミクロタイタープテートに貼付ける(ii)制限ある一定量の酵素--ラベルした抗原(iii)サンプルからの未ラベル抗原。システム中の成分をミックスし、ラベル、未ラベル抗原は結合数の一定数の抗体と競合する(ステップ1)。存在する未ラベル抗原の量が多いほどラベル抗原の抗体に対する数は小さくする。未結合の抗原は洗浄し、酵素的基質は添加し着色物質にかえる(ステップ
2)。サンプル抗原の量が多いほど、酵素--ラベル抗原による色は低くなる。検量線はレフェレンスタンパク質でつくり、サンプル抗原の定量を可能にする。
食品加工で用いる加熱処理は、グルテン量測定影響は低下した抽出不能プロラミン(上を見よ)によるだけではなく、タンパク質構造の変化にもよる。それは抗体により認知された修正がマスクされたエピトープによるであろう。たとえばEllisら(1994)は、加熱したグリアジン区分の反応性の低下をMAb、サンドイッチELISA法で述べている。α/β-とγ--グリアジンはもっと熱に対し不安定であり、そのオリジナルの活性の僅か33-51%残存のみとなり、一方ω-グリアジンは93%が残る。同一のアプローチで、グリアジン区分は70-100℃で5−20分間加熱し、4つの異なったMAbとラビット抗--グリアジン血清を用いて競合的ELISAで定量した。その結果、加熱処理の反応性への影響は、いろいろで単に温度と加熱時間のみならず、使った抗体にもよった。そこで加熱加工食品のグルテン量の定量に用いるときには、抗体は加熱グルテンタンパク質に対して免疫反応性をテストすべきである。
進歩したアッセイ
20世紀の初期、はじめての免疫研究は穀物に関して行なわれた。1925年LewisとWells(1925)は、小麦からアルコール抽出物をモルモットに注射し、さらに小麦粉かあるいは他の穀物の抽出物を注射した。彼らはアナフィラキシー反応を、小麦のみならずライ麦、大麦、オート麦でも得て、一方トウモロコシではみられなかった。Bergerと Freudenberg (1961)のグループはバーゼルでグリアジン抗原性をもっと組織的に研究し、免疫沈殿技術を用いている。はじめの試みでグルテンフリー焙焼加工品の小麦タンパク質の同定するため、抗原--抗体沈殿の測定ではゲル拡散技術,免疫電気泳動、向流電気泳動(Amtliche Sammluung von Untersuchung Sverfahren noch §35 LMBG,1984)の技術で行なった。検知リミット、1-50μgタンパク質/mL範囲がその用いた方法の信頼性である。ずっと高い信頼性はRIAであり、CiclitiraとLennox(1983)の述べる方法で、抗血清はA-グリアジン、α--グリアジンの1成分であるが、それに対するラビットで得たものである。このアッセイで用いた抗原は、α/β--グリアジンを125Iでラベルしたもので、抗原--抗体複合体はStephylococcus aureus cell懸濁液に吸収させたあと集めたものである。アッセイの感受性は未ラベル抗原との結合の競合によって判断するが、1mgのα/β-グリアジンであった。他の小麦タンパク質に対するクロスー反応は、1%以下であり、ライ麦,大麦、あるいはオート麦の抽出物に対するクロスー反応は見られなかった。
今日までELISAはグルテンの定量的決定の最もよく使う方法である。ELISA法の効率限界は、1998年までDenery- Papiniら(1999)によってレビューされた。はじめて信頼できるグルテン決定の競合とサンドイッチELISAは、PAbの全グリアジンA-グリアジンに対するもので、Windermannら(1982)によってすすめられた。このアッセイは非常に感受性がよくA-gliaginで 1-20ng/mLの範囲で、全グリアジンで10-300mg/mLの範囲で行なわれたが、しかしω-グリアジンとは反応せず、他の毒性穀物、例えばライ麦のタンパク質に反応しなかった。サンドイッチELISAは、未加熱、加熱食品中のグリアジンの検索に用いられた(Meier et al
1984; Fritscherら)。未加熱食品の70%エタノール抽出でグリアジンの回収は良好である、ただしココア、コーヒー、茶が含まれている場合は除く。パンドウ中のグリアジンの回収量は80℃以上加熱後、しかしながら強く低下する。Mckillopら(1985)は、同様のELISAを述べ、そこではポリクローナルウサギ抗血清を用いた場合である。その検知限界は3.3ngグリアジンで、そのアッセイ法はセリアック病の人々の小麦毒とくらべ、他の穀物も検知した。PAbを全グリアジンに対し用いたサンドイッチELISA法はTronconeら(1986), AubrechtとTouth(1995)で行なわれ,クロス反応を非毒性米,トウモロコシプロラミンで行い、これらの毒性の応用の限界示した。Friis(1988)はラビットPAbを全グリアジンに対し用いた競合的ELISAを行なった。抗体はトウモロコシ、ミレット、米、大豆タンパク質とは反応しなかった。しかし弱くソバタンパク質とは反応した。このアッセイ方法は検知限界1ng抗原に対し非常に高い正確性で検知した。さらに近年、Chirdoら(1995)はPAbの競合的 ELISAを全グリアジンに対し行い、全てのタイプのグリアジンとHMW-GSをライ麦、トリテケール、大麦のグリアジン同様に認めた;僅かの反応がオートタンパク質でもみられ、トウモロコシ、米、大豆では全くクロス反応はなかった。試験の感度は1ngグリアジン/mLあるいは1mgグルテン/kg粉であった。試験は 大麦、ライ麦プロラミンでは10-15倍感度は低く、オート麦プロラミンでは50倍感度が低い。
幾つかのELISAはPAbを用いて抗原を捕らえるためにミクロタイター板に吸着させ、MAbを西洋わさびペルオキシダーゼあるいはアルカリフォスファターゼを抗原測定のために結合させた。トリプルサンドイッチELISAはFreedmanら(1987)によって応用され食品中のグリアジン含量の測定をした。ウサギポリクローナル抗グリアジンIgGは抗体を捕捉するのに用いた。検知システムは、ネズミモノクローナル上清、ヒツジ抗マウスIgG、IgMをアルカリフォスファターゼ、p-nitrophenylphosphateを基質として含む。アッセイは全てのグリアジン区分とプロラミンをライ麦、大麦、オート麦を小麦グリアジン同様検知した。検知限界は全てのグリアジンで0.75mgであった。
セリアック活性ペプチド54アミノ酸残基長に対し惹起されたMAbが検知システムの一部として取り上げられる以外は同じシステムをEllisら(1994)は用いた。そのアッセイの感受性は、全てのグリアジンとライ麦プロラミンに対するものは15ng/mL(0.3mg/kg粉),大麦プロラミンには125ng/mL(2.5mg/kg)、オートプロラミンには250ng/mL(5mg/kg)であった。
非毒性の米,トウモロコシ、ミレット、ソールガムのプロラミンはクロス反応しなかった。最近になってアッセイはより感受的になり、そこではMAbが合成ペプチド19アミノ酸長で、31-49のα-グリアジンの配列位置に相当するものに惹起した(Ellisら1998)。アッセイの感度はグリアジンでは4ng/mL(0.08mg/kg 粉), セカリンでは500ng/mL, ホールッデン,アベニンでは1000ng/mLであった。アッセイは料理食品中のグルテンでも測定でき、しかし感度は落ちる。非毒性穀物からのプロラミンはクロスー反応しなかった。一連のアッセイはMAbだけ用いて進んだ。Theobaldら(1983)は、はじめて穀物粉タンパク質に対するMAbの生産を報告し、とくに塩--可溶タンパク質で小麦アレルギーを引き起こすものに対して行なった。MAbの穀物タンパク質に対する多量の収集はSkerrittとCo-workerによってなされた(SkerrittとUnderwood, 1989)。殆どの抗--グリアジン抗体はすべてのグリアジンに結合し、一方、幾つかの抗体はグリアジンの小グループに結合した。抗--グリアジンMAbは1つの酵素結合したアッセイで用いられ、いろいろな食品でグリアジン定量をした(Skerritt,
1985)。グリアジンに対する検知限界は、しかしながら、かなり高い(20μg/mL)。より感受性のある競合的 ELISAでは西洋わさびペルオキシダーゼーラベルMAbを用いて、HillとSkerritt(1990)によって行なわれた。抗体はω−グリアジンとの特別の反応が選ばれ;これらの抗体はまた小麦タンパク質に並んでライ麦、大麦のタンパク質と結合し、その結果は異なる品種で影響されなかった。これらの抗体の結合は、グルテンの料理あるいはベーキングによる加熱によって阻害されない。例えば40-70%エタノールが推薦された。アッセイの感度は0.05-0,10μgグリアジンの範囲で、1:5希釈の食品抽出物を用いた200-400mgグルテン/kgに相当する。2個の抗体に結合するω−グリアジン、HMW-GS, プロラミン、これらはライ麦、大麦からのもので、それらはサンドイッチELISAの発展に用いられ、2つの形でパテントと商品化した(下を見よ)。著者の記述によると(Skerritt等,1991),
"Gluten Lab Test"は最初の方法で、未調理、調理、加工食品中、全てのタイプのグルテンを定量できる。2番目"Rapid Gluten Test Kit"は素早く,定量的で、あるいは半定量的な結果で、家庭用、あるいは食品、小麦デンプン産業界で品質のコントロールに用いる。
Chirdo et al (1998)は,いろいろなフォーマット(競合的ELISA, 連続競合的ELISA, サンドイッチELISA)で,グリアジンに対する3 MAbを用いて好感度のアッセイを行なった。
ビオチン化抗体がアッセイの2つに用いられた。抗体の2つは、広くグリアジン、セカリン、ホルデインと反応し、3番目のみグリアジンと反応し;大豆、米からのタンパク質と反応し、トウモロコシタンパク質は観察されなかった。用いたシステムと抗体により、1:50の希釈で検知限界は1-20ngグリアジン/mLの範囲であった。ビオチンーアビシン(biotin-streptavidin)相互作用をシグナル強化システムとして利用すると、グリアジン定量化に非常に有用である事がわかった。
小麦、ライ麦、あるいはオートムギ粉のエタノール抽出物に対しMAb混合物がサンドイッチELISAでテストされた。2つの抗体は捕捉抗体として用いられ、3つ目が認知用抗体として,ホースラデッシュペルオキシダーゼに結合する。広い特異性のために、この抗体のコンビネーションは、毒性プロラミンとの高いクロス反応性をたしかにし、グリアジン、セカリン,ホールデンの認識を同じ程度3-200ng範囲/mL抽出(検知リミット約1.5ng/mL)を許し、一方アベニンに対する感受性はずっと低い(検知リミット約12ng/mL)。溶液(120℃、30分)中でプロラミンを加熱すると、定量的な測定は影響しない、そしてエピトープスは抗体で認識されてこの処理によっては変性されない。ここでプロラミンの低下した抽出性は、加熱した物質の分析に対しても大きな問題のようである。同じグループはサンドイッチELISA法を発展させ、それは1つの単独のω--セカリンに対して惹起するMAb(R5)をベースにしたものである。R5は捕捉及び検出抗体の両方に用いられ、後方はharseradish
peroxidaseでラベルされた。R5 ELISAは、小麦,ライ麦、大麦プロラミンに同一の感受性を示し、一方、クロス反応はオート麦、とうもろこし、コメタンパク質との間では得られなかった。検出限界は1.5mgグリアジン/mLで、これは3.2mgグルテン/kgに相当し;再現性は±8.7%で,繰り返し率7.7%である。アッセイはカクテル抽出法で加熱加工食品(前述見よ)に対して互換性がある。R5のエピトープ特異性は、合成ペプチドでグリアジンのオーバーラップのやり方の配列にわたるものに結合する試験で特徴づけられた。発光試験で、R5結合のα/β--タイプグリアジンのN末端ドメインの全てのペプチドはセリアック病患者にとって有毒であることが知られた。QQPFP, QQQFP, LQPFP, QLPFPといった繋がりは最も強く結合する。最近、競合的 ELISAはR5MAbを用いて進歩した(Ferre et al, 2004)。サンドイッチELISAの対照として、このシステムは全ての小さいものを検知し、プロラミンからの毒ペプチドも検知する。そしてモルト抽出物、ビールのような部分的加水分解されたものの分析に特にデザインされたものである。市販のテストキットはR5MAbに基づいたもので,発達しリングテストされた。
新規の競合的ELISAはMAbを用いたもので,α-グリアジンからの毒性ペプチドに対してつくられたもので、これはBermudo Redondo et al (2005)によって述べられた。このアッセイ法はセリアック病、毒プロラミンに対し特異的であるとわかり、加水分解され特異的抽出剤で互換性のあるものも検知できる。検知限度は0.3mgグルテン/kgであり、再現性は±3.6%であった。
最近まで免疫化学決定法はプロラミンの検出に焦点がおかれ、プロラミン含量はグルテンを得るためにファクター2によって増やした。この計算はDraft Revised COodex Standardによって提案されたもので疑問である。というのはプロラミン(60%エタノール可溶の貯蔵タンパク質)のグルテリン(60%エタノール不溶の貯蔵タンパク質)に対する比率は極端に1の提案比率とちがうからだ。例はいろいろあり、その中で一般の小麦品種(プロラミン/グルテリン=1.7-3.1),小麦品種(1.8-1.6), ライ麦栽培種(6.3-8.2) 大麦品種(0.5-2.5),小麦デンプン(0.2-4.9)。これらの理由で正確な定量値を求める方法がプロリンに対しグルテリンの値が必要である。続いての結果は、HMW-及びLMW-GSからのペプチドがひどくセリアック病患者のT cellsを刺激する,及びHMW-GSは生体中で有毒であると示された。Ellis et al (2006, 2007)はハツカネズミMAb がHMW-GS 1 D X 5とI Dy 10に対して惹起するものをつくった。その結果は、1個の単独のMAbは両HMW-GSを測定するのに十分であった。イムノブロット法は、この抗体がグリアジンと反応しない事を示した。著者らの暗示によると、このMAbはカクテルELISAシステムで用いるのに抗--グリアジン抗体とのコンビネーションに用いる。Spaenij-Dekking et al (2004, 2006)は、イムノアッセイ法をMAbをベースにしてつくり、そこではセリアック病毒グルテンペプチドを認識する。α/β-グリアジン、γ-グリアジン、LMW-GS,HMW-GSからのT-cell epitopes に対するMAb特異性が生成した。これらの抗体を用いたアッセイはT--cell刺激エピトープを異なるバックグランドで検知した。さらにそのままのタンパク質と小麦タンパク質のフラグメントの両方は、分析されたが、それはアッセイが競合的に基づくものであるからだ。
サマリーとして、PAbあるいはMAbに基づく多くのELISAは、グルテン定量を進歩させた。しかし、そのほとんどは、特異性、感度、精度に関して共通の受容に必要なすべての要件に対応しているわけではない。2-3のアッセイだけはリングテスト(重層試験)され、商業的に利用されている。
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