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2018年5月アーカイブ

2018年5月20日 19:26 (瀬口 正晴)

災害時、管理栄養士の役割りはその後どうなっているのか。

第174回日本穀物科学研究会が2018/5/12 に神戸女子大学三宮学舎で行なわれ、興味深い講演会http://www.kokumotsukagaku.com/174th.htmlでした。

 

その中で私、意見した事がありました。そのご講演は農林水産省 食料産業局 食品製造課長・横島 直彦氏による「食品産業生産性工場」で、平成30年農林水産省公表の「食品産業戦略」に基づいたわかりやすい現実的なご講演でした。その中、危機管理と環境整備の項目、災害時の安全供給に関する今後農林水産省の行うべきことの話題でした。

 

この話をうかがっているうちに災害時の被災地での救済食糧、救済医薬物資の積まれた山のことを思い出し、管理栄養士養成大学教員の立場から是非お願いしなければならないと、横島さんには緊急時の自衛隊との管理栄養士の組織化をお願いたしました。それを聞いて若い横島さんは、むしろ熊本の震災時のことを思われて、やはり救済食糧、救済医薬物資の手つかずの山のことを言っておられました。緊急時の救済食糧・医薬等の利用の仕方等はやはり栄養士、管理栄養でなければわからない、緊急時危険な場所に自衛隊とともに入り込み、食糧、医薬等の救済物資の有効利用は管理栄養士の組織ではないと動かせないと訴えました。

このような救済時の管理栄養士の国家的な組織化は、未だ出来てはいないのではないでしょうか。農水水産省の官僚で、それらのできる立場の横島さんに訴えました。

 

その後、場所を変えた懇親会の席上、管理栄養士養成施設の神戸女子大学、九州栄養福祉大学の先生方が横島氏とさらに話されていました。

 

以下、昔のブログ(2012年12月14日)を紹介いたします。お読みいただきご理解ください。

 

 

 

シンポジウムが平成24年11月20日神戸女子大学三宮キャンパスで行なわれました。
内容は以下の通リでした。

東日本大震災:災害時に何が必要か (NPOキャンパー 飯田芳幸氏) 
東日本大震災:食の支援がもたらすもの (セカンドハーベスト•ジャパン 井手留美氏)
東日本大震災:災害時の機能性食品の活用 (京都府立大学 木戸 康博氏)

先3題は東日本大震災に関連のもので、3名の先生方のたくさんのスライドで興味深いお話しでした。特に木戸先生のお話は大震災時の栄養士、管理栄養士の関連のもので、パネルディスカッションでは会場からいろいろ関連の意見がありました。パネルディスカッションでは以下のように感想を述べさせていただいた。

3•11
の東日本大震災時に大活躍した自衛隊の皆さんの動きは逐次テレビで放映され、自衛隊なくして被災地の復興はあり得ないと大きな感動を受けました。大震災の汚れ役は何から何まで自衛隊という不埒な気持ちもありました。

国力をバックに、機動力、情報力、あらゆる機能を有する自衛隊組織の非戦争時のありがたさです。彼らの大きな力が今回の大震災には大変に活躍して多くの人々を救いました。炊き出しもそうです。震災時、現場での自衛隊には食糧は豊富にあったようです。しかしNPOキャンパー飯田芳幸氏によると、自衛隊は十分な調理方法、栄養的知識を持ってなかったようでした。

一方、木戸先生によると、この自衛隊の活躍とは別に栄養士、管理栄養士の組織の活躍も大きなものがありました。

しかしこの自衛隊のもつ情報、物資、行動力と、栄養士、管理栄養士の組織の動きはうまく合致していなかったのではないでしょうか。全国から大量の支援物質が被災地に届き、学校体育館などには山のように保管されていました。スライドによるとカルトンケースの山です。箱には何が入っているのか、どのような人に有効に使えるのかなど一切明記されていません。その現場にはその整理、チェック、配布する人はだれもいなかった様です。そこでも栄養士の活躍が生かされなかったと悔いておられました。

自衛隊にも栄養士、管理栄養士はいるでしょうが、それは常時の日常業務のための人で、隊員の栄養管理食事配膳業務でしょう。

以前、社会人入学で女性自衛隊員が本学を受験したことがありましたが、面接時に彼女が言うのには、自衛隊員の食事の内容は男女隊員の区別なく、ハイカロリーで多量の食事が出ます。これには女子隊員として耐えられないというような話がありました。

この無神経さは、やはり東日本大震災ときに自衛隊は被災者に対応してもあったのではないでしょうか。自衛隊はかなり奥地までその援助に入り込み、必死の救援活動にあけ暮れたことでしょう。多くの人がこれで救助されたことでしょう。このとき、栄養士、管理栄養士の組織がこの自衛隊の動きとうまく合致して、その自衛隊チームの中に栄養士、管理栄養士の1名でも2名でもいたら、チームの行動は非常に有効に効いたのではないでしょうか。


パン、菓子、おにぎりばかりの非常食、炊き出しに「また豚汁か」という言葉がささやかれたようです。非タンパク質、非繊維質、非ビタミン類の連日の食事の中で栄養士、管理栄養士らのもつ献立が全く生かされていなかったのでしょう。じわじわとその栄養アンバランスが被災者の健康にあらわれてくるのは時間の問題でしょう。

自衛隊の活躍するチームの中に栄養士、管理栄養士等が自衛隊員同様ヘルメットをかぶり同様の服装して、DIETITION(栄養士)のマークを付けて食事を担当して活躍したら大きな貢献が出来たでしょう。世の中に知らない人のいっぱいいる栄養士、管理栄養士というものの存在を、大いにアピールできたのではないだろうかと強く感じました。こんなことは禁句かもしれませんが、この非常時に栄養士、管理栄養士というものの存在を大いにアピールできたのではないでしょうか。このような機会にこそ表面に出るべきだったと思いました。

自衛隊、栄養士、管理栄養士合同の国家的組織でこの緊急の難局時に対応すべきではかったのではないでしょうか。こんな組織は常時には必要ないが、この3•11のような緊急時には緊急に組織化して被災者に対応すべきだったのではないかとつくづく思いました。

管理栄養士がもっと必要ならばもっと管理栄養士を作るべきです。常時は普段の仕事をし、滅多にはおこらない緊急時には迅速に組織化して行動出来る組織です。このように考えると、栄養士、管理栄養士は更に細分化し、いろいろな栄養士、管理栄養士を作ることも大切です。今回の東日本大震災を機会にこのような栄養士、管理栄養士のあり方、国家的な組織化を考えるべきと思いました。

栄養士、管理栄養士の社会的認識度はまだまだ低い、しかしながら社会の中での重要性はきわめて大きいと本学会で意見を述べました。

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