2018年10月アーカイブ
2018年10月27日 09:17 ( )新解説 グルテンフリー穀物によるケーキ、パスタ、ピザ、幼児食製造(2)
ケーキ
紹介
一般に現在のケーキバッターは、水中の脂肪、あるいは油脂の乳化システムと考える事ができる。水相には溶けた砂糖、懸濁した粉粒子が含まれている。多くのバッターシステムでは、空気泡は水相より固形脂肪中に保持される。ベーキングの間バッターは加温されるので空気泡は脂肪から水/気泡相に移り、そして拡大する。ベーキングプロセスの後半、泡はケーキ構造を作る。既に述べたように薄力小麦粉は主には構造形成成分であり、グルテンネットワーク形成はケーキバッター中には殆どない。
ケーキ仕込み中の大部分の生の材料
ケーキ粉
ケーキ製造用には、粉は低タンパク質含量であり、低α--アミラーゼ活性が普通は望ましい。粉はケーキ仕込みの中で最も重要成分であり、機能して一等にクラム構造を作る。ケーキ粉は薄力小麦からひき、粉は低タンパク質、低灰分レベルで、同様に細かな粒子サイズである。タンパク量は低いが、その性質は小気泡にガスがトラップするのには十分な性質であるが、パン用粉で普通見られるようなタフネス/チューイネス(かみごたえ)はない。小麦粉のもう1つの重要な成分はデンプンであり、その糊化したものはケーキの大部分構造成分を形成する。水和すると粉タンパク質はケーキバッター中で顕著だがパンドウ中よりも僅かに弱いグルテン構造をとり、それはケーキ構造中の砂糖、脂肪による混乱効果のためである。さらにケーキ仕込み中、高レベルの水であるのは、低粘度のバッターを作り撹拌操作能をおとし、グルテン形成に必要なエネルギーを与える。
ショートニング、砂糖、膨剤
ケーキ中でショートニングは3つの基本的役割がある;(1)それはクリーミングプロセスの間にトラップされた空気によってバッターと焼いたケーキのエアレーションあるいは膨化を助ける。これらの小さな空気セルはベーキングの間、蒸気や炭酸ガスによる泡の核となる。(2)それはタンパク質、デンンプン粒をコートし、水和とグルテンーデンプンの連続ネットワーク形成を阻止する。(3)それはまたバッター中の乳化液に取り込まれ、クラムの水分を増加し結果的にはクラムテクスチュアに影響を与える。
砂糖はケーキに甘さを与え、しかしバッターのエアレーションと構造形成に顕著な役割を示す。砂糖はデンプンの糊化を調節し、焼いた製品の物理的な構造に影響する。ベーキングの間、デンプンの糊化を遅らせ、ケーキがセットする前にCO2と水蒸気によって生じた蒸気圧により適当な大きさに空気泡をする。砂糖はデンプンの糊化を57℃から92℃に遅らせ、好ましいケーキ構造の形成をさせる。砂糖の粒子サイズもまたバッターの粘度に影響する。ケーキ製造で用いる最も普通の砂糖はシュクロースである。膨化はケーキやケーキバッターに期待される空気を抱き込んだ構造形成を助ける重要なファクターである。イーストの代わり、科学的に膨らませるケーキは重曹(ベーキングソーダー)プラス酸性材料で水の存在下でCO2を生む。最終的焼いたケーキの顕著な部分とは、実際には空気である。バッターが始めにオーブン中に入った時生じるCO2ガス生産と発生は、ケーキ膨化メカニズムの重要な場面であり、最終ケーキの容積と食感に影響を与える。
ケーキバッターの性質
撹拌とベーキングの間、成分間の相互作用とバッター構造へのそれらの影響が起こる。一般に未調理のケーキバッターはoil-in-water (水中油滴型)乳化と考えられ、連続水相に砂糖と懸濁した粉粒子が溶けている。初めに、ケーキ調製の撹拌段階後、脂肪の役割はバッターのエアレーションに重要である。撹拌の間、システム中おこる空気セルの閉塞が泡に成長する。最大のケーキ容積を与えるためには、システム中の空気の分布が大きなセルで小数よりも小さいセルで多数のほうであるべきだ。ベーキングプロセスの間、液状のしかも空気抱き込んだエマルジョンのケーキバッターは、半固形で多孔質の柔らかい構造に変わる。これは主にはデンプンの糊化、タンパク質の凝固、バッター中に溶けた化学物質から生成されたガス泡、閉塞された空気、各成分間の相互作用によるものである。
グルテンフリーケーキの仕込み
これまで述べたように、ケーキ仕込み中の小麦粉の存在は多くの役割を行い、ケーキバッターを粘度変化して最終的な焼けたケーキのクラム構造の形成と良好な食感の生成を行う。今日まで、比較的僅かの仕事しかグルテンフリーケーキ食品の製造用の変更粉利用に関しては出版されなかった。
米粉、ガム(キサンタン、グア、カラギーナン、ローストビーン)とある乳化剤がブレンドされ仕込まれたバッターとケーキのレオロジー的性質がTurabi et al., (2007)により研究された。全体的には、乳化剤とのコンビネーションでガムはミキシング段階中、空気をよりトラップする能力のバッターになり、更に乳化の安定性を増加した。著者らは納得のゆく品質の米ケーキの仕込みの際に、1%キサンタンガム利用(オーブン中でケーキバッター粘度を増加し、ケーキの破壊を阻止した)、さらに3%乳化剤(ケーキ容積と多孔質の増加とソフトネスの増加)を薦めた。
キャサバデンプンは南アメリカ原産であるが、食品の成分である。その化学的性質はこれまで非常に議論されてきた,しかしほんの最近グルテンフリー穀物システムにその有用性あることが研究された。酸化に対して感受性があ。Demiante et al., (2000)は、キャサバデンプンの化学的酸化サンプルの生産性について議論し、更にこのデンプン(他のキャサバデンプンの範囲)のベーキング性質と化学的構造の間の関係を議論した。彼らの研究から、著者らは化学処理キャサバデンプンがカルボキシレートグループを含みそれはドウ拡張とベーキング性質に重要であると結論した。
Bean et
al., (1983)は100%米粉でレーヤーケーキを作り、強い撹拌形態とカップルした粉の水和がケーキの品質を改良することを見出した。彼らは米粉と水の強い撹拌が、デンプン粒を内胚乳から解放し、その機能を増加するのであろうと考えた。さらに高スピード撹拌は、「ゲル」タンパク質形成をもたらしケーキのクラムグレイン化を強く押し進める可能性がある。大豆粉、コーン粉、米粉を含むケーキタイプの製品が仕込まれ、一方タラガムの性質を討論し、その特別のガラクトマンナン成分に関心を示した。この中性多糖は、グルテンフリーパストリータイプの食品に厚みを与え、ゲル化剤として応用でき、さらに食物繊維として考えられた。
Von Atzingen and Machado Pinta e Silva (2005)は、10種のグルテンフリーデンプンと粉(キャサバ、米、コーン製品を含む)でグルテンフリーケーキを作り、機器的テクスチュアと色の研究をした。米粉を使ったケーキは最も圧縮力があった。修正キャサバデンプンのうち、酸処理デンプン調整品は最も明るい色調を与えたが、一方色調の強さは米、コーン粉で作るケーキが最も強かった。キャサバ、大豆、ソルガム、セージ、ポテト粉をベースにしたグルテンフリーマッフィンミックスの微生物的側面が評価された。材料、およびマッフィン中、主なバクテリア、カビの微生物のカウントの結果、最少--カビ無しのものでマッフィンミックスのシェルフライフは約3日間であった。その結果は小麦含有マッフィンの結果と良く一致した。
結論
ケーキ製造では、低タンパク質含量、低α--アミラーゼレベル、粒子サイズの細かい薄力小麦を挽いた小麦粉を使う。粉の機能は、主にケーキクラムの構造を作ることで、パンのテクスチュアとむすびつくような正常のスポンジ的な性質ではなく、砕けやすいものである。ケーキ仕込みには、又脂質と砂糖の高レベルを含む。水が仕込み中に加えられると、粉タンパク質は砂糖と脂肪による仲介で弱いグルテンネットワークを作る。今日まで僅かに小麦粉に置き換わるケーキ製造研究の報告があった。とられたアップローチは、米、キャサバ、コーン、ガム例えばキサンタン、グア、カラギーナン、タラ、ローストビンガムから作った粉で進められた。高品質ケーキは、米粉、キサンタンガムと乳化剤を用いて作り、米粉を用いて強い撹拌条件でやることもまた推奨された。
パスタとエクストル-ド食品
パスタの製造
全てのパスタは同一の基本的技術を共有し、粉と液体(主に水)と撹拌してドウを作り、次にエクストルージョンで加圧して必要な形と食品自体の直径に成型する。
パスタ製造の大部分の材料--デュラム小麦
パスタはほぼ大部分セモリナ粉から作り、それはデュラム小麦を挽いたものである。実にデュラム小麦セモリナは、イタリア、フランス、ギリシャの国々の法律で許可されている唯一のパスタ製造材料である。特別のパスタは他のいろいろな成分(例えば生、冷凍、あるいは粉体化した卵、大豆タンパク質、小麦グルテン、ミルクタンパク質等)を混ぜて作られる。
デュラム小麦は強力小麦で、セモリナ粉は均一なサイズの内胚乳粒子からなる粒子である。セモリナ粉のタンパク質は、SS結合、水素結合、疎水結合でマトリックスを作り、調理したパスタに粘弾性を与える。デュラム小麦中のタンパク質含量は9-18%の範囲である。タンパク質含量、グルテン組成の両方は、通常デュラムコムギパスタのドウの性質、及びクッキング品質に影響する主要要因と考えられている。パスタクッキングしている間のタンパク質マトリックスの成長は重要で、粘度のあるパスタドウとパスタは好ましく、その1つが水中でボイルの間、裂けないあるいは崩れてバラバラにならないことである。普通小麦で得られるドウは非常に伸展があり、中間/低粘性であるが、一方デュラム小麦で得られるものは一般に高粘性、弱い伸展性の特徴を示す。良好なグルテン粘度はデンプン粒をパスタ構造の内部に保持し、粘着性を低下する。またクッキング中、水吸収の調整を許し、パスタの過剰な広がりを抑えて正確なかたさを与える。デュラムセモリナのグルテン定性、定量性がクッキング品質に影響する最も重要なファクターであるが、デンプン、可溶性、不溶性ペントサンのような微量成分、リポ蛋白質、いろいろな酵素類、酵素作用でできるものもまたそこに入る。
グルテンフリーパスタの仕込み
グルテンフリーパスタの調製は食品技術者にとり挑戦的仕事であるというのは、小麦をスタート物質として用いる時に形成されるグルテンが欠けているからである。グルテンは撹拌、エクストルージョンの間、ドウデベロップメントに貢献する主なものであり、沸騰水中でクッキングの間、パスタの解離を防ぐ。グルテンなしを、加水と撹拌前に未糊化デンプンあるいはコーン粉のブレンドで乗り越える、あるいは撹拌やエクストルードの間、デンプンの一部を糊化して乗り越えられると考えた。
デュラムパスタはセリアック病を持つ人々の食事には支持されないので、パスタ生産には非デュラム成分の利用研究に進んだ。しかしながらデュラムと同じドウ水和と生じる性質の効果を利用して、適当なエクストルージョンのドウ粘性に必要な正確な水和レベルを求める事は重要なことである。デュラムによるパスタの重要な性質は粘着力である。粘着力はタンパク質ネットワークから大きく逃げたデンプンによるものであり、調理した食品の表面に付着するものである。これまでの研究で関心が深かったのは非セモリナ成分/粉で作ったときのパスタの劣った調理性であった。しかしながらこれは高あるいは超高温にて乾燥することで乗り越える事ができ、グルテンマトリックス中でのタンパク質の変性であり、その結果、でんぷん粒がクッキング中に破壊されることから防がれる。多量の損傷デンプンがセモリナ付近で吸水を強く増加させ、グルテンマトリックスの成長を壊す効果を示す成分となる。更にデンプンの損傷は、料理パスタの粘着性の増加と結びつく。これらの特徴はグルテンフリーパスタ形成の際、考慮せねばならぬ。Manthey et al., (2004)は非デュラム成分を用いた時のパスタの性質の変化を議論した。非デュラム成分の化学的、及び水--結合性がいろいろであるので、ドウ水和、ドウ進展、ドウ粘弾性は変化する。そこで製造プロセスは適宜に変えねばならない、というのはドウ強さはエクストルージョンのスピード同様、エクストルージョンに必要とする機械的エネルギー量に影響するからである。
偽穀物粉を利用するグルテンフリー研究があり、その重要な機能的性質により人気が上がっている。偽穀物はグルテンフリーパスタに関する研究に使われた。ソバ、アマランス、キノアを10%レベルで食品中に入れて、高調理ロス、調理中低安定性が起こるという結果を得た。実験デザインの方法で(アルブミン、乳化剤、酵素添加ともに)、3種の成分を異なった比率でブレンドし、グルテンフリーパスタの性質を改良した。
Caperuto et al., (2001)は、キノアとコーンのミックスを用いてグルテン-フリーのスパゲッテイ-タイプの食品を作るのに用いた。調理品質、テクスチュア(粘り、弾力性)、粘度が求められた。受け入れ状況は官能パネルで評価する。キノア粒の製粉はキノア、コーン粉ミックスを矛盾なくつくるのに必要であった。製品はマイルドなコーン味で一般に適当に受け入れられるものであった。グルテンフリーパスタを作る試みで、Marconi and Carcea (2001)は、乳タンパク質とカロウビン(イナゴマメガムからとったタンパク質)を用いた(表14.4)。著者らはカロウビンがいかにグルテンのレオロジー的性質が似ているか、そしてグルテンフリーパスタ仕込みにテクスチュア剤として使い、それによってタンパク質ネットワークを形成し、しっかりしたパスタをつくり、パスタ料理でデンプンをホールヂングする能力を与えるだろうと述べた。
Feillet and Roulland (1998)は、分離したカロブタンパク質と小麦グルテンの間のレオロジー的類似性を研究した。いくつかの生化学的違いはあるが、2つのタンパク質は非常によく似た性質をもちカロブタンパク質は高分子量サブユニットの高含量に寄与するものである。そこで、著者らはカロウビンがグルテンフリー食品に都合良く用いられるのではないかと考えた。Gobbetti et al., (2007)は半固形条件下でサワードウ・ラクトバチルスを用いて、未発酵のデュラム小麦セモリナに用いた。発酵に続いてドウは凍結乾燥、そば粉と混合して"fusilli"タイプのパスタを作った。2次元電気泳動とマススペクとグラフィーにより、デュラム小麦グリアジンは殆ど全体的に乳酸バクテリアで発酵中に加水分解されることが判った。存在するグルテンのレベルはセリアック病の患者にとって未だ不安全であろうが、彼らは、20%発酵したデュラム小麦セモリナがパスタの仕込みにあるならば、セリアック病にとって新規なもので安全な許容範囲を持つものと考えた。
Huang et al.,
(2001)によって、RSM (応答曲面法)が非グルテンパスタの仕込み作成に用いられた。彼らは官能試験とパスタの粘着性の至適方法を基本にして、より高いレベルの修正デンプン、キサンタンガム、ローカストビンガムを用いて小麦ベースのパスタに似ているグルテンフリーパスタを得た。これは良好な「初めに噛んだときのかたさ」をもつもので、高レベルの凝集性を持つものであった。
グルテンフリー豆粉は、タンパク質含量、リジン含量がいずれも小麦粉、セモリナより高い。100%豆粉の二軸エクストルーションで作ったパスタのクッキング品質が評価された。豆粉成分で、これまでのパスタエクストルーダーを用いた同一のものと比べても新しい加工方法をカップルさせたものは、クッキング後に改良テクスチュアとフレーバーが示され、オーバークッキング後も変化は小さいことが判った。Limroongreungrat and Huang (2007)はアルカリ処理したポテト粉に大豆タンパク質を補強したもので新しいパスタを作り、一方Chen et al., (2002)は、5%α化デンプン(グルテンの機能をするものとして)と95%未処理デンプンで作ったグルテンフリーデンプンヌードルの生産を述べた。彼らの研究でスイートポテトデンプンでもドウを作り、できたものは良いクッキングの性質と官能の性質を示したが、スイートポテト品種間には大きな違いのある事をのべ、このヌードルを作る時重要なのはこの品種を選ぶことが大切なのだと強調した。Mestres et al., (1988)は、グルテンフリー米粉で作ったヌードルのデンプンのネットワークの研究をした。このヌードル中には、天然のデンプン構造は消え、しかし新しい結晶組織が見られた。アミロース-ベースの構造は、複合体フォーム中(米粉ヌードル中)、あるいは老化フォーム中(両ヌードル中に)の両方に見られた。著者らはまた両パスタは良いクッキング適性を示し、それはアミロースネットワークにもとづくもので或る事を見出した。
Kovacs and Varga (1955)は、グルテンフリーマカロニの性質に関する研究を行った。クッキング品質と官能試験は、3つのタイプのコーンデンプンと2つの乳化剤(ドウの水結合能と粘度改良のため)のマカロニミックスで試験した。高品質マカロニは高アミロース含量、低遊離グルコースかあるいは他のデンプン分解物含量の少ないコーンデンプンを使用した時に得られた。
エクストルージョンはセリアック病患者用のスナック食品を製造する時に適した加工方法であるが、それはデンプンが最適食品中で好ましい拡張構造を与える主成分であるからである。Ibanoglu et al., (2006)は、米、ひよこ豆、トウモロコシ粉をベースとしたグルテンフリーエクストルードスナックの拡張の性質、色、官能性質についてについて研究のために実験計画した。エクストルーダーの供給スピード、スクリュースピードは、最終食品の色、香り、全体の受け入れられるものには影響しなかった。しかしスクリュースピードを増すと、食品の拡張とかたさに増加があり、一方供給スピードを上げるとかたさが減るがより拡張の食品になった。米ベースのスナックのエクストルージョンパラメーターは研究された。彼らの結論したことは、エクストルーダーの直径に対する長さの比率(L/D)は極めてエクストルージョンシステムのパラメータおよび関わる食品に大きく影響する。L/D比を増加するとよりかたいものができ、一方バーレル温度>150℃が米粉からの高級品質の拡張食品にとり必要であった。
結論
パスタ食品の殆ど大部分はセモリナ粉で作られ、それはデュラム小麦から挽かれる。この小麦のタンパク質含量は9-18%であり、グルテンの定量、定性の何れもドウに影響して、パスタのクッキング適性に影響する。パスタを作る時、グルテンマトリックス形成が好ましく、それはパスタが水中でボイルされている間テクスチュアを保持するためである。グルテンフリーパスタが形成される時に、加工プロセスを以下の様に変えるべきと暗示されるのは、例えばミキシングあるいはエクストルージングの間、事前にグルテンフリーデンプンを糊化しておく、あるいは高、または超高温度でタンパク質を変性しておき、調理の間デンプンの破裂を阻止する。いかにサワードウラクトバチルスが発酵前のデュラム小麦セモリナに使われ、グリアジンの加水分解が起こるかという新しい方法が述べられた。
偽穀物(ソバ、アマランス、キノア)粉の利用が報告され、その研究では良質グルテンフリーパスタが乳化剤、酵素を用い、実験計画を応用し得られた。グルテンフリーパスタ生産に用いられ、その他成功している成分には豆粉、ポテト粉、米粉、コーンデンプンそれに加えてハイドロコロイドである。
ピザ
ピザ粉、ピザドウ、グルテンフリーピザドウ
ピザには一般に2種類ある;厚いと薄いパリパリしたピザである。厚いパンピザにはかなり高いタンパク質粉が必要で、イーストで発酵してパン状のベースを作る。薄いパリパリしたピザは少し低いタンパク質含量の粉で、発酵するかあるいはビスケットタイプのガスをだしてつくるベースのものである。ピザドウはストレートフォアワード法で作る。小麦粉とともに残り成分は塩、水、膨化剤としてベーカーズイーストを用いる。異なったタイプとして、乳酸バクテリアとイーストが膨化プロッセスで用られる。
全体的のピザの品質は主にドウに基づき、その性質は膨化プロセスに、さらに粉のタイプ、調製方法に影響される。良い品質のピザは、ドウがシート状となり、ふくらみ、イーストによるガスを保持し、同様に良いテクスチュアと官能性を有する。パンのように、ピザクラストの主要成分は強力小麦粉である。粉中のグルテンの品質は、一度粉が水和すると凝集性、伸展性ドウができ、発酵中膨らむことができ、シーテング加工の間その形状を保持する事ができねばならない。あるピザベース工場でイーストドウの冷蔵貯蔵(冷凍より保持)のゆっくりした中間発酵に用いられている。このプロセスは中間生産物の進展を楽にするために採用されて来た。
市販の利用できるグルテンフリーピザベースがある。これらは小麦デンプン、トウモロコシデンプン、ポテトデンプン、米粉、コーン粉、ガム、乳化剤の用な成分がべ−スになっている。しかしながらトピックは未だわずか研究域である。アイルランドのカレッジコーク大学の研究者はその仕込みを研究していてグルテンフリーピザベースのレオロジー面、ベーキング適性を研究している。グルテンフリー粉とデンプン、タンパク質(卵、大豆)、あるいはハイドロコロイド(グアガム)とミクロエンカプシュレート高脂質粉のいろいろなバラエテーをコンンビネーションして、これまでの述べた全ての要求を満たすことを可能とした。ドウのかたさ、テクスチュア(ピザベースのかたさ)、色、ピザ容積のテストの結果、小麦粉ベースのコントロールによく似たグルテンフリーピザを作ることが可能であると述べた。いろいろな成分の最もいいレシピーのドウレオロジーへの影響は、基本的レオロジー(直線粘弾性域の振動試験)を用いて試験した。これらの測定から極めてはっきり判ったことは、コーンデンプンシステムでは弾性率で最も大きな増加が見られ、それはグアガムが高脂質粉と結ばれた時で,このピザは小麦ベースコントロールピザベースに類似していた。
結論
パンのように強力小麦粉がピザ製造ベースに使われる。ピザドウは、完全にグルテンマトリックスができ弾力の性質をもち、発酵過程の間CO2をトラップする力を持たねばならない。ピザは世界中の全ての年代の人々に消費されている。しかしながらグルテンフリーピザベースの発展に利用できる試験結果は殆どない。1つの研究は、いかにしたらコーンデンプン、タンパク源、ハイドロコロイドを正確な比率でシート状ドウ食品を作り、良い性質のピザベースの食品を作ることができるであろうかと報告している。
グルテンフリー食品の栄養的面
グルテンフリー食品は一般に栄養価に富むとか強化しているというものではなく、時に精製した粉あるいはデンプンでつくられるため、置き換るグルテン含有のものと比べ同じレベルの栄養価はない。そこで、グルテンフリー食事にはセリアック病患者が生きてゆくのに必要な栄養的バランスが確かにとれている食事と言えるかどうか不確実性が残っている。Kunachowicz et al., (1996)は、グルテンフリー成分、及び製品の栄養価値の範囲について包括的な研究を進めた。その結果、タンパク質濃度は小麦デンプンに基づく典型的なグルテンフリー粉は低い(0.4-0.5g/100g)、一方、ソバ、キビ粉中では高く、例えば各14.6と11.6g/100gであった。明らかにこれらの値は小麦、あるいはライ麦粉(各9.2,
5.5 g/100g)よりも高い。更に、そば粉はチアミン、リボフラビン、ナイアシンに富んでいて、キビ粉はまたリボフラビン、ナイアシン濃度が高かった。得られた値は小麦粉、ライ麦粉よりずっと高かった。小麦デンプングルテンフリーケーキはタンパク質、ビタミン含量が低かった。Kunachowicz et al., (1996)は、多くの"健康"グルテンフリー粉(例えばソバ、ライ麦)もあるがこれらは常には使われているわけではなく、一般には大部分のグルテンフリー粉と食品の栄養価は、相当する本来の食品よりも低いと結論した。
Thompson
(1999,2000)はグルテンフリー食品の栄養的面に関する2つの包括的な研究を行った。初めの研究では、多くのグルテンフリー穀物製品はチアミン、リボフラミン、あるいはナイアシンがそれらを置き換えようとしている栄養価のある小麦製品に比べて劣った量であるとわかった。セリアック病を持つ人でこれらのビタミンの取り込みもまた、その人の食事全体から摂取する場合には、この研究の結果は精製したものの利用、栄養分を与えていないグルテンフリー穀物食品にはチアミン、リボフラミン、あるいはナイアシン欠乏食となり、そこでセリアック食事は、ビタミンB類の常に欠ける食事と評価せねばならないと示した。Thompsonの2つ目の研究(2000)はグルテンフリー食品(パン、パスタ、冷穀物が調べられた)中の葉酸、鉄、食物繊維のレベルが調べられた。再度わかったことは、グルテンフリー穀物食品は、一般に葉酸、鉄のレベルが滋養された/栄養価を強化されたグルテンー含有相当物よりも低い事であった。そこでもしグルテンフリー穀物食品がセリアック病患者に全エネルギー取り込みの十分な部分を与えるならば、そのグルテンフリー食事はこれらの栄養価が不十分レベルであることもあり得る。Grehn et al., (2001)は、セリアック病と診断された49人の成人の栄養、食事の取り込みとグルテンフリー食事を調べた;その結果、正常の食事をしているコントロールグループの人に比べ、食物繊維の取り込みが低かった。栄養価の食事レベルが、典型的なグルテンフリー食事範囲内では低いと考えられるので、しっかりグルテンフリー食事を厳守すると、栄養的にバランスのとれてない食事をしている未成年の栄養状態をさらに悪くすると結論した。
グルテンフリー幼児用食事
良い栄養は幼児にとり至上の成長と発達を促進するのに不可欠なものである。穀物、粉も入るが、小児科医によって推薦される最も一般的な食物であり、炭水化物とタンパク質含量による高エネルギーの食物である。最近の疫学的研究から、セリアック病は子供に一般的であり、その広がりは1:300と1:80の間である。対立する研究として、小児食習慣がセリアック病の全体的発生に影響するかどうかがある。Ivarsson et al., (2002)は、小麦のグルテンの摂取を組み込んで長く母乳で育てものはセリアック病の危険を低下させたと述べた。しかしながらZiegler et al., (2003)は生まれて3ヶ月たつ前にグルテン含有の供与を追加した子供がanti-transglutaminase (セリアック病の特異的血清学的マーカー)陽性の危険性の増加を示す事を見い出した。そのためはっきりした結論はでていない。
グルテンフリー対グルテン含有の幼児、子供用の成分と食品の栄養上比較
離乳前の時期、食事は子供の健康に最高重要のものであり、それは主には穀物粒と子供ミルク調整粉乳がベースになるものである。フィチン酸は穀物中には高濃度ではいっている。
フィテートは人間には吸収されず、フィチン酸は重要な金属類の生化学的利用とは反対の効果を示す。更にフィテートのリン酸部は、栄養的には利用されない。そこでフィテートのネガテブな性質は赤子の健康に効果を示すだろう。フィチン酸含量を400穀物食品(グルテン含有もグルテンフリー同様)で調べ、そしてグルテンフリー食品は明らかにグルテン含有食品(平均>20mg/g)と比べて平均3.3mgのフィチン酸の顕著な低レベルで有る事が判った。
非タンパク質窒素は幼児栄養には不可欠成分で、機能する。しかしながら産業加工条件は食品のその栄養価と安全性を害する。Perez-Conesa et al., (2002,
2005)は、産業上の加工上の効果を調べ、例えば、酸素処理引き続いて加熱処理の与える影響が、小麦とグルテンフリー市販の幼児用の非タンパク質窒素(NPN)レベルへの影響を調べた。加熱、酵素処理の両方がはっきりと研究した全ての穀物のNPNを修飾した。特に、NPNレベルはグルテン含有穀物よりもグルテンフリー穀物の方が低く、これらの穀物中のタウリン(生まれたばかりの新生にとってもう1つの不可欠成分)の完全な欠乏は加熱反応ステップの間多分アンモニアに変化したのだろう。
結論
グルテンフリー粉は一般に高度に精製されており、栄養は強化されてないので、グルテンフリー食事の人々は栄養的にはバランスがとれてない。栄養的に整ったグルテンフリー粉は存在する、例えばソバ、あるいはキビがそうであると報告されている。これらは高タンパク質で金属も高濃度である。しかしながらこれらの粉は殆ど使われておらず、業者は殆どこれを精製し、栄養価を強化ないグルテンフリー粉とし、それは低繊維、鉄、フォレートの粉であった。
健康食は幼児には最高の成長と発達するのに不可欠である。穀物(特に小麦)は幼児、若い子供の食事の基本を形成するもので、それらの置き換えは注意深く行い、栄養の取り込みが犠牲にならないように注意深く選ばねばならない。成分の選択同様、これらの成分の加工上の変化もモニターせねばならない、それはこれまでに研究が報告するように、いかに高温や酵素処理が粉中の不可欠成分の幾つかを低下させているのかと言うことである。
全体の結論
グルテンフリー穀物食品中のグルテン置換は大きな技術的挑戦である。今日までデンプン、ハイドロコロイドの利用が、産業界ではグルテンフリーベーカリー食品のグルテンを模倣するために広がった。ビスケット製造での薄力粉は、コーン、大豆、ソルガム、ソバのデンプンの範囲でうまく置換する事ができた。グルテンフリーケーキはガム、ハイドロコロイドを米、キャサバ、コーンの粉とブレンドしてつくられ、グルテンフリーパスタでは初めの成分の選択からパスタ製造のプロセス(そこではデンプンの事前の糊化、あるいは乾燥技術が導入される)までモニターする。しかしながらグルテンフリー粉の大部分は高度に精製された低栄養価のものである。グルテンフリー食品の健康面強化へのステップが次第にすすみ、最も著しいのはグルテンフリー穀物食品への偽穀物、および他の栄養価ふくむ粉の導入である。特に高品質の食品製造で重要なのは、成長と生育が最も大切な健康な幼児、及びベビー食品である。
新解説 グルテンフリー穀物によるビスケット、クッキー製造(1)
イントロダクション
グルテンアレルギー/グルテン耐性への関心とセリアック病発見の優れた治療法要望の高まりにともなって、グルテンフリー食品への要求が世界的に、特に発展途上国に広がっている。しかしながら、グルテンフリー食品の仕込みは一般にグルテン含有食品のそれより難題であるのは、大部分の構造形成成分であるグルテンが欠如のためである。更にグルテンフリー食品の栄養プロフィールもまた難題であり、例えばその栄養上必要な食物繊維の低含量である。最近ではグルテンフリーのビスケット、ケーキ、パスタ、ピザはセリアック病患者の食事に含まれ、市販され利用できる。しかしながらそれらはしばしば精製デンプンが主体のため、乾燥した砂のような口腔内感覚で、全体的に貧弱な食感である。この章ではこれらの食品の進歩に見られる異なった接近法をレビューする。
ビスケット、菓子、パスタ
ビスケット、クッキーは世界中で人気のある食べ物であり、それらの多くのテクスチュアと味覚のコンビネーションはそれらを世界中にアピールしている。新しいビスケットの革新と進歩は、食品技術者の創造力によって作られる。本質的には技巧がベースで有ると信じられていたが、ビスケットの製造は科学に向かって進み、テクスチュア、フレーバーのいろいろなコンビネーションとともに、各地域好みの味や市場に合うようにつくられた。仕込み、加工、最後の出来上がった物の属性の違いは、全てビスケットドウの粘弾性の機能、あるいはドウのレオロジーによるものである。ビスケットに多くのタイプが有る;しかしながらそれらの属するカテゴリーにもかかわらず、全てのビスケットにとりあるレオロジ--的必要性がある、例えばドウはモールデング/フォーミングに対する十分な凝集性がなければならず、過剰の粘弾性は不用で、更にドウはショートで切れやすいテクスチュアが必要である。ドウのグルテンデベロップメントの程度も、ビスケットタイプのあるものにとり極めて重要なことである。薄力小麦粉、砂糖、脂質はビスケット産業にとり基本的な成分であり、このチャプターではグルテンフリービスケットやクッキーの仕込みに小麦粉を他のものに置き換えるアプローチについてレビューする。
ケーキは化学的に膨らませたバッターベースの食品である。そのケーキ製品の品種と多様性は大きく、本質的には仕込みの違いは地球上至る所にある。ケーキの定義もいろいろだが、本質的にはその言葉の意味するところは、小麦粉、砂糖、全卵、他の溶液が基本の仕込みで、そこに油脂が加えられ特徴とする食品である。加えられる液体レベルは、ドウではなく低粘度バッターの形成されるようなレベルである。ケーキバッター中では何ら顕著なグルテン形成はなく、ケーキ形成技術はグルテンネットワーク形成阻止するためのステップを利用する、それによってバッターは複雑なエマルジョンを作る。鍵になるケーキの構造形成成分はデンプンであり、それは小麦粉中にあり、その糊化の性質は砂糖、及び溶液の添加で変更される。
パスタ食品は多世紀に渡り、地中海文化の人々に知られた。現在のパスタと呼ばれる食品の範囲は広く(例えばマカロニ、スパゲッテイ、ラザニア、バーミセリ、ヌードル)あり、そして形状、色、成分、貯蔵要求性、利用に関しても広くいろいろである。"パスタ"という言葉はイタリア語で"ドウ"を意味し、前述のような押し出し食品のイタリアンスタイルに合う食品を述べるのに一般に使う。パスタ生産用の生材料にはデューラム小麦のセモリナ粉が選択される。デューラムは強力小麦で、製粉したセモリナは粗粒子サイズでパスタを作るのには理想的である。パスタ消費者がその品質要求性に洞察力を持つようになり、更に食品の変化をいやがるようになると、パスタ生産者はパスタに加工するのに好ましい特徴を持つ正確な生材料を用いねばならない。粒中のタンパク質はパスタ加工上の特徴に顕著に影響する。ドウ撹拌及びパスタのエクストルージョンの間、形成されるタンパク質マトリックスの連続性、強さは、パスタのテクスチュアの特徴を決めるのに重要である。同一のタンパク質レベルの弱いグルテンと比較すると、強いグルテンの小麦は粘りの少ないドウで伸展性はよく良好な料理後のテクスチュアの性質を示す。インスタントパスタは、薄い壁を持ち、加工中にはより強い力を必要とする、一方新鮮なパスタはより伸展性あるドウと、シートの性質を変えるためのより弱いグルテンを要求する。グルテンマトリックスはこうして極めて重要なパラメーターであり、パスタの品質に影響する。
ピザはナポリに原型があると広く信じられ、平らに膨らませたパンに幅広いバラエテイーのトッピングをのせるものと定義される。ベース(生地)とソースの品質がピザの全体的な品質に重要な役割を演じる。ピザ産業は成長しつづけ、最近数十年に予期せぬモニュメントを作った,そしてその要望は食品会社にピザドウの工業生産に関心を持たせるまでになった。ピザクラストあるいはそのベースは強力小麦粉で仕込まれ、食品全体の顕著な部分を構成する。その様相、味、テクスチュアは、消費者にとり同定と受け入れに重要なファクターである。しかしながら他のベーキング食品に比べ、ピザクラストの品質、特にグルテンフリーピザクラストの品質は研究分野がまだ残っている。
ビスケットとクッキー
ビスケット、クッキーの分類
ビスケットという言葉はラテン語のbis coctus で、それは2回焼くという意味である。元々の加工はホットオーブン中でビスケットを焼き、続いて冷却したオーブンで乾燥することである。この技術はこれらの時代、極めてまれだった。"クッキー"は元々はドイツ語のKoekjeからくるが、それは"小さいケーキ"という意味で、食べる時の音が最もその名前に合致したのであろう。ビスケットとクッキーは、それらの製造上の仕込みと方法から分類させる。ビスケットドウ、及びベーキングの特徴は大きくドウのグルテンデベロップメントの程度で影響される。ショートドウビスケット
世界中で消費されている殆どのビスケットとクッキーは、ショートドウから作られる。ショートドウ仕込みは脂質と砂糖が高比率であり、それらは各粉重量の100%--200%までの範囲である。このようなドウ中の脂質の高レベルは、ドウに凝集性、可塑性を与え、しかしグルテンネットワークの進展性が限定されるため伸展性、弾力性に欠ける。ショートドウ中の粉に非常に僅かのミキシングを与える;これはまたタンパク質ネットワークが最小の形状につながる。ショートドウビスケットは普通ロータリーモールデング、エクストルージングとカッテング、あるいはミキシングとカッテングで作られる。できたドウピースはベーキングするまではその形状をそのまま保持しようと形成するが、しかしそれらは伸びたり、あるいは流れたりで薄くなる。このタイプのビスケットは簡単に壊れ、その例にはダイジェステイブ、ショートブレッド、カスタードクリームがある。
ハードスウィート、セミスウィートビスケット
これらのビスケットはかたい粘弾性とよりグルテンネットワークが進んだドウによって特徴づけられる。仕込み中、脂質と砂糖のレベルは粉に対して低く、ドウには弾力、伸展性が有り、更に強い撹拌が要求される。ハードドウは砂糖、脂質含量がそれの粘弾性を変える以外、パンドウに似ている。これらのドウでは、カット、打ち抜きの前に普通はラミネートしシートとする。形を作った一片は普通グルテンの弾力性の性質によって収縮する。このタイプのビスケットにリッチテイーとプチベールを含む。
クラッカー
クラッカーは一般的に低砂糖、脂肪含量と記述された食品である。ソーダクラッカーとクリームクラッカーの様に発酵するもの、あるいはスナッククラッカーのような化学膨剤によるものがある。クラッカードウはグルテンネットワークを進め、タンパク質含量がドウ加工にとって重要である。発酵/膨化の間、タンパク質のネットワークは変化する。発酵/膨化の後、ドウはラミネートされ、カットされ、シートにされる。タンパク質変化とラミネートのコンビネーションでクラッカーの特徴的な薄片と火ぶくれしたものを作る。
ビスケット、クッキーの主要成分
ビスケット製造で用いられる中心成分は粉、脂肪/油脂、砂糖である。
粉
ビスケット粉は薄力ウィンター小麦を挽き、低損傷デンプン含有の小麦粉である。粉の力はタンパク質含量の機能である。ビスケット、クッキー用には比較的低タンパク質含量の粉が用いられる。
薄力小麦は強力小麦と穀粒の硬さで異なり、基本的には遺伝子で、直接の受け継いだ特徴が異なる。砕くか挽いた時、薄力小麦は普通強力小麦より顕著に小さな粒子にバラバラになる。均一なもの一定のものを作ろうとして、しっかりした特異仕様が製粉業者、ベーカリーによって採用されていて、それらは企業によって僅かずつ違っている。それらの名前が示すように、強力小麦はよりかたい。こうして小麦をより細かなサイズに小さくするのにより多くの仕事が必要になる。この仕事の1つの結果として、製粉の間にデンプンの大きな%が損傷を受ける。より大きな損傷デンプン値は、マイナスの要因と見られ、特にクッキー粉ではそうである。クッキーを強力小麦粉で作るとテクスチュアは好ましくなくかたい。ここでは低損傷デンプン含有の薄力小麦粉は、ビスケット・クッキー産業に適している。
低水分吸収能の小麦粉もまた好ましい。クッキースプレッドの研究で、Millan and Hoseney (1997)は、ベーキングで低水分保持能の粉の優れている事を見出した。Malick and Sheikh(1976)が指摘するのは、粉成分間で強い水の競争どりが顕著に影響するのはクッキーのベーキング性質である;しかし水含量は13%を超えないのが最も適当である。ビスケット粉産業界で用いられた最も適した小麦は、英国、北ヨーロッパのもので、さらにその温度域は秋深くから翌年の秋の初めである。
油脂
ビスケット産業で脂質は非常に重要な成分である。それらは植物の広い範囲から採られ(例えばパーム、菜種、サンフラワー、ココナッツ、植物性油脂、大豆油)と動物起原のものである。ビスケット製造用脂質で有用なものは室温で半固体であり、そのため他の成分とスムースに混合できる。脂質の第1番目の機能は、より柔らかい食品を作り、更にショートな(サクサク)ドウを作る。脂質はミキシングの間ドウに分散することで、滑らかな構造を作り、デンプンとタンパク質が連続ネットワークを作るのを阻止するのに役立つ。最近、Anon.(1997)は、クッキードウ中の脂質の役割をのべ、脂質と水相は撹拌の間粉粒子の表面に対して競合する事を指摘した。脂質は粉が水和する前に粉をコートするかどうかで、グルテンネットワークの形成が阻止される。ベーキングの後、これらの食品の好ましい食感は;かたさが小さい、サクサク間が小さく、口溶けの傾向が大きい。そこでドウの好ましい粘度は、脂質含量増加によって達することができる一方、水量を低下させる事でもできる。
砂糖
ビスケット中の砂糖は、甘いフレーバー、大きさ、色、堅さ、表面の出来上がりに影響する。砂糖はドウ撹拌中、粉との水への競合によってグルテンデベロップメントを阻止できる。シュクロースは砂糖の主体でありビスケット産業で利用される。クッキーが冷却される時、結晶化によってかたくする材料として働き、パリパリ感を与える。しかしVenkateswar and Indrani (1989)は、砂糖の適当量はクッキーでは砂糖の水保持能によるソフトニング剤として機能することを見つけた。一般に砂糖の結晶サイズが増加するのに伴って、ビスケットのサイズ、対称性は減り、一方つまり具合は増加する。
ビスケットドウ
ビスケットドウは凝集体であり、しかしパンドウの伸展性、弾力性の特徴には欠ける。最少のグルテンネットワーク形成のため、焼いたビスケットのテクスチュアはタンパク質/デンプンのネットワークよりもデンプンの糊化と砂糖の過冷却に関係し、グルテンのデベロップメントは小さくなり僅かにハンドリング、形成に粘りを与えるのみである。ビスケットドウは簡単に十分なシートになるような伸展性はある、しかしカッテング後収縮することからビスケットを保持するような弾力性はない;これはビスケットのパッケージ時の可能性を目的としている。Contamine et al., (1995)はミキシング中に注入されるエネルギーとその結果のドウレオロジーとビスケットの性質との間の関係を研究し、その結果ビスケットドウは僅かに弾力性有りだが、十分にエネルギーを与えると伸展性が出て簡単にビスケットの安定的形状を示すと結論した。さらに彼らは、グルテンネットワークがドウに僅かにでき、あまり弾力性はないが凝集性はあると結論している。ドウの粘度とビスケットの品質にとり重要なことは、粉のタンパク質、即ちグリアジンとグルテニン区分である。Gaines (1990)は、薄力小麦粉のタンパク質がクッキードウに機能性を与えると考えるのは誤りであると指摘した。クッキーを焼く時、ドウ粘度は低下し全ての方向に広がり、伸びる原因となった。このベーキングの段階で、薄力小麦粉タンパク質の重要な機能が作用する(例えばドウのスプレッドの低下により)。Doescher et al., (1987)は、粉タンパク質がガラス転移温度に達した時膨潤するーその時連続相あるいはネットワークは形成され、水移動は低下、ビスケットドウ粘度は増え、ドウの膨張は止まるという考えを前に進めた。Weegels and Hamer (1989)は、薄力小麦粉タンパク質が重要な品質のパラメーターを与え、そこにはドウの粘度が含まれるとこの考えをバックアップした。
グルテンフリービスケットの仕込み
グルテンフリービスケット産業では、小麦粉は他の成分に置き換える必要がある。これらの成分は単に普通の小麦粉から来るデンプンだけではなく、タンパク質区分でもよい。次のセクションレビューでは、グルテンフリービスケットやクッキー仕込み中に置き換えるものにアプローチする。
Schober
et al., (2003)は、グルテンフリーショートドウタイプのビスケットをグルテンフリー粉の範囲で作った。コーン、大豆、ミレット、ソバ、米、あるいはポテトからのデンプンをいろいろなタイプの脂質(パーム油、クリームパウダー、microencapsulated 高脂質粉, low-fat 牛乳粉)と混合した。ドウの特徴、ビスケットテクスチュア、色調、水分、大きさ、官能機能(属性)を評価した。米、コーン、ポテト、大豆と高脂質粉のコンビネーションでシートになるビスケットドウを作ることができ、そして焼いたビスケットは小麦粉ビスケットに比較的良く似た性質のビスケットであることが判った。最近多くの研究者は小麦粉に代わりビスケット、菓子、パスタ食品中に偽穀物を用いた。Marcilio et al., (2005)は、精製したアマランス粉含量と脂質含量のグルテンフリービスケットへの効果を研究するため要因設計を用いた。ビスケットの全体的な様相は精製した粉の入れた量によって影響され、一方用いた脂質レベルはポジテブにビスケットのフレーバーに影響した。39人の官能パネルの結果より、アマランスンス粉はグルテンフリービスケットの製造に効果あると結論された。アマランスの重要な栄養的性質、例えばメチオニン、システイン、リジン、ビタミン、ミネラルを考慮に入れながら、
アマランス粉に小麦粉を置き換えた時、グルテンフリー食品の製造に好ましかったのは高タンパク質、高エネルギー値であった。Hozova
et al., (1997)は、完全な栄養、官能、微生物的評価、好まれる成果をもとにアマランスを含むクラッカー、ビスケット製造に着手した。しかしながら彼らは、4ヶ月以上トライアル期間を行い、ビスケットの全バクテリアカウントは103CFU/gという受け入れ限界以上の値であることが判った。例えば不適当なパッケージ、あるいは粉中のスポアの存在が微生物的損傷を引き起こすと指摘された。にもかかわらず、著者らは保存安定なアマランス食品はグルテンフリー食品に薦めるべきと結論した。Tosi et al., (1996)はグルテンフリービスケットに全粒アマランス粉を用い、脂質に0.1%ブチルハイドロキシトルエンを添加するとフレーバーに影響することなくシェルフライフを伸張することを見出した。これらのビスケットのタンパク質含量(5.7%)は非アマランス含有グルテンフリービスケットの平均値よりも高かった。Schoenlechner
et al., (2006)はアマランス、ソバ、キノアを25、50、75、100%レベルでグルテンフリービスケットを作った。ビスケットのパリパリ感はソバ>キノア>アマランスの順序であり、ビスケットにソバ、アマランスを入れると官能試験で好まれた。
ソルガム粉はグルテンフリー焼きもの食品で一般性を強くしており、殆どは小麦の栄養価に似ているのが原因で、色は軽く、フレーバーに風味がない。Dahlberg et al., (2004)は、いかにソルガムがそのユニークなフェノール成分とデンプンの性質のため、パンやビスケットの様な健康的で栄養的グルテンフリー食品に適しているかを述べた。さらにTaylor et al.,(2006)は、ソルガムのフェノール成分、抗酸化活性レベルの高いことを強調した。100%ソルガムあるいはパールミレットのクッキーが作られたが、
"かたい、ハード、砂のようなざらざら感、粉っぽい"と述べられた。いろいろな添加物(小麦粉脂質、未精製大豆レシチン、粉の水和、ドウpH増加)を通じて改良された。そして著者らは、ソルガムの極性脂質の欠如が小麦に比べクッキーの品質低下に一部関与していると結論した。しかしながらこの問題は抽出程度の変更、ソルガム粉の粒子サイズの変更、あるいはまた仕込みの変更によって乗り越えることができるだろう。
結論
ビスケット、クッキー製品の広範囲の利用が今日マーケットで行われている。ビスケットはその仕込みによって分離され、メインのタイプは一般にショートドウ仕込み(脂質、砂糖の高比率を含む)、あるいはハードスイート、セミスイート仕込み(ショートドウ仕込みより低レベルの脂質、砂糖)である。ビスケット粉は、ソフト冬小麦で挽かれ低損傷デンプン含有で、低水分吸収能である。グルテンフリービスケットを作る時、小麦粉とその成分(デンプン、タンパク質等)を他の成分に置き換えねばならぬ。今日では、広い種類の成分、そこにはデンプン、偽穀物、ソルガム、ミレットが研究され、いろいろなレベルで成功を納めている。研究はまた、グルテンフリービスケットの栄養的価値を高めるためにアマランスのような成分を利用することに焦点を絞っている。