新解説 グルテンフリー製品へのsorghum (モロコシ)とmaize (トウモロコシ)の利用(2)
グルテンフリー食品生産
伝統的食品
Sorghum、maizeの両方、数千年間ヒトの食料として用いられてきた。伝統的食品の多用な選択などなされ、そこには発酵,未発酵の平たなパン,かゆ、米状食品,タコシェル、トリテーラ等がある。トリテーラの様な幾つかのものの外は,これらの食品は西側の食事の典型ではない。これらの製品は典型的には如何なるものも小麦以外でつくられるので,セリアック病の人々には安全であり、セリアック社会では特別のマーケットを満たしている。
パン
小麦/sorghum複合パンでのsorghumの利用は多くの研究者により研究されており、セリアック病の人々への食事としてはそれらは適していないのか多くないが,しかしより多くのパン研究は高価な小麦のアフリカ諸国への輸入を減らすことができる。この2番目の目的はmaizeがアフリカでの安定な収穫してないので用いられていない。僅かの研究がmaizeからパンの生産に利用された。これはmaizeのはっきりしたフレーバーが一部原因しているが,しかしmaizeは広くトリチーラの用な製品に用いられ、さらにデンプンの分離にも用いられることから,それ自体は大きな食品生産上の役割である。こうした付加価値の研究やmaizeの小麦フリー食品における利用はmaizeの研究の強調された大きな場面ではない。これまで述べたように、sorghumパン生産に関する仕事の多くはアフリカへの小麦輸入減少が必要である事から由来するが,そこではmaizeは十分な収穫は無くそこで小麦に変わる利用できるものではなかろう。パンの成分に加え、いくらか研究者はsorghumからのグルテンフリーパンを報告し、この仕事の多くはTaylor とDewar(2001)によってレビューされた。もっと最近のレビューでは、sorghumパン生産の最近の報告に加えて初期の仕事をサマライズし、そして詳細な小麦フリーパン生産がsorghumから行われる情報を与えてくれた。最初のsorghumパンの生産に関する包括的な研究の1つは、Hart et
al., (1970)による報告である。これらの研究者らは基本的なレシピーを作成し、その結果研究試験でいろいろなガム、デンプン,酵素,乳化剤,ショートニングをレシピーに加えた効果を見ている。彼らは又サワードウ発酵の利用もテストしている。これらのテストでは、粉基本重量に対して〜100-150%の水を含むソフトバッターが十分なふくらみを与えるのに必要であった。メチルセルロース添加は,パンの品質を変えガス保持性を増加し、パンの潰れを防ぎ、2% 4000cpsのハイドロキシプロピル-メチルセルロース(Methocel)最適量をいれる時に生じた。分離したデンプンをメチルセルロースと混ぜると,オーブンライズとクラム構造の改良が認められた。添加したデンプンのタイプは必要なく、sorghumからのデンプン、修飾したワキシーsorghum、maize、cassava、arrowroo、potatoからでも全て類似の結果だった。α--アミラーゼ,プロテアーゼ,乳化剤添加はクラム構造を弱くすることがわかり,ショートニングを一緒にメチルセルロース,メチルセルロース誘導体と用いるとパンを柔らかくした。サワードウ発酵プロセスを加えても、sorghumパン品質を改良しなかった。
キサンタンガム添加はsorghumパンの納得ゆく品質のできることが報告されたが、しかしその添加の正しい技術が良好な結果を得るためには重要である。ドウに入れる前、キサンタンガムを水に浸けることが乾燥で添加するよりパン品質を改良するのに良い。さらにキサンタンガムに加えて,さらに科学者らHart et
al., (1970)による添加テストでは、前もって糊化したキャッサバデンプンもsorghumパン品質を改良した。前もって糊化したキャサバデンプンも改良要因とわかり、比容積は3.3cm3/gほど高くなると報告された。Cauvain (1998) はsorghumパンの幾つかの複雑な仕込みを作ったが、そこではsorghum粉、イースト,塩、水に加えて脱脂ミルク粉、Na-carboxymethyl cellulose 、 ベーキングパウダー、大豆粉、あるいは50% maizeデンプン、脱脂ミルク粉、Na-carboxymethyl cellulose及びドライ卵アルブミンを受け入れうるsorghumベースパンを作るのに用いる。
Sorghum雑種の各固有製パン品質の違った評価をするために,Schober et
al., (2005) は、9種の選択したsorghum雑種と、市販sorghum粉をsorghumパン製造し比較した。この研究では、あるエクストルージョンセルを用いて、小麦ドウのファリノグラフであわせた水レベルを使い、同様のやり方でバッター粘弾性をある一定値に標準化した。この研究での他の重要な要因は、発酵時間よりもパンが一定の高さになるまで発酵を行ったことである。これはグルテンフリーパンの発酵を高度な条件コントロールしても、一定時間で再現性よくすることが困難なためである。Olatunji et al., (1992a)のものに類似した簡単な仕込みを用いたが、それはsorghum粉とmaizuデンプン(70/30)プラス水,塩,砂糖,イーストからなるものである。パン容積とパン高は用いたハイブリッドの種類では影響されないが、かなりの相違がクラム肌とテクスチュアに関しては見出された。機械的損傷デンプン粒は粉中で(最も固いサンプルでもっと高い)は、これらの相違を説明する鍵要因とわかり、より高いデンプン損傷はより荒いクラム構造になる。最も可能性が高いのは、損傷デンプンはより簡単に内胚乳アミラーゼで崩壊され、その結果発酵する糖量がより多くなり、より弱いデンプンゲルを作る。さらに最も異なるクラムグレインをもつ2つのハイブリッドが選ばれ、キサンタンガム、脱脂乳粉、基本仕込みへのいろいろな加水量のパンが作られた。ハイブリッド間のクラムグレインの違いは、キサンタンガム,脱脂ミルク粉,水のいろいろな組み合わせでも保持された。また気のつく事は、キサンタンガム、脱脂ミルク粉はパンクラストの見てくれを改良するが、全体的なパンの品質への影響はネガテブな効果であった。
ライ麦ペントザンは又、sorghumベースをパンに含んだ場合グルテンフリーパン品質改良に添加効果があるようである。ライ麦ペントザン添加は、受け入れられる容積をもつsorghum パンの改良、報告によると老化性質の改良ができた。しかしながらライ麦プロラミン(セカリン)はセリアック病の人々に有毒であり、セリアックの人々をターゲットにしたパンに用いるライ麦ペントザンも完全にセカリンフリーでねばならない。
僅かの研究がmaizeパン生産のために行われた。Olatunji et al., (1992a) は,sorghumに用いたと同じ仕込みでmaizeパンを作った。Sanni et
al., (1998)とEdema et
al., (2005)は、サワーmaizeパンをmaize 粉とmaizeデンプン(70:30)とで、異なったmaize粉、大豆粉とで、あるいはmaizeと大豆の混合とで同様に作った。これらのパンの膨化は乳酸菌とイーストを混合した培養物を用いて得られた。塩、脂肪、砂糖、高レベルの水分を用いた。これらのパンの比容積は低く、しかしこれらの物は殆どのグルテンフリーマーケットに特別パンとして出されている。
ケーキとクッキー
パンに加えて,ケーキ,クッキーも又sorghum,maize粉で作られる。しかしながらパンでも前述したように,文献はこれらのタイプの製品にsorghum利用のものがより多く入っており、これらsorghumは次の議論で強調されている。Oyidi(1976)はsorghum粉(普通ではないsorghum変異種から得られたもの)からのうまくいっているケーキやビスケット製品の報告をしている。同じようにOlatunji
et al., ( 1992a)はsorghum 、あるいはmaize とキャツサバデンプン(70:30)を用いたケーキ用のレシピーを開発した。同じようにDyidi (1976) は(普通使用しないsorghum変異種からの)sorghum粉でケーキ,ビスケットの製造に成功した。Badi とHoseney (1976)は100%
sorghum粉でクッキー製造を研究した。できたクッキーは好ましいスプレッド性とトップクラック性に欠け、著者による"tough(強い)、hard(固い)、 gritty(ざらざら)、 mealy (つぶつぶ)"なテクスチュアと味があると述べられた。これらの著者らは,クッキーの低品質に一部関わる脂質組成の同定を続けた。小麦脂質を脱脂sorghum粉に添加するとクッキー表面グレインとスプレッド性は改良された。Sorghumクッキーは、又未精製大豆レシチンあるいは精製レシチン、モノグリセリドの添加でも改良された。クッキー品質の更なる改良は、sorghum粉を数時間麦芽シロップあるいは水で水和し、次に空気中で乾燥させ、さらにクッキードウのpHをNa2CO3を用いてあげて (Badi and Hoseney, 1996 とは対照的に) 行った。Morad et
al., (1984) は100% sorghum粉で作った砂糖クッキーが、市販の小麦クッキー粉とクッキー粉/sorghumミックスで作ったクッキーに比較して一般に最も高いスプレッド性(厚さに対する幅)を持つことを見出した。
スナックフード
幾つかのタイプのグルテンフリースナックフードをsorghumとmaizeの両方で作る事ができた。Maizeはエクストルードしたスナックフード製造に好まれる粉の元である。このスナックフード生産は、セリアック病患者に対する製造製品の比較的ストレートフォワード方式を供給する。
Sorghumスナックフード
高品質のトリチーラチップは簡単に白色フードグレードsorghumから作られたが、maizeトリチ-ラチップの生産に用いるものに比べてその製造中調理と浸水時間と同様、用いるライム濃度を落として行われた。軽いカリカリテクスチュアのスナック食品は、sorghum のdeep-fatフライした乾燥粒(ペレット)によってできるが、それはアルカリ条件下で調理される。この製品は類似インドネシア食品に基づき、それと同じやり方で全maizeから作るものである。Sorghum製品の生産の最も良い加工方法は、初めに粒をオートクレーブ120℃で60分間かけ、続いて粒を水に浸けて9%水分にまで乾燥し、最後に220℃でdeep-fatフライする。異なったsorghumサンプルで比較してわかったことは、中間にソフト内胚乳をもつサンプルは,固い内胚乳のものより加工中に広がるということだ。この製品を作るのに、ワキシsorghum利用を行うと貧弱な品質になるので、薦められない。
Young et al.,(1990)がsorghumで作るとき、デコーチケーション(皮取り)前に煮ると米で作ったもののようになった。煮ることは固さを増加し、最終調理粒の粘りを低下することと同様にデコーチケート粒の収量を増加し、粒の破壊を減らすことがわかった。
Maizeスナック食品,朝食食品、他の食品製品
Maizeからのスナック食品生産は大きな産業であり、広範囲のスナック生産は商業的にmaizeから生産される。2000年にはmaizeからのスナック生産は56億ドルに達する。エクストルードスナック製品は殆どmaizeを用いている。Maize粒、あるいはその粉のエクストルージョンによって、カール、パフ、ボールといった製品ができる。多くの工場は最終エクストルード食品をコントロールし、そこには用いるmaize組成,エクストルーションパラメーター,ダイの形を含む。エクストルードスナックに加えてフライスナック製品もmaizeから作られる。これらは典型的にアルカリ加工したmaize から作られるもので、それ自体がトリチラチップの様なものから成る。
もう1つのmaizeno大きな利用は朝食セレアルである。朝食セレアルは"フレーク、シュレッド、粒、パフ,あるいは他の形態"に作られている。エクストルージョンとフレーキングは朝食セレアルを作るのに使われるほとんどのプロセスの2つである。たくさんの市販maizeベーススナック製品と朝食セレアルが利用されているが、それらには添加小麦あるいは大麦麦芽が含まれることがある。そこでセリアック病の人々はこれらを食べる時注意する必要がある。しかしながら小麦フリーmaizeスナックや穀物は簡単に作られるべきで、もし必要ならばセリアックの人々の社会にも特にそうである。
Sorghumヌードルとパスタ
Suhendro et al., (2000)は,デコルチケートしたsorghum粉,水,塩から、予熱,エクストルージョン、及び乾燥処理でsorghumヌードルを作った。ヘテロワキシsorghumは平常のsorghumに比べ、劣った品種のヌードルを作った。そのヌードルは料理中に粘り,柔かさが生じ、そして高度の乾燥したものであった。アミロペクチンが増えアミロース含量が減るとヘテロワキシsorghumは一定の老化をする。著者らは、アミロース分散化(可溶化)のタイミング、ヌードル形成、さらにアミロースの老化が、予熱の影響、乾燥方法の示唆するようにさらに重要であると報告した。粉の粒子サイズも又重要であり、より細かな粉は品質の良いヌードルを作る。加工条件が最も良くヌードルが適当に調理される時,良質のヌードルができる。
将来の方向
このチャプターで報告した研究は、sorghum やmaize で小麦フリー食品を作って来た明確な研究を示したことだ。現在までこの種の研究の多くは、製品品質に対するハイドロコロイドのような添加物の製品仕込みや試験への効果の進捗に集中して来た。小麦フリー食品製品の機能を改良するため、sorghumやmaize粉中のタンパク質、あるいはまたデンプンの修飾に関する研究は、少なかったが僅かにはあった。タンパク質の性質を修飾するのに多くの方法が利用されたが、それらは例えばそれらの溶解性、チャージ、分子量等である。さらに研究には小麦フリーパン、パスタのような食品製品のバックに流れる科学技術の理解が必要だが、そこでターゲットとなるタンパク質とデンプンの修飾が小麦フリー食品品質の望ましい改良が達成されるように進められた。パンの様な小麦フリー食品の生産のための特別の特性を持つSorghumとmaizeの育種が価値があるであろう。しかしながら、修飾したタンパク質、デンプンに関してはもっと研究が育種ターゲットの同定には必要である。
更なる情報とアドバイス
この章は、sorghum、maizeの性質とそれらから生まれる小麦フリー食品に関するサマリーを述べたものである。だれもが欲しがるsorghum と maize パンのためのベースを与えるため、このセクションではいかにsorghumパンの進歩を進めてきたかを討論した。仕込みは100%sorghum粉でスタートした事を考えよ。ふすまの関与する問題を避けるため、皮をとったsorghum粉を用いる事にしたとするとこれは健康の恩恵を減らすようになる。仕込みの発展中、次の要因は、パンクラム構造への影響要因を考慮することである。アミロースはセッテングを容易にするための素早い老化に必要であり、そこでワキシsorghum粉をベース粉にするのは避けるべきである。水量も又決めねばならない;良好な出発域は粉ベースの100%から始める(殆どのグルテンフリーパン仕込みでは80-100%の範囲になる)。単純な仕込みでは、他の基本成分は塩、砂糖、イーストを含む。
次に重要な考えねばならぬ要因とはバッターの粘性であり、基本仕込み中で機械的損傷デンプン量に大きな程度で関係がある。損傷デンプン量は水の必要量に影響する。高レベルの損傷デンプンをもつ粉はあまりに濃いバッターとなり,そのためもっと水を入れねばならない。しかしながら結果のパンは荒いクラムとなり、クラム中に大きな穴、あるいは底層の破壊となり-何れの効果も多い加水量とともに損傷デンプン粒の過剰のアミラーゼ分解による。純粋なデンプン(30%が良好な出発域)はsorghum粉中で損傷デンプンを薄め、さらにクラム中の構造形成を促進する。事前に糊化したデンプンはこの状況下(粉の中で高デンプン損傷)、最上の選択ではないだろうが、それはより水を結合さえするためだ。水量は多分、純粋なデンプンが仕込みに入れられるなら合わせる必要がある。もし、パン容積を高くし、より一般的のクラム構造にしたいほど、さらに老化スピードが遅くなるのが望ましいほど、ヒトは2%ハイドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を加えるがそれは注意深く粉とデンプンを混ぜねばならない,そうすれば水が加えられる時、塊はできない。水の量は今や,再び合わせるのがよく、それはHPMCがバッター中で水とより結合するからである。別の状況では元々のsorghum粉は高レベルの損傷デンプンは含んでおらず、バッターの水結合,粘度,凝集性の増加をする必要がある。これはHPMCあるいはすでに糊化したデンプン添加の両方法によって成就できる。
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