グルテンフリー食品への乳製品の利用(1)
基本乳成分
乳成分は、穀物加工の生産上昔から用いられて来た。それらは主に、良好な機能的性質のため,製造のやりやすさのため、最終製品に与える栄養的強化のために加えられてきた。これらの成分は、またグルテンフリー製品にも利用され,グルテンの構造タンパク質複合体の代替とされ、セリアック病を持つ人々の消費に適したものにするため必要とされるものである。このような乳成分生産の全体像がここで適当な説明と共に,その利用とグルテンフリーパンの生産時生じる問題点とともに示す。
紹介
長年にわたって多くの成分が食品産業で用いられて来た。利用は広く、価値のある特に乳タンパク質がそうである。カゼイン・カゼイネートのこれらへの利用は、ベーキング製品、チーズ、チーズ様製造を含む、コーヒークリーマー、アイスクリーム、パスタ製品、発酵乳製品,ホイップトッピング、ミルクタイプ飲料、非ミルクタイプ飲料、菓子製品、スプレッド、肉製品、その他。ホエータンパク質製品では,利用は飲料、菓子、デザート、ドレッシング、肉製品、乳製品、新規乳製品がある。ラクトースはいろいろな乳製品中に用いられ,例えば甘味コンデンスミルク、冷凍乳製品、ミルクとホエー粉、菓子製品、ベビーフード、又フレーバー強化材、固形防止剤である。
乳成分はその機能性、栄養価,製造しやすさのため、広く用いられる。グルテンフリーパン仕込み中でもっとも広く用いられる乳成分がカゼイネート、スキムミルクパウダー、ドライミルク、 ホエータンパク質濃縮物、ミルクタンパク質分離物である。
乳成分の生産とその性質;全体的観点
生産
カゼイン
カゼイン、カゼイネート、及びホエータンパク質の生産のスタート物質は、スキム(脱脂)ミルクである。スキムミルクの利用は、乾燥カゼイン製品中の脂質含量が十分低いため脂質の悪変から生じるフレーバー悪化を最少に確保する。
不安定化後、不溶性カゼインは、可溶性ホエータンパク質、ラクトース、塩から分離し、可溶性固形物残渣除去のために洗浄し、つぎに乾燥する。カゼインは非常に多くの方法で生産されるが、しかし産業的には等電点沈殿、あるいはタンパク質分解性凝固の何れかで行う。詳細な生産方法がレビユーされている、そして図10.1に図示した。等電点沈殿の間、スキムミルクのpHをカゼインの等電点まで低下する。pH低下は乳酸バクテリアの培養液添加で行う(ミルクのラクトースのあるものは乳酸になる)、あるいは希鉱酸あるいは有機酸(生産された乳酸あるいは酸カゼイン各々)添加する。ミルクの全てあるいは一部にイオン交換樹脂を入れ、低温度で撹拌してスキムミルクのpHをカゼインの等電点にまで低下できる。
酸カゼインの製造では、希釈鉱酸(普通HCl)を未加熱ミルク(25-30℃)の流れの中にpH4.6になるまで反対方向から減圧スプレーして沈殿をつくる。その後、蒸気を酸性ミルクに入れて加熱し、約50 ℃の沈殿温度にする。乳酸カゼインの製造では、殺菌したスキムミルクに一種あるいはそれ以上のはっきりしたスターターを接種し、22-26℃で14-16時間培養する。これらの条件下でスターターはゆっくり乳糖を乳酸に発酵する。ミルクのpHがカゼインの等電点に近づくにつれて,カゼインネットワーク(凝集)ができて、良好な水結合能を示す。凝集物を次にコアギュレーションバットから吸い上げて、直接スチームを吹き込んで煮る。
反応カラム中、水素イオン形(H+形)のカチオン交換樹脂と、低温度下(<10℃)で、スキムミルクを撹拌して、スキムミルクのpHをカゼイン等電点まで低下できる。ミルク中のカチオンはH+で置換され、最終のpHの約2.2になる。脱イオン化した酸化ミルクは次に未処理ミルクと混合して最終的には約4.6の好ましい沈殿pHにする。混合物は最終的には直接の蒸気吹き込みによって凝集温度に加熱する。この方法は収量が3.5%まで増加すると報告され、その結果より低塩濃度でホエーが得られる事も報告された。しかしながら、満足ゆくバクテリア条件下でイオン交換を維持することが困難であること、及び大量に生じる溶出液のために、この方法は広くは用いられていない。タンパク質分解凝集の間、ミルクは選択したタンパク質分解酵素(レンネット)で処理される。凝集したカゼインはレンネットカゼインとして回収される。しかしながら、このやり方ではκ−カゼインは加水分解され、レンネットカゼインの性質は酸カゼインとは本質的に異なる。
タンパク質分解凝集はそこで2段階加工と述べられている:初めの段階にはκ−カゼインからパラ−κ−カゼインとマクロペプタイドへの特異的加水分解を含み;一方、次の段階には20℃以上の温度でCa2+によるレンネット変化したカゼインミセルの凝集を含む。この凝集がスキムミルクから生じる時、さらにレンネットカゼインが生じるように進む(乳酸カゼインの生産のような類似のステップが続く)。
カゼインの引き続いての記述は、カゼイン生産の次段階の脱ホエー、洗浄、脱水、乾燥である。脱ホエー段階の効果は、次の加工のための回収されるホエー容積、洗浄操作効率、最終生産カゼインの品質を決めるのに非常に重要である。分離するのに用いる道具は、普通は振動装置、移動装置、あるいはナイロンか、微細ステンレススチールの固定傾斜クリーン、あるいはカスケードのような形状のポリエステル布地の傾斜スクリーンでカードを前後ローリングして傾斜を下らせるものである。ホエー成分残渣(ラクトース、ホエータンパク質、塩類)と遊離酸は、脱ホエーカードからそのカード粒子の表面を洗浄し、ある程度除去する;更にもっと多くはカード粒子内からの拡散で除去する。拡散の速度は、カード粒子のサイズと透過性により、粒子内部と洗浄水間の成分の濃度勾配により、更に洗浄水の量、温度、移動性によるものである。洗浄が完了すると、カゼインカードは機械的に脱水し、最低量にまで水を蒸発させ、さらに其の後の熱的操作に必要なエネルギー量の最低にする。
安定な貯蔵性よい製品を作るため、国際的に認知された食品グレード製品の成分標準に合致するもので、カゼインカードは水分含量12%以下に乾燥されたものである。伝統的に用いられた乾燥装置は半流動化振動タイプであった。このシステム中で,カゼインカードは振動するスチールコンベアにそって進み、一方暖かい空気は強制的に穴を通し、部分的にカードを液体化し乾燥する。最近、殆ど広く用いられている乾燥技術にはニューマチック(空気入りの)リング状のドライヤーを用いている。これらのドライヤーは効果的な大きいステンレススチールダクト(リング形)で、そこからの高速加熱空気と湿って崩れたカゼインカードは連続的に回転している。乾燥したカゼインが比較的ドライヤーから出る時には、各粒子の水分含量はバラバラである。そこで加減する為に乾燥したものをブレンドし、最終的には、均一な水分含量にすることが必要である。
"摩耗"乾燥として知られる乾燥工程は今や広くカゼイン製造に用いられている。このプロセスは1つの操作で粉砕と乾燥する考えに基づくもので、噴霧乾燥カゼインに良く似たカゼイン製造法である。乾燥機は、高速回転、マルチチェンバーローター、そして表面がギザギザのついた固定子からなる。ドライヤー中での、乱流、渦,キャビテーション効果が高度に乾燥効果を示すが、それらが非常に大きな表面積をもつ非常に小さい粒子を作る。
これらの粒子は、同時にドライヤー内を確実にカードとともに通る熱い空気の流れで乾燥する。乾燥したカゼインは非常に細かく全体的に平均粒子サイズは約100μmである。粒子は充分に濡れ性で、分散性があるが、それは形状がバラバラであり多くは素早い乾燥プロセスでできた空泡のためである。
カゼイン生産の新しい方法にはクライオ沈殿、エタノール沈殿、超濾過,高速遠心分離がある。クライオ沈殿の間、ミルクはー10℃で凍結する。液相のイオン強度は、付随する[Ca2+]濃度で増加する。リン酸カルシウムの沈殿による水素イオンの放出のためpHは約5.8に落ちる。これらの変化は、ミルクが溶ける時に沈殿するカゼインミセルを不安定にする。エタノール沈殿では、ミルク中のカゼインはpH6.6、続いてエタノールを添加すると(約40%の最終濃度に達し)凝集する。pHが低下すると安定性は急激に低下し、pH 6で僅か15%エタノールしか必要としない。
カゼイネート
酸カゼインは水中では不溶だが、ある適当な条件下でアルカリにとけ水溶性カゼイネートにすると噴霧乾燥あるいはローラー乾燥させることができる。Na-カゼイネート、水溶性カゼインネートは食品で最も一般に良く利用され,普通NaOHで可溶化した酸カゼインから調製する。Towler (1976)は、次のプロトコールを一般のNa−カゼイネートの商業生産に示した:
1、
脱水装置から取り出した細かくつぶしたカゼインカード(約45%固形分)と40℃の水と混合して、約25%の固形物のものを作り、コロイドミルを通過の準備をする。カード粒子サイズは、できるだけ小さくせねばならない。
2、 Na-カゼイネートはpH6-6-6.8範囲内にせねばならぬ。カゼインスラリー
中にNaOHを送り込む際、それが45℃でミルから出る時、好ましい最終
カゼイネートpHになるだろう。そのスラリーは歯磨きペースト状の粘度
になるように、効率よくNaOHとミキサーで混合し高粘度のものが供給
できるようにする。
3、 その混合物をバットに移し,混ぜ、加熱されると可溶化する。スラリー
を続いて再循環されるか、あるいは2回目のバットに入れ溶液温度を約
75℃に上昇させて完全に可溶化する。インラインpHメーターを利用し、
加えるべき正確なNaOH量を示すか、あるいは更に多少調製が必要かど
うか示す。
4、 熱交換機(温度を約95℃に増加)を通し、カゼイネート溶液をポンプで
バランスタンクに入れる。必要あれば、再びインラインpHメーターで
NaOHを更に添加しコントロールする。
5、 バランスタンクから溶液をポンプで噴霧乾燥にかけ、熱水(粘度をコン
トロールするため)添加をインライン粘度計で調製し、ドライヤー中の
溶液が十分に霧化しているかどうかを確認する。
他のカゼイネート、例えばカルシウム、アンモニウム、ポタシウム,あるいはクエン酸カゼイネートも又製造される。カルシウムカゼイネートは、最初に "ソフト"カゼインカードミキサーに通し、均一な粒子サイズを得る。粒子は次に水と混ぜ、約25%全固形にする。混合物はコロイドミルを通し、温度35-40℃の粉砕スラリーにする。これを次に容積測定したCa(OH)2と混ぜて、スラリーの好ましい最終pHを得る。混合物を変化が完全にすすむまで低温コンバーションタンク中で(>10分)混ぜ、再循環する。最後に分散物をチューブ熱交換機で70℃に加熱し、ポンプで直接噴霧乾燥機中に入れる。アンモニアカゼイネートはNaカゼイネート製造に用いる類似方法でやるが, NH4OHあるいはKOHをNaOHの代わりに用いる。粒状アンモニアカゼイネートは、乾燥酸カゼインをアンモニアガスにさらし,続いて流動床脱気システム中で過剰のアンモニアを水蒸気で除去して調製する)。クエン酸カゼイネートは、同じやり方でNaOHの代わりクエン酸トリナトリウムとクエン酸三カリウムの混合物を用いて行う。
ホエータンパク質の製造
約20% の牛ミルクタンパク質は、一般にホエータンパク質と述べられるタンパク質グループに入る。ホエータンパク質のグループは、簡単にミルクからカゼイン調製に述べられる方法で調製される。ホエーとホエータンパク質に富む溶液は、一般に最低温度と保持時間で殺菌され、そして最低の微生物的、物理化学的なタンパク質とホエー成分劣化の低温保持し、最終製品の機能、組織的性質の悪変を最少に抑える。ホエ-及びホエイタンパク質に富む区分は、広くレビューされている。
商業スケールでホエータンパク質製品は調製されている:
1、
酸あるいはレンネットホエイの限外濾過/透析濾過は、ラクトースのいろ
いろな量を除去し、噴霧乾燥はホエータンパク質濃縮物(30-80%タンパク質)を作る。
2、
イオン交換クロマトグラフィー:タンパク質はイオン交換体に吸着され、
遊離の乳糖、塩、を洗浄し、そしてpH調製で溶出される。溶出物は超遠心で塩を除去し、噴霧乾燥で分離したホエータンパク質を得る(約95%タンパク質)。
3、
電気泳動、あるいはイオン交換で脱ミネラル化し、水を熱蒸発しラクトースの結晶化をする。
4、
熱変性し、濾過・遠心分離により沈殿したタンパク質の回収し、噴霧乾
燥してラクトアルブミンを得て,それは非常に低い溶解性で機能性に制限がある。
共沈殿
ミルクの酸性化、あるいはレンニン化でカゼインの沈殿化に続いて、ホエータンパク質はホエー中に可溶化してとどまる。しかしながらこれらはカゼインとコンビネーションで沈殿する事ができ、初めにミルクをホエータンパク質の変性する温度まで加熱し、それらのカゼインとの複合体を作るのである。そこで、ミルクタンパク質複合体はpH4.6に酸性化する事で沈殿されるか、あるいは更にCaCl2の添加と酸性化のコンビネーションによって沈殿する。
ミルクタンパク質濃縮
スキムミルクは直接、限外濾過/透析濾過によってミルクタンパク質濃縮物を作ることができ、そこにはタンパク質含量約80%となり, 更にその中にはカゼインはミルクで見られた同じミセル構造で存在し、一方ホエータンパク質も、天然の形で存在すると報告される。これらのものは比較的高い灰分含量であり、そこにはタンパク質--結合ミネラルが保持されている。
乳成分の性質
乳タンパク質は食品科学者に広い品種の製品で利用されている。これらの加工品は簡単に乾燥、液体あるいはコンデンスした形で利用され、それはユーザーのニーズに応じてあるいはハンドリング能に応じて作られる。一般に、選択された乳タンパク質加工品は、機能的に考慮したものとコスト効果の両方に影響する。
溶解性
カゼインの典型的な溶解性/pHプロフィールは、カゼインの酸性形の等電点pHに近い所で完全に不溶化を示す、一方pHが>5.5ではカゼインは(Na, K, あるいはNH3)カチオン塩になり,完全に可溶化する。等電点での不溶性は、明らかに酸カゼインの製品では長所であり、2つの大きな乳製品のグループで利用されている(例えば発酵ミルクとフレッシュチーズ)。Na、N カゼイネートは、Caカゼイネートに比べ可溶性と機能性に改良を示す。これは多分、2価のカチオンの架橋に基づくCaカゼイネート会合のより大きなサイズと強い相互作用に基づくためであろう。Na、Kカゼイネートは、pHが5.5以上の値で完全に水に溶け,一方Caカゼイネートは、溶液より安定なコロイド分散の形をとる両方の機能であることである。天然の立体構造のため、ホエータンパク質は食品に応用できる全pH範囲、低イオン強度で可溶化する。未変性形で、ホエータンパク質は僅かに水--結合能を示す。しかしながら球状タンパク質であるので、高塩濃度では塩析されその溶解性は低下する。
ホエータンパク質の溶解性は70℃以上、pHは4.0-6.5の加熱処理でこわされ、ホエータンパク質の起泡性、乳化性に深刻な結果を与える。
共沈殿物の溶解性は、pH、撹拌、混合時間、それから、力、温度、粒子サイズ、カゼイン製品濃度が、他の物質(例えば可溶の塩)の存在同様、非常に大きく影響する。共沈殿物の溶解性は、一般にpH範囲が6から10と考えられる。しかしながら共沈殿物はpH2-3の酸性で溶ける事も明らかなことである。一般に共沈殿物の全てのグレードで、pH7でナトリウムカゼイネートよりも共沈殿の可溶性は低く、不溶性区分は主にホエータンパク質の変性区分であり、共沈殿物の4-15%を示す。
熱安定性
Na、K,アンモニウムカゼイネートは非常に熱安定である。Mulvihill (1992) が述べるように,ある3%(w/v)Naカゼイネート溶液はpH7.0で140℃、60分間凝集せずに加熱できた。しかしながらCaカゼイネートは、熱安定性はずっと低く、1%(w/v)分散液ゲルを50-60℃加熱したものですらそうである。ホエータンパク質は70℃以上の高温で変性の感受性を示す。ホエータンパク質の熱変性感受性は、例えばpH、Ca2+,タンパク質濃度、砂糖の存在といったファクターで影響される。加熱した時、タンパク質球の3次構造を形成する結合が破壊され、タンパク質分子のほぐれが生じ、新しいタンパク質間相互作用ができる。溶解性の損失は1つの機能性変化であり,タンパク質の変性に続いて起こる。
ゲル化と凝集
ミルクタンパク質はゲル化をおこし、殆どの場合、カゼインが含まれる成分である。ゲル化あるいは凝集は、ミルクが酸性プロテアーゼで限界加水分解された時に起こり、ミセルー安定化κ-カゼインを加水分解し、パラ-κ-カゼインを含むミセルを作り、それがミルクセーラム中Ca2+濃度で凝集する。酸によるゲル化は発酵ミルク、酸チーズ、酸カゼイン製造に利用される。濃縮したCaカゼイネート分散液(>15%タンパク質)は50-60℃の加熱でゲル化する。ゲル化温度はタンパク質濃度が増える(20%まで)に伴って上昇し、pHはそのとき5.2-6.0範囲内である。ゲルは冷えるとゆっくり溶けるが加熱で元にもどる。カルシウムカゼイネートは、可逆的熱ゲル化の性質を示す唯一のミルクタンパク質系でである、更にκ-カゼインが主に関係ある成分のようである。疎水結合が関与すると思われる。カゼインは明らかに加熱安定で、極端にきつい条件以外は熱的にゲル化しない。
可溶性ホエータンパク質に富む製品が作られるときには熱感受性は好ましくない。しかしながらこの性質はホエータンパク質から熱ゲル生産に利用され,それは良質な熱ゲルの性質である。β--ラクトグロブリンは、熱ゲル化の観点から最も重要なホエータンパク質と考えられており,牛血清アルブミンやイミノグロブリンも又、加熱で安定なゲルを作ると考えられている。ホエータンパク質濃縮物やゲル化能の範囲内での分離物は、製造中のホエータイプの選択、あるいは加工条件の変化で作られる。20℃でゲル化することからホエータンパク質濃縮物を作る事が可能である事が示されたが、ゲル化温度範囲は50-90℃の範囲である。
水和
乳タンパク質の機能食品応用の多くは水和能に基づくものであり,それは結合水あるいはトラップ水によるものである。一般的性質"水和"、そこには溶解性、分解性、分散生、湿り度、水の吸収、膨潤、濁りやすさ、ゲル化、レオロジー的性質、水保持能、離液,ドウ形成能がある。離水せずに水と結合、水の保持は、多くの食品で重要である。カゼインは比較的疎水的で、高、中、低疎水域をもち、高い負チャージ、高い陽チャージ、あるいは低いネットチャージをもつが、それらは約水2g/gで、それはタンパク質の典型である。タンパク質の水和のレベルは、利用される水レベルにより強く影響され,一般的に言える事は、水和の程度はタンパク質が露出している周辺の相対温度に関係あるということである。水和はpH増加で増加し、相対的にはNaCl濃度には関係なく、特に肉食ベースのアプリケーション中のカゼインの効能に重要である。結合水の相対湿度に対するプロットは水の等温吸湿曲線を示すが、それはタンパク質の水分吸着、あるいは水和の特徴に関する有用な情報を与える。Na--カゼイネート、酸--カゼイン、ミセルカゼインの等温吸湿曲線は、酸カゼインの水和がミセルカゼインのそれより高いことを示し、そしてaw>0.6の時、づっと大きい違いとなる。高awでのNa-カゼイネートの高水和値は、膨潤と溶解性を示す。Naカゼイネートの水保持能は、Caカゼイネートやミセルカゼインの両方のそれより高い。濃縮Naカゼイネート成分の小、大変形特性への分散粒子の影響が最近調べられ、Na-カゼイネートの両親媒性の性質が示された。粉ドウ混合物中の共沈殿物の水吸収性が研究され、一般に不溶性の共沈殿物は可溶性物質よりも低い水吸収値であった。
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