グルテンフリー食品へのMillet (ヒエ)の利用(1)
Millet(ヒエ)とグルテンフリー食品、飲料
紹介
Millet(ヒエ)は単一の種ではなく、単一の属内に幾つかの異なった種がある。それらは簡単に栽培される植物(穀物)であり、小さな粒子を有しそれらはこれを基本に単に一緒に挽かれる。Milletという言葉はフランス語"mille" 多くという意味から来たもので、手に一杯のmilletは数千の粒を含むと言う意味である。事実, milletには多くの異なったmilletがあり、そのうちのあるグループは非常に似ていて,例えばproso millet, little milletであり、更に似てない他のグループ、特にfinger milletやteffなどあり、それらは他の殆どのmilletとは違ったグループにはいる。Millet 文献の研究には問題がある。というのは同一種にちがう一般名が用いられたり、違う適当な種の名前が広く用いられていることである。この点で、表に示されている英語名が各種のものを試験するときに用いられるが、しかし俗語的の名前のリストも文献を読む時に助けになる。
この章で、まず初めにより重要なmillet種のそれぞれを、各歴史、生産、粒の物理的性質と栄養的成分の点からレビューする。次にmilletから作られた生産物の伝統的食品と飲料のタイプを述べ、続いてこれらの製品をつくるために用いる加工技術の説明をする。最後に、最近および未来のmillet食品と飲料の傾向について調べる。
より重要なmillet種の解説
Milletの生産量は2001-2005年(FAO, 2007)に33.6 百万トンで、僅かに1980年代の29.3百万トンより高い。量的に最も重要なmillet種は降順に、pear millet,foxtail millet,
proso millet, finger millet の順である。しかしながら全世界の生産量だけでは、あるmilletの地方での重要性を示す必要ガイドにならない。生産量の小さな発展国で、milletはその農学的特性のせいで食料の安全保障の点で重要な役割を演じている(例えばfonioの場合である)。
Pearl millet
記述,歴史、生産
Pear milletは5000年以上前からアフリカで栽培されていたと信じられている、さらに西アフリカのサハラ (サハラ砂漠近辺)諸国から,南アフリカにかけて広く栽培されて来た。広くインドでも栽培され、多分約3000年前にはあった。収穫は一般に自給自足の農家で栽培されたが、しかし例えばオーストラリアの様に商業的収穫になってゆく。Pear milletは1年生植物で約2m高で、15-140cm長のシリンダー状花穂をもつ(National Research Council,1996)。Pear
milletは,厳しい環境条件下でも良く対応するユニークな点があり、非常に低い250mmまでの年降水量で、約30℃の非常に高い温度で、よく乾燥した土壌でも栽培できる(National Research Council 1996)。Pear
milletは栽培されるmilletの半分以上に相当するもの(ICRISAT/FAO 1996)であることが報告されてきた。
粒の物理的特徴
Pear millet粒は涙形から卵形で、色は大きく変化してクリーム白からグレーと紫色である。種子の真珠に似ていることが名前の由来である。粒は長さ2mmまでで、1000粒重は約8-15gである。
粒の構造は、ソルガム、メーズの構造に、さらに他の殆どのmilletの構造も似るが、finger millet のみ別である。外側果皮、種皮、アリューロン層,胚芽、デンプン性内胚乳からなる。殻粒は裸になる(例えば皮はそれらが脱穀する時に外れる)。Pear millet粒に着いてユニークなことは,比較的大きな胚芽であり、全粒の21%までといわれる。内胚乳はこうして粒の約76%まで、果皮は約10%である。内胚乳は、ペリフェラル(周辺部)、corneous (角張った部分)、floury(粒部分)内胚乳に分けられる。周辺部内胚乳は、デンプン小粒の混じったタンパク質の多いマトリックスである。Corneous部では,デンプン粒はより均一なサイズの多角形でタンパク質マトリックス中に存在している。Flouryの内胚乳では,大きな球形で,緩くつまったデンプン粒が不連続タンパク質マトリックス中に存在している。デンプンはfloury内に約70%あると記録され,
さらにそのうちの約26%はアミロースである。
栄養素と抗栄養素
比較的高い総エネルギー含量で、ほぼ1475KJ/100gである。この高エネルギー含量は、粒の高脂質含量によるもので、それは胚芽の大サイズに関係ある。同様に他のmilletと比較するとpear milletはタンパク質が高い。プロラミン含量は約31-34%で他のmilletに比べて低い。これはアルブミン,グロブリンタイプのタンパク質に富んでいる大胚芽に関係する。Pear millet中のタンパク質のタイプはアミノ酸組成に影響する。高グロブリン,アルブミン含量のため,不可欠アミノ酸リジンは僅かに高い。これに関しラット中で、pear milletの真のタンパク質消費性は94-97%の高さと報告された。Pear millet中の脂質は殆ど不飽和脂肪酸(約75%)である。このため製粉したpear milletの保存性に酸化的変敗の影響がある。デンプンはpear millet中の大部分の炭水化物だが、約62%のin vitro低消化性である、しかしそれは粒をポップコーン用のポップ(はぜる)処理で約73%まで上げることができる。8.5%の食物繊維を示したが、Ragaee et al.,(2006)は15%の値を示し、Singh et
al., (1987)は約17%までの値を示した。この大きな食い違いは、食物繊維測定の複雑さと品種の違いによるためである。Pear milletは,又、約2%抵抗性デンプンを含む。もし全粒を食べるとこれは良い金属源である,しかし剝皮は30%まで鉄含量を低下させる。
Pear millet中の大部分の抗栄養物はフィチン酸、ゴイトロゲン、蓚酸である。フィチン酸塩含量は約0.7-0.8%である。フィチン酸塩は、カルシウム、鉄、亜鉛等の金属を結合によって生化学活性を低下させることができる。Pear milletト中の甲状腺ホルモン化合物は、多分フェノール性フラボノイド、C-グルコシルフラボン、及びそれらの代謝物である。これらの物質は又、pear millet粉中の悪臭の原因と同定され、特徴的なマウス様の、マウスの糞の様な匂いである。デコルチケーション(剝皮),粒のふすま除去は、明らかにフラボノイドタイプ物質を低下させることができ、そのことは製粉前に剝皮するとゴイトロゲン含量の低下ができる。一般にフェノールタイプ物質はパールミレットに高く(約1400μg/gガリウム酸等量),そしてこれは小麦,大麦,ライ麦に比べ高い抗酸化活性を示す。Pear millet中の蓚酸は、明らかにカルシウム蓚酸複合体形成によってカルシウム利用性を低下する。しかしながら麦芽(粒の発芽)は本質的に蓚酸塩含量を0.50から0.07%に低下する事がわかった。
Foxtail
millet
記述、歴史、問題点
Foxtail
millet は主に中国,他のアジア諸国で成長する。ユーラシアで最も古い穀物の1つであり、中国が多分その源の中心である。中国新石器時代の文化の非常に大きな重要事である。Foxtail milletは1.5m高さまで成長する単一の幹の種であり、しかし中国のタイプは一般に60-70cm高である。非常にうまく耕うんされている。各本体には狐色の毛のようにみえる穂があり、そこでこのように名前がついた。穂は約10-15cmの長さで、1.5-3.0cmの直径である。収穫は温度域に十分関係し、成熟まで70-120日間である。Foxtail
milletの生産は,中国では1988年には2.5百万トン以上あり、世界生産は約5.5百万トンで、アジアが主生産者である。
粒の物理的特徴
Foxtail
millet粒は約2mmの長さ,穎は白く,赤、黄、茶、あるいは黒色である。白も赤品種もタンニンの含む物は見つからなかった。1000粒重は約2.6gで、製粉回収は皮とふすま除去で約77%となる。Foxtail milletではデンプン粒は普通
粉内胚乳で球状であるが、多角形の形も又見出される。粒のサイズは0.8から9.6μmといろいろである。
デンプンのアミロースとアミロペクチン含量はFoxtail millet のタイプによる。Foxtail milletには、ワキシ(高アミロペクチン)と平常(低アミロース),あるいはノンワキシ(高アミロース)がある。正常のfoxtail milletで、アミロース含量は33%までである。タンパク体は殆ど球形で、直径1-2μmである(Rost, 1971)。全抽出窒素の約40% はプロラミンタンパク質で、約20%は還元剤でのみ抽出できる。このことは、foxtail milletが殆どの他の穀物のようにプロラミンタンパク質に富んでおり、タンパク質中に高比率でジスルフィド結合があることを示している。
栄養素と抗栄養素
Foxtail
milletの栄養含量の近似値は他のmilletに類似している。In
vitroでの、原料と調理Foxtail milletのタンパク質消化性は77-92%と各々報告され、高い調理値である。報告されたfoxtail milletのデンプン含量は約50-55%で、穀物としては相対的に低い。In
vitroで天然物とポップしたデンプンの3時間消化後の消化性は低く、各々約47と52%であった。しかしながらUshakumari et al., (2004) は皮を外した粒中には約77%デンプンがあり、約96%の高デンプン消化性のあることを報告した。これは全粒中のふすまの高比率であることを示し、それがデンプン消化性に関係することを示す。皮を外したfoxtail milletト中の大部分の脂肪酸は、パルミチン酸(C16:0)(46%), ステアリン酸(11.5%)(C18:0)とオレイン酸(35%)(C18:1)で、飽和脂肪酸が穀物粒としては異常に高い比率であることを示す。全食物繊維は約9.4%だが、Ushakumari et al., (2004)は原料で8.8%とホップした時11.8%の値を示した。
抗栄養ファクターとして、foxtail milletにはポリフェノール、フィチン酸、蓚酸がある。これらは皮とり(ふすまとり),浸水,調理のプロセスで低下する。例えば皮とりでin vitroではタンパク質の消化性は30%まで増加し,抗栄養ファクターのある物が除去されたことによる。Foxtail milletの全フェノール,カロチノイド含量は各々47と80μg/100gと報告された。これらの成分のメタノール抽出物は、良い抗酸化活性を持つことが見出された。しかしながらKodo milletに比べ、foxtail
milletは遊離ラジカル消去ポテンシャルはより低いようである。
Proso millet
記述,歴史、生産
Prosomillet は多分満州が原産だろう。そして世界中に気温,気候で広がった。中国の北西部で重要な収穫があり、Kasakhastan ( カサクスタン)、インド中央と南部州、東ヨーロッパ,USA,オーストラリアで育つ。表6.2に見られるように,prosomilletは多分3番目に最も重要なmilletで、pear
millet , foxtail millet の次である。多くの土壌,気候条件に十分に対応でき、高度3500mまで栽培される。植物は約30-100 cm高で短く,分げつは殆どない。
粒の物理的特徴
Proso millet 粒は白色クリーム,黄色,オレンジ、赤、茶,黒色である。粒は球形-卵形で約3mm長、直径2mmである。1000粒重は約7.1gである。粒の製粉でふすまと皮を除き、粉は約79%となる。Proso millet のデンプン性内胚乳中のデンプン粒は、大きな多形のものよりほぼ小さく,直径1.3-8.0μmである。内胚乳タンパク体の形はまるく,約2.5μmの直径である。プロラミンは全タンパク量の80%までに相当する。
栄養素と抗栄養素
ほぼProso milletの栄養的成分は他のmilletに類似である。デンプンは62-68%といろいろで、アミロース含量は粒の%では乾物で約17%である。タンパク質の栄養価に関してproso millet はin vitroで約80%の消化率である。カゼインと比べて、proso millet タンパク質はD-ガラクトサミンによる肝臓障害を抑える有益な効果を起こすと報告された。トリグリセリドの点では,殆どの一般的脂肪酸はリノール酸(60%)で続いてオレイン酸( 14%)である。Proso millet は、マウス血液プラズマ中の望ましい高濃度リポタンパク質レベルを増加する事がわかった。全ポリフェノール酸,カロチノイド含量はproso millet中、各々29と74μg/100gと報告され、メタノール抽出物にこれらのものが含まれ良い抗酸化性を示した。抗栄養素としてproso milletにはpeal millet、foxtail
millet、 finger millet と比べて明らかにプロテアーゼ阻害活性がなく、しかしながらキモトリプシン阻害剤は認知された。
Finger millet
記述,歴史、生産
Finger millet という名称は粒の頭形から来るが、それは手の指に似ている。
アフリカの元々のfinger milletは多分ウガンダ、エチオピア高地が原産である(National
Research Council,1996)。推察されるのには世界生産は少なくとも4.5百万トンで、ほぼアジア、アフリカで、インドはその生産の世界リーダーである。finger milletの植物は約1.3mの高さになるが普通は1.0mである。広く東アフリカ,ビクトリア湖の周縁,南アフリカ、インドで栽培される。Finger millet は比較的雨を要求し(500-1000 mm),中間の高地(500-2400m),35℃ほどの温度で、十分排水された土地,暑い条件下で良く育つ。マラウイでは、平均収量は約4トン/haが早生品種で得られ、穂の長さは約6cmである。インドではfinger millet は明らかに5 tons/haまで生産され、比較的高い収穫量であり、50 年間ほど貯蔵することができ(Nationa Reseach Council 1996),
飢饉に対し良い貯蔵物質である。
粒の物理的特徴
Finger millet 粒は本質的には球形で直径約1-2mm、平均1000粒重は2.5gである。粒は白から黄色である。白色粒は殆どおかゆ用に好まれ,茶色品種は南アフリカで醸造され伝統的不透明ビールに用いられる。Finger millet は粒の特徴がユニークであり、他の穀物での真の穎果の変わりに胞果である。胞果の特徴的意味とは,果皮が種皮と融合してないことを意味する。これは果皮が簡単に乾粒をこすること、あるいは水に浸けた後それをこすることで除去できる事を示す。Finger milletは5層の果皮があり、赤色から紫色している。色はフラボノイドとタンニンによる。内胚乳は直径約2μmのタンパク体を含み、直径8-21μmまでいろいろなデンプン粒を含む。デンプン粒はfinger millet中では菱形の様な各種、球、多形がある。
栄養素と抗栄養素
タンパク質含量は全く低いが、明らかに不可決アミノ酸メチオニンには富んでいる(National Research Concil 1996)。平均、in vitroタンパク質消化性の原材料と料理したものは、finger
millet で各々71と87%が報告されている(Ravindran,1992)。炭水化物(デンプン)は大部分のfinger millet粒の成分である。デンプン含量は約60%で、アミロースがデンプンの約30%を示す。In vitroでのデンプンの消化性は、finger milletデンプンで原料、ポップしたものの180分後消化率は各々66と74%であった。Figer millet 粒とモルトは食物繊維の良い供給源である。脂肪含量は低く非常に良い粒の貯蔵性を引き起こす。脂肪酸成分の点では,異常なことにほぼ半分はオレイン酸である。ミネラルに関しては,finger milletはCa、Fe、Mg、モリブデン,セレン,マンガンに富む。低血糖反応のためfinger milletはインシュリン非依存性,糖尿病の人々の食事用にと考えられる。
抗栄養素の関しては、finger millet 中にはフィターゼ、全蓚酸が明らかに非常に高い(0.5 と0.03%,各々)。タンニンとトリプシンインヒビターも又fingermillet中の抗栄養素である。発酵ははっきりこれらの効果を低下させる。タンニンは抗栄養素と考えられたが,それらは抗酸化的性質もある。
Teff
記述,歴史、生産
Teff
はエチオピア原産と信じられており,この国はteffの遺伝的多様性誘導的の世界的中心である。テフは細い幹の比較的短い植物1.2m高である(National Rearch Council 1996)。これは風で倒れやすく、粒は手で収穫する。Teffはエチオピアの主なる穀物であり、毎年の生産は1980年代後期の1 百万トン から)1990年代の2 百万トン に増加している。これはエチオピア穀物生産の約20%に相当する。
テフはUSAの健康穀物で用いられ,南アフリカでは主に飼料穀物として用いられる。Teffは3000mまでの高地で広範囲にわたり栽培される。しかしながらベストの高度は1100-2950mである(National Research
Concil 1996)。Teff
は平均1000mmの年間降雨量の範囲で育ち,一般に約1ton/ha収穫し、エチオピアでは品種改良して1.8 ton/haまで収穫できる。
粒の物理的特徴
粒はいろいろな色をしており,白から赤、褐色である。白色はほぼ食品用に用いられる。粒は丸く,直径は1mm以下で1000粒重は2gである。デンプン性内胚乳は主にデンプン粒とタンパク体からなる。タンパク体は各粒子になり合体してない。しかしデンプン粒はfinger millet中のように,多形であり,各粒は直径2-6μmである。
栄養素と抗栄養素
Teffの栄養素は他のmilletににている。しかしながら,異常なのはアルブミン、グロブリンがプロラミンより大きな比率であることである。その低いプロラミン含量のせいで,大麦,ソールガムの様なものにくらべteffは消化性が良い。アミノ酸組成はバランスとれていると考えられるが、リジン含量はまだ低い。teffのデンプンは,約25-30%アミロースを含む。
ブタ膵臓α--アミラーゼを用いて,in
vitroでテフデンプンの分解性を調べるとコーンデンプンに似ていることがわかった。ミネラルの点では,テフはFe、Ca、Mg、Pが多い。Fe、Ca含量はそれぞれ11-33, 100-150mg/100gと報告された(National Research Concil 1996)。テフはタンニンを含むと示されたが、白も茶色品種もタンニンの味は無いという。
Fonio
記述、歴史、生産
Fonioには白fonio、 黒 fonioタイプがあり、前者はより一般的である(表6.1)。Fonioは西アフリカの乾燥サバナで栽培され(サヘル地域),多分最も古いアフリカの穀物である(Nationa Research Council, 1996)。植物は約45-50cm高で、長さ15cmまでの指の様な穂がある。一般的な収量は約1.0-1.4 ton/haであるが、非常に良好な農業収穫条件下では2.0 ton/haが収穫される。マリ、セネガルでの全fonioの生産は約10000トンである。Fonioは非常に早く成熟し,早いタイプは収穫後6−8週間で粒はできる。こうしてfonio は時に "生命の穀物"と言われる。Fonioは貧困な土壌条件下で生育でき、例えば砂地、酸性土壌で、普通ソルガム、パールミレット栽培に適さない条件と考えられるところである。ほぼ年間降雨量400mm以上の雨量のところで育つ(Natinal Research Council, 1996)。
粒の物理的特徴
Fonio粒は小さく、1000粒重は僅か0.5-0.6gである。粒は約1.0mm長、幅0.75mm、胚芽は粒の長さの1/3以上である。デンプン性内胚乳は多面体デンプン粒で直径10μmである。デンプンアミロース含量は普通で、約27%である。タンパク体は粒の全ての場所にあるが、殆どはデンプン性内胚乳に豊富である。タンパク質は殆どグルテリンと報告され)、しかしながらこれはタンパク質の55%以上が抽出されないと誤っているものであろう。不十分な抽出はタンパク質の高い架橋の性質によるためであろう。異常にもアリューロン層と内胚乳末梢は脂質に富んでいるようだ。
栄養素と抗栄養素
Fonioの大まかな成分は他のmilletににている。Fonioはリジンが少なくメチオニンが多い。これらの著者によると、この初期制限アミノ酸リジンの化学的スコアは2-5才の子供に対する全卵の僅か50%である。今日までfonioの抗栄養は研究されてない。
Japanese millet(ヒエ)
とSawa millet
記述,歴史、生産
Japanese millet(ヒエ)は日本の原産と信じられている、 一方Sawa milletは、同じ属のもう1つ別の種でインドで栽培されている。両種の形態学は似ていてともに一緒に扱われるが、日本ヒエの方がずっと情報量があり、特に東北地方でそうであり、この地域では貯蔵性が好いために重要な穀物と考えられている。又中国、韓国でも生産される。日本ヒエは3.0トン/haの収穫が期待されている。一般に植物は温暖を好み、冷温には抵抗性がある。
粒の物理的性質
Japanese milletの1000粒重は約3.3gで、皮とふすまは全重量の23%である。Japanese milletのデンプン粒は直径が約1.2-10.0μmで、球あるいは多形の形である。
栄養素と抗栄養素
ほぼ栄養素はJapanese milletは他のmilletと類似である。Japanese millet中の大部分のタンパク質はグルテリンであり、続いてプロラミンである。in vitroでの原料、加熱したJapanese milletのタンパク質消化性は実に高く各々84、89%であった。脂質含量は1.8%であるが,Sridhar と Lakshminarayana(1994)の報告は全脂肪含量(結合、構造脂質を含む)が8.0%で、これはかなり他とは異なるようだ。もっとあり得るのは脂質の約48%がリノール酸、28%がオレイン酸であることである。Japanese millet は良い抗酸化性があるようだ。抗酸化性の性質をもつものとして抽出されるものにフェノール性物質としてルテオリンとトリシンがあり、セレトニン誘導体としてN-(-p-coumaroyl)seretoninがある。今日までJapanese millet , Sawa millet 中の抗栄養素は何も研究されていない。
Kodo millet
記述,歴史、生産
Kodo millet はインドに土着のものであり、信じられていることは約 3000年前から栽培されていることである。熱帯,亜熱帯にうまく適合している。Kodo
millet は一般に雑草の種とともに栽培され、収穫の間ははっきり区別されない。収穫の成熟には4-6ヶ月かかり、収量は250から1000kg/haといろいろである。
粒の物理的性質
Kodo milletは1000粒重が6.7gである。ふすまと皮が粒の大部分で、約37%である。デンプン粒は大、多形で,しかし幾つかは小、多形である。粒のサイズはいろいろで1.2-9.5μmである。アミロース含量は粒の重量に比例して乾燥重量ベースで約20%である。
栄養素と抗栄養素
他のmillet 同様、ほぼkodo milletの栄養成分はふつうである。プロラミンタンパク質はbarnyard
とfoxtail millionに似ている。グルタミン酸(主にグルタミン),アラニン、ロイシン,セリンに富むがリジンには不足する。Sridhar と Lakshminarayana (1994)は、高脂質値(3.2%)を報告した。脂質はリノール酸とオレイン酸と類似量で、大部分の脂質区分の全脂肪酸の70%である。finger、barnyard、pear millet に比べ、kodo milletは遊離のラジカル消光ポテンシャルが最も高く、そのことは有用な抗酸化活性の可能性を示す。驚くことではないが、ラジカル消光活性は粒がローストやボイルで皮が剥かれたり、加熱されるとき低下する。今日まで抗-栄養素はkodo millet 中では研究されていない。
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