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2010年9月21日 15:07 (瀬口 正晴)食品の物性に関するシンポジウムに参加して
お茶の水大学で第37回食品の物性に関するシンポジウム(9/4−5)が行われ、暑いにもかかわらず大変に盛会でした。この会はファミリー的な会で、京大の松村教授、香川大の合谷教授のご両人のお人柄と大変なご尽力で、微に入り細に入り機能的にうごき、心地よく講演を聞く事の出来る会でした。
会での発表は多種多様、広範囲にわたり、例えばタンパク質だけとか、糖質だけとかいう事もなく、食品に関する全て、しかも物性にとらわれる事なくなんでもありと進められてゆきました。今回管理栄養士に関連する嚥下の問題などは3題ありました。
一人30分の持ち時間で、たっぷり話しを伺う事の出来る会でした。発表の準備は念入りだったかも知れません。自分の得意の分野を思いっきりしゃべる事ができ、そしてその後の議論も十分にできました。
小生の所で研究されている小澤博士は、以下のような発表を行い皆さんの好評を得たと思われました。
一般のホットケーキは、焼いてすぐのホットの状態のケーキを食べますが、熱い時のホットケーキは室温まで冷えたケーキとちがってケーキ組織の口腔内における弾力性は小さく、口の中ですぐに団子状になってしまい、おいしくありません。
ケーキ独特の弾力性が得られず、口の中で団子状になってしまうのです。それを改良する為にこれまでクロリネーション(塩素ガス処理)を小麦粉に施していました。クロリネーションは、本来小麦粉の漂白が目的でしたが、この漂白効果の出る以上にこのケーキ組織の弾力性がえられるという大事なメリットがあって小麦粉クロリネーションを使ってきました。
しかし塩素は体に良くないのではないかということから、ホットケーキ協会は自主的にこの使用をやめていますが、なかなかこれに変る安全な改良方法のないのが現状です。ハワイの食品のスーパーマーケットなどで小麦粉を捜すと、この漂白されたもの(多分クロリネーション)が市販されていました。アメリカで機内食のビスケットの包装紙にはクロリネーションが書いてありました。米国ではまだやっているのです。
そこで色々トライアルするうちに小麦粉の乾熱処理の可能性を小澤氏は追求し、結局クロリネーションに近い改良方法を提案しました。発表では、そのメカニズム、すなわち小麦粉中のプライムスターチ区分(PS区分)、テーリングス区分(T区分)の疎水化がその大きな原因である事を証明しました。なかなか明快な発表だったと思われました。なお小澤氏は管理栄養士です。
会での発表は多種多様、広範囲にわたり、例えばタンパク質だけとか、糖質だけとかいう事もなく、食品に関する全て、しかも物性にとらわれる事なくなんでもありと進められてゆきました。今回管理栄養士に関連する嚥下の問題などは3題ありました。
一人30分の持ち時間で、たっぷり話しを伺う事の出来る会でした。発表の準備は念入りだったかも知れません。自分の得意の分野を思いっきりしゃべる事ができ、そしてその後の議論も十分にできました。
小生の所で研究されている小澤博士は、以下のような発表を行い皆さんの好評を得たと思われました。
一般のホットケーキは、焼いてすぐのホットの状態のケーキを食べますが、熱い時のホットケーキは室温まで冷えたケーキとちがってケーキ組織の口腔内における弾力性は小さく、口の中ですぐに団子状になってしまい、おいしくありません。
ケーキ独特の弾力性が得られず、口の中で団子状になってしまうのです。それを改良する為にこれまでクロリネーション(塩素ガス処理)を小麦粉に施していました。クロリネーションは、本来小麦粉の漂白が目的でしたが、この漂白効果の出る以上にこのケーキ組織の弾力性がえられるという大事なメリットがあって小麦粉クロリネーションを使ってきました。
しかし塩素は体に良くないのではないかということから、ホットケーキ協会は自主的にこの使用をやめていますが、なかなかこれに変る安全な改良方法のないのが現状です。ハワイの食品のスーパーマーケットなどで小麦粉を捜すと、この漂白されたもの(多分クロリネーション)が市販されていました。アメリカで機内食のビスケットの包装紙にはクロリネーションが書いてありました。米国ではまだやっているのです。
そこで色々トライアルするうちに小麦粉の乾熱処理の可能性を小澤氏は追求し、結局クロリネーションに近い改良方法を提案しました。発表では、そのメカニズム、すなわち小麦粉中のプライムスターチ区分(PS区分)、テーリングス区分(T区分)の疎水化がその大きな原因である事を証明しました。なかなか明快な発表だったと思われました。なお小澤氏は管理栄養士です。
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