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2013年1月アーカイブ

2013年1月29日 20:32 (瀬口 正晴)

今年のチョコレート加工実習風景です。


今年のチョコレート加工実習風景です。

管理栄養士養成課程 チョコレート製造実験


2013年1月24日・木曜日、家政学部管理栄養士養成課程の食品加工学実習(瀬口 正晴教授)でチョコレートをカカオ豆から調製し製造実験を行いました。
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「食品加工学実習」は、実習を通して人類が長い歴史の中で培った食品の加工技術を人体への栄養面、安全面について科学的に理解すること、各種の加工食品の知識を広めることを目標としています。



食品加工学実習の毎期、最後の実験に、チョコレートの製造実験を行っています。最初に実験の手順の説明、チョコレートの原料のカカオの生産地、カカオ樹の栽培、収穫の説明から、カカオ豆の発酵と乾燥の方法、チョコレート工場での製造工程、チョコレートの歴史についての講義がありました。続いてチョコレートの栄養成分とその効用やとろけるおいしさの鍵となる製造方法について最新の知識も学びました。

講義の後にチョコレートの製造実験が開始されました。実験に使うカカオ豆(ロースト済み)は市販されていないので一般に見ることはありません。学生は珍しそうにカカオビーンズを手にとって観察してから殻を剥き始めました。

コーヒーミルでカカオビーンズを細かくペースト状になるまで粉砕します。湯煎が始まると実習室一杯に甘い香りが漂いました。カカオバターや粉糖などを加え加熱・攪拌を続けました。実験はグループ単位で行います。約一時間でどのグループもチョコレートを型に入れ、冷やし始め固まったチョコレートを切り分けました。学生たちは自分たちで作ったチョコレートを満足げに試食して実験は終了しました。

バレンタインデーが迫ったこの季節に行われ、プレゼントするチョコレート選びにも役立つ実験なので学生は楽しみにしているようでした
「食品加工学実習」は、実習を通して人類が長い歴史の中で培った食品の加工技術を人体への栄養面、安全面について科学的に理解すること、各種の加工食品の知識を広めることを目標としています。

当日のアルバム

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2013年1月22日 17:53 (瀬口 正晴)

野生そばの発見

神戸から京都までのJR車中、たまたま4人掛けの座席に座ったところ、真正面に座って新聞を読んでおられた男性は、神戸学院大学の池田 清和先生でした。池田先生は"食の専門家ブログ"の中で、そばのことを書いておられますね。小生とは旧知でした。久しぶりにいろいろとお話しできました。その中で大西近江先生の話が出ました。以前大西先生のそばの野生植物の御講演を聞いたことがあり大変に印象的だったことを思い出したのでここに記述します。

2007年の日本穀物科学研究会(第131回例会)が京都大学栽培植物起源施設で行なわれた時の大西近江先生の御講演でした。

大西近江先生は木原均先生((1893-1986)コムギの祖先を発見した細胞遺伝学者)のお弟子さんでした。木原氏は野生小麦を発見したことで有名な方です。野生小麦は中近東地域であることを発見されました。御弟子さんの大西氏は野生そばの発見者です。繋がってます。

その研究のスケールは大きく、当日大西先生の生の話をわくわくしながら伺ったことが記憶によみがえりました。本物の話は魅力的ですね。


栽培そばの起源地(野生そばのこと)は、1883年のドカンドル(Aide Candolle) の説、シベリア・アムール河流域とされていました。たがその説は疑問でした。

大西先生はこの疑問を解くため、単身野生そばを求めて中国の奥地の奥地に調査探検旅行に入って行かれました。小柄な白髪のこの男(失礼ながら)に、ものすごい馬力を感じました。

1990年に、そば野生祖生種を求めて中国雲南省の千〜二千五百メートルの高さの山野を這いつくばって命がけで探して歩かれたようです。そしてついにその年1990年 10 月 20 日午前10時にそばの野生祖生種を雲南省の五郎河の谷間に発見されました。世界的発見ですね。

そのときの様子を以下のように言われました。"発見したとき、見てすぐわかった"と。"人の入ったことのないような谷に、100kmにわたりづっと野生そばがはえていた。他の植物は生えないような岩のごつごつした山の斜面に、木もはえない岩のごつごつしたところに生えていた。土もないようなところに生えていた。"と言われた。先生にはそれが野生種であるとすぐにわかったようです。

その他、雲南省、四川省、東チベットでも見つけ、野生祖生種のアロザイム、RAPD,AFLP分析により中国で三河地域と呼ばれる金紗江、蘭倉江、怒江が平行して流れる東チベット、四川省、雲南省の境界領域に自生している野生祖先種が栽培そばに最も近縁とわかりました。10万年のオーダーのはなしです。その後何千年間の歴史の中で広く人によって伝播して行きました。ある村の女性が他の村に嫁ぐと自然に広がっていったのでしょう。野生そばは10種類あり、現在19種とわかっていますが、その内人気のある種が残っていきました。15世紀にはシルクロードを通ってヨーロッパへ伝わりました。こうしてそばは、ヒトが伝え、ヒトが広げました。

大西近江先生の野生そばの発見は大きな発見だと思いました。


2013年1月 4日 17:27 (瀬口 正晴)

日本穀物科学研究会(日穀研)第152回例会を行なって(12/1/012)

昨年(平成24年)12月1日にはやはり神戸女子大学教育センターで日本穀物科学研究会(日穀研)第152回例会を行ないました。会では小生が「AACC INTERNATIONAL(American Association of Cereal Chemists International) 学会報告と諸外国の穀物科学研究の動向」と称して、1時間ばかりお話しいたしました。

その中で、特に毎年世界中から集まるAACC INTERNATIONALの学会の中で、いま特に穀物関連の人たちが何に興味を抱いているのかについて、プログラムの中からシンポジウムの話題を紹介しました。皆様も同様のご関心があろうかと思いここに紹介いたします。10題テーマに取り上げられていました。穀物研究の世界の最先端の研究テーマです。


①,  セリアック病患者用のグルテンフリー加工食品の提案。
②, 食塩、脂肪摂取量の低下と食物繊維量の増加の提案。
③, グリセミック コントロールの問題。
④, 主要作物、小麦、大麦、トウモロコシ、米、大豆以外の作物、豆類、少量生産の穀物、例えばアマランス、そば、雑穀、キビ、ささげである。さらに豆類からのタンパク質、デンプンの研究。
⑤, パスタ、ヌードル、プレッツェル加工時の非加熱加工(cold-forming processes) での、エクストルージョン、脱水で生じるデンプン、タンパク質のユニークな構造変化の研究、例えばデンプンの膨化、タンパク質の会合の研究。
⑥, グルテンフリー、低カロリー加工食品の新しいテクスチュア(食感)の研究。
⑦, アレルギー閾値を医学的、消費者、工業的ポイントから比較する。
⑧, 酵素利用は長いが、その正確なメカニズムは不明。最近はふすま、キシラナーゼ、フエルラ酸エステラーゼの研究。
⑨, 全粒の定義、ガイドライン、全粒と健康、栄養の研究、全粒食品のガイドラインの見直し。
⑩リピドの役割、ショートニング、オイル、乳化剤、小麦粉脂質の機能の再度見直しの問題。

でした。

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