神戸女子大学栄養研究会主催 第8回講演会 開催報告
2011年6月26日・日曜日、神戸女子大学教育センターにて、第8回神戸女子大学栄養研究会主催講演会が開催されました。
講演会には2人の講師をお迎えし、講演をしていただきました。
(1)「薬食同源から栄養学へ」
奈良女子大学 生活環境学部 食物栄養学科 教授 井上裕康先生
(2)「神戸リハビリテーション病院の嚥下食の紹介」
神戸リハビリテーション病院 栄養科 主査 太田美由紀先生
今回の参加者は学部生110名、大学院生1名、卒業生14名、一般3名、教員7名の合計135名でした。休日にも関わらず、多くの方にご参加いただきました。
<講演の様子>
井上裕康先生のご講演では、薬食同源という考え方の歴史とレスベラトロールという食品成分についてご講演いただきました。中国の後漢の頃には既に様々な植物の効能などをとりまとめた「神農本草経」という書物が作られており、そこに記載されている内容は現在進められている研究と通ずるものがあるとのことでした。また、ブドウなど特にワインに含まれるレスベラトロールという成分は核内受容体(PPAR)を活性化させるとともにCOX(シクロオキシゲナーゼ)-2の発現を抑制することで発がん抑制や生活習慣病の予防として期待されているという、普段の授業では聞くことができないような研究内容について教えていただきました。
太田美由紀先生のご講演では、患者さまの嚥下状態を確認するための検査や嚥下訓練に始まり、嚥下食の形態や嚥下食に必要な条件など、実際に病院で提供されている嚥下食を見せていただきながらわかりやすくご講演いただきました。嚥下食の中でも見た目が常食に近く、誤嚥の危険性が少ない等々の理由で注目されているソフト食についても触れられ、ソフト食は多くのメリットがある反面、デメリットや課題も存在するとお話しいただきました。また、危機管理や衛生管理、医療自己防止対策などの栄養管理以外の様々な業務紹介もしていただき、管理栄養士は多くの方と接する機会が多いので、挨拶や笑顔などの接遇にも気をつけなければいけないとのことでした。
講演内容を録画したDVDの貸し出しを行っていますので、興味のある方は須磨キャンパスC館1階つきあたりにある管理栄養士キャリア支援ネットワーク事務局まで、お問い合わせください。
次回第9回の講演会は、2011年11月13日・日曜日(大学祭2日目)に神戸女子大学 須磨キャンパスで開催されます。奮ってご参加ください。
この事業は文部科学省「大学教育・学生支援推進事業」(学生支援推進プログラム)に採択された「管理栄養士キャリア支援ネットワークの構築」事業の一環として行っています。
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