モロコシ(Sorghum); そのユニークな栄養と健康促進効果−3
4 モロコシによるヒト健康と幸福になるチャンス
4.1抗酸化性と抗炎症性関連メカニズム
酸化的ストレスは、慢性疾患の発症への中心的役割である。この事実の確認は試験管内で急増に進み、更に食品からの予測能力を目的に食料品ベースによる研究が行われ、そして食品成分が生体中の酸化ストレスを低下することを導いた。Google Scholar researchでは"抗酸化能"に対し160万件以上のヒットを示した(4月現在、2016)。1990年代以来、食品科学、栄養の域における頻用文献は、殆ど抗酸化関係試験といろいろな食品成分の"抗酸化能"のものに基づいている。ポリフェノールの酸化還元作用の化学のため、ポリフェノールは最も広く研究されてきた食物の抗酸化物質である。
試験管内で測定した抗酸化能と、生体中の抗酸化能と直接に関連があるという誤った仮定が、ポリフェノール含量の高いいろいろな食品商品、殆どの果物,野菜中のフェノール含量(および抗酸化能へ拡大により)とを比較する行き過ぎた研究へ導いていった。消費者の想像する推論とマーケット会社が用いる推論は、より高いポリフェノールと試験管中の抗酸化能がよりベターな健康上の利点に等しいのであるという推論であった。しかしながら試験管内の抗酸化能と、生体中の目標となる物質が影響する力あるいは酸化ストレスの低下との間には直接の関連がないことが今や認められている。これは生体中の遊離ラジカルを消すための食事抗酸化物質の能力がその貧弱な吸収性のために制限されるためであり、それは一般にずっと強固な内因性の抗酸化システムと同じである。しかしながら多くの食物ポリフェノールは、それらの構造により間接的に内部の酸化還元酵素(例えばフェーズII酵素)の表現と活性を変調させ、影響を与える。結論的には、ある特別の食品あるいは商品の抗酸化能は、特異的活性物質の成分より関連性が低いのである。
モロコシポリフェノールは試験管内で他の粒より高い抗酸化能を示した。これはそれらの中の高ポリフェノール含量を期待したためと思われる。しかしながら前述のように、これを自身は良好な健康価値を意味しない。我々のデーターは他の研究者と共に次の事を示した。モロコシ中に見られるユニークなポリフェノールは、事実重要な生化学的性質を示すが、それは恐らくより大きな健康価値を与える抗酸化活性とは直接関係がないことであった。例えばモロコシ3-デオキシアントシアニジンは強いフェーズ II酵素誘導体であり、その性質はアントシアニン類似体としては報告されてない。このような内部脱毒酵素に対する間接的効果と高度に関係があり、それはこれらの物質が酸化的ストレスに重要な結果を持つ性質に働きかけ、そして低レベルの取り込みでガン化阻止が生じることを示すためである。更に3-デオキシアントシアニンの構造は、フェーズII酵素の能力に大変な影響を与える;O-メチル置換はそれらの活性を顕著に大きくする。興味深い事にO-メチル置換は実際に試験管中でのポリフェノールの抗酸化能を低下する;これは試験管中での抗酸化能が生体中での効果にまで外挿することは危険だというハイライトである。他の証拠はモロコシ茎から抽出した色素が、サイクロフォスファミドにより誘導したラット能の酸化的ストレスを除去したことであるが、このことは酸化的ストレス関連の神経変性疾患を阻止する効果を示すものである。こうしてモロコシ3-デオキシアントシアニンは、その成分から生体中の酸化ストレスに対し重要な間接的な価値を示した。
異なったモロコシタイプの中で、タンニンを含む品種は試験管中での抗酸化能は最大であり、それは単一フラボノイドに関係あるタンニンのより高い遊離ラジカルのスキャベンジング力によるものである。重合化したタンニンは互いに近接してより多くの-OH基を持ち、単一のフェノールよりパーオキシキシラジカルの消光に効果的であり、そして酸化還元サイクリング(これは時に1個のフェノール類での場合である)を通じて酸化促進剤のような作用は出来ない。試験管中のタンニンの抗酸化性の大きさは、生体中で直接の酸化ストレス、特に消化管中と関連ありそうで、一部はタンニンが典型的にタンパク質や吸収できない他の巨大分子と複合体を作るためである。この点で、結合した全粒フェノール物質は、標準のケミカルアッセイ(典型的に細胞壁材料に共有結合する)法では抽出できないが、消化管上皮と直接相互作用して抗酸化効果を示す、あるいは結腸で一部は微生物の加水分解により引きはなされると考えられている。酸化ストレスの他、慢性炎症(これは酸化的ストレスに関与)は普通のいろいろな慢性疾患への一般的なパスウエイである。こうしたフェノール物質や他の生理活性物質の炎症メーカーに対する効果の研究は、最近最もポピュラーな研究分野の1つであり、直接に病気予防の重要点と信じられている。事実、抗炎症テストは "アンチオキシダント2.0" とニックネームされた。炎症バイオマーカーに対するポリフェノールの効果はそれらの構造とターゲットマーカー(特別)によるが、これらの研究は健康に対するポリフェノール貢献の全体的可能性のインサイトを明確なものにするものであろう。更に、試験管中あるいは生体中での特別のポリフェノールの抗炎症効果のデーターは、一般的には一致しているようである。
最も良く知られた抗炎症物質はフラボン、アピゲニン,ルテオリンである。他のモロコシ中の単体フラボノイドもまたいろいろなレベルの抗炎症活性を示す。こうして驚くべき事ではないが、モロコシの抗炎症効果の直接の証拠は試験管中、生体中で有望視された。Moraes et
al., (2012) は、フェノール成分の違ういろいろな遺伝子型のモロコシを、21%-26%食餌として与えた大人ウイスターラットの低グレード炎症に対する効果を示した;全体的効果として粒のフェノール含量に関係なく、成分の方がより関係あることを示した。モロコシタンニン、及び非モロコシタンニンで赤、黒、白色果皮を含むいろいろなモロコシ品種からのふすま抽出物は、ヒアルウロニダーゼの活性を阻害する;ヒアルウロニダーゼの過剰発現はマクロファージと樹状細胞の慢性炎症反応を導く。タンニンおよび黒(非タンニン)モロコシからのふすまも又、試験管中でLPS(リポポリサッカライド)刺激後にサイトカインの遊離を低下させ、更にラット中のTPA (12-0-tetradecanoylphorbol acetate) による感染を低下させた。興味深い点は、小麦、米のふすまは2例の研究の中でそれぞれ抗炎症性質を示さなかった。このことはモロコシ中のユニークなフラボノイドがそのような観測の運転をしているのかもしれない。もう1つ他の研究は,白モロコシふすま抽出物がU266細胞によるIgE生産を抑えているが、一方小麦ふすま抽出物は抑えない事を示した。我々の最近の調査結果の確認は炎症に対するモロコシの効果で、最も強い効果がモロコシフラボンに結び着いていた(Agah et
al., 2017。
4.2モロコシのがん阻止
一般に全粒消費はガンのいろいろなタイプの阻止に強く結びつき,とくに消化管との結びつきである。例えばLarsson et
al.,(2005)は、結腸ガンリスクが女性で1日に全粒の1.5人分消費する人より1日4.5人分消費する人の方が33%減ることを報告した。また上部消化管のガン(食道、口腔,咽頭)リスクに対し全粒消費は50% 低下に結びついた。全粒ポリフェノールの抗酸化活性と他の細胞調節機構(例えばフェーズII酵素活性とエストローゲン活性)は、これらの恩恵に寄与する。
穀物粒の中でモロコシは有益な化学予防にその可能性を際立たせている。Van Rensburg(1981)の報告によると、食道がんの発生率が世界中のいろいろなところで(Africaとアジア)低下したが、そこではモロコシ消費が高いが、一方トウモロコシ、小麦の消費は発生率の上昇に関係ある。Chen et
al., (1993 ) の疫学研究は中国のサクシ州でも同一の発見を示した。この研究は、モロコシを最もよく消費する地域は食道ガンでの死亡が小麦,トウモロコシを第一に消費する地域より1.4-3.2倍低い事を示した。南アフリカの黒人の間でモロコシからトウモロコシ食に変更することで食道扁平上皮ガンの発生率が増加した。
試験管内、および生体中での実験で、モロコシポリフェノールのユニークな価値が疫学的研究ではっきりした。例えばモロコシ 3-deoxyanthoyanidins luteolinidin とapigeninidinはそれらの類自体cyanidinやpelargonidinよりもいろいろな濃度で、ずっとHL-60 白血病とHepG2 ガン細胞増加に対して効果があった。我々はまたモロコシタンニンがぶどう種子のタンニンよりもHT-29ガン細胞の成長阻止により効能があり、一方黒色モロコシ色素が赤キャベツアントシアニン色素よりずっと効果のあることを認めた。証拠からモロコシポリフェノールがガン細胞増殖を抑えるのに他の類維食品よりずっと高い可能性があり、そして使用低レベルで食事療法アプリケーションと関連するようであった。これら観察からは可能性ある理由は明確でないが、しかし多少はより良い生理的活性がモロコシフラボノイドにあり、それは他の類似食品に比べ相対的には低い親水性であるためである。モロコシフラボノイドは一般に水酸基が少なく、グリコシル化の頻度が低い。
最近我々は、特別のモロコシ品種中フラボンとフラボノイドの成分が低濃度で非悪性結腸組織中のエストローゲンレセプターβ(ER-β)を活性化する能力を高めることを見出し、そしてそのアピゲニン含量はER-β 活性の最も強い予測因子であることを見出した。ER-βの活性化は結腸癌予防の良く知られたメカニズムである。我々が更に示した事は、モロコシフラボノイドは卵巣包除マウスの結腸中アゾキシメタン誘導の異常陰窩巣形成低下を可能とし、生体中のエストロゲン様作用の阻止をはっきりしたことである。こうしてエストロゲン活性は、それによりモロコシフラボノイド、特にフラボン中の多いものが化学予防に貢献するメカニズムである。
4.3 肥満,血糖反応とその関連メカニズム
カロリーの過剰摂取の結果、今や飢えよりも大きな地球全体の健康問題になっている。肥満(に関連する健康問題)は、人類が今日面と向かって挑戦している最大の健康問題の1つである。より気になる点は、肥満、糖尿病の場合、発展国の肥満、糖尿病のスピードでライバルの途上国におけるスピードが次第に増加している点である。例えば、過剰体重と飢餓はアフリカの多くの国ではサイドバイサイドで共存している。過剰なカロリー摂取に関連する課題は、今後数十年で世界的な健康問題を支配すると予想される。モロコシは幾つかの理由からカロリー過剰摂取の問題でポジテブに貢献すると思われるが、将来に向けての最も重要なハイライトである。
4.3.1 ソルガム内胚乳の性質
モロコシ内胚乳は他の穀物やデンプン性食品に比べて比較的ゆっくりと消化するデンプンを含む。すでに説明したようにこれは主には内胚乳中デンプンの周縁にあるγ--カフェリンタンパク質の熱水処理(水存在下での調理)中の大きな架橋によるためである。ジスルフィド結合形成は主にはモロコシタンパク質架橋によるためであり、さらに調理の延長効果で架橋程度に影響し,より長時間でより大きなポリメリゼーションを引き起こす。架橋したタンパク質はアミラーゼ酵素の接近を邪魔し、デンプンからのグルコースの遊離の速度を緩める。Zhang and Hamaker (1998) は調理したモロコシ内胚乳はトウモロコシに比べて15%-25%デンプンの消化は低下すると報告し、更にこの効果は純粋なデンプンを比較して用いると消失するか、あるいは加水分解前に還元剤(メタ重亜硫酸ナトリウム)を架橋処理したモロコシ内胚乳タンパク質に用いると消失すると報告した。これらの結果は大きくEzeogu et
al.,(2005)と一致したが、彼らは試験管内で調理したハードモロコシ内胚乳分解を30分間で約75%のデンプンの消化を観察し,そのときの調理したハードトウモロコシ内胚乳の約90%のデンプンの消化と比較した。
ゆっくりしたデンプンの分解性は満腹感に重要な意味を持ち、そして食品への渇望を減らし、同時にそれは好ましい糖尿病へのグリセリック応答をする。事実、伝統的にアフリカ文化の中で、肉体的に厳しい労働の間、胃の中に知覚される持続力によって要求されたモロコシのかゆは、トウモロコシ、他穀物以上に好まれた。更に架橋したモロコシタンパク質は消化性は弱く(例えば30-55%の消化性で、調理したトウモロコシあるいは小麦タンパク質に比べてで、それらは80%以上の消化性である)、それはモロコシ−ベースの製品の全体的カロリー影響をより低下する。例えこれが高度に栄養過剰の人において価値があっても、タンパク質欠乏の人への影響も考えねばならない。
こうして、モロコシは実際に小麦、トウモロコシ、あるいはポテトの様な主流澱粉食品商品で体重増加に殆ど貢献するようなものに関心を持つ消費者の人達にそれを緩和するのに貢献できる。例えグリセミック反応と満腹へのモロコシ効果がヒトでの研究では制限されても、わずかの動物とヒト研究はモロコシ内胚乳の消化がゆっくりであるという試験管内中のいろいろなデーターを確認できる。例えばCarciofi et al., (2008) は犬ではモロコシがゆっくりのグリセミック反応をおこし、米,トウモロコシあるいはキャサバ粉の場合に見られる血中グルコースやインスリンのような急激な変化を起こさないことを示した。著者らはモロコシはより豆様に働き、食後血中のグルコース応答はレンズ豆やエンドウ豆に似ていたが、キャッサバ、トウモロコシ、米より消化性の遅い炭水化物が高比率で存在すると報告した。
最近、Stefoska-Needham et al., (2016) はフレーク状のモロコシビスケット(いろいろなモロコシタイプからの)を食べた被験者が朝食用に小麦ビスケットを食べた時より強い主観的満腹感を示したと報告した。彼らは、全食事後グルコース応答は、4時間以上では(血漿濃度−時間カーブの増分面積として報告)小麦ビスケット(67mmol/Lmin)に比べ全モロコシタイプ(47-55mmol/L
min)は低いことも報告した。モロコシのグルコース代謝と可能な体重管理の信頼できる利点を得るため、この種のデーターのより多くが決定的に必要となる。
4.3.2 モロコシのタンニン
モロコシタンニンもデンプン消化の修正と、一般食品のカロリーへの影響に興味あることを示す。これまで述べたタンパク質との知られた架橋とは別に、モロコシタンニンがまたデンプンとも直接に複合体を作り、それらの消化性を低下するかあるいは完全に消化出来なくする証拠が重要な事実となってきた。こうしたデンプン分解酵素阻害する力を超して、タンニンはまたデンプン自体を低消化性にするようである。タンニンのデンプンとの結合は特異的で、それはタンパク質の場合と同じである。モロコシタンニンの高分子量区分は,最もデンプンとの複合体形成に効果的である、一方カテキンの様な単量体フラボノイドはデンプンとは結合しない。更にタンニンの重合化の程度が増加するに伴って、そのデンプンとの結合効果は増加する。デンプンのアミロース区分がアミロペクチン区分よりもより早くタンニンと相互作用するということは、デンプン−タンニン複合体の特異性を示す。
デンプン−タンニン結合のメカニズムは主に水素結合により起こり,疎水相互作用により安定化し、それはタンパク質で見られるのと同じメカニズムと提案された。モロコシタンニン の直線的性質は水素結合にとり,整然として場所を与え,一方アミロースの"オープン"でラセンの性質はまた疎水的なコアを与えタンニンの芳香環と部分的な相互作用形成を促進する。これはまたタンニンの非澱粉性多糖類との複合体の他の観察を示すもので、そこでは多糖類の構造適合とその疎水的性質がタンニンとの結合効果を支持するようにみえる。著者らは疎水域を持ちオープン構造をもつ多糖類なら最も効果的にタンニンと結合することを見出した。
デンプンとのポリフェノール相互作用の研究報告の多様な研究体制は,デンプンの消化性に関し全くの影響を与えないというわずかな程度の発見しかない。これはこれらの研究の殆どに用いたポリフェノールがモノマーであったためであり、我々はそれがデンプンとは直接意味のある相互作用をしないものである事を見出した。例えば、茶カテキンはデンプンの分解性を低下する事がわかっている;メカニズムとしては酵素阻害を意味する。一方、われわれが見出したのはモロコシタンニンが3.4mg/gデンプンの低レベルですらデンプンの分解性を完全にブロックしたことで(>90%抵抗性デンプン)、そのとき部分的に糊化した無傷のデンプン粒と複合化した。更にデンプンの糊化の程度によって、タンニンは明らかにゆっくり消化デンプンを増加した。例えば、タンニンが高水分環境下で部分的糊化したデンプンと反応した時、我々はトウモロコシデンプンの消化を97から274mg/g正常デンプンまで3倍ほど低下させることを見出した。同一の実験で、素早く消化デンプンは46%まで低下した。更にモロコシタンニンは複合焙焼トリテーラマトリックス中の消化デンプンの低下をゆっくりだが増加した。この種の証拠は食品加工及びヒト健康と大きく関係があり、それはモロコシタンニンが生来デンプンを栄養的に体重マネージメントやタイプII糖尿病の阻止の利用に好ましいものとする成分として簡単に利用できるためである。
4.4 重要な食品安全作物としてのモロコシ
一般に食品として使用のモロコシは、主食として消費する社会が豊かになるに連れて減少する傾向にある。これは南アフリカ、ケニア、ナイジェリア、インド、中央アメリカ等々の国におけるはなしであり、そこではトウモロコシ、米、小麦といった消費者により好まれる穀粒にシフトする。この傾向に寄与するファクターは、モロコシへの感覚が低品格作物であるという事に関係する、即ち貧者の食品ということである。残念な事にトウモロコシのような作物へのシフトが、これらの地域のある所では食品の安全保証問題に悪用された。例えばケニアでは低降水量の暑い周辺域でも存続農家によってトウモロコシがモロコシに変わって用いられ、そこはモロコシ生産にとりより都合の良いところであるのだが(例えば東部州)。その結果はこの地域は慢性作物の失敗と飢饉となった。更に広く公表されたケニア東部地域でのトウモロコシへのアフラトキシンのコンタミ関連による死は、モロコシからトウモロコシにシフトしたことが痕跡された。この非生物学的ストレスのもとで生産されたトウモロコシは、よりカビのアフラトキシンに感受性が生じる。
もう1つの問題は,食用作物としてのモロコシへの要求性を低下する加工性の問題がある。これまで述べたように料理中のモロコシタンパク質の架橋化が内胚乳中のデンプンの膨化能を抑え、そして殆どの穀物ベース食品で好ましいテクスチュアプロフィール形成のためのマトリックス形成を制限する。モロコシデンプンは又、より高温度で糊化し、そのため好ましいテクスチュアをえるためにはもっとエネルギーが必要となる。結論的にはモロコシはざらざらした、乾燥、涙脆い(離液のため)、あるいは崩れやすい製品を作りやすいが,それは製品の水分含量と加工条件によるためである。粒の低下した機能性は大きな障害であり、それはもしモロコシ利用が発展途上と発展した地域の両方で保持されつつ増加があるとすれば対処されねばならない問題である。
信頼できる研究を通してモロコシの"状況"を人に対して優れたあるいは独自の利点に関し良くするということは、単に現代の食物への利用の増加をするというだけではなく、殆どの生存のためにそれを必要とする人々とは逆転する人々の中で作物の衰退を確実にする大きなステップである。粒の次善の加工性のための技術克服は、また消費者が繰り返し利用する高品質製品確保のための長い道のりを必要とするであろう。
5. 結論
モロコシは栄養的には多くの面でトウモロコシに似ているが、モロコシは幾つかのユニークな性質があり、それは異なった人々の栄養的状態を改善するのに悪用されたことである。モロコシは栄養的エネルギー含量を全体的に強めるあるいは低下させるかの両方に対し異なった調理ができる様である。乾熱あるいは制限した水分、及び高剪断(エクストルージョンあるいはポッピングの様な)を用いた加工は、モロコシタンパク質の消化性を落とす事は見られず、実際にはタンパク質とデンプンの両方の消化性を他の穀物と同じように大きくする。このような加工は、発展途上中および発展した地域での子供や他の傷つきやすいグループの栄養強化をターゲットとした製品を作るために用いられるが、一方モロコシと結びつく他の健康恩恵がある。別に顕著な水分量(殆どの製品の場合ではあるが)を含む熱加工がモロコシベース食品製造に用いられ、減弱した血糖反応をターゲットにしたものでそれはカロリー摂取のマネージメントと同様であるが、さらにユニークなモロコシポリフェノールと結びつく追加的価値もある。
更にモロコシ由来のタンニンによるデンプン消化性低下の効果の強い可能性は、これらの成分により生来修正されたデンプンの新しいタイプの製品をつくる、あるいはカロリー低下をターゲットとする食品成分であることを意味する。
モロコシは多様な配列のフェノール成分を含むが,その多くは他の穀物粒中には見出されない。あるモロコシ品種中3-デオキシアントシアニン、プロアントシアニジン、フラボン、フラバノンの様な成分の高レベルの存在は,特に商業面に健康面両から特に興味深い。殆どのこれらの物質は熱加工に対して安定であり、そのためそれらの価値は多分製品中に保持される。その証拠から示される事は、モロコシ中の異常な物質でその高レベルは、粒中にあり特別の健康的価値を産み、それは他の穀物、例えばトウモロコシ、米、小麦では見られないものである。しかしながらより信頼出来るデーターがそこでは非常に必要となる。モロコシ食品が主食として世界の最も貧国な地域の、ある場所に大きく制限されて食べられているという事実は、粒の特別の健康的価値を広範囲にわたる研究を刺激する点で多少不利であった。しかしながら、開発途上国で肥満に結びつく"西側"健康問題が成長する件数とともに、これらの地域の人々の健康へのモロコシの影響を考える大きな機会でもある。
人間のモロコシベース食品の特別の健康価値の文書化は本質的に消費者の認識を揺さぶるであろう。ポリフェノールプロフィルのユニークな機能性を利用するモロコシで革新する他の機会はたくさんある。例えば、全て天然のモロコシアイスクリーム、多色モロコシスナック、モロコシ"茶"を含む革新的な食品は、AACCミーテングでの製品開発コンテストに勝った。西側食品マーケットでの"古代穀物"と健康全粒食品の要望への高まりから、すでに新しい革新的なモロコシベース食品が食料品店に提供されている。人の健康にいい影響を与えるモロコシの可能性ある完全な長所を示す製品は、長期的成功の最大のチャンスであろう。
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