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2018年1月30日 07:39 ( )グルテンフリ−ベーカリー食品、グルテンフリーベストの実施、調整、ラベル
消費者にとりベーキング食品の安全性、消費者期待の一致性の確認はいつも難しいが、グルテンフリー食品では、特に注意を払わねばならない。ふつうこれらの用心で特別の注意点は、以下1-3のこととグルテン含量に関する事である。
1、適当な製造品質保証と安全性のプログラム、
2、チェイン店の安全性(成分と製品販売)の点、
3、正確で明確なラベリングで、グルテンフリー消費者が安全性を確認できる。
グルテンフリー食品の製造
グルテンフリー食品製造の理想的な製造設備とは、特にグルテンフリー専用の加工室と道具が必要で、そこからはいかなるグルテン含有の材料、食品も排除する。グルテンフリー食品の実態からいうと、道具類、加工室はしばしばグルテン含有食品とグルテンフリー食品の両方の生産用に使われる。しかしながら、もし適当な注意が取られれば、グルテンフリー食品を安全に製造できる。食品加工上、誤って混入するコンタミの特別な関心が最重要である。
明らかに道具類が分けられる時には、製造毎に道具はバラバラにされ、完全に清掃し、これらは標準の操作方法でやらねばならない。又、塵の制御が最重要点であるが、粉の塵が工場内でコンタミの第1の元凶であるからである。工場内で、しばしばグルテンフリーエリアと他エリアと分けられる時には、簡単なバリアーをセットすべきである。グルテンは一種のアレルゲンである;そこでアレルゲンに対する扱い方、考え方を徹底せねばならぬ。恐らくグルテンフリー食品の安全性を確実なものにするため、もっとも重要な取り扱い方法が、食品のサンプリング、グルテンテスト方法についてつくられた。スタンダードのやり方として、その有効サンプリングされたものが、グルテンフリー食品に設定された限界値以下であると証明されて、はじめて最終食品となる。
供給チェイン店の考慮
グルテンフリーと考えられる多くの普通の材料にも、小麦粉あるいはグルテンの最少量は含まれている。これらの少量はコンタミから、あるいは特別目的で供給チェインの中で事前にいれられたもの(例えばFlow agent)がある。グルテンフリー製造業者にとって大切な事は、彼らの使う生の材料中のグルテン含量と、グルテンフリーが保証された材料なのかどうかということである。ある研究で、22小売店サンプルの本質的なグルテンフリー穀物、種子、粉のテストをした。その結果、グルテンフリー検定の重要性を示し、22サンプル中7サンプルに20-2,925ppmというグルテン含量レベルが見つかった。
一度食品をテストし、"gluten-free"のラベルが貼られると、それを消費者までの流通にずっと残さねばならない。パッケージの完全なその状態は維持せねばならず、商品が動いているうちに食品にコンタミがあってはならない。できればその食品が消費されるまで、グルテンを含む食品と分けておくべきであろう。
認証
いくつかの認証機関が、グルテンフリー食品の安全性を確認するためのガイダンスを出している。
認証は,グルテン関連の病気をもつ消費者にとっては重要であるが、それは彼らに取って食べて安全な食品かどうか確信を与えるからだ。この消費者は非常にラベルの信憑性に対して注意深く、それは食品の成分中に僅かでもグルテンがあると大変に恐ろしい結果を引き起こす事を知っているからである。しばしば認証機関のグルテンフリー製品の調整に対する要求が関連の政府機関より厳しすぎることがある。この理由のため、評判の良い認証機関のシールが食品のラベルに貼られると、消費者はその食品が消費に安全であるという自信を深める事が出来る。一般に以下のステップで認証内容が要求される。
1, 申請書が完全であること、
2, 製造業者の費用を認証機関が会計監査すること、
3, 生じた問題点の修正する、
4, パッケージ上での認証ロゴの利用許可の契約譲渡。
表6.1にはこれらの認証機関とその方法に関するほぼ必要な情報をまとめた。
グルテン試験
最重要な点は、グルテンフリー食品製造時のグルテン含量の正確な測定である。グルテンの試験は、殆どが酵素をリンクした酵素結合免疫吸着測定法であるアッセイ法(ELISA法)で行なう。いくらかの市販のグルテン試験キットが利用できるが,いずれもこの方法に基づいていて、基本的にはアレルギー反応の利用である。
グルテン試験キットは自宅でも同様に用いる事が出来る。これらの製品は次のウエブサイトに記述される;
Gluten Tox Home (http://glutentox.com/)
EZ Gluten (http://www.ezgluten.com/)。
幾つかの試験機関もまたグルテン分析を提供する;
ELISA Technologies,
Inc. (http://www.ezgluten.com/)
Medallion Labs (http://www.medlabs.com/),
Silliker
Laboratories (http://www.merieuxnutrisciences.com)。
ラベリング
標準栄養ラベルと成分表示はグルテンフリー食品の消費者にとって多くの情報を与える。これまで述べた様に、もし要求があれば認証機関のロゴはグルテンフリー製品のマーケットに用いる事が出来る。このロゴは非常に消費者に取って重要であるが、それはロゴが消費者に取って安全であることを示しているからである。どんな場合にも、重要なのはラベルがグルテン量に関し、いかなる、あるいは全ての情報をも明らかにするように示されているからである。
ヨーロッパでは、非常に多くの認証機関ロゴがあり消費者に混乱の生じないようAssociation of European Coeliac Societies (AOECS)は、グルテンフリー食品パッケージの前面に利用者のための"クロスグレイン"ロゴの承認を行なった。AOECSはこのシンボルオーナーCoeliac UKの権利を、ヨーロッパ中のメンバー団体のサブライセンスとして
"クロスグレイン"シンボルを与えた。これら国家団体は順次、彼らの国々の生産者がシンボルライセンスとする権利をもった。AOECSは生産者とのライセンス契約は行なわないが、それらのメンバー団体とはライセンス契約をする。最近、15のAOECSメンバー団体が"クロスグレイン"シンボル利用のライセンスをとり、そしてそれらは食品のモニターテストしている。
Regulations(調整)
米国の調整
2007年、the U.S.Food and Drug Administrationは、もしこの食品が次のいかなるものも含まないならば、製造者にグルテンフリー食品のラベルすることを許した。
・ 成分として、小麦、ライ麦、大麦、あるいはこれらの穀物の交配物のどんなタイプのもの、
・ これらの穀粒の成分、グルテンを除去する加工のされていない成分、
・ これらの穀粒の成分、グルテンを除去する加工のされていない成分、もしグルテンを含む食品でも、20ppmあるいはそれ以上のppmのもの、
・ グルテンの20ppmあるいはそれ以上。
この提案に対する公的コメント期間は2011年8月3日に再度開催され、そして60日間のオープンがされた。2011現在、何のアクションもなかった。
ヨーロッパ各国の調整
2009年1/20に出版されたEuropean Commission Regulationは、特別の成分あるいは製造加工(工程)した食べ物でグルテン不耐性のヒト用に意図して作った食べ物と定義している。グルテン含有穀物は、小麦、ライ麦,大麦、オート麦、あるいはそれらの交配されたものと定義される。もし食品が>20ppm、<100ppmグルテンなら "非常に低いグルテン"、もし<20ppmグルテンならば"グルテンフリー"とラベルすべきである。正常の消費用の食品で,グルテンフリーラベルを持つ物は、グルテン含量が<20ppmであるとした。
カナダ政府の調整
2011年2月16日改正出版、2012年8月4日有効の"Enhanced
Labelling for Food Allergen and Gluten Sources and Added Sulphites (亜硫酸塩)"によると、グルテンフリーという印象を与える食品で、そこに小麦(スペルトやカマットを含む)、オート麦、大麦、らい麦、トリテケール、あるいはどんなそれらのものが一部でも入っていないなら別だが、そうでないならラベル、パッケージ、販売、あるいは宣伝の許可はしない。どんな食品もグルテンフリーを示すものは、栄養的表示表をもっていなければならない。もしも食品にグルテンが含まれていれば、その源(上のリスト)はラベル上に示されねばならない。
グルテンフリ−ベーカリー食品、グルテンフリーパスタとスナック
セミナー案内
これからどのように展開してゆくのか興味深い。そこにはなぜかセリアック病には関係のないヒトまでも関心をもっている。
セリアック病の歴史は古く、この研究が進んだのは近年に至ってである。原因が麦類の特異的なタンパク質グルテンのある種のペプチドによる自己免疫疾患であるといわれている。
多くの欧米人がその歴史の中で原因も治療法もわからずにこの病気の被害を受けてきた。セリアック病の治療法がグルテンフリー食品しかないという事もわかっている。
AACCI (アメリカ穀物科学者会議) や ICC(国際穀物学会)などの穀物関連の国際会議では近年多くのグルテンフリー食品に関する研究発表があり、その動きには驚かされる。
わが国の食品関連学会はというと、その様相はちがう。その理由はセリアック病の起因するところであり、日本人にはこの病気はないとか、
日本人にもセリアック病と思われるヒトがいるとか、まだはっきりしてない問題である。
小麦にしかないグルテンのユニークな性質(粘りと弾力性)でつくるパン食に対し、これを他の材料でどのように置き換えてパンのような複雑なグルテンフリー食品をつくるに至っているのか、興味深い。
グルテンフリー食品開発のために、多くの食品材料が見直されて来た。どのようなものがあるのか。これも紹介したい。
日本人の食材には粘る食品が多く、グルテン代替可能な食材もあろう。グルテンを使えないグルテンフリー食品に面白く介入出来るのではないか。日本食の欧米食介入の一つの切り口になれば面白い。
以上のようなことから今回セミナーを開くことになった。
グルテンフリ−ベーカリー食品、その仕込みと加工 (3)
仕込み;
他のグルテンフリーベーキング製品の仕込み
これまでのクッキー、ケーキ、パンだけが、グルテンフリーマーケット上のグルテンフリー食品ではない。これまで述べたクッキー、ケーキの仕込みは、多くの関連食品のいろいろなものの製造に応用できる。フレーバー、粉末は、多くのクッキーやケーキ製造に用いることが出来る。サトー、脂肪、他成分の添加レベルを変えると、いろいろ異なったテクスチュアのグルテンフリーベーカリ食品を作る事が出来る。これらの操作は、小麦粉ベースの類似各種ベーカリー食品の仕込みによく似ている。
ある簡単な例として,イエローケーキの仕込みはマッフィンの仕込みをベースにしたものである。伝統的なマッフィンは、ふつうケーキより砂糖、脂肪含量が低い。ここでこれらの成分の低レベル化で、グルテンフリーイエローケーキの仕込みはマッフィンのフレーバー、テクスチアの点でよく似たものになる。
パンの仕込みは他の類似食品を作るのに応用された。例えば、もしその一部だけ、形だけ、さらに焼き方を工夫するなら、それはピザクラストが作れる。殆どのグルテンフリーパンドウは液状の性質のため、その形状変化にも挑戦できる。例えば、健康パンではその小麦ベースの健康パンよりずっとのびる。初期のボール型パンを作ろうとした試みでは、より平らなパンの結果となるであろう。パン仕込みに水量を減らし、水和時間をもっとのばせば、スプレットを低下する事ができるが、しかし全ての機能成分の完全な水和が、パン様のクラム構造、テクスチュアを維持する事に重要なのである。多分、グルテンフリーパン製造はその仕込みがもっともむつかしいものであり、そこでは最終ベーキング食品(例えばベーグル)の食感(かみ具合)を与えるのにグルテンが中心的役割をしているからである。グルテンのガス保持機能を他のものに置き換えた場合、用いられるハイドロコロイドではパンにグルテン同一の食感(かみ具合)を与えない。
トルティーヤは人気のあるグルテンフリーベーキング食品であり、特別に信頼のおける食品である。一般にトルティーヤはイースト発酵による膨化食品ではなく、低量の化学膨剤による膨化食品である。グルテンフリーパンの仕込みは、トルティーヤ用に適したと同じ緩いドウ、あるいは固めのバッターに合わせる。スナップバック(収縮)とその結果生じた奇形のものができる事は、本来のトルティーヤ食品の重要な問題である。グルテンフリートルティーヤドウの流れるような性質は、実際には一様なものを作る価値のある性質である。しかし,粘りはこのタイプのドウではより重要なことであり、粘ることを避けようとする注意は考える必要があろう。
加工;
グルテンフリークッキー、及びバッターベース食品の加工
これまでのクッキ-のように、グルテンフリークッキーもいろいろなドウ成分で仕込みが行なわれ、クッキースプレッドが作られる。クッキーの仕込みのタイプ、ドウの粘りによって、これまでのクッキー加工用具、ロータリーモールド用具,ワイヤカット用具、あるいはマシンカット用具を使ったクッキーが,多少あるいは全く変更せずにグルテンフリークッキー仕込みで作ることが出来る。ベーキング時間、温度は普通小麦のものと一致した対応でベーキングできる。
グルテンフリーケーキ、マッフィン、パンケーキ、その類似食品を作るバッターの仕込みは、これまでの小麦粉ベースのものと一致したやり方で大丈夫である。ここでも同様にこれまでの加工用具はこれらのグルテンフリー食品を製造するのに簡単に応用される。クッキーについても、撹拌時間、ベーキング時間、ベーキング温度のパラメーターも普通これまでの加工方法と同じである。
グルテンフリーパンの加工
仕込みのセクションで述べたように、一般にグルテン-フリーパンは非常に緩いドウ、あるいは非常に濃厚バッターと類似のミックスで作る。さらに小麦ベースのパンを作る時のスタンダードプロセスであるグルテンマトリックスに進む必要はない。ここではこれまでのパン加工のような、1つのユニットオペレーションを応用しない。
ミキシング
グルテンフリーパン仕込みでは成分の水和だけが必要なので、簡単に撹拌用の羽のついたミキシング道具だけで十分で、これでバッター、あるはドウをミキシングする。これまでの小麦パン製造プロセスに比べて、撹拌時間は一般に短く、オーバーミキシングしても悪くはなりにくい。第1のミキシングの目的は全ての成分に加水させ、それがパン製造のプロセスの間、確実に機能性をますようにするためである。2段階撹拌では、はじめのミキシングで機能する成分を水和させたあと、続いて粒子状のもの、あるいはパンクラム形成に機能性を示さない他の成分のミキシングが目的である。
起泡性
バッターあるいはドウの移動と分別には、その間、空気泡を入れずに、あるいは大きな気室を作らないように最終のパン構造を作らねばならない。これがグルテンフリーパンの最大の弱点である。結論的には、気泡性がグルテンフリーベーキング食品の製造で最も難しいプロセスである。泡は低圧エクストルージョン装置で作る。一般に、この装置ではミックスをいくつかのバッター、ドウ部分に分けながら、ホッパーからパイプを通して、各パン容器あるいはシート中に送り込む。装置(Vemag ROBOT 500)中でドウの分別、保持、起泡を行ない、さらに適当なアタッチメントを用いて、グルテンフリーベーカリー食品加工に重要な他のいろいろなユニットオペレーションを行なう。
発酵
最も良い発酵は、最もよいパンクラムの品質を得るために非常に重要である。低発酵は厚いクラムを作る。高発酵は特に悪く大きな気室をクラストによく作る。発酵は十分ゆっくりとさせねばならず、撹拌の間できた泡は元々あった気室とともに膨れ、隣の気室とは合一しない。最も良い発酵条件は一般に試行錯誤の結果きめる。
ベーキング
ベーキング温度は一般の製パンプロセスと同様だが、製パン時間は明らかに長い。大部分のグルテンフリーパンの仕込みが高デンプン含量のため、クラスト形成がこの製パン過程では簡単である。これまでの小麦パンでは生じる褐変の程度まで普通ベーキングするが、このベーキング時間の判断は効果的ではない。完全にベーキングするためにクラム構造のセットが確実にできたかどうか確かめるため、パン中心部までの全ての部分を焼くことが非常に重要だ。ベーキング不十分では重大なシュリンケージ(収縮)が起こり、側面がつぶれる。厚くて香り高い茶色のクラストが、普通最も品質良好のグルテンフリーパンである。
冷却とスライス
非常に重要な事は、スライスする前にグルテンフリーパンを完全に冷却する事だ。一般に内部温度が85°F (約29℃)以下になるまで待てば十分だ。あまり熱いとパンをスライスのあと、カットした刃をよごし、スライスしたパンを引裂、変形させる。