2013年9月アーカイブ
2013年9月24日 14:30 ( )第40回 食品の物性に関するシンポジウムに参加して
9/20(金)ー21(土)と高松市のホテル ルポール讃岐で"第40回の食品の物性に関するシンポジウム"が行われました。香川大学、合谷先生と京都大学、松村先生のご尽力によるものでした。
高松は、よく整備された清潔な感じの町です。栗林公園などがあるせいでしょうか。神戸三の宮からバスで約3時間のところで、淡路海峡大橋をわたり淡路島へ、そこから鳴門海峡大橋をわたり四国鳴門へ、そして高松へと乗り換えなしの高速道路で連なる大変に便利なところです。
大会は興味深い2日間でした。各講演者の持ち時間は30分、討論10分というものでした。
1日目の広島大学の本同宏成先生の「油脂結晶研究の最前線」のはなしは、チョコレートの結晶型のはなしでした。チョコレート製造時、テンパリングといって温度管理が極めて微妙であり、その結晶型にα、β'、β型がありチョコレートの食感、色に大切であることは知られてます。しかし彼のはなしの中にはチャーニングの重要性が述べられていました。単にチャーニングという物理的撹拌だけでカカオバターのβ'型がβ型になるといいました。なぜ物理的撹拌だけで結晶型が変わったのでしょうか、疑問が残りました。
さらに北大低温研の佐崎 元先生の氷の結晶化の話も面白かった。結晶化とは細かな物質の積み木のようなものだと言われてます。まず細かなブロックができそれが次第に1個づつ積み重なって大きな結晶ができるといいます。結晶化のモデルを映画を使って見せてくれました。さらに氷結晶のもとになるものには2相の水があり、その一つの相は一枚の座布団状のもの、もう一つの相の液適状のものからなり、液適状のものは1個づつ細かなブロックに変化してゆくと言われました。
2日目には、農研機構 近畿中国四国農業研究センターの高田兼則さんの「小麦粉品質に関係競る遺伝子型と小麦品質の育成」の講演がありました。座長をつとめました。
農水省がこれまで進めてきた小麦粉の改良研究、それはジーンレベルの改良で、次から次へと新しい知見が報告されました。製パン性との関連研究が必要でした。短期間であれほどの研究がよく進められたものと驚きました。そのため製パンの製造研究との関連性が次第に希薄になるのではないかとの私の質問に対し、上からの強い指導で一連の研究を行ってきたとのことでした。
研究とは、短時間、金と人力で押せ押せでやるのではなく、ゆっくりと落ち着いて時間をかけて研究するものだと「おいしさの科学研究の動向と実際」の講演の中の山野善正先生の言葉が印象的でした。
その他、いろいろ面白い話がありました。
高松は、よく整備された清潔な感じの町です。栗林公園などがあるせいでしょうか。神戸三の宮からバスで約3時間のところで、淡路海峡大橋をわたり淡路島へ、そこから鳴門海峡大橋をわたり四国鳴門へ、そして高松へと乗り換えなしの高速道路で連なる大変に便利なところです。
大会は興味深い2日間でした。各講演者の持ち時間は30分、討論10分というものでした。
1日目の広島大学の本同宏成先生の「油脂結晶研究の最前線」のはなしは、チョコレートの結晶型のはなしでした。チョコレート製造時、テンパリングといって温度管理が極めて微妙であり、その結晶型にα、β'、β型がありチョコレートの食感、色に大切であることは知られてます。しかし彼のはなしの中にはチャーニングの重要性が述べられていました。単にチャーニングという物理的撹拌だけでカカオバターのβ'型がβ型になるといいました。なぜ物理的撹拌だけで結晶型が変わったのでしょうか、疑問が残りました。
さらに北大低温研の佐崎 元先生の氷の結晶化の話も面白かった。結晶化とは細かな物質の積み木のようなものだと言われてます。まず細かなブロックができそれが次第に1個づつ積み重なって大きな結晶ができるといいます。結晶化のモデルを映画を使って見せてくれました。さらに氷結晶のもとになるものには2相の水があり、その一つの相は一枚の座布団状のもの、もう一つの相の液適状のものからなり、液適状のものは1個づつ細かなブロックに変化してゆくと言われました。
2日目には、農研機構 近畿中国四国農業研究センターの高田兼則さんの「小麦粉品質に関係競る遺伝子型と小麦品質の育成」の講演がありました。座長をつとめました。
農水省がこれまで進めてきた小麦粉の改良研究、それはジーンレベルの改良で、次から次へと新しい知見が報告されました。製パン性との関連研究が必要でした。短期間であれほどの研究がよく進められたものと驚きました。そのため製パンの製造研究との関連性が次第に希薄になるのではないかとの私の質問に対し、上からの強い指導で一連の研究を行ってきたとのことでした。
研究とは、短時間、金と人力で押せ押せでやるのではなく、ゆっくりと落ち着いて時間をかけて研究するものだと「おいしさの科学研究の動向と実際」の講演の中の山野善正先生の言葉が印象的でした。
その他、いろいろ面白い話がありました。
卒業生SKさんの結婚式
川崎さんは私のゼミを平成19年に卒業しました。香川県の出身で、9月15日には高松市で中川氏と立派な結婚式をあげられました。その結婚式に招待され、挨拶のスピーチをしてほしいと言われました。喜んで参列とスピーチを引き受けました。
元気でいつもニコニコした学生さんでした。どのような祝辞にしようかと彼女の卒業論文を読んでいきました。卒業論文のテーマは、「腎臓病患者のためのパン製造研究」でした。腎臓病の患者さんは、世の中にたくさんおられ、毎日の食事に大変困っておられます。
低タンパク質、高カロリーの食事が必要です。パンを常食にする場合、低タンパク質が必要ですから小麦粉のグルテンタンパク質を薄めねばなりません。小麦デンプンでグルテンタンパク質を薄めてやれば良いです。そうするとグルテンタンパク質のもつゴムのような性質が消えてゆきます。このゴムのような性質でパンが膨張するのですからパンは膨張しなくなります。腎臓病パンには高エネルギーが必要です。このためパンに油を入れてやります。患者さんは油べトべトのパンを食べなければなりません。
そこでデンプン粒に親油性を与え、油をデンプン粒にくっ付けてパンに入れてやればパンは低タンパク質になるし、油もベトベトしなくなります。川崎さんにはこのようなパンの製造研究に挑戦してもらいました。
しかしちっともうまくゆかず、パンは縮む一方でした。その頃、川崎さんは板宿で食品関連のアルバイトをやっていて、そこでヤマイモを扱っていました。ヤマイモ、特にジネンジョには強い粘りがあります。ヤマイモはグルテンのようなタンパク質ではなく多糖類です。これを入れたいと言いました。結局、ヤマイモ、小麦デンプン、砂糖、イーストで何とか膨化食品の原型を作ることができました。そのことについてはすっかり忘れていました。
研究室ではこの仕事を何年も続けました。
数年前フィンランド、テンペレ市で、グルテンフリー食品の国際会議がありました。その会議でヤマイモパンの研究(Development of Gluten-Free Bread baked with Yam Flour. Food Sci. Technol. Res., 18(4), 543-548, 2012)を発表しました。きれいな湖の国でした。数百人の研究者が集まりました。東洋人は私一人でした。ドイツ、北欧など主にヨーロッパの人々でした。
今世界中で問題となっているグルテンの問題です。このグルテンでヨーロッパ、アメリカ人の約1−10%がセリアック病にかかります。遺伝病でしょう。へその下に3mほどのとぐろ巻いている小腸があり、この内面に絨毛という毛が生えていて、その毛から栄養分を吸収して人は生きています。セリアック病の患者さんにはこの毛が無く栄養分吸収できずに死んでゆきます。
このためフィンランドなどでは、デンプンだけのぼろぼろのおいしくないパン、ケーキをたべてました。加工食品中にグルテンが入っているかどうか、大変に神経を使ってました。
そこにヤマイモパンを紹介しました。ヤマイモにはグルテンは入ってませんから大丈夫です。
そんな研究をやって得意になってましたが、今回川崎さんの卒論をよみ見返してみて、我々の研究のはじめは川崎さんの板宿のアルバイトでのヤマイモが発端だったと気がつきました。
小さな卒論から始まった彼女の研究は、ヨーロッパ、アメリカ、さらには最近米を食べなくなりパン食が増えてきた日本にも大きな重要テーマです。この糸口を示してくれた大きな貢献です。このはなしをして、お祝いの挨拶にしようと考えました。
元気でいつもニコニコした学生さんでした。どのような祝辞にしようかと彼女の卒業論文を読んでいきました。卒業論文のテーマは、「腎臓病患者のためのパン製造研究」でした。腎臓病の患者さんは、世の中にたくさんおられ、毎日の食事に大変困っておられます。
低タンパク質、高カロリーの食事が必要です。パンを常食にする場合、低タンパク質が必要ですから小麦粉のグルテンタンパク質を薄めねばなりません。小麦デンプンでグルテンタンパク質を薄めてやれば良いです。そうするとグルテンタンパク質のもつゴムのような性質が消えてゆきます。このゴムのような性質でパンが膨張するのですからパンは膨張しなくなります。腎臓病パンには高エネルギーが必要です。このためパンに油を入れてやります。患者さんは油べトべトのパンを食べなければなりません。
そこでデンプン粒に親油性を与え、油をデンプン粒にくっ付けてパンに入れてやればパンは低タンパク質になるし、油もベトベトしなくなります。川崎さんにはこのようなパンの製造研究に挑戦してもらいました。
しかしちっともうまくゆかず、パンは縮む一方でした。その頃、川崎さんは板宿で食品関連のアルバイトをやっていて、そこでヤマイモを扱っていました。ヤマイモ、特にジネンジョには強い粘りがあります。ヤマイモはグルテンのようなタンパク質ではなく多糖類です。これを入れたいと言いました。結局、ヤマイモ、小麦デンプン、砂糖、イーストで何とか膨化食品の原型を作ることができました。そのことについてはすっかり忘れていました。
研究室ではこの仕事を何年も続けました。
数年前フィンランド、テンペレ市で、グルテンフリー食品の国際会議がありました。その会議でヤマイモパンの研究(Development of Gluten-Free Bread baked with Yam Flour. Food Sci. Technol. Res., 18(4), 543-548, 2012)を発表しました。きれいな湖の国でした。数百人の研究者が集まりました。東洋人は私一人でした。ドイツ、北欧など主にヨーロッパの人々でした。
今世界中で問題となっているグルテンの問題です。このグルテンでヨーロッパ、アメリカ人の約1−10%がセリアック病にかかります。遺伝病でしょう。へその下に3mほどのとぐろ巻いている小腸があり、この内面に絨毛という毛が生えていて、その毛から栄養分を吸収して人は生きています。セリアック病の患者さんにはこの毛が無く栄養分吸収できずに死んでゆきます。
このためフィンランドなどでは、デンプンだけのぼろぼろのおいしくないパン、ケーキをたべてました。加工食品中にグルテンが入っているかどうか、大変に神経を使ってました。
そこにヤマイモパンを紹介しました。ヤマイモにはグルテンは入ってませんから大丈夫です。
そんな研究をやって得意になってましたが、今回川崎さんの卒論をよみ見返してみて、我々の研究のはじめは川崎さんの板宿のアルバイトでのヤマイモが発端だったと気がつきました。
小さな卒論から始まった彼女の研究は、ヨーロッパ、アメリカ、さらには最近米を食べなくなりパン食が増えてきた日本にも大きな重要テーマです。この糸口を示してくれた大きな貢献です。このはなしをして、お祝いの挨拶にしようと考えました。
日本食品科学工学会第60回記念大会に参加して
平成25年8月29日-31日にわたり、実践女子大学(東京都日野市)において6題の座長と、2題の研究発表(「ショ糖脂肪酸エステル(SFAE)を用いた各種乾熱処理デンプン粒表面の疎水性定量について」、「Mixographによる小麦粉吸水率の測定」)を行いました。研究発表の前者は田原さん、後者は奥田さんが行いました。
田原さんの発表は、乾熱処理小麦デンプン粒の示す疎水化の定量の研究でした。SFAE(Sucrose Fatty Acid Ester)の乾熱処理デンプン粒表面への吸着量の変化で疎水性を求めようというものです。
これまでの方法では疎水性の定量に少々難点があり、定量方法を検討しました。デンプン粒とSFAEとの接触濃度の関係は、今回これまでSFAE溶液濃度を0.3%から3.2%にまであげて測定したのです。これにより、より正確に測定されていると思われました。未だ論文化には至っていません。
奥田さんの仕事は、小麦粉吸水率測定方法の開発研究です。従来は300gの多量小麦粉を用いてBrabender Farinographで行うものを, 10gという少量の小麦粉でMixographを用いて吸水率測定を行おうというものでした。これもかなりうまくゆきました。
発表の中では、北海道教育大学の菅野友美さんらの研究「乾熱処理したデンプンの分子構造に及ぼす処理時間の影響」が我々の研究と関連がありました。菅野さんは数年来、乾熱処理(200℃)小麦粉の試験を行ってきましたが、今回デンプン(アミロース、アミロペクチン)の乾熱分解についてトヨパールHW-75等のクロマトグラフィーで調べておられた。ESRラジカルテストを乾熱処理デンプン(200℃, 数時間)で行い、乾熱処理でESRの吸収の生じることが興味深かった。乾熱処理で何らかのラジカル変化が生じ、ESRでも測定ができるということでした。一度テストしてみたいと思われました。
農水省食総研の佐々木朋子さんの研究「非澱粉性多糖類の澱粉消化性および血糖値上昇抑制効果」は、当方の研究に参考になった。抵抗性澱粉の消化性であるが、この中で多糖類キサンタンガムを添加してその抵抗性澱粉の非消化性を調べていました。各種多糖類(キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、コンニャクグルコマンナン)の中で、目下当方が研究しているキサンタンガム多糖が抵抗性澱粉の消化性低下に貢献したというのです。
田原さんの発表は、乾熱処理小麦デンプン粒の示す疎水化の定量の研究でした。SFAE(Sucrose Fatty Acid Ester)の乾熱処理デンプン粒表面への吸着量の変化で疎水性を求めようというものです。
これまでの方法では疎水性の定量に少々難点があり、定量方法を検討しました。デンプン粒とSFAEとの接触濃度の関係は、今回これまでSFAE溶液濃度を0.3%から3.2%にまであげて測定したのです。これにより、より正確に測定されていると思われました。未だ論文化には至っていません。
奥田さんの仕事は、小麦粉吸水率測定方法の開発研究です。従来は300gの多量小麦粉を用いてBrabender Farinographで行うものを, 10gという少量の小麦粉でMixographを用いて吸水率測定を行おうというものでした。これもかなりうまくゆきました。
発表の中では、北海道教育大学の菅野友美さんらの研究「乾熱処理したデンプンの分子構造に及ぼす処理時間の影響」が我々の研究と関連がありました。菅野さんは数年来、乾熱処理(200℃)小麦粉の試験を行ってきましたが、今回デンプン(アミロース、アミロペクチン)の乾熱分解についてトヨパールHW-75等のクロマトグラフィーで調べておられた。ESRラジカルテストを乾熱処理デンプン(200℃, 数時間)で行い、乾熱処理でESRの吸収の生じることが興味深かった。乾熱処理で何らかのラジカル変化が生じ、ESRでも測定ができるということでした。一度テストしてみたいと思われました。
農水省食総研の佐々木朋子さんの研究「非澱粉性多糖類の澱粉消化性および血糖値上昇抑制効果」は、当方の研究に参考になった。抵抗性澱粉の消化性であるが、この中で多糖類キサンタンガムを添加してその抵抗性澱粉の非消化性を調べていました。各種多糖類(キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、コンニャクグルコマンナン)の中で、目下当方が研究しているキサンタンガム多糖が抵抗性澱粉の消化性低下に貢献したというのです。
オーストラリア フリーマントル市での学会 ( ICC Conference 2013-In association with the 63rd Australian cereal chemistry conference ) の様子
オーストラリア パース市は日本と緯度的には反対のところ、地球の南北の反対のところです。フリーマントル市はパース市から電車でさらに1時間のところです。この猛暑の関西地方から震える寒い地方への移動と思いましたが、現地の気温は18℃ぐらいで快適な気温でした。雨が多く、宿泊したホテルEsperade Hotel3階の屋根にあたる雨音で夜中には目が覚めたほどでした。
まずシンガポールまで飛び、そこで数時間待ち、パースまで飛ぶという行き方でした。帰りも同じ経路です。以前に訪れたときに比べ、シンガポール空港は、新しく巨大になったように感じられました。大阪関空、成田空港より近代的な感じがしました。シンガポールの巨大化の象徴でしょう。
このシンガポール空港までは、飛行機全体が日本人団体旅行のような和気藹々の雰囲気でしたが、シンガポールからパースまでの飛行機には、日本人は少なく白人のフライトに変わりました。日本とシンガポール、オーストラリア間の時差は1時間で大差なく、体は楽でした。
パースからフルーマントルまでは、タクシーでパース市までゆき、さらに電車でフリーマントルまでゆきました。フリーマントルは海港で、以前兵庫県が主催した洋上大学(学生500名をのせ1ヶ月間、神戸ー中国ーオーストラリアーインドネシア等回りながら講義する)の教員として乗船したとき、訪問したことのある懐かしい所でした。戦前に船舶に乗っていた父親から、日本のような桜のきれいなところだとよく聞かされてました。
休日なのか、町は人がいっぱいでした。Esperade Hotelは、3階建ての古い建物の内部を新しく改装したホテルでした。ここでICC Conference 2013-In association with the 63rd Australian cereal chemistry conferenceが行われました。
ホテルにチェクインし部屋に入ったあと、会の手続きを行い、6時30分から歓迎会に出席しました。日本からは日本製粉の新海さん、日清製粉の村角さんがいらしてました。懐かしいカンサス州立大学教授のYong-Cheng Shiさんと会いました。この人はSeib先生の弟子です。来月のSRT会議のCHAIRMANをやる人で、今回いろいろSRT登録の件で世話になりました。はじめ彼の所属がPurdue大学と勘違いしてました。
翌朝9時から講演会スタートです。相変わらず英語は聞き取れず、特にオーストラリアの英語は難解で聞き取れません。言葉の高音部に音のするところが強調されて発音され、言葉自体が不明です。
この会はICC(International cereal chemistry) だけど、今回はオーストラリア穀物学会とのジョイントで、オーストラリアの穀物学会が中心と気がつきました。アメリカ人、ヨーロッパ人はほとんどいない。オーストラリア人と中国人が中心です。
その日の会が終わって、夜には日本製粉の新海さんとビールとピザの食事をしました。彼は初めて海外での講演発表ということで、大変に緊張しておられた。本人は先輩から一日10回はスピーチの練習しろと言われたといいます。
翌日、11時より20分間にわたり小生の当番でした。直前に新海さんに写真を依頼しました。座長は二人の女性研究者L.Day先生とV.Solah先生でした。係員に当方持ってきたUSBを渡して、小生講演スライドのローデングをお願いし、スクリーンに映してもらい一安心しました。あまり小さな字では原稿が読みにくいので、1.5倍拡大の原稿を手に、壇上にあがりスライド23枚で講演しました。
途中で座長からあと5分といわれて、うなずいて続けました。スピーチ後、質問あり、「キサンタンガム添加による製パン性回復のメカニズムは?」「不明で、目下検討中です。」と答えました。講演内容は、"EFFECT OF POLYSACCHARIDE ON FROZEN AND THAWED BREAD DOUGH TO IMPROVE THE DETERIORATION OF BREADMAKING PROPERTIES 冷凍ドウによる製パン性劣化の多糖類添加による回復"でした。キサンタンガム、グアガム、タマリンドシードガム等の多糖類の添加効果を示したもので、特にキサンタンガム添加にはオーブン中の時間が30分でもパンドウはまだ伸び続けるというものでした。そのメカニズムを聞いてこられたわけです。まだ研究中です。
来月9月はアメリカ、ニューメキシコ洲 アルバカーキでのSRT, AACCI学会での発表を予定してます。帰りの機中では頭の切り替えです。
まずシンガポールまで飛び、そこで数時間待ち、パースまで飛ぶという行き方でした。帰りも同じ経路です。以前に訪れたときに比べ、シンガポール空港は、新しく巨大になったように感じられました。大阪関空、成田空港より近代的な感じがしました。シンガポールの巨大化の象徴でしょう。
このシンガポール空港までは、飛行機全体が日本人団体旅行のような和気藹々の雰囲気でしたが、シンガポールからパースまでの飛行機には、日本人は少なく白人のフライトに変わりました。日本とシンガポール、オーストラリア間の時差は1時間で大差なく、体は楽でした。
パースからフルーマントルまでは、タクシーでパース市までゆき、さらに電車でフリーマントルまでゆきました。フリーマントルは海港で、以前兵庫県が主催した洋上大学(学生500名をのせ1ヶ月間、神戸ー中国ーオーストラリアーインドネシア等回りながら講義する)の教員として乗船したとき、訪問したことのある懐かしい所でした。戦前に船舶に乗っていた父親から、日本のような桜のきれいなところだとよく聞かされてました。
休日なのか、町は人がいっぱいでした。Esperade Hotelは、3階建ての古い建物の内部を新しく改装したホテルでした。ここでICC Conference 2013-In association with the 63rd Australian cereal chemistry conferenceが行われました。
ホテルにチェクインし部屋に入ったあと、会の手続きを行い、6時30分から歓迎会に出席しました。日本からは日本製粉の新海さん、日清製粉の村角さんがいらしてました。懐かしいカンサス州立大学教授のYong-Cheng Shiさんと会いました。この人はSeib先生の弟子です。来月のSRT会議のCHAIRMANをやる人で、今回いろいろSRT登録の件で世話になりました。はじめ彼の所属がPurdue大学と勘違いしてました。
翌朝9時から講演会スタートです。相変わらず英語は聞き取れず、特にオーストラリアの英語は難解で聞き取れません。言葉の高音部に音のするところが強調されて発音され、言葉自体が不明です。
この会はICC(International cereal chemistry) だけど、今回はオーストラリア穀物学会とのジョイントで、オーストラリアの穀物学会が中心と気がつきました。アメリカ人、ヨーロッパ人はほとんどいない。オーストラリア人と中国人が中心です。
その日の会が終わって、夜には日本製粉の新海さんとビールとピザの食事をしました。彼は初めて海外での講演発表ということで、大変に緊張しておられた。本人は先輩から一日10回はスピーチの練習しろと言われたといいます。
翌日、11時より20分間にわたり小生の当番でした。直前に新海さんに写真を依頼しました。座長は二人の女性研究者L.Day先生とV.Solah先生でした。係員に当方持ってきたUSBを渡して、小生講演スライドのローデングをお願いし、スクリーンに映してもらい一安心しました。あまり小さな字では原稿が読みにくいので、1.5倍拡大の原稿を手に、壇上にあがりスライド23枚で講演しました。
途中で座長からあと5分といわれて、うなずいて続けました。スピーチ後、質問あり、「キサンタンガム添加による製パン性回復のメカニズムは?」「不明で、目下検討中です。」と答えました。講演内容は、"EFFECT OF POLYSACCHARIDE ON FROZEN AND THAWED BREAD DOUGH TO IMPROVE THE DETERIORATION OF BREADMAKING PROPERTIES 冷凍ドウによる製パン性劣化の多糖類添加による回復"でした。キサンタンガム、グアガム、タマリンドシードガム等の多糖類の添加効果を示したもので、特にキサンタンガム添加にはオーブン中の時間が30分でもパンドウはまだ伸び続けるというものでした。そのメカニズムを聞いてこられたわけです。まだ研究中です。
来月9月はアメリカ、ニューメキシコ洲 アルバカーキでのSRT, AACCI学会での発表を予定してます。帰りの機中では頭の切り替えです。