Millets (ヒエ):ユニークな栄養,健康増進の性質-1
1、
紹介
ヒエは、穀物種小さく詰まった穀物の集合的名称であり、ほぼ小麦粉の4/1-1/10のサイズである。それらは単一の種ではなくあるいは単一の遺伝子の種でもない。事実ほぼヒエ品種は、より小麦,大麦より遠い関係のものである。 約11栽培--ヒエ 品種がある。それらは大きくは経済的には重要性の点でいろいろであるが、全てのヒエは食料不安定国において栄養安全面でかなり重要なものである。これはヒエがかなり固いためである。低収入農業国でも栽培する事が出来、高温、干ばつの条件に耐える事の出来るものである。
この章では経済的重要性から、fonio( 白と黒fonio)、finger millet、 foxtail millet、prosomillet、pearl
millet、teffが大部分のヒエとして、barnyard millet、Japanese
barnyard millet、 kodo millet、little millet が少ないヒエとして述べる。ヒエの研究は複雑でいろいろなヒエの成分に関する基本的な情報ですら不完全であり、時には異なるという矛盾もある。
これは基本的にはヒエは発展途上国の小規模農家によって大きく栽培され、そして地球的には殆どのヒエは非常に小さな作物であるのが理由である。ここではそれらは主要穀物とほぼ同じ程度には研究されてこなかった。寄与する要因は各品種間で区別するのが難しく、特にそれらが脱皮後、皮あるいはふすまが除去された後、特に難しい。
ヒエはトウモロコシ、モロコシ同様C4熱帯草であり、小麦、大麦、ライムギ、米、オートムギの様な温帯穀物とは違う。ヒエは2つの植物亜科と属に入り、Choridoideae亜科とEragrostideae(ツツガムシ)族 (finger
milletとtuff)とPanicoideae亜科とPaniceae 族(すべての他ヒエ)。トウモロコシとモロコシは又後の亜科である。しかしながらヒエはまたはっきりと温帯穀物に関係あり(Pooideae 亜科)と米(Bambocoideae 亜科)とある。
ヒエと小麦とその周縁のものとの間の遺伝的距離のため、ヒエ
は小麦関連の穀物によるセリアック病や他の不耐性アレルギーの人々に対して適している。
ヒエは世界中の温暖、熱帯地方で広く栽培される。発展途上地域、 国(アフリカ、アジア全国、特にインド、中国、東、南ヨーロッパ)ではヒエは広く伝統的な常食の形で消費され、伝統的なアルコール、ノンアルコー飲料製造に利用されている。アフリカ,アジアではマイナーなヒエ は干ばつの場合の最後の手段の食用作物として用いられる。より発展国、例えばUSA、アルゼンチン,ブラジル,オーストラリア、南アフリカではヒエは広く飼料に栽培され、更に特別な食品のグルテンフリー製品に使用されるのに生産は広がった。
発展途上国、発展国の両方で、ヒエは愛玩用と狩猟用の鳥の餌用に多く生産された。USA、アメリカでは家畜用飼料として特にpearmilletの生産が拡大された。
この章では基本的な情報がヒエの生産と栽培について述べられた。そこで、主に述べられているのはいろいろなヒエ種の粒を述べた。いろいろなヒエ種の栄養,植物化学,抗栄養素の点での成分を調べた。それに続いて伝統的、現代のヒエ食品の製造のための科学技術,および飲料製品の加工技術を主に記述した。更に栄養、植物生理活性物質、抗栄養素に関する影響が説明された。続いてヒエ食品の栄養品質および健康増進性質の研究上の発見が開示、評価され,そこでは動物およびヒトの研究で栄養、植物化学、生理的利用性に主力をおく。章の結論点の第1の関心は、ヒエの知見の状況と研究ニーズに関する点で、栄養的、健康促進属性に関し、ヒエの主食と専門食品としての見込みに関する点である。
2、
生産と栽培
ヒエは本当に古代穀物である。明らかにproso milletの広がった栽培の証拠はカザブスタンの7000年前以上のものである、そして多分pearl milletのガーナにおける栽培は5000年以上前である。多分pearl millet、fonio、finger
millet、teffは全て元々アフリカで、サハラの南、pearl milletとfonioは西アフリカかfinger millet とteffは北西アフリカである。Finger millet とpearl
milletは今から約2000年前インド亜大陸もたらされた。他のmilletmも多分全てユーラシア大陸がオリジンだろう。Prosomillet はアジア、ヨーロッパ全国、7000BP以前の証拠があり、foxtail milletは北中国でこの時期の証拠がある。
今日ヒエは総合的に考えると6番目に重要な穀物であり、生産面でトウモロコシ、米、小麦、大麦、モロコシの6番目である。しかしながらヒエ生産のデーターは別のようである。FAO ( FAOSTAT, 2014) は、平均の年間生産量(ヒエ
プラスfonio、これは分けられてリスト化された)、28.3百万トンで平均は0.9トン /haである。この生産はかなり低く見積もった量であり、ICRISAT (the International Crops Research
Institute for the Semi-Arid Tropics) のCGIAR 組織はヒエに責任があり、そこでは世界のpearl millet だけの作物面積を示し、定量的に最も重要なヒエを31百万ヘクタールで世界ヒエ生産の46%を数えた(ICRISAT、日付ない)。全てのヒエに対しこの収穫を考えると,これは世界のヒエ生産の約60 百万トンと数えられるであろう。それはヒエのそれと同じである。前に記述したようにpearlmilletは約世界生産のほぼ半分である。他の大きな栽培ヒエは下方順位の生産は;foxtailmillet(世界生産の約19%)、teff( 9%)、foxtail millet (
11%)、prosomillet(8%)、fonio(1%)である。
ヒエの強大な影響は、主食用作物として天候変更の条件下で引き起こされる気温上昇としばしば起こる干害で一般にそれを非常に固くすることである。Pearl milletは多分最も水効率のよい穀物植物であり、年間降水量250-400mmという低い地域でも育つ(National Research Concil, 1996; USDA, 日付け不明)。Proso milletは短期作物(60-90日)であり、より多くの温度帯で育ち,高い高度(3500m)で育つ(ICRISAT, 日付不明)。Foxtail milletは、トウモロコシの僅か2/3の水要求性であり、土壌の肥沃度の異なったところでも強く耐える(ICRISAT,日付不明)。Finger milletはもう少し水量が他のヒエより必要(年間降水量500-1000mm)(Obilana
and Manyasa 2002)、しかし高度2000mまで育つ。Teffはまた、高度(1700-2800m)まで育ち降雨条件(300-2500mm)の広い範囲で育つ。
示したようにヒエは殆ど開発途上国の小規模農家で栽培される。
伝統的手動農業作業法で、手動あるいは動物牽引耕起,手挽き、手除草、手あるいは動物による脱穀が基本である。典型的にはアフリカでは、全くかあるいは最低の施肥であり,それは作物としてのヒエ の商品価値に対する肥料のコストの相対的関係のためである。結論的にはヒエ収量は常に非常に低い。さらに開花受粉品種、それは次の季節に植える種子としてとっておくことを農家に可能とするものだが、殆どいつも用いている。今日、より収量を上げ、病気に抵抗性のある改良された品種、更に大きくより簡単な加工穀物は素早く在来種に置き換わる。例えばエチオピアのteff収量はこれまで低く(2011-1.26トン/ha)かったが、急激に増加し6年で33%ほど増加したが,それは改良品種の栽培の結果で、より素早い増加要求に答えて生産を強化したことによるものである。より発展した国々では、高収量の雑種品種の栽培ができ、ヒエ生産は一般には機械化されており,その結果より高収量である。Pearl millet とfoxtail millet の雑種品種もまた国々、例えばIndiaのChina で各々使われている(ICRISAT、日付不明)。これらの開発にもかかわらず,全体的にはヒエ収量(O.9トン/ha)は未だに穀物(トウモロコシ5.2 トン/haおよびモロコシ 1.5トン/ha)に比較されかなり遅れている。遺伝子工学がこれらの病気抵抗性のヒエを作るのに用いられた。例えばトランスゲニックpearl milletでベト病への抵抗性のあるものが開発されたが、未だ遺伝的に修飾されたヒエはコマーシャル栽培されていない。
3、ヒエ種の記述と構造
ヒエ種のサイズは種間で大きく違う。 最も大きなものはpearl milletで、それは千粒重約8-10g(約小麦の1/4)、最も小さいteffで千粒重は僅か0.3-0.4gである。しかしながら品種の中でも粒サイズにかなりばらつきがあり、集中育種プログラムではずっと大きい粒サイズになっているが例えばfoxtail millet である。粒サイズの違いはドラマチックである。我々はある改良されたインドからのpearl millet lineがセネガルで育ったもっとも一般的なものの千粒重の2倍になる事を見出したが6.9gに対して14.9gである。
粒サイズの違いに加えてヒエ 粒は種によって植物構造に違いがある。ある物は露出した粒で,例えばpearl millet は小麦の用に殻から脱穀されていて、一方他は例えばfoniogはそうではなくオートムギの様にもみ殻である。ある物は正常の穀構造をもつ穎果であり、例えばpearl milletで他の多くの穀物のようである;一方他は卵型で、例えば、finger milletで、そこでは果皮は完全には種子膜に融合してなく、脱穀によって除去出来る。全体的には粒の色は種間あるいは種の中でもバラバラである。例えば黒(実際は茶色)と白種がfonioにあり、finger milletとteffの品種では茶と白の両方がある。粒の色はポリフェノール植物化学物質の含量に関係があり、アントシアニンタイプ色素はふつう黒色粒色に関係ある。全てのこれらの要因は大きくはヒエの栄養と植物生理活性物質含量に影響する。更に出版されたデーター;しかしながら粒の可食部が分析されたかどうか区別されていない、あるいはハスク/外皮が入っているかあるいは脱皮した外皮(もしあれば)が分析されたかどうかも区別されていない。ここでウエブサイト上及びある科学文献の記述で、ヒエが非常に栄養的で健康的であるという効能があるがそれはせいぜい単純化しすぎている。
4、
栄養と植物生理活性物質
ヒエ種間の粒サイズと構造の違いや、更に他の穀物粒に対し相対的に小さいサイズではあるが、にもかかわらず、はっきりしている事はヒエのほぼ巨大栄養成分は種間によっては大きくは違いはなく一般に他の穀物のそれと同じ範囲内にある。他の穀物と同じように炭水化物、特にデンプン(約60%-75%)が大部分の成分であり、続いて食物繊維(10%-15%)、タンパク質(8%-15%)、脂質(oil/fat)(1%-5%)、それと灰分(全体ミネラル)(1%-3%)である。小さい炭水化物以外の値はハイドレッドパン小麦のそれらの範囲内にある。
4.1 炭水化物
前に記述したように,ヒエ の大部分の可食部炭水化物はデンプンである。Finger millet とfoxtail
milletのデーターは、他のヒエ中の炭水化物は主にはシュクロースと少量のグルコースとフラクトースで、ヒエ粒重の約1%に相当する。ヒエ中のデンプンは一般には正常で約3--4:1比のアミロースに対するアミロペクチン比である。しかしながらfoxtailとprosomilletにワキシ種(高アミロペクチン)がある。ヒエデンプンの糊化温度はトウモロコシとモロコシに類似していて,熱帯植物のデンプンの特徴である。平均値はpearlmilletの65℃からJapanese barnyard milletの84.9%が報告されている。ハードウィンター小麦デンプンの糊化温度と比較すると約59℃。
興味深い事は、デンプン粒の形態学的にはヒエ種間で非常に大きな違いがあり、何れかの種もデンプン粒に1タイプ以上が含まれる。
Pearl milletsはトウモロコシ,モロコシのように正に大粒のシンプルな粒(8-13μm)が含まれる。
Fonioは小粒で単粒(約7μm)で、一方他の種はfinger、kodao、 little、puroso milletは一般に2タイプあり、かなり大きな多形と小さい多形および/または丸い粒で約サイズ範囲は1-10μmである。Finger milletの場合にはこれらの粒のある物は結合粒であり,
即ち大きなデンプン粒は多くのパックされた小粒でできる。恐らく他のヒエのあるものも同じケースである。Teffで、全ての種は集合体であるようだが、そこでは小粒(2-6μm)は多形である。ヒエ中の小デンプン粒は擬似穀物アマランス,ソバ,キノアと同じサイズであり、米にも似ていて米はやはり複粒の形をとる。多分それらの比較的大きな表面積のため、小デンプン粒はドウベースの食品の品質にプラスの影響を与えるようだ。例えばインジェラ(エチオピアの発酵平パン)はteffとfinger milletで作るが,よりモロコシのものよりも老化に対し抵抗性がある。事実、teffあるいはfinger milletが利用できない時、米のインジェラ製造には好ましい粉である。
4.2 タンパク質
他の穀物同様,リジンはすべてのヒエで第1の不可欠必須アミノ酸である。多分ヒエ中でpearl millet はもっと高いリジン含量であり、その値の範囲は表4.2に示した通りである。これは比較的タンパク質の多い(約31%タンパク質)胚芽ためであり、そこにはリジンリッチアルブミンとグロブリンタンパク質を含む。
殆どの穀物同様,米とオートムギは例外だが,プロラミン貯蔵タンパク質は大部分のヒエ種中の主要タンパク質区分である。プロラミンの全粒タンパク質の%としてfinger、foxtail、 pearl、proso millet とteffは約42、76、43、58、41%各々であり、それらは論文中にある。プロラミンはプロリンとグルタミンに富むと定義され、非常にリジンが低い。ここでこの理由のためリジンは殆どの穀物中の第1制限アミノ酸である。例外としてfonioで見られるが、大部分のタンパク質はほぼグルテリンであり,それはリジンがより多く,それは米と同様であり、粒タンパク質の約60%から成る。少数ヒエのタンパク質のデーターは完全ではないが、グルテリンはまたbarnyard millet、Japan
barnyard millet、 kodo millet、 little millet中の主要タンパク質区分である。しかしながら殆どのヒエはトウモロコシやモロコシに関係が深く、それらのタンパク質のリジン含量は非常に低く、著者の意見はこれは多分正確ではない。
ヒエのプロラミンは詳細には研究はされていない。示されているのはモロコシのプロラミンのkafirinに対する抗体はbarnyard、finger、 foxtail、kodo、 little、proso milletsのプロラミンと反応することである。この事は高レベルの相同性に違いない。また、高レベルの相同性はpearl millet とteffプロラミン間にあり、トウモロコシとモロコシにそれにも相同性がある。興味深い事は、わかった事はteffのプロラミン はkaffirinより重合化がより低い程度であり、疎水性がより小さく、更により低い変性温度である。これらの性質はteff プロラミンが特に不活性モロコシ kafirin プロラミンタンパク質 よりもドウシステム中機能的である事を示す。
4.3 脂質
脂質はヒエ品種間で異なる物質として唯一の大きな成分である。
Pearl milletsとfoxtai
milletは明らかに他の大部分のmilletに比べて高レベルの脂質含量であり、そしてわずかなヒエJapanese barnyard millet 、little
millet はまた明らかに脂質含量が高い (表4.2)。Pearl milletとfoxtail millet中のより高い脂質レベルは比較的大きい胚によるためであり、脂質は胚組織中に集中しているためである。pearlmillet で胚は約32%脂質からなり、粒中全脂質の約88%の含量である。
ヒエ脂質の脂肪酸組成に関しては,これは他の穀物と同じである。不飽和脂肪酸に富みオレイン酸(C18:1) , リノール酸(C18:2), それとリノレン酸が主体である。Finger millet は例外としてモノ不飽和脂肪酸のオレイン酸が優勢のように見える。この事はそれとその低脂肪含量(約1.4%)は多分finger millet粒のよく知られた素晴らしい貯蔵性の説明であろう。
4.4 食物繊維
明らかにヒエ種には食物繊維含量に多少大きな違いがあるが(表4.2)、データーは実際にはっきりしない。これは前述の問題点、分析が皮ありと皮なし粒で行ったかどうか、更に食物繊維分析で進行中の分析法進歩のためなのか、一方可溶性食物繊維と抵抗性デンプンが伝統的不溶性(粗)食物性繊維に加えられて考えられるかどうかのためである。ここで食物繊維に対する非常に高い(約18%)と低い(2%--3%)値とは可食全粒の全食物繊維含量とは関係ない。
4.5微量栄養素
ヒエ中のミネラル,ビタミンの含量は種では一般には広くばらつく事はない,そして必然的には他の穀物のそれに類似している(表4.3)。しかしながら微量栄養素,抗栄養素のデーターは巨大栄養素よりも包括的でない、そして幾つかのデーターにはギャップがあり、特にマイナーなヒエ についてはそうである。
ミネラルに関してfinger milletは顕著に高レベルのカルシウム(約240-410
mg/100g)が含まれている。またカルシウムが種皮膜中に集中している分布は興味深い(多分finger milletは擦りの間除去される)、内胚乳中に多少と胚には全くなし。
Pearlmillet に関し、ICRISATはこれまでの育種を続けて鉄や亜鉛の多い系統を成長させた。これらのバイオ的に育てられたpearl millets系の雑種は75mg/100g以上の鉄、55mg/100g以上の亜鉛(Rai et
al., 2013)で、即ち60%以上、30%以上各々がpearl millet の平均の鉄,亜鉛含量よりも高い。
ビタミンに関しては、全ての穀物の様にヒエ はビタミンB(ビタミンB1−チアミン,ビタミンB2−リボフラビン,ビタミンB3−ナイアシン)が多く、それはふすま層中に集まっている。全ての穀物の様にそれらはプロビタミンA(β--カロチン)が非常に低い。。Foxtail
milletは黄色の内胚乳を持ちそれはカロチノイドの存在のためだ。しかしながらtrans-luteinとtrans-zeaxanthinの第1カロテノイドは非常に僅かなprovitamin
A活性しかない。不完全ながら、利用できるデーターはヒエがビタミンE(トコフェロール)の並外れた源ではない事を示し、小麦のそれより低い含量である事を示した。
4.6 植物生理活性物質
一般に大部分の穀物、例えば赤小麦に比べて、ヒエ種はかなり高いフェノール生理活性物質レベルである。全ての穀物種の様に、ヒエ中の大部分のフェノールはフェノール酸とフラボノイドである。Finger milletのほぼ黄色品種はさらに重合化したタンニンを含む(プロアントシアニジン/プロシアニジン)、それはタンニンタイプのモロコシ品種の様である。ヒエ中の他のタイプの生理活性物質の報告があり、例えばγ--amino butyric acoidはfoxtail
milletとbarnyard millet中、特に発芽した粒に見出される。ヒエ中のフェノール酸に関して、hydroxybenzoic acid (例えばprotocatechuric acidとvanillic acid )とhydroxy
cinnamic acid (例えばferulic acid、caffeic、coumaric
acid とsinapic acid) と、それらの誘導体が、どれもヒエ の異なった種にいろいろの比率で見つかる。データーは非常に不十分であり、時に矛盾するが、teff、 kodo millet、foxtail milletは高レベルのフェノール酸を含んでいる。いろいろな研究者らのデーターを比べると;フェノール酸の問題はいろいろな異なった形で存在していることだ;遊離、エステル化、エーテル化、結合である。いろいろなヒエ種は、他の穀物のおけるようにフェノール酸の大部分が結合型である、結合型は特にフェルラ酸の不変のダイマーあるいはオリゴマーであり、たとえばdiferulic acidで、細胞壁非デンプン性多糖類に架橋しているがこれは正確に定量する事が非常に難しい。
フラボノイドタイプのフェノール酸に関しては、finger milletは一般に最も高レベルを含んでおり、幾つかの異なった成分も伴っているが,更に誘導体として同定されたのはcatechin, gallocatechin, epicatechin,
epigallocatechin, taxifolin, vitexin tricin, luteolin, myricetin, querucitin,
kaemferol, narigeninおよびdiadzeinである。フェノール酸同様フラボノイドもまた遊離エステル化,エーテル化結合型があるが,しかし多分大部分は遊離型である。
4.7 抗栄養素
フィチン酸塩 (myoinositol hexaphosphate)と蓚酸塩は抗栄養素であり、それらは広く植物食品中に存在する。それらは2荷の金属イオンと結合し、たとえば鉄、亜鉛、カルシウムであり、生化学的利用性に深刻な悪影響を与える。フィチン酸塩は穀物のアリューロン層にあり,胚には少ない、そして蓚酸塩は種皮に集中している。また不完全ではあるがデーターが示すのは,これらの抗栄養素のレベルがヒエ中で、他の穀物中のものより高いわけではない。ここで文献中の言明のようにこれらの抗栄養素として特別にヒエを拾いだすのは間違いである。
記述したようにfinger milletはヒエ中ユニークに見え、それは茶色品種にはタンニンが濃縮されているためである。濃縮されたモロコシでのタンニンは良く知られた抗栄養素でそれは食物タンパク質と結合する結果であるか,あるいは消化酵素と結合するためである。タンニンはモロコシ中でまた食物ミネラルの生化学的利用性を低下させる。モロコシの様にfinger millet粒中のタンニンも種皮中に存在する。
しかしながら濃縮したタンニンのレベルは、finger milletの茶色品種中(1−2gカテキン等量/100g)では一般にタンニンモロコシ品種中より低く見える。相対的にタンニンは茶色finger millet品種中低レベルにも関わらず,それらはネガテブな栄養効果を示す。Finger milletの発酵は本質的に測定できるタンニン含量を低下し、および同時に多分タンパク質、デンプン、ミネラル利用性を変え、試験管(vitro )アッセーでも示された。
Pearl millet は、たとえばスーダン や南スーダンの地域で非常に制限された食事で一般に主食にされるところで、甲状腺腫を引き起こした。Pearl millet にはC-glycosyl
flavon-typeのフェノール物質が含まれ、特にvitexin、 glucosyl vitexin、
glycosyl orientinが原因物質と考えられて来た。これらC-glycosyl flavones はhormone
thyroxine のdeiodination(脱ヨウ素化)を阻害する事で、活性化した型のtriiodothyronineにすることを阻害する。
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