アマランス ユニークな栄養、健康増進効果-2
2.7 生物活性化合物
フェノール化合物は、一般にリングに一つ、あるいはそれ以上のOH基を持つベンゼン環を含む物質と定義され、例えばフェノール酸,フラボノイド、タンニン、クマリン、あるいはアルキルレゾルシノールがある(Dykes and Rooney, 2007)。それらは全ての食品に見出され、外観,味、香り、酸化安定性に影響する。いくつかの研究がアマランス種のポリフェノールに注目し、多くのフェノール酸フラボノイド、それらのグルコサイドを同定した。
フェノール含量は普通Folin-Ciocalteu反応で決める。
しかしながら,文献中の全てのフェノール含量に関するデーターの比較は難しい。それは異なった抽出溶媒,校正用物質が用いられ、データーはケルセチン(Q)、カテキン(C)、ガリウム(GA)、フェルラ酸(FA)、等量(E)等いろいろ表現されるからである。これらのことは測定したフェノール含量中、高いバリエーションと関係するが,また遺伝的,環境的要因も考えねばならない。
Lopez-Mejia et al., (2014)の研究では、A. hypochondriacusのアマランス種子をメタノール、エタノール、ヘキサンのソックスレー、マグネチックスターラー抽出した。全フェノール含量(TPC)は16と25mg GAE/100g (dw) の間、ソックスレー抽出された。最も低い値はメタノールで得られ,一方エタノール、ヘキサンは、顕著により高い値であった。抗酸化能の点で反対の結果が得られた。メタノール抽出はエタノールとヘキサン抽出では僅かに約5mg Trolox E/100gに比べ、25-30mg Trolox E/100gである。これらの発見は、異なる極性と溶解性を持つ色々な物質の抗酸化能の違いを示す。Okarter (2012)による総説では,ケルセチン、カンプフェロール,エピガロカテキンガレートが最も強い細胞性抗酸化活性を持ち、一方他のフェノール酸、特にヘミセルロースに結合しているものはin vivoで抗酸化能にほんの僅かだが貢献していると述べた。一方in vitroでは抗酸可能は、穀物,疑似穀物中のフェノール量とよく関連ある(Dykers and Rooney, 2007)。
いくらかの研究グループは異なった未結合フェノール酸をアマランス中で同定している。プロトカテキン酸(13.6±9.4μmol/100g)は、Alvarez−Jubete et
al., (2010c)により最も多量と報告された。アマランス中フェノールの包括的な特徴は、Pasko et
al., (2008)によりHPLC-DADで調べられた。Gallic acidが主で(400-440mg/kg)、続いて2種のA. cruentus 種子でp-ハイドロキシベンゼン酸(8.5-20.7mg/kg)が見出された。バニラ酸(15.5mg/kg)はある種で検知され,一方p-クマリン酸とシリング酸が発芽後だけに見つかった。フェルラ酸、カフェイン酸は種子あるいは芽には見つからなかった。7つのフェノール酸までは、7代A.
cruentus継承からの膨張種子とフレーク中で定量できた;バニラ酸、 p-ハイドロキシベンゼン酸 、とフェルラ酸が大部分のもので、各酸80mg/kg以上で、一方カフェイン酸、シナピン酸、桂皮酸 はもっと低濃度であった(Ogrodowska et al., 2012)。Steffensen et al., (2011)の研究では、18種の異なるアマランス遺伝子型がそれらのフェノール酸のプロフィールに特徴付けられた。プロトカテク酸、バニリン酸、4-ヒドロキシ安息香酸 、 p-クマル酸、シリング酸、 コーヒー酸、フェルラ酸、サリチル酸が同定され、各濃度は遺伝子形、種、場所でいろいろである。
別の研究では、3種の疑似穀物の各々から、5つの栽培品種をポリフェノールとそれらの関わる抗酸化活性の点から分析した(Vollmanova et al., 2013)。わかったことは、アマランスはポリフェノール含量が138-287mgGAE/100gあることで、ルチンが主成分で濃度は3.0-50.8μg/100g であったことである。
主な抗酸化能の成分の濃度はキノアに比べて高いけど、より低い抗酸化活性,平均3.26mmol Trolox-Equivalents (TE)/kgが測定された。こうしてフェノール類と抗酸化能との間の顕著な関係は観察されなかった。同様の発見はChlopicka et al., (2012) により報告された。アマランスは同レベルのポリフェノール(2.07±0.1mg/gとフラボノイド(65.0±8.0mg/g)を含むが、しかしアマランスの抗酸化能(プラズマーFRAPの第ニ鉄還元能力38.6±1.2mg/100gとラジカルスキャベンジング活性3.60±0.34mmolTE/kg)は明らかにキノアに比べて低い。Rutin平均濃度65.0±5.7mg/kgはKalinova
and Dadakova(2009)により発見されたが、それは異なったA hypochondriacus種子で2006年に採取されたものであった。さらにrutinの異なったアマランス品種からのものが分析され、それは2006と2007年に採取された種子で行われた。平均値は、A.hypochondriacusからのもので70±7mg/kgで、A.caudatusでは55±3mg/kg,
A. hydridusから99±4mg/kgで、A.retroflexusからは11±1mg/kg、A.tricolorからは7±1mg/kgであった。これらの結果から、種子のために一般に育てている種類は、主に葉類のために育てている他の品種よりもルチンは多いとわかった。
ルチン以外、ケンペロールグルコサイド、例えばニコチフロリン (Kaompferol-3-o-rutimoside)の様なものも、アマランスに同定された。Steffensen et al., (2011z)は、18種の異なった遺伝子形の中で6.1μg/gまでのレベルを見出した。これらの発見はBarba de la Rosa et al.,
(2009)の発見と一致し、彼は4種のA.hypochondriacusの粉の中で4.8-7.2μg/g nicotiflorinを見出した。フラバノン、ビテキシン、イソビテキシンは少量266-410mg/kg存在した(Pasko et al., 2008)。アマランス中のflavonoids の多量さは、いくらかの研究者,例えばJo et al., (2015)により確認され、メタノール抽出物中全含量1.69±0.12mg GAE/g phenolics に比べ、1.53±0.17mg catechin equivalents(CE)/gである。さらにタンニンは0.316±0.05mg tannin acid equivalents(TAE)/gの濃度で検出された。熱水で抽出されると全フェノール成分のよりずっと高い収量[4.23±1.00 mg gallic acid equivalents(GAE)/g]とタンニン(0.511±0.01TAE/g)が得られ、しかしフラボノイドの濃度は明らかに低下し0.08±0.00mgCE/gであった。この研究が再び示されたのは、フェノールの分析がずっと複雑で成分も多くのためと、さらに分析方法により大きく影響され,特に抽出溶媒に大きく影響されるためであった。ベタレインは植物色素であり、Caryophyllateのクラスの植物に見出された。Khan(2016)によると,彼は毎日100mg ベタニンの取り込みを提案し、ベタレインはin vitro及びin vivoで生理的活性を示し、主にラジカル-スキャベンジン活性があるという。それらの構造から、ベタレリンは赤から紫のベタシアニンあるいは黄色ベタキサンチンに分類される。アマランシン、イソアマランシン、ベタニンは,1.0±0.2、0.8±0.2、 および0.1±0.2mg/100g各々がピンクアマランス粒中に検知され、一方白い種子にはベタレインはなかった(Venskutonis and Kraujalis, 2013)。他の研究ではアマランス種子中ベタレインを述べたものはなく、しかし幾つかの研究はアマランスの葉にその高濃度を報告している(Venskutonis and Kraujalis, 2013)。ある研究では,適当なレベルのアントシアニン、90.83±9.2-103.6±10.4mg(Pasko
et al., 2009)、35.33±1.70mg/100g(Lopez
et al., 2011)を報告した。UVアントシアニンの最大吸収はベタレインに類似しているので,ベタレインの存在の報告は人工な可能性がある。しかしながら、アマランスはCaryophyllatesグループに所属するので、ベタレインはアマランス種子中の主要色素であるべきだ。しかしながら、この考えははっきりしなのでより研究が必要である。
リグナンあるいはレジノールはフェノール性物質で、シンナミールアルコールの二量体化したもので,可食性植物中に存在している。レジノールは腸内細菌叢によって植物エストローゲンにメタボイズされ、幾つかの可能性ある有益活動をし、例えば抗酸化、抗ウイルス、抗ガン、抗バクテリア、静菌性、殺虫剤、エストロゲン、抗エストロゲン、および冠状動脈性心臓病に対する保護効果である(Spilioti et al., 2014)。アマランス種子ふすま中にある成分含量は、Smeds et al., (2007)により調べられた。もっと高い濃度は7-ヒロドキシマスタレシノール (519μg/100g)、7-オキソマタイレシノール(207μg/100g)、メデオレシノール(114μg/100g)、セコイソラリシレシノール(98μg/100g)で観察された。全リグナンのレベル約1000μg/100gふすま、アマランス中ふすまは、ライ麦あるいは小麦中の穀物ふすまに比べずっと低く、しかしトウモロコシやヒエ(種については記述無し)、キノアとはほぼ同じである。
一般に、食品の加工は抗酸化物質とその性質に大きく影響を与える。Kunyanga et al.,(2012)は、TPCレベル1.07g CE/100gアマランス種子を見出したが、これは調理あるいは焙焼で50%以上減る。ラジカル消去作用は84.7±1.2%と第2鉄還元作用(FRAP)は44.9±3.0 mmolFe(II)/g抽出物である。調理と焙焼は全体的にTPCに比べて抗酸化性性質に関しては反対の効果を示し、ラジカル消去活性はほぼ一定(81.0%、87.3% DPPH)であり、FRAPは本質的には増加する(233-418 mmolFe(II)/g抽出物)。アマランス種子の発芽は抗酸化活性を促進する(Alvarez-Jubote et al.,
2010c; Pasko et al., 2009)。一般にフェノール酸レベルは低下し、一方フラボノイドは一般に出芽の間,増加する(Pasko et al., 2008)。
これらの纏めたデーターと重要なデスカッションは、アマランスがポリフェノールに富んでいて、それは主にフラボノイド、特にルチンであることを示した。ただし、ソバはより高レベルを含み,キノアはより高い抗酸化の可能性を示したが、検知されたフェノール物質はより少ないのだが。フェノール物質の中で、明らかにルチンが殆どの点と非グルコシル化フラボノイドの非常に低レベルであるのは、アマランス種子の低い抗酸化可能性に関係がある。他のフェノール物質、例えばレゾルシノール、ベタレインはほとんど低濃度で存在し,アマランスの健康促進効果には顕著に影響しない。
2.8 抗栄養素
アミラーゼ、プロテアーゼ(例えばトリプシン)インヒビター(ATIs)はすべての植物に存在し、昆虫の様な天然の敵に対して防御する。それらは又、健康増進性質、例えば抗発ガン物質、抗酸化、血中グルコース調節、と同時に抗炎症薬効果もある(Champ,2002)。アマランスは穀物に比べプロテアーゼインヒビターの量がほんの少し低い(D'Amico et al., 2017)。Tamir et al., (1996)は、アマランス種子中でトリプシン-キモトリプシンインヒビターを8kDの単鎖タンパク質と同定し、その性質を調べた。Gamel et al.,(2006b)は、トリプシンインヒビター活性が3.05-4.34 TIU (トリプシンインヒビター単位)/mg、キモトリプシンインヒビター活性(CIU)、0.21-O.26 CIU/mg、アミラーゼインヒビター活性が0.23-0.27 AIU/mgと見出した。インヒビタータンパク質は熱不安定性のようで、Kunyanga
et al., (2012)はアマランス中のα---アミラーゼインヒビター活性が焙焼によって大きく低下することを見出した。湿調理は強い効果の低下を示した。
フィチン酸あるいはミオイノシトール六リン酸(InsP6)は、マイナスのチャージ物質であり、プラスにチャージしたカチオン物質と複合体を作り得るが、例えばCa、Mg、Feとであり、すでに述べたようにそれはアマランス中のミネラル生理活性能に対し反対の作用となる。Sanz-Penella et al.,(2013)はアマランス中のミオイノシトールリン酸を詳細に分析した。全アマランス粉は21.1±2.1mmol/g InsP6、2.3±0.5InsP5、と0.86±0.08InsP4を含む。低リン酸グループを持つ類似物は見出されていない。
アマランスの高フィチン酸塩レベルがGarcia-Mantrana et al.,(2014)によってはっきりされ、彼らは小麦パン中のフィチン酸塩を分析し,それとともにアマランスのいろいろなレベルの物も含めて分析した。全小麦粉パンに比べ、50% アマランス成分含有では、全InsP6とInsP5は2.9±0.7から7.8±0.5μmol/gパンへと増加した。対象として、他のフィチン酸塩でもっと低数の結合リン酸(InsP4とInsP3)は、小麦パンに比べてより低量が見られた。その研究はまた、異なった起源(バクテリア、カビ)からのフィターゼ添加でフィチン酸塩濃度を顕著に低下する事ができた。
加工の効果について、Ferreira
and Gomez-Areas (2010)はフィチン酸(82.0 mg/g)が材料に比べてエクストルード処理したアマランス粉にも同レベルあることを見出した。全フィチン酸塩含量4.0-4.1g/kgがA.caudatusとA.cruentus種子中にあることをGamel et al.,(2006b)は見出した。調理、ポップによる加工と発芽がフィチン酸塩含量を3.1-3.5g/kgにまで低下した。
もう1つのはっきりした抗栄養素は蓚酸塩である。いろいろなアマランスの遺伝子型と種類の中の範囲は85-129mg/100gが見出された(Awasthi et al., 2011)。
サポニンは苦い味のあるアルカロイドで、表面化成能がありステロイドあるいはトリテルノイドアグリコンからなり、1−あるいはそれ以上のモノサッカライドと結合している。キノア中、非常に高レベルのサポニンがあり、一方アマランスにはほんの僅か量しか含まれていない(Alvarez-Jubete et al.,
2010a)。Oleszek et
al., (1999)は4つのサポニンをA.cruentus種子に見つけ全濃度は0.09%-0.1%であった。研究から、結論としてアマランス中には低毒性と低サポニン量で、消費者への顕著な健康リスクには至らないようだ。
3 加工と食品応用
3.1 製粉加工
全粒アマランス粉の製粉はよく知られており、特別に問題はない。
種子の水分含量のみが重要であり、そのため種子の事前のコンデショニング(水添加と加熱処理)に最適の水分含量がしばしば要求される(Tosi et al., 2001)。アマランスの異なった粉区分の生産は、穀物粒に比べて小粒で異常な種子構造のためチャレンジされた。Becker et al.,(1986)は、いろいろなタイプのミルで比較テストした。彼らは幾つかのパラメーターと技術をテストし,そこにはデスクミル,ハンマーミルもあり、スピードと水分レベルを変えてテストした。Berghofer and Schoenlechner (2002)によるある研究で、パイロットローラーミルをプランシフタート連結して用いて5製粉区分を得て、デンプン、タンパク質リッチ区分に分類することができた。もう一つの研究でもローラーミルを用い、異なった栄養成分の4区分を得た(Kumar et al., 2016)。
アマランスの湿製粉は、いろいろの方法を用いた研究室スケールのものが評価され、それはトウモロコシの湿製粉技術に類似していた(Calzetta Resio et al.,
2009)。Roa et al.,(2014)は、デンプン-,脂質-タンパク質-に富んだアマランス区分を研磨ミリングによって得て、アマランスデンプンは湿製粉方法で分離され、そして粉はボールミリングで得られた。技術が高度に応用され、デンプン、タンパク質、脂質区分が得られた(Roa et al., 2014)。
3.2 食品への利用
伝統的にアマランス種子は、調理、ロースト、ポップ、あるいはフレークと人々の消費に用いられた。植物の空中部はほうれん草の様な野菜として消費される。アマランス種子の組織的構造のため、ポップ加工が非常に興味深い。又,今日のポップしたあるいはエクストルードしたアマランス粒はしばしばスナック、ブレックファストセレアル、クランチバーの主成分として用いられる(Ramos-Diaz et al., 2013)。図6.3はポップしたアマランスをベースにしたスナックで図6.4Aは調理済アマランス種子で作ったかゆ製品である。栄養へのポップの効果はMurakami et al.,(2014) により深く研究された。熱風を用いた連続的流動層加工システムは、ポップアマランス種子をバルク中で応用する(250℃15s)。その結果、処理はビタミンB含量に悪影響は与えなかったし、ミネラル保持は高かった。エクストルージョン調理はアマランス加工には都合のいい方法である。アマランスの水可溶性指標はエクストルージョンクッキングにより11%から61%まで大きく増加する事がわかった((Robin et al.,2015)。アマランスを20%トウモロコシに添加すると、キノア、カニワ、100%トウモロコシに比べ最も大きな膨化指標を示した(Ramos-Diaz et al.,2013)。Ferreira and Areas (2004)は、いろいろなエクストルージョン条件下で作られたものを評価した。最高の水分含量24%でアマランスエクストルージョンで行うと、それより低い水分条件に比べ、より高いタンパク質品質が得られた。エクストルージョン加工は、プロテアーゼ消化後ペプチドプロフィールにも影響し、その結果より小さいサイズのペプチドとより高い生化学的活性の得られることがわかった(Montoya-Rodrigue et al.,2015)。
製パンではアマランスにグルテンがないことが主な理由で、アマランスだけでは一般に適当なパン製造は出来ない。一方,アマランスをパン仕込み時に添加すると、幾つかのメリットがある。Sanz-Penella et al.,(2013)らの研究で、全アマランス粉の製パンへの効果が評価され,全アマランス粉40% までは小麦パンに添加された。既に20% のアマランス添加はパンの栄養価がかなり改良した。重要なミネラル(Ca、Mg、Fe、Mg) の濃度は少なくとも2倍に成る。タンパク質,脂質,食物繊維含量も顕著に増える。
3.3 グルテンフリー食品
グルテンフリー製品の消費と要望は世界中に広がっていて、それはCDのようなグルテン関連病、あるいはグルテンと小麦不耐性、"非セリアック病の小麦あるいはグルテンの過敏症"(NCWSあるいはNCGS)と呼ばれるものの有病率増加のためである (Shewry and Hey, 2016)。
Junker
et al.,(2012)の研究は、アミラーゼ-トリプシンインヒビター(ATIs)を小麦中の先天性免疫の大きなトリガーとして同定し、それらがNCWSあるいはNCGSに大きく関係していると考えた。
前述した病気に苦しむヒトに加えて、グルテンフリー製品は自分の健康増進のイメージのために消費するヒトが増えてきて、特にそれらが疑似穀物を含んでいるかどうかである。この10年間多くのグルテンフリー製品が開発されマーケットにでて、非常に大きな消費増加のリードをした(Shewry and Hey 2016)。研究リサーチの努力の結果、高機能,高栄養品質をもつ製品が開発された。一般に疑似穀物は双子葉植物のため非常にプロラミンが低く、CD患者に有毒であるタンパク質区分を含まない。つい最近、幾つかの特別の研究がこのことを証明するのに進められた。サマリーではあるが、アマランスと他の疑似穀物の消費はセリアック病には安全であり、それらの製品はグルテンフリー食事に含めることが出来る(D'Amico et
al.,2017)。
最も重要なグルテンフリー製品はクッキー(ビスケット),パン,パスタである。クッキー製造では強いタンパク質ネットワークは必要ない,そこで疑似穀物が非常に適している。幾つかの研究はアマランス-ベースクッキーが非常に良い食感とテクスチュアである事が報告された(Inglett et al., 2015)。発芽したアマランス粉クッキーは、小麦のクッキーに比べ上等の性質が示めされた(Chauhan et al., 2015)。もう一つの優れたクッキーレシピーは、20% ポップアマランス粉と 13% 全粒ポップアマランスを含むものである(Caldaron de la Barca et al., 2010)。
しかしながら,主成分のアマランスは、パンの様な膨化製品に適している他の僅かなもの、あるいは疑似穀物よりも適していない。Alvarez-Jubete et al.,(2010c)は,パンでは50%アマランス添加はソバやキノアに比べてパン容積が低下すると報告した。Schoenlechner
et al.,(2010b)は、工場生産レベルのアマランス粉を含むグルテン-フリーパンの製造を検討した。水の含量がパンの比率の中で最も重要で、一方脂質含量の変化には顕著な影響はなかった。しかしながら、脂質、卵アルブミン添加の組み合わせは、全体的な食感の受け止められ方はベストであった。もう1つ別の研究では、アマランス粉はグルテン-フリードウの冷凍安定性を改良する事を示したが、シェルフライフは低下した(Leray et al., 2010)。Caldaron de la Barca et al.,(2010)は、最も好ましいグルテンフリーレシピーには最少限のグルテン(20ppm以下)を入れ、60-70%ポップし、30-40% 生のアマランス材料をベースにしたのが良いと述べ、それはパンに均一なクラムを与え、他のグルテンフリーパンより高い比容積を与えた。グルテンフリーパンの品質改良のために有望な戦略はサワードウ発酵の応用である。Jekle et al., (2010)は、アマランスサワードウの性質はいろいろな乳酸菌によって影響を受けることを示した。
アマランスは唯一のパスタ製造に限られた効果を示す。エクストルードしたアマランス粉を乾燥ポテトパルプに25%ほど添加すると、良好な構造の新鮮パスタ製造のできることがわかった(Bastos et al., 2016)。この仕込みは新鮮な小麦粉スパゲティに比べても、十分に消費者に受け入れられる食感と外観のスパゲティができる。すぐれたテクスチュアの特徴をもつパウタ製造に先んじて新規エクストルージョンクッキング方法がCabrera-Chaveza et al.,(2012)により開発された。アマランスに富んだパスタの加工はタンパク質の溶解性を低下し、遊離SH含量を低下し、アマランスタンパク質中のSS結合形成を示す。その結果は又、デンプンの糊化、タンパク質の変性の間、デンプンはアマランスタンパク質と十分に相互作用する。
タンパク質の消化性増加に加え、米--ベースパスタはアマランスを強化するとミネラル、繊維含量も改良された(Cabrera-Chaveza et al.,
2012)。
4.結論
アマランス粒は良好な栄養成分、特にビタミン、ミネラルの高濃度を有する点で非常に興味あるものである。Mg、Ca、Fe、葉酸が高レベルというユニークなコンビネーションは、セリアック病、子供、妊娠した女性にとって有用な供給食品製品であり、それは特別の食事あるいは高い要求性からくる欠乏栄養を補助するものである。又、バランスのとれた不可欠アミノ酸の成分は、良好な栄養品質に寄与する。最近の研究から,消化されたアマランスペプチドの高生理的活性が示された。アマランスはスナックの様な不膨化食品原料として適している。ポップあるいはエクストルードしたアマランス製品は、ビタミン、あるいはミネラルの様な敏感な栄養素の顕著な損出はしない。膨化製品あるいはパスタには、アマランスはあまり適していないがパンやヌードルの栄養的品質をかなり改良することが出来る。さらなる研究と製品開発が、食品一般の材料および特にグルテンフリー食品の材料となるアマランスのマーケットシェア増加のために必要である。
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