2010年3月アーカイブ
2010年3月31日 19:31 ( )研究室のご紹介Vol.21 山本 勇研究室
~ビフィズス菌による健康効果を考えています。~
ヒトや動物の健康に有益な効果が顕著なビフィズス菌の生理機能を、遺伝情報を担っているDNAやRNAなどからどのようにして遺伝情報を取り出すのかという遺伝情報発現機構について解明したり、遺伝子に暗号化されているタンパク質の働きをDNAを構成する塩基の配列とタンパク質の作用(例えば、酵素の触媒作用、物質を輸送する作用、DNAに結合して遺伝情報の発現を調節する作用など)の面から研究しています。
ビフィズス菌の遺伝を研究する方法がまだ十分に整っていないため、その方法の開発も必要ですし、ビフィズス菌に特有の遺伝子や酵素もあって新しい研究の展開が期待されています。その中には、ビフィズス菌の増殖を促進すると考えられている食物繊維の利用システム、酸素耐性化の可能性、塩基性オリゴ糖抗生物質に耐性なメカニズムも含まれます。
研究の成果はビフィズス菌を食品製造に使いやすくするだけでなく、ビフィズス菌により高い健康効果を持たせたり、薬品の製造にもつなげられてます。
研究室のご紹介Vol.20 堀田 久子研究室
~ビフィズス菌や乳酸菌を増やす食物繊維の開発をめざします。~
ヒトの腸管は、小腸と大腸を含めると約7メートルにもなり、消化吸収以外にもヒトの健康とおおいに関係がある。大腸に特に大量に棲息している腸内細菌の良しあしは、ガン・アレルギー・感染症の発症のひとつの決定要因といっても言い過ぎではない。この腸内細菌のうち、ビフィズス菌は腸内細菌のうち善玉菌とよばれ、ガンの予防、アレルギーの治療、感染症による下痢の治療などに役立つことが知られている。
当研究室では、これまでにラットの腸内にビフィズス菌を増やす難消化性糖質について研究をおこなってきた。その延長として、野菜や果物の皮などの廃棄部分から食物繊維を抽出し、ビフィズス菌を増やすものを探す研究をスタートした。結果として、エンドウ豆のさやや温州みかんのスジ由来の食物繊維にビフィズス菌増殖効果を見出した。このような廃棄物の有効利用は、エコの発想にもかなっていると考えている。
研究室のご紹介Vol.19 廣澤 あきつ研究室
~何事にも積極性をもって自分で考え実行にうつすことを目標にしています。~
卒論研究テーマは,赴任前に思春期、青年期の摂食障害者とのかかわりが多かったことから、食生活と健康に関連した諸問題についての調査研究をとおし、健康回復のための対処策を中心としています。
卒論に取り組む課程で、「言われたことを言われた通りにするのでなく、自分で計画を立て、何を明らかにしようとするのかを考え、実行する」ことが出来ることを目的としています。
自分で初めから最後まで卒論に取り組めば苦労もするでしょうが完成の喜びは一段と大きいと考えます。やがて社会に出て様々な物事に取り組む場合、自分で考え計画し判断(決断)して実行しなければならないことは、多々あると思う。その時にはこの卒論への取り組みがきっと役立つと確信しています。
ゼミでは、苦しいことだけでなく、同じ仲間と楽しいことも体験できるよう心がけています。
研究室のご紹介Vol.18 林 利恵子研究室
~「フランスの食」をテーマに研究しています。~
「フランスの食について」という大きなテーマのもとで、各自興味あるテーマを決めて進めています。
最初、全員でフランス料理について勉強します。多分漠然としているだろうと思われるフランス料理について、文献、料理書でフランス料理の歴史、偉大な料理人、オードブル・メインディッシュ・デザートの組み合わせ、レストランの料理・家庭料理・地方料理、ソースの種類、油脂・砂糖の使い方、ワイン、チーズ、フランス式テーブルセッティング、カトラリー等、まず基礎知識を身につけます。
次にたとえばフランス菓子に興味がある。となれば、地方菓子、宗教にまつわる菓子、焼き菓子、チョコレート等、テーマを絞り込んでいきます。テーマが決まれば、文献、料理書で調べ、夏休み中の約1週間、調理実習室で各自テーマに沿って試作を行い、その後みんなで試食をしながら、感想や意見を述べ合う検討会を行っています。
研究室のご紹介Vol.17 橋本 加代研究室
~「ライフステージに応じた食育を展開しよう」をテーマに!~
「食育基本法」が施行され「食育」が注目をあびています。「食育」と言えば、「子ども」が対象と思われがちですが、「食べること」は「生きること」であり一生涯にわたる大変重要な営みです。ということは、赤ちゃんが生まれる前から高齢者となるまで、「食育」は大切なことです。そこで、ライフテージに応じた「食育の展開」についてをテーマに研究していきたいと思っています。研究室のモットーは、自分で問題を発見し、研究計画をたて実施し、考察することです。つまり、与えられるのではなく自ら積極的に取り組む姿勢を大切にします。心配することはありません。メンバーがチームで研究していきますから。
研究フィールドは、保育園や幼稚園、保健所、高齢者の施設等地域全体です。研究室の仲間、地域の方々と触れ合うことで、ともに成長し、人間性豊かな管理栄養士として社会に羽ばたけるよう願っています。
研究室のご紹介Vol.16 長澤 治子研究室
~「食べ物を通して、より健康に」を追求します。~
食品は栄養素のほかにも種々の成分を含んでいます。その中で人の生理機能に良い影響を及ぼす成分は「機能性成分」と称されています。当食品学研究室では、食品中の機能性成分の健康への有効性を、科学的に解明することを研究テーマとしています。さらに、機能性成分を増強した新規食品の開発や、食材の新たな利用方法の提言なども目指します。これらを通じ、健康増進や生活習慣病の予防に繋げられるよう、「食と健康」をテーマとした幅広い研究を行います。
卒業論文の研究テーマの例として、
・市販の各種健康茶の市場調査
・健康茶の機能性の解明
・機能性の観点からの伝統食品の再認識
・伝統食品の機能性の解明
などがあります。
伝統食品として、これまでに「かつおぶし」を取り上げました。その結果、かつおぶしは、単に旨味のある「だし」をとるだけのものでなく、機能性の観点から興味深い性質を示すことが明らかになってきました。
研究室のご紹介Vol.15 土江 節子研究室
|~Tsuttieesです!~
現在の主なテーマ
●入院中の食事療法は大事です!! 退院後も中断せずに続けてもらうための
研究をしています。
●病院で栄養食事指導をする管理栄養士さん、一般の方、の言葉のとらえ方の
違いについて研究しています。
●糖尿病になると摂取エネルギーを適正にしないといけません。でも、甘いものを
食べたい人だっています。そこで、エネルギーの低い甘味料を使った菓子
の開発をしています。
●今話題の『真空調理』についての研究をしています。カレーやきつねうどんの
あげを作っています。
●幼稚園児の家庭における食生活を調査し、幼稚園での給食(食育)の効果に
ついて研究しています。
●日本人の食事摂取基準について研究をしています。
研究室のご紹介Vol.14 田村 奈緒子研究室
~毎日の食事で健康で美しく!!~
私たちの生化学研究室では大きく2つのテーマで研究を行っています。
「抗酸化栄養素の探索」
活性酸素は呼吸するときに重要な役割を果たし、免疫細胞の武器としても用いられます。しかし一方でDNAや脂質を酸化し、生活習慣病や発癌、老化の原因ともなっています。そこでジュース、ハーブティー、乾燥果実などの抗酸化能を測定し、毎日の食事による抗酸化物質の摂取について考察しています。
「I型アレルギー抑制物質の探索」
福井大学医学部病因病態医学講座 微生物学領域研究室との共同研究としてI型アレルギー(食物アレルギーや、喘息、アトピー、花粉症が代表例です)について研究しています。
私たちは毎日摂取する食事で老化やI型アレルギー(花粉症などの不快な症状)を抑え、健康で美しく生きられたら素晴らしいと考えています。
研究室のご紹介Vol.13 田中 紀子研究室
~適切な栄養と運動が健康づくりの柱です。~
栄養学研究室では、次の3つのことについて研究をしています。
エネルギー代謝と骨格筋線維組成との関係
エネルギー代謝が促進するときには骨格筋では脂肪燃焼系線維が増加しており、線維における脂肪燃焼が内臓脂肪の減少に大きく貢献していることがわかってきました。運動やエネルギー消費を上げる食品成分について、肥満・糖尿病改善効果を筋線維レベルで研究しています。
L-アラビノース摂取による骨格筋線維組成の変化
L-アラビノースはトウモロコシや甜菜、リンゴなどに含まれる天然物由来の糖質で、小腸スクラーゼ活性を阻害し、スクロースの過剰摂取による肥満を抑制することが期待されています。本研究室ではL-アラビノースによるエネルギー消費量の変化と骨格筋線維組成の関係について実験を行い、L-アラビノースがラットの骨格筋を脂肪燃焼しやすい線維組成に変化させることを明らかにしました。
運動時の適切な栄養摂取について
スポーツ栄養という言葉を知っていますか?国内外で日本人のスポーツ選手が活躍していますが、そのスポーツ選手を支える裏方として管理栄養士が適確な食事指導やアドバイスを行い大きな力となっています。エネルギーや栄養素の摂り方は競技成績を大きく左右します。研究室では、食事調査や論文などから収集したデータに基づいて、現場のスポーツ選手に科学的な指導を行い、パフォーマンスの向上に努めています。
研究室のご紹介Vol.12 竹中 優研究室
~「遺伝子から見た体の働きと疾患」をテーマに研究しています。~
講義科目は臨床医学概論・臨床栄養学を担当している。
食と健康の専門職である管理栄養士は高度な医学的概念、知識を理解することが求められている。特に体の働きと疾患の状態(病態)とその栄養治療の理論を考え理解するのが目標である。ゼミで「遺伝子から見た体の働きと疾患」を大テーマに研究を行っている。
例えば
1)味覚に関する検討(ブロッコリーやキャベツなどの野菜に苦みを強く感じる人と
感じない人がいる。これは味覚に関する遺伝子の違いによると考えられている。
遺伝子のわずかな違いが食品に対する味覚に及ぼす影響を検討する)
2)骨密度と生活習慣の検討などを行ってきた。大学院では抗老化作用の
解析・疾患ストレスの影響について種々の研究を行っている。
研究室のご紹介Vol.11 高橋 孝子研究室
~特定給食施設の「栄養管理」について、研究しています。~
特定給食施設を対象に栄養管理を目的とした、栄養状態の評価、栄養計画、食事計画と食事管理に関する研究を行っています。
栄養管理とは何か、管理栄養士業務の視点でその意義、方法論について調べています。栄養管理における栄養アセスメントのうち、食事調査の精度を向上させるための課題を解決する方法を考察します。また、調査の結果をどのように評価・判定し、基準となる数値・食事摂取基準の活用について研究しています。
研究室のご紹介Vol.10 瀬口 正晴研究室
~生活習慣病を防ぐパンを考えます。~
食品加工と言っても幅が広いけど、本学の食品加工研究室は主に小麦粉を用いた膨化食品の研究を進めています。なぜパンやケーキが膨れるのでしょうか。なぜ膨化するのに小麦粉でなければいけないのでしょうか。日本の食の自給率(現39%)を考えたら小麦ではなく他の食材で膨化食品はできないのでしょうか。あるいはパンやケーキをベースにして健康によい食品はできないのでしょうかと夢は広がる。
最近の研究テーマとして、小麦粉中の各種ジスルフィド含有天然物(ネギ、ラッキョ等)やカプシカム属植物を添加してパンを焼いたり、小麦粉に酢酸ガス処理のような化学処理を施しながら製パン改良効果を調べ、それらの示すメカニズムを生化学的手法で調べています。またモチ小麦デンプン構造を調べながら粳デンプン中のアミロース分子の重要性を研究しています。さらに乾熱処理時に示すデンプン粒表面の親油性を利用した腎臓病患者用パン製造も展開しています。
セルロース粉末を用いた糖尿病パンも作りました。カステラ製造に必須の小麦粉乾熱処理の化学的意義について研究しています。
研究室のご紹介Vol.9 清水 典子研究室
~「管理栄養士」は食の応援団です。~
世界では、飢餓で苦しむ人々と、栄養過多が問題となる先進国との二極分化が進んでいます。豊かさが先行する食環境にある日本では、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防への取り組みが行われていますが、健全な食生活を実現するためには、健康と食を結ぶ専門家「管理栄養士」の力が必要です。
管理栄養士は、食の専門家としての知識、技術を学び、子供(おなかの中にいるとき)から高齢者まで、より健康的な食習慣を身につけ、実践するためのサポートをしていきます。料理を作ることが好きな人、食べることが大好きな人、健康について考えている人・・・・そんなあなたには、「おいしい料理を楽しく食べ、健康に暮らす」ことを、食をとおして推進する「管理栄養士」がお勧めです。
今、清水ゼミでは、子供たちの食と健康を中心に管理栄養士という職業を考えています。
研究室のご紹介Vol.8 佐藤 勝昌研究室
~健康に及ぼすいろいろな影響について注目しています~
医学の進んだ現代でも我々の健康を脅かす阻害要因は未だにたくさんあります。当研究室では健康について栄養学的,免疫学的,及び衛生学的観点から研究を行っています。特に,健康に及ぼす食物アレルギーなどの疾患による影響,食品の免疫賦活による影響,及び細菌感染による影響について注目し,疫学的あるいは実験的手法によって検討しています。これらの研究は,学内外の研究者と共同で行っています。
卒業論文作成のゼミ生にあっては,上述の3つの大きなテーマに沿った研究を行ってもらっており,特に実験系の場合には2~3名単位のグループで行うようにしています。
研究室のご紹介Vol.7 後藤 昌弘研究室
~「おいしさ」について夢と希望をもって研究しています。~
調理科学研究室では、調理に伴う栄養成分や物性などさまざまな変化についての調査をおこなっています。そして、これらの成果を通して食品のもつおいしさの要因を明らかにすることを目標としています。現在は近年注目されているクックチルシステムや過熱水蒸気加熱、低温スチーム加熱などの新しい調理法や調理機器を導入し、これらの調理特性を調べています。
2009年度の卒業研究テーマ
1.スチームコンベクションオーブンの温度、加湿条件が食品の物性や食味に
及ぼす影響
2.煮物調理時および冷却時ならびに冷蔵保存中の塩分および糖分の浸透
3.過熱水蒸気加熱時および冷却時ならびに冷蔵保存中の塩分および糖分の浸透
4.調理品の冷却、保存後の再加熱による物性や食味の変化
研究室のご紹介Vol.6 栗原 伸公研究室
~予防医学の研究をわくわくしながらやってます。~
当研究室では、栄養、休養、運動によって、ヒトの健康を守るための研究を行っています。具体的には、栄養成分や睡眠の疾病や健康状態への影響を調べる基礎的な実験的研究から、地域保健、産業保健における管理栄養士のあり方を含んだ疫学的研究に至るまで、幅広いテーマで調査・研究活動をしています。
現在の主なテーマは以下のとおりです。
1)食品中辛味成分やビタミン・ミネラルの高血圧・動脈硬化に対する
予防効果
2)食物繊維摂取による発癌物質吸収抑制効果
3)睡眠制限による脂質代謝への影響
4)栄養指導におけるコミュニケーションのあり方
5)幼稚園児に対する食育の実践
6)産業保健・地域保健活動における近未来の管理栄養士の役割
こうしたテーマを中心に、大学院博士後期・前期過程学生、ゼミ生、修士研究生、准研究助手とともに、また学内の他の研究室と一緒になって、日々楽しく、時に厳しく、研究を行っています。
研究室のご紹介Vol.5 狩野 百合子研究室
~オリーブオイルで「元気」を研究しています。~
「食品中の非栄養素の生体への新しい生理的機能の解明とその解析」をテーマに、特に、香辛料の中で、ガーリックに注目し、ラットにガーリックを投与したときの脂質代謝及び蛋白代謝への影響について研究を行っています。また、一価不飽和脂肪酸を多く含み、クロロフィルや、ポリフェノールなどの微量成分を多く含むエキストラバージンオリーブ油に着目し、体熱産生及びステロイド代謝への影響について研究しています。
<特に、今、行っている研究の具体的な内容は>
クロロフィルやポリフェノールなどの微量成分を多く含むエキストラバージンオリーブ油の健康への有効な効果について調べています。ラットにエキストラバージンオリーブ油やポリフェノールを投与したときの内分泌ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリンなど)分泌量を高速液体クロマトグラフィーで測定することにより、明らかにしていきます。
研究室のご紹介Vol.4 小倉 嘉夫研究室
当研究室ではコレステロールおよび胆汁酸の代謝に関する研究を行っています。胆汁酸はコレステロールの異化代謝物であり、脂質の消化吸収に必須の生体物質です。胆汁酸の代謝動態は古くから行われている研究テーマですが、近年では核内レセプターのリガンドとして様々な物質の代謝制御にも関わっていることが明らかになり、新しい展開が見られています。
研究テーマの1つには胆汁酸代謝に関わるプロバイオティクスについての研究があります。腸内細菌の新たな胆汁酸変換機能を利用して一次胆汁酸から有害な二次胆汁酸の生成を減らし、有用な胆汁酸に変換させる腸内細菌の探求は新しい食品開発の手法となり、また、生活習慣病の予防にもつながるものです。興味をお持ちの方は一度研究室を訪ねてください。